【創作怖い話】赤い人
自分は、幽霊をはじめとした非科学的なモノを信じないタチである。
しかしそれでも「あれは、一体何だったんだろう?」と忘れられないような経験、体験をする。
仮説は出来ても、過ぎ去った出来事である以上、真実は分かり得ないのである。
あれは、2020年10月初旬のこと……
私は、4時に目が覚まし、朝食を買いに近くのコンビニへ向かっていた。
朝4時とはいえ、車通り、人通りはあったのだが、横断歩道で、信号待ちをしていると、急に、ピタリと静かになった。
「あれ?」
思わず、周りを見渡した。
誰もいない。車も来ない。
ここまでなら、別におかしな現象でもない。
たまたま、人と車がいなくなった時に出くわしただけである。
しかし、その後である。
朝4時とはいえ、秋口である。
朝日こそ見えないものの、もう明るい。
ふと見た道路の先……200mほど先に、人影が見えた。
ただの人影ではない…… 全身が真っ赤だった。
赤タイツを着た変態だろうか?
私は恐怖を覚え、そいつから目が離せなくなった。
向こうへ歩いていく。
少し安心した……
しかし、私は新しい恐怖に気づいてしまった。
その人影……でかいのである。
街路樹をゆうに超えていた。
推定で、3m以上……明らかに人間の範疇ではなかった。
「え?」
薄暗い上に、200mほど離れていたため、直ぐには気づけなかったのである。
全身の毛が逆立った。
その時……
反対方向から車が走ってきた。
白いボックスカーである。
すると、赤い人影は、スタコラと逃げてしまった。
恐ろしく素早かった。
人間が出来る動きではなかった気がする。
ビビった猫のような……そんな動きだった。
あるサイトで、似たようなものを見つけた。
「アカマネ」というらしい。
かなり特徴は近いので、こいつと同一ではないかと思うのだが……
妖怪だか物の怪だか知らないが、奴らは人の視界が及ばないところにいるだけで、意外と身近に潜んでいるのかもしれない。
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〇更新記録
・2023年12月6日 記載
・2024年2月21日 更新
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