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【創作怖い話】東北某所のヤマガミ

〇談話1

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 わしは、青森の✕✕ちゅうとこで育ったんだども、
 いっぺん、おっがねえことがあってなあ。

 もう、ずっと前のことじゃ。
 わしもボケはじめとるけど、あの夜のことは忘れん。
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 猟犬のトラがけたたましく吠えとる。
 じいちゃんが見に行ったんでな。
 もしや、庭に熊でも降りて来たんかと。

 しかし、いつまで経っても帰らん。

 玄関に出てみると、じいちゃんが暗闇を見て、固まっとる。

「どうしただ?」と小声で呼びかけたら、
「銃持ってこ……あとタテ(槍)じゃ……」

 すぐ銃とタテを取りに行っただ。 
 じいさんが見つめる方向……大体、20mくらい先に、木が5本生えてたんじゃが、その、左から2番目と3番目の木の間に何かおる。

 目が慣れんで、はじめはよく分からんかったが、まあ簡単に言えば、でっかいトカゲじゃ。緑色のな……

 目が、6つあった。もしかしたら、8つあったかもしれん。

「お前は中さ入っとれ……」
 って言われたんで、その後どうなったのは見とらんが、間もなくじいちゃんは戻ってきた。

 冷や汗びっしょりでな……

「あれは恐らく、山の神様じゃ。村の誰かがばちに当たることしたのかもしれん」

 その晩は、ばあさんもじいさんも必死に念仏唱えておった。
 ――― ――― ―――

 孫が生き物好きでな……
 よく図鑑かなんか買って見せてくれるんだども、あんな生き物はどこにものっとらん。

 暗闇だもんで、よくは見えんかったけど、あれは間違いなく、熊でも鹿でもない。
 神さんってのはあんな姿をしとるんかいのう。
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〇更新記録
・2020年11月29日 記録
・2023年12月31日 記載
・2024年2月21日 更新
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