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【都市伝説】フォークロアまとめ ……信じようと信じまいと……

 フォークロアのまとめページが20以上に渡ってしまい、被っているのもあるので、1ページにまとめます。
 何種類あるんでしょうかね?
 最後には、自作のロアも加えます。
 ――― ――― ―――

〇出典・作者不明ロア

日本軍の赤い兵士
 
日露戦争時、ロシア軍の間で奇妙な噂が流れた。曰く……日本軍の中には時々赤い服を着た兵隊がいて、幾ら射撃しても倒れない。しかもこの兵士を撃つと眩暈がする。赤い服の中央には『喜』という字が書いてある。余談だが、日本の伊予には喜左衛門という狸の大将がいる。

 信じようと、信じまいと…… 

広島の謎
 
原爆が投下され「七十年間草木が生えることはない」と言われた広島市だが、ご存知のとおり、現在は爆心地周辺でも立派な樹木が立ち並んでいる。ただ、それらの樹木の皮から、なぜか動物性タンパク質が検出されていることについては、未だに解明されていない。

 信じようと、信じまいと……

鏡の中の自分
 
彼は鏡台の上の棚にある箱を取ろうと右腕を伸ばした。ふと鏡を見ると、そこに映った自分は左腕を上げていた。一瞬その顔が「しくじった」というような表情をした。気が付くと鏡には右腕を上げた自分が映っていた。

 信じようと、信じまいと……

神様の通り道
 
神社の参道の真ん中は神様の通り道であるため、歩いてはいけないという。それを疑問に思った好奇心旺盛な学生が、近所の神社でわざと参道の真ん中を通り参拝をしたが、結局何も起きなかった。拍子抜けした彼が自宅に戻ると、家具や小物、全てのものが逆さになっていた。

 信じようと、信じまいと…… 

火の玉
 
江戸時代、ある男が肝試しに出かけた先で、飛んでいた火の玉を見つけ思わず捕まえたが、どうにもおいしそうで飲み込んだという。その男は百年近く生き続けたが、突如行方不明になった。「まだどこかにいるのかもしれない」……男と最後に会った学者が死に際に語ったという。

 信じようと、信じまいと……

不明の祭神
 
地方のとある漁村には、豊漁の神社とは別に小さな社がある。詳しい祭神は不明だが、年に一度は供物を捧げることになっている。それをしないと、人間と同じような腕の生えた亀や、指の生えたヒトデなどが夜網にかかるようになるのだという。

 信じようと、信じまいと……

丁度良いスケーラー
 
被写体の横に、煙草の箱が置いてある写真を見たことがある人は多いだろう。それは、被写体のサイズと比較できるようにするための配慮であるが、世界的に禁煙の傾向が高まっている今、煙草の替わりになる物を検討中だという。大学の教授らが話し合った結果、成人男性の眼球が丁度良いという結論に至った。

 信じようと、信じまいと……

失敗をしない男
 
とある町に絶対に失敗をしない男がいた。何かしらの問題が起こるたびに完璧な解決をしてのける彼に、周囲の人々は絶対の信頼を置いていた。妻が何故失敗をしないのかと尋ねると彼は「僕にとって今日は四回目の今日なんだ」と答えたという。その後、二十四歳の若さでこの世を去った彼の死因は老衰だった。
 
 信じようと、信じまいと……

飲酒運転防止運動家の事故死
 
米国シカゴのある女性が、自宅のソファで眠っているところに、飲酒運転のジープが壁を突き破り部屋に飛び込んできて、彼女を無残にも轢き殺してしまった。皮肉なことに、彼女は飲酒運転防止運動家として有名で、ジープの運転手もまた、飲酒運転の前科がある男だった。
 
 信じようと、信じまいと……

自殺した少年
 
2011年7月11日、ワシントン州で12歳の少年が自殺した。彼はとても好奇心旺盛で、興味の持ったことはとことん調べる子供だったという。生前、彼は担任の教師や両親にこんな事を尋ねていた。「死」とは一体何なのか、と…… 

 信じようと、信じまいと……

最も美しく安らかな自殺の方法
 
ある科学者曰く、最も美しく安らかな自殺の方法は、百合の花をビニールハウスいっぱいに咲かせ、その中で一晩眠る事だという。そしてその方法で命を絶った人間はこれまで三人、いずれも女性だったが、そのうち一人の死に顔は苦悶に歪み、百合の花は全て腐り果てていた。彼女は地獄に落ちたのだろうか。
 
 信じようと、信じまいと……

真実の硬貨
 
質問が真なら表、偽なら裏が出る「真実の硬貨」がとある博物館にある。歴史上多くの権力者が使用したという記録が残されているが、数年前に床の隙間に挟まって以来取り出すことが出来ないでいる。最後に投げられた時の質問は「人類は滅ぶか」というものだったらしい。

 信じようと、信じまいと…… 

鬼を斬る名剣
 
ある腕の良い鍛冶屋は、王国より「鬼を斬る名剣を打て」との命を受けた。苦心する鍛冶屋の前に突如鬼が現れ、鍛冶屋の家族を惨殺して去った。鍛冶屋は怒りと憎しみに震え、血の涙を流し、家族の亡骸も葬らず剣を打ち上げた。復讐に燃える鍛冶屋……しかしその姿は、鬼を斬る剣を持つ新たな鬼の姿だった。

 信じようと、信じまいと……

カメムシの香水
 
開発中の香水の中にカメムシが飛び込むという珍事が起きた。研究者が慌てて廃棄処分しようとしたところ、なんともいえない良い香りが辺りに広がった。以後、成分表には非表示の「隠し味」としてカメムシのニオイは重宝されているらしい。これが、有名ブランドのNo.5という香水の誕生秘話である。

 信じようと、信じまいと……

逃げたトラクター
 
フィンランド南部のある村で、トラクター小屋が落雷で火事になり、全焼した。しかし、中に停めてあったトラクターは無事だった。ディーゼルエンジンを積んだトラクターが火事の熱でひとりでに発進し、ドアを突き破って「逃げ出した」おかげである。

 信じようと、信じまいと……

海底ケーブル切断事件
 
三十年前の某日深夜零時。日本近海の離島で、原因不明の海底ケーブル切断により、大停電が発生。島民全員が島から姿を消すという怪事件が起きた。調査によれば、海底ケーブルは何かに食いちぎられたように切れていたという。
 
 信じようと、信じまいと……

・障子の穴
 
日本独自の伝統文化の一つに障子がある。破らないように気を付けている人も多いだろうが、どんなに気をつけていても、指で開けたような穴があるときがある。そんな時は急いで穴をふさいだ方がいい。なぜなら、障子の向こうから穴をあけた「何か」が、こちらを覗いているかもしれないからである。

 信じようと、信じまいと……

無くなった携帯電話
 
ある男が、家の中で携帯電話をどこへ置いたか忘れてしまった。一階にある電話機から携帯へとかけてみると、階段の踊り場にあった携帯電話が着信音を鳴らした。男性は携帯電話を取った時に、気紛れで通話ボタンを押し、耳に押し当ててみた。そこから聞こえたのは、自分の笑い声だった。
 
 信じようと、信じまいと……

謎の本「余命」
 
とある図書館司書が、見覚えの無い奇妙な本を蔵書の山から見つけた。その本のページは、一日に一ページずつ減っていった。司書がその本を紛失してしまったため、現在のページ数はわからないものの、表紙に「余命」とラテン語で書かれていることだけは覚えているという。
 
 信じようと、信じまいと……

人間のモノでも動物のモノでもない指
 
オハイオ州のとある民家の庭先で、腐敗した指と思われる肉片が見つかった。鳥がくわえてきたと思われるそれを法医学者が検分すると、アクリル製の人工の爪が検出された。調査の結果、この指は人間のものでも動物のものでもないと断定された。
 
 信じようと、信じまいと……

・溺死者多発の湖
 
とある湖で、一時期溺死者が多数出たことがある。ある時一人の青年が、湖で溺れかかっていた少女を救出した。彼の迅速な判断と必死の救命行為により、少女は一命を取り留めた。「水面に映った自分に引きずり込まれた」少女は後に青年にそう話したという。
 
 信じようと、信じまいと……

・米粒を貫く髪の毛
 
深夜、ある男が夜食に炊いた少しの御飯と味噌汁を食べていた。何気なく食べていると、口の中に糸が入ってるような感覚があった。口を開け引っ張ってみると、それは髪の毛だった。その黒く長い髪は、まだ原型を留めているすべての米粒を貫いていた。

 信じようと、信じまいと……

魔術師の麻薬
 
世界最後の魔術師を自称する男が、かつてヨーロッパを放浪していた。彼は魔術を行使する際、トランス状態になるために、ある麻薬を使用していた。その麻薬とは、我々にもとても身近な代物である。現在の日本では文字通り「煙たがられて」いる物なのだが……
 
 信じようと、信じまいと……

・生きている靴
 
昔、デンマークに生きている靴があった。その靴が気に入った者しかそれを履けないのだという。ある日、傲慢な男が無理に足を突っ込もうとして悲鳴を上げて気絶した。男の足首から先は、噛み千切られたようにごっそりと無くなっていたという。
 
 信じようと、信じまいと……

・学生寮で発見された身元不明の死体
 
とある学生寮で男性の死体が発見された。その身元不明の死体は、警察や見物人が目を離した僅かな間に忽然と消え去った。そんな不可解な事件が人々の記憶から忘れ去られた18年後、一人の学生が入寮してくる。その男はかつて発見された死体と同じ顔をしており、常に気味の悪い笑みを浮かべていたという。
 
 信じようと、信じまいと……

・嘆く着ぐるみ
 
あるヒーローものの特撮で使用した怪獣達の着ぐるみを保管する倉庫が、撮影スタジオの中にある。夜、その中にひとりで入ると、どこからともなく恨めしい唸り声が聞こえてくるという。彼らはヒーローに負けたことを今でも嘆いているのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・60万年生きていた男
 
交通事故に遭って23年間意識不明だった男が目を覚ました。彼の話によると、彼は夢の中で60万年間生きており、自分が人間だった頃の昔の話はほとんど忘れてしまっていたそうだ。そして自分の寿命があと40~50年ほどであることを聞かされて、絶望していたという。
 
 信じようと、信じまいと……

・左右逆のイギリス硬貨
 
イングランド南東部である日、空から無数のコインが降り注いだ。現場に居合わせた人の話によると、コインは中空から湧き出たように降ってきたという。なかにはコインを拾う者もいたが、残念ながらそのコインは使えなかった。なぜならそのイギリス硬貨はすべて、レリーフが左右逆になっていたからである。

 信じようと、信じまいと……

・リンカーン暗殺の裏幕
 
1865年、アメリカのワシントン……ある男が三日間連続で不思議な夢を見た。内容は、町中の人々が喪服を着て嘆いている、というもの。男は周囲の人間にそれを話したが、誰にも聞き入ってもらえなかった。その男の名は「エイブラハム・リンカーン」合衆国第十六代大統領であり、その三日後に暗殺された。

 信じようと、信じまいと……

・消えた同窓生
 
とある小学校で同窓会が開かれ、タイムカプセルが掘り起こされた。懐かしい品々の中に一つだけ、誰も入れた記憶の無い人形があった。腕には「キエマス」と一言だけ書かれた紙が括られており、一緒に埋めていた集合写真の中央付近に子供一人分の空間があいていた。
 
 信じようと、信じまいと……

レゴブロックの巨大作品
 
とある海岸に、数十万個ものレゴブロックで組み立てられた二メートルほどのボートと、それに乗せられた小学生くらいの大きさの人形が打ち上げられた。何かのキャンペーンに使われた物だろうと思われたが、レゴ社に問い合わせても情報は掴めなかった。彼がどこから流れてきたのか、未だにわかっていない。
 
 信じようと、信じまいと……

ソリティアの偏り
 
Windows付属のゲーム「ソリティア」は、プレイする時間帯によって、場に並べられるカードに偏りが生じるという。噂によると、カードの引きが良い時間が長く続いた時は、世界のどこかで株価の暴落が起こり、反対に引きが悪い時間が続いた時は、世界のどこかでテロや暴動が起こるのだという。
 
 信じようと、信じまいと……

タイムラグ毒殺
 
夫婦喧嘩の末、妻が夫の殺害を企てた。ある夜、妻は酒に毒を混ぜ込み夫の晩餐に出した。夫はそれを飲み干したが、二日経っても健康そのものだった。妻は神の怒りに触れたのだと恐怖におののき、夫に全てを告白した。その瞬間、夫は倒れ、二度と目を覚ますことはなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・ウルエマ
 
東京都足立区のマンションで男性の遺体が見つかった。首を吊って自殺していた男の遺書には「ウルエマが来る」と書かれていた。以来、同様の遺書を残す自殺者は少数ではあるが、他の都道府県にも広まりつつあるという。正体不明の「ウルエマ」があなたの所にやって来る日もそう遠くないかもしれない。
 
 信じようと、信じまいと……

・ジッパーから出て来た赤ん坊
 
とある病院に、全身にやけどを負った赤ん坊が運ばれてきた。なんでも、熱湯を頭から被ってしまったらしい。赤ん坊は既に虫の息だったが、服を脱がせていた一人の医師が、その背中にジッパーの様な物を見つけた。引っ張ってみると焼け爛れた皮の中から、無傷の赤ん坊が笑いながら出てきたという。
 
 信じようと、信じまいと……

・感情の色
 
生まれつきの全盲である代わりに、人の感情をぼんやりとした色で捉えて傍にいる人物を把握し、視覚を補う少女がいた。危険に遭わないようにと少女は箱入り娘として育てられたが、後年その頃のことを思い出すと、両親は冷たい寒色しか発していなかった。
 
 信じようと、信じまいと…… 

・拍手の呪い
 
拍手という行為は単純でありながら、実に深い行為である。通常は、手を叩くという行為に賞賛や感動の意味を持たせて行うことが多いが、それはしばしば呪いの方法として用いられることがある。標的にのみ聴こえる大音量の拍手喝采を耳元で爆発させ、聴力を奪うというものだ。
 
 信じようと、信じまいと…… 

・僕はずっとこの中にいることにする
 
2003年、人気のオンラインゲームに熱中していた一人の少年が「僕はずっとこの中にいることにする」と言って自殺した。ゲームは遺族を通して解約されたが、その後も彼の名前でたびたびログインがあるらしい。現在会社側は、悪質な不正アクセスとして調査中である。
 
 信じようと、信じまいと…… 

・影を怖がる富豪
 
とある片田舎に、影を異様に怖がる富豪がいた。その男は決して外出をせず、彼の自宅は床からも壁からも光を放っていた。友人がなぜそこまで影を忌み嫌うのかと聞くと、彼は「連れていかれたくないんだ」とだけ答えたという。ある嵐の晩に、落雷による停電が起こった。その日から富豪は忽然と姿を消した。
 
 信じようと、信じまいと……

・右目に何があった
 
とある村で男の子が生まれたとき、助産婦とその母は、その子供を見るとすぐに右目を包帯で隠した。彼は四十歳のときに死ぬまで包帯を巻き続け、結局、右目がどうだったのかを知る者はいなかった。
 
 信じようと、信じまいと……

・一秒消えて三秒点灯
 
蛍光灯は古くなると点滅し始め、私たちは新しい蛍光灯と交換する。実はこの点滅で、幽霊が部屋にいるかどうかを確かめることができる。何種類かパターンがあるらしいが「一秒消えて三秒点灯」の時は要注意。タチの悪い悪霊がその部屋にいる証拠だそうだ。
 
 信じようと、信じまいと……

・給料調達機
 
定年退職して間も無い男性が亡くなった。司法解剖の結果、死因は重度の腸閉塞であり、腸は壊死しかかっていた。医師は「こんな状態なら、常人なら、壮絶な痛みに襲われるはずだ」と首をかしげた。男性は生前、妻から「給料調達機」と呼ばれていた。たしかに、機械は痛みを感じないが……
 
 信じようと、信じまいと……

・マネキン人形に恋をした男
 
フランスに、マネキン人形に恋をした男がいた。町の洋品店に通い詰め、店先にあるマネキンに愛の言葉を囁くのだ。見かねた店主は、男に諦めさせようと、隣にあった男性型のマネキンに、そのマネキンの肩を抱かせてみた。翌日から男は、男性型のマネキンに呪詛の言葉を囁くために、店に通うようになった。
 
 信じようと、信じまいと……

・ロアの一部になったユーザー
 
ある日、フォロワーと思しきユーザーからDMが送られてきた。内容は「自分がどう考えてもRTできない時間帯にロアbotのツイートをRTしている」というものだった。そのユーザーのホームにアクセスすると、既にアカウントは存在していなかった。次にロアの一部になるのは、あなたかもしれない。

 信じようと、信じまいと……

・夢で拾った綺麗な石
 
ある男性はその晩、愛車に乗って世界中を旅する夢を見た。彼は観光を大いに楽しみ、お土産として世界各国の綺麗な石を拾っておいた。目が覚めた次の日の朝、会社に行こうとしてガレージに入った彼は愕然とした。そこには愛車が無かったばかりか、大量の石が山のように積んであったからだ。
 
 信じようと、信じまいと……

・島根の不思議な鏡
 
島根県のある神社には、不思議な鏡が奉られている。鏡面の下地に問題でもあるのか、移り込むものが二重にぶれて見えるのだ。普段は何も問題がないのだが、ぶれずに写った時は要注意。それは鏡に魅入られた証拠であり、近々「神隠し」にあう前兆だからである。

 信じようと、信じまいと……

・蛇のDNA
 
ある男が傷害事件で逮捕された。男は無実を主張したが、被害者の血が付いたナイフが決め手となった。結果、男には有罪判決。全ては丸く収まった。被害者の物と一致した血から、蛇のDNAが検出された他は……

 信じようと、信じまいと…… 

・放火殺人犯の怪出産
 
1981年、放火殺人を犯した女が終身刑の判決を受けた。女は入所直後から独房に入れられ、他の受刑者と接することは一切なかったにもかかわらず、87年に妊娠が確認された。翌88年、女は焼け焦げた白骨死体を出産した。

 信じようと、信じまいと……

・不滅の刺青
 
とある町をハリケーンが襲った後、全身に奇妙な刺青をした真新しい死体が発見されたが、どれだけ調べても死体の身元は分からなかった。のちにその刺青はある部族にのみ口伝で伝わる「不滅の刺青」と判明したが、部族の長の話によると、ここ二百年近く、その刺青を施された人間はいないという。

 信じようと、信じまいと……

・閉ざされた螺旋階段
 
都内某所の女子高に閉ざされた螺旋階段がある。窓のひとつもないそこを降りていくと、やはり窓のひとつもない小部屋がひとつ。その中央に、電話が一つ置かれている。電話線はもちろん通じていないが、時々閉鎖された扉の前を通るとコール音が聞こえるという。

 信じようと、信じまいと……

・謎の伝染病「オイ」
 
紀元前二千年前のエジプト人神官の記録。「最近妙な伝染病が流行している。発病した者の髪は徐々に白くなり、皮膚はたるみ、力がどんどん無くなっていく。最期にはぴくりとも動けなくなる。未だ治療法は見つかっていない。我々はこの病気を、一人目の患者の名前にちなんで『オイ』と呼ぶことにした」

 信じようと、信じまいと……

・金縛りにおけるもう一つの原因
 
金縛りの原因は大きく分けて二種類ある。ひとつは閉眼型、開眼型の睡眠麻痺。そしてもうひとつは、あの世のものがこの世に侵食した際に生じる加重だといわれている。
 あの世とこの世が重なり合えば、その重みで動けなくなるのだ。

 信じようと、信じまいと……

・14日、赤
 
イギリスの地下鉄で、一つのトランクが忘れ物として届けられたとき、長年そこに勤めている駅員は「またか」と渋い顔をした。なんでも、地下鉄が開通して以来、同じトランクが一年に一回届けられるそうだ。中身も毎年同じで、KとQが無いトランプ、そして「14日、赤」とだけ書かれたメモだけだという。

 信じようと、信じまいと……

・消しゴムの逃亡
 
消しゴムは、数えきれない程の字や絵を消すが、最後には自分自身が消されてしまうことに恐怖を感じ、誰もいないときにこっそり逃げ出すという。あなたの消しゴムも、逃げ出してないかよく確認して欲しい。

 信じようと、信じまいと…… 

・蚊柱の中央
 
夏の水辺などで見られる、羽虫が一ヶ所に集まって、柱のような形を成す「蚊柱」……これはユスリカのメスの周囲に、交尾を目的としたオスが、大量に集まってできる代物だ。とある片田舎では、天まで届かんばかりの巨大な蚊柱が発生した。その中央には、いったいどれ程の「いい女」がいたのだろうか……

 信じようと、信じまいと……

・トキソプラズマ
 
トキソプラズマという寄生虫をご存知だろうか。人類の半数以上に感染している、おおよそ無害とされている寄生虫である。しかし、この虫がネズミに感染すると、ネコへの警戒心が無くなるなどの異常行動を取る。最近、統合失調症の原因が、トキソプラズマに脳を乗っ取られたという説が浮上している。

 信じようと、信じまいと……

・おかえり
 
家に帰るとカギがかかっている。何度チャイムを鳴らして応答はなく、ノックしても電話をしても誰も出てくれない。仕方なくカバンからカギを取り出し、ドアを開けると家族は夕食を食べていた。いつものように笑顔で「おかえり」……

 信じようと、信じまいと……

・机の中のインク
 
とある旧家に残された日記には、不可解な記述がある。机にインク瓶をしまっておくと、いつも翌朝には消えてしまうというものだ。日記の主の曾孫にあたる人物はある日、自分の机の中からいくつもの見覚えのないインク瓶を見つけた。それはまぎれもなく曽祖父の時代に作られたインクであった。

 信じようと、信じまいと……

・ロアとゾロ目
 
このロアをゾロ目の時間帯に見ると、その人にはちょっとした幸福が訪れる。しかしゾロ目が有り得ない六時~九時の間にゾロ目を出そうとしてはいけない。それを見た人は存在し得ない時間帯と同じように、人々の記憶から消えてしまうからだ。

 信じようと、信じまいと……

・新宿某デパートの防火扉
 
新宿の某デパートには 防火扉が数多く設置されているが、その中に閉まったまま、つまり通路を塞ぎ続けているものがある事を知っている者は少ない。少し近づいただけではわからないが、扉に耳を当てるとパタパタと足音が聞こえるという。

 信じようと、信じまいと……

・蝙蝠の羽
 
とある片田舎で、羽を備えた爬虫類のミイラが発見された。これぞドラゴンかと住民達は一時騒然となったが、一人の男が、自分が蝙蝠とイグアナの死体を縫合して作った偽物であると語ったため、落胆と共に騒ぎは収まった。ただ、開帳60cm以上の蝙蝠の羽の出所がどこなのか、男が喋ることはなかった。

 信じようと、信じまいと……

・登場人物に見張られる
 
某作家はある日かかってきた無言電話を境に、作品の構想が噴出するかのように浮かぶようになった。彼はその後、ベストセラー作家の仲間入りを果たすのだが、その後、常に自分の作品の登場人物に見張られている気がするという。

 信じようと、信じまいと…… 

・第4の色
 
人類の4%は色盲であり、96%は色覚健常者と言われているが、これは誤りである。実際には0.7%の人間が、赤でも青でも黄でもない第4の色を見ることができる。多くの人間は、街がその色で書かれた自分たちをあざ笑う落書きで溢れていることを知らない。

 信じようと、信じまいと…… 

・こいつがママを殺した!
 
生後一ヶ月の赤ん坊とその母親が公園を散歩中、通り魔に襲われ、母親は殺害されてしまった。五年後、その子供は叔父に連れられデパートで買い物をしていたが、突然一人の男に近づき叫んだ。「こいつがママを殺した!」慌てて外へ逃げ出した所を事情聴取すると、正にその男が五年前の殺人犯だった。

 信じようと、信じまいと……

・紅い瞳をした女
 
とある精神病院で「ドアの向こうに知らない女がずっと立っている気がする」と訴える患者が激増した。奇妙な事に患者全員が、紅い瞳をした女だと医者に話したそうだ。

 信じようと、信じまいと……

・雷に恨まれた男
 
ある男は、戦場で落雷に遭い負傷した。除隊後、故郷で釣りを楽しんでいたところ再び落雷に遭い大火傷を負った。またあるとき、公園を散歩していた彼はまたしても落雷を受け、とうとう命を落とした。しかし雷はそれでも容赦しなかった。数年後、とある墓地一帯に落雷があり、男の墓石を粉砕した。

 信じようと、信じまいと…

・遺体に殺された解剖学者
 
十七世紀末、ある解剖学者は、生涯に数百体の遺体を解剖した。当時、解剖用の遺体は、埋葬されたばかりの新鮮なものを墓場から盗掘して使っていた。ある日いつものように彼が遺体を解剖していると、遺体が突然息を吹き返し、勝手に切り刻むなと怒鳴った。彼はそのショックで心臓麻痺を起こし、死亡した。

 信じようと、信じまいと……

・廃病院の螺旋階段
 
とある廃病院では、かつて非常用として使われていた螺旋階段の一番上から吹き抜けを見下ろすと、下から自分にとってもう会えない大切な人が手を差し伸べてくるらしい。自分も手を差し伸べながら階段を降りてゆくと、階段を降りきるまでにその人の手に触れ合えるという。しかし、戻り方は誰も知らない。

 信じようと、信じまいと……

・真実を記載したロアについて
 
ロアの中には作り話もあるが、真実の話もある。そして何より、ロアは真実になる力を持っている。多くの人々の間を駆け抜け、語り継がれ、真実になる力を持ったロア。それは今まで語られてきた中にも存在する。

 信じようと、信じまいと……

・フェレットの悲劇
 
ある家では室内犬とフェレットを一緒に飼っていた。普段二匹とも仲良くじゃれあったりして遊んでいた。家族が旅行で二日ほど留守にして戻ってみると、犬がうずくまっている。そして中からフェレットが這い出してきた。犬の内臓はフェレットによって完食されていた。

 信じようと、信じまいと……

・クリスとジョージ
 
クリスという男は、自分が囚人であるという夢に悩まされていた。精神科医にも通ったが一向に回復しない。しかしこの男、実際はジョージという囚人であり、クリスという男は夢の中の存在であった。それでも彼は獄死するまで自分はクリスだと信じ続けた。あなたは今、本当に目を覚ましていますか?

 信じようと、信じまいと……

・棺桶に触れられる一族
 
噂では、天皇が亡くなったとき、ある一族だけがその棺桶に触れることができるという。その一族は某県の北部に身を置いているといわれているが、そこには交通機関が通っていないという。それが意図されたものなのかは誰も知らない。

 信じようと、信じまいと…… 

・ジョージと鏡とジョン
 
アメリカのとある田舎町で起きた出来事。ある朝、目覚めたジョージは鏡をのぞき仰天した。自分が映っているはずの鏡に、友人のジョンが映っていたのだ。ジョージはあわててジョンに電話をすると、彼は震えた声でこう言った。「今、俺がのぞいている鏡にお前が映っている」

 信じようと、信じまいと……

・悪魔を封じ込めた箱
 
とある教会には「悪魔を閉じ込めた箱」があったという。箱を振ると確かに、カタカタと中に何かが入っているような音がしたという。ある日、TV局のレポーターの女性がそこに訪れ、牧師に無断で蓋を開けてしまった。しかし、箱の中には何も見つからなかった。

 信じようと、信じまいと……

・闇解体業者の謎
 
子供を誘拐しては解体し、その肉を販売していた夫婦が逮捕された。夫婦の自宅からは二十人分の子供の骨が発見され、本人たちも殺害を自白したが、彼らが言い渡されたのは「詐欺罪」だけだった。回収された骨は、全てが人間のものではなかったのである。

 信じようと、信じまいと……

・強すぎるUFO
 
ドイツのバルト海沿岸にUFOが飛行しているのが発見された。戦闘機六機が緊急発進しUFOに接触、次々に空対空ミサイルを発射したが、発射された途端に全てのミサイルが爆発してしまった。帰投出来たのは攻撃を実行しなかった一機だけであった。

 信じようと、信じまいと……

・未来のカルテ
 
とある山中に、ほとんど朽ちかけた廃病院がある。そこに放置されている無数のカルテの中には、訪れた者の未来の病状が記載された物が存在している。そのカルテを見つければ、病を未然に防ぐことができるが、その後必ず、何らかの形で「診察代」を請求されるという噂だ。

 信じようと、信じまいと…… 

・雪山の足跡
 
猟師が、雪山で見た事もない獣の足跡を見つけ、それを追っていくうちに妙なことに気が付いた。足跡がだんだん小さくなっている。やがて豆粒大になった足跡が、雪原の真ん中で消えていた。

 信じようと、信じまいと……

・マジシャンの葬儀
 
あるマジシャンの葬儀が静やかに執り行われていたときのこと。火葬を終え、引き出されてきた台を見て、係員は目を見張った。そこには焼け朽ちた棺以外、何一つとして残っていなかったのである。それは彼の最大にして最後のイリュージョンだったのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・異常な腐乱死体
 
とある海域を航行中だったパプアニューギニアの漁船が、海面付近を漂う、巨大なサメの腐乱死骸を引き揚げた。それは発見された部位だけでも18mを優に超えるであろう巨躯であったが、その頭部は何者かによって一口で喰い千切られたかのように失われていた。

 信じようと、信じまいと……

・石油コーラ
 
博士がある実験をしていると、茶褐色の液体が出来た。液体からは甘い香りがしたので、炭酸水で溶いて近所の人に売ったところ、大好評を受け、やがて世界へと広まった。これがコーラの誕生である。その製法は今でも変わらないが、博士が研究に使っていたのは石油であったことは誰もしらない。

 信じようと、信じまいと……

・聖歌隊初めての遅刻
 
ある日の朝、とある教会がガス爆発により全壊したが、事故の前に集合していたはずの十五人の聖歌隊員たちは、幸運にも全員が遅刻していて助かった。寝坊した、宿題を忘れた、体調不良、腕時計の故障など、それぞれが別々の理由で、真面目なメンバーたちが「聖歌隊に入ってから初めての遅刻」をしたのだ。

 信じようと、信じまいと……

・棺桶の鈴
 
埋葬した人が、棺桶の中で息を吹き返すということがある。そのまま窒息させてしてしまうのを防ぐため、中で動きを感知すると警報音が鳴る棺桶が作られた。ある晩、その棺桶から警報が響いた。それは保管してあった棺桶全てで、中に誰も入っていないものだった。

 信じようと、信じまいと……

・電気人間
 
十四才の小柄な少女は確かに電気人間だった。彼女を調査に来た医者が彼女に触れた瞬間、目の前がブラックアウトした。少女は本人にもわからないうちに高電圧を発生し、医者の意識をとばしたのだ。幸いなことに、この奇妙な現象は彼女が成年に達したときに消えた。

 信じようと、信じまいと…… 

・怪通報
 
とある田舎町で、空き家から多数の人間の死体が見つかったという通報があった。警察がそこへ向かうと、家は解体作業の最中で、そのような通報をしたものは誰もおらず、死体もなかった。警察は悪いいたずらと判断したが、それからしばらくの間、付近の住民は原因不明の腐敗臭に悩まされたという。

 信じようと、信じまいと……

・コックリさんのロア
 
科学的に説明されようが、現在も不気味な噂を作り続けるコックリさん。日本人であれば、基本的な方法は誰もが知っているだろう。指を十円玉に乗せ、無意識のうちにメッセージを作り上げる。ところで、今ロアを読んでいるあなたのマウスはどんな動きをしているだろうか?

 信じようと、信じまいと…… 

・ユーカリとコアラ
 
ユーカリの葉はコアラの大好物として有名だが、実はかなり強い毒が含まれている。ある研究者がコアラをユーカリ以外の食品で飼育したことがあった。するとコアラは実にアグレッシブな動物に成長し、軽快なフットワークで飼育係を翻弄したという。
 
 信じようと、信じまいと……

・地上へ消えた鳥達
 
ある夫婦が畑仕事をしていたときのことである。夫がふと顔を上げると、何十羽もの渡り鳥の群れが飛んでいるのが見えた。その直後、鳥たちがまるで銃で撃たれたように次々と落下していくのである。二人が唖然としている間に、鳥たちは全て地上へと消えてしまったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・Google「階段の怪談」
 
検索サイト「Google」で「階段」と検索すると、膨大な数のページが表示されるが、ときたま、たった一件しか表示されないことがある。そのページは階段の写真が一枚表示されているだけのものだという。もちろんこの階段を上がることはできないが、誰かが下りてくる可能性は否定できない。

 信じようと、信じまいと……

・ベイカー不可能殺人
 
ある富豪が、死の間際に自身が犯した罪を家族に告白した。彼は若い頃、旅先で知り合ったベイカーという男を殺し、彼から奪った金を元に今の地位を築いたという。富豪の死後に遺族が調べた結果、確かに殺人事件は起きていた。ただ、記録によれば「ベイカー」が殺されたのは二百年以上前のことだった。

 信じようと、信じまいと……

・ファントム・ロック
 
ある公園には、ファントム・ロックと呼ばれる岩があるという。名前の通り、その岩は現れたり消えたり、別の場所に出たりするのだ。ツアーガイドは適当な岩をみつけては「これがファントム・ロックだ」と説明しているが、実際どれが本物なのか、誰も知らないのだという。

 信じようと、信じまいと…… 

・神々の住む山
「村の真ん中にそびえる山には、神々が住んでいる」
 そんな言い伝えのある村があった。しかしその村は平野に位置し、山などある筈も無かった。彼らは一体何を見て、何を後世に語り継いだのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・空白の五十年
 
ある少年が廃れたレコード屋で不思議なレコードを買った。再生ボタンを押したが何の音も流れない。数分後、遠くで声が聞こえた。
「おじいちゃん、一緒にお散歩行こうよ!」
 そこには自分の名を呼ぶ五歳くらいの少女と、老人がいた。そのレコードの題名は「空白の五十年」。彼が見たのは幻だったのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・井戸から国歌斉唱
 
ある日曜の午後、ドイツの小さな村に国歌斉唱が響いた。村人たちは辺りを見渡したしたが、不思議なことにそれを歌う集団が見当たらない。すると一人の少年が「ここから歌が聞こえてくる」と言って村の広場の大きな井戸を指さした。荘厳な歌声は確かにそこから聞こえていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・疫病と墓標
 
村に疫病が蔓延したと、住人のひとりが隣町へ助けを求めにきた。多くの医師がその村に向かったが、村のあった場所には大量の古い墓標だけが残されていた。助けを求めてきた男も既に失踪しており、その場所には、今でも墓標だけが残っているという。

 信じようと、信じまいと…… 

・ハムCD
 
パッケージを開くと全然違うCDが入っている。そんなずぼらなCD管理をしている方は多いかもしれない。ある男が以前、適当にCDを選び、プレイヤーに入れたところ音が出ない。不思議に思い中を見るとハムが一枚入っているだけだったという。

 信じようと、信じまいと……

・エジソン最後の発明
 
「発明王」として名高いエジソンを知らぬ者はいないが、彼の最後の発明を知る者は少ない。晩年、霊界の研究に明け暮れた彼の最後の発明は、霊界交信機だという。ただ、この発明品は現存しない。遺族が不名誉だと破棄してしまったからだ。天才の最後の発明が、成功だったのか否かを確かめる術はもうない。

 信じようと、信じまいと……

・NO LIVING THEATER
 
映画館で映画を見ていた大学生のジョンは、ふと館内の壁に「NO LIVING(禁生)」と書かれていることに気付いた。周囲をよく見ると、観客は全員死んでおり、しかも全員が彼の方向を見ていた。彼は発狂しそうになりながら、やっとのことで逃げ帰ったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・「落とし」の達人
 
名物刑事のロバート・パールマンは「落とし」の達人として知られている。どれほど頑強に否認する容疑者も、彼の口にかかれば必ず自白するのだ。そんな彼だが、取り調べの際は絶対に同僚を同席させないという。同僚がロバートの喋りで「オちて」しまうのを防ぐためである。

 信じようと、信じまいと…… 

・書き綴ったもの
 
イタリアのある学者が、書斎で死んでいるのが発見された。彼は数日前から書斎に篭り、一心不乱に何かを書き綴っていたと言う。しかし、書斎から発見されたのは、幾多もの真っ白い紙だけだった。彼は一体何を書いていたんだろうか。 

 信じようと、信じまいと……

・ウチのタマと……
 
キャットフードを食べる変わり者は意外と多い。実際にキャットフードを食べ、レビューを行っているHPもちらほら存在する。以前開設されていたキャットフードレビュアーのブログには、とある製品のレビューに一言「うちのタマと同じ味がする」とだけ書かれていたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・プラスチックの部品
 
とある交差点で、少年が電信柱にテープで留められた透明なプラスチックの部品のようなものをみつけた。何だろうと思い覗き込んでいると、中年の女性がやってきて横からそれを毟り取り、微笑を浮かべながら持ち去っていった。
 
 信じようと、信じまいと…… 

・出産のずれた双子
 
双子を身ごもった妊婦が、帝王切開の末出産したが、一人しか産まれなかった。しかし女性は二ヵ月後に二人目の男の子を出産した。この事件は地方新聞の記事になったが、これには後日談がある。十八年後のある日、弟が兄と母親を殺害したのである。

 信じようと、信じまいと…… 

タイムマシン
 
2000年6月、ある人物がタイムマシンを発明し、オークションに出品した。ところがオークションが終了する前に、同じタイムマシンを出品する人物が現れた。「私はタイムマシンを落札し使用したが、使い心地が非常に悪いので誰か引き取って欲しい」

 信じようと、信じまいと…… 

・猫の鳴き声の入ったCD
 
ある音系同人サークルは猫の鳴き声に悩まされていた。というのも、音源をいくらチェックしても聴こえないのに、製品化されたCDを聞くと必ずどこかのトラックに猫の声が聞こえたのだ。そこで、試しに犬の鳴き声を混ぜたトラックを入れたところ、それ以来猫の声は入らなくなったという。

 信じようと、信じまいと……
 
・飛行機に殺される男
「私は飛行機に殺される。絶対に飛行機には乗らない」
 予言者を自称するアメリカ人の男は、常日頃からそう言っていた。9.11テロがあった日も、現場近くに行く予定をキャンセルしていたため命拾いし、大笑いしたという。その二日後、彼は飛行機の燃料会社に勤める男の車に轢かれて即死した。

 信じようと、信じまいと…… 

・時空の歪み
 
時空の歪み(ひずみ)は各地方に点々と存在している。歪み同士が繋がっている場合もあり、この歪みに足を踏み入れることで、いわゆる「神隠し」が起こるといわれている。何より怖いのは、歪みがいつも同じ場所にあるとは限らないことだ。

 信じようと、信じまいと……

・地震を予知できる子供
 
ある男の三歳になる息子は、地震を数秒前に予知することができた。しかしそれは決まって家の中にいるときだけだった。あるとき男はふざけて息子の足の裏をくすぐった。息子の足の裏には、細く透明な毛が隙間なくびっしりと生えていた。

 信じようと、信じまいと……

・契約は成立しました
 
ある男が「悪魔との契約」というミステリー小説を出版した。その小説はベストセラーになったが、作者はその翌年に、二十五歳という若さで短い生涯を終えた。男の葬儀後、遺品を整理していた友人は、書斎で彼のメモ帳を見つけたが、その中には「契約は成立しました」とだけ書かれていた。

 信じようと、信じまいと…… 

27に殺された男
 
自分は「27」に殺される、と普段から恐れていた男がいた。その男は34歳のとき、通り魔に刺され、搬送された病院で手術中に死んでしまった。逮捕された通り魔は27歳。男の治療にあたった医者も27歳だった。一体どちらが男を殺したのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・鉄骨少女の幸運
 
何年も前から同じ夢を見る少女がいた。内容は「町を歩いていると空から何かが落ちてくる」というもので、いつも肝心なときに目が覚める。数年後のある日、少女が町を歩いていると、空から鉄骨が降ってきた。少女は鉄骨に当たらなかったが、その鉄骨には紙が貼っており「運がよかったな」と書かれていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・メアリーの部屋
 
ある学者が「メアリーの部屋」という実験を行った。生まれて間もない女の子を白と黒しかない部屋で育てるというものである。学者が死亡した後、助手はメアリーを部屋から出すことにした。白と黒と肌色しか見た事のないメアリーは、色彩豊かな外の世界を見るなり発狂してしまった。実験は成功と言えるだろう。

 信じようと、信じまいと…… 

・背中に羽を生やした女の子
 
訓練飛行中だった戦闘機三機が、何らかの飛行物体に突如爆撃され墜落した。パイロットは奇跡的に生き残った一人を除いて死亡。レーダーには感知されなかったその物体は、UFOや敵国の最新型戦闘機などと噂されたが、生存者は「背中に羽を生やした女の子にやられた」と語っている。

 信じようと、信じまいと…… 

・明かりがつかない外灯
 
正確な場所は伏せるが、品川区のとある公園には「明かりがつかない外灯」がある。何度蛍光灯を交換しても、どうしてもそこだけ灯らないのだ。犯罪の火種になるのではないかと心配されたが、これまでにそういった事件は起きていない。ただ、この公園に住むホームレスの行方不明者は都内で一番多いという。

 信じようと、信じまいと…… 

・扉を開ける夢
 
ある男は、最近扉を開ける夢ばかり見るんだと友人に相談していた。友人は、何か新しい進展がある暗示じゃないかと言ったが、その扉は何重にも連なっているらしい。数日後、男は晴れ晴れとした表情で言った。
「扉が最後の一枚になった」
 翌朝、男は死体となって発見された。彼が開けていた扉は一体……

 信じようと、信じまいと…… 

・ロサンゼルス行き725便
 
ロサンゼルス行き725便、離陸中の旅客機でそれは起きた。席の一角を占めていた数十人の客の一団が、飛行中忽然と消えてしまったのだ。乗務員のひとりが、消えた乗客の席にメモが落ちているのを見つけた。それにはこう書かれていた。
「自分たちで行った方が速いので途中で降りさせていただきます」

 信じようと、信じまいと…… 

・過去形のない言語
 
言語には民族や文化によって様々な特徴が存在する。ある民族は過去形の無い言語を操るという。過去の概念そのものがないので、遠い先祖のこともまるでその場にいるように話している。彼らは過去が見えているのだろうか、それとも過去に生きていた者たちが見えるのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・神様へのなりすましも凍結対象かよ
 
ある男性がツイッターで「このツイートが100RTされたら世界を平和にする」とつぶやいたところ、突然アカウントが凍結され、そのアカウントは永久に利用できなくなった。「神様へのなりすましも凍結対象かよ」とは、彼の言い分である。

 信じようと、信じまいと……

・演奏してはいけない呪いの曲
 
有名な音楽ゲーム「太鼓の達人」には、演奏してはいけない呪いの曲がある。家庭用では目にすることは無く、ゲームセンターでごく稀に出現する超難曲である。余談だが、アフリカのある部族には、太鼓を叩いて相手の死を祈る呪術が伝わっている。曲を失敗すると死は本人に返ってくるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の水道管整備屋
 
某県某市の水道局は、警察に連絡した方が良いのか判断に困っていた。整備が必要な水道管や送水管などを、誰かが勝手に清掃・修繕しているのである。市の予算が浮くので喜ばしい事なのだが、気味が悪いことには違いない。なにしろ水道管の大小を問わず「誰かが中に潜って作業をした」痕跡があるからだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・仕事人間
 
とある商社に勤めていた男は、自他共に認める仕事人間であった。仕事のためなら妻子をも忘れるという彼も歳を重ね、定年退職することとなった。退職後、妻とどう過ごすかを考えながら帰宅しようとした彼は自分自身に苦笑した。どう歩いても会社の前に行き着いてしまうのだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・魂21g
 
人間の魂が21gなのは有名な話である。幽霊や死後の世界を研究しているある科学者が、心霊スポットと呼ばれる場所に計りを置いたところ、針が21gをさした時に写真を撮ると光が写り込んだりしたが、針が0をさした時は何も写らなかったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・幻肢現象
 
交通事故で右腕を失ったある男は、それ以来いわゆる「幻肢現象」に悩まされている。その現象は、ないはずの右腕が痛んだり、痒くなったりするのが通常だが、彼の場合は少し違った。「薄気味悪いことに、僕の右腕を時々誰かの冷たい手が引っ張ってくるんだ」と、彼は語った。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の町「ナッシング」
 
アメリカのアリゾナ州に、総人口四人の全米一小さなナッシングという町があったが、1988年に火事で全焼し、町の名前通り何もなくなった。
 
 信じようと、信じまいと……

・A婦人の無限再生細胞
 
病院では、すべての患者の細胞をサンプルとしてひそかに採取している。それを元に極秘に研究をする機関があるらしいのだ。中には、人間以外の遺伝子を持つ細胞や、不老不死の人間の細胞などもあるらしい。一つだけ公表されているのが、世界中で研究されている「A婦人の無限再生細胞」である。

 信じようと、信じまいと…… 

・言葉の売買
 
ある部族では、言葉が売買の対象とされていた。誰かが買った言葉は、それ以降他の者が使うことを禁じられた。ある日一人の男が死んだが、葬式では悔みや祈りの言葉は無かった。何故ならそれらの言葉は、死んだ男が買い占めてしまっていたから。

 信じようと、信じまいと……

・左目の謎
 
ある女性が左目の角膜移植手術を受けた。手術は成功したが、退院直後から彼女は妙な症状を訴えるようになった。時々、誰かに見られているような、まるで自分の内側を見透かされているような……それを聞いた友人は彼女に告げた。
「あなた最近よく左目だけ白目剥いてるわよ、知ってた?」

 信じようと、信じまいと…… 

・妻を消した男
 
ニューヨークのアパートで男の自殺死体が見つかった。そして、机の上の遺書にはこう記されていた。
「私はとんでもないことをしてしまった、妻を消してしまった」
 しかし男は未婚で、妻はいなかった。男は狂っていたのか、それとも……

 信じようと、信じまいと…… 

・世界最小の幽霊
 
ギネスに申請されたが受理されなかった「世界最小の幽霊」の話。宝石職人を営む男性はある日、客の注文を受けて拡大レンズを覗き込みながら5カラットのダイヤをカットしていると、ダイヤの中に女性がいるのが見えた。彼は驚きのあまり声も出ず、彼女が消えるまでずっと、互いに見つめ合っていたそうだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・ネットゲーム中毒息子
 
ある少年は重度の引きこもりで、ネットゲーム中毒であった。息子の態度にとうとう腹を立てた父親はある晩、彼のパソコンを取り上げ、ゲームのアカウントを消してしまった。すると少年は父親の目の前で煙のように消えてしまった。彼は、自分の居場所はネットゲームの世界しかないと思っていたのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・叫び続ける男
 
あるテレビ局が、南米の密林に住んでいるという「叫び続ける男」を取材しに行った。その男は昼夜を問わず、寝ている時ですら寝言で叫ぶと言われていたが、会ってみると普通の男だった。落胆したスタッフが立ち去ろうとした時、密林の奥から凄まじい叫び声が聞こえてきた。男はひどい人見知りだったのだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・霊園前駅
 
地方都市のとある地下鉄駅で、停車中の電車の運転台にトラブルを示す赤ランプが点灯した 直ちに原因を調べたがどこにも異常はなかった。その間も赤ランプは消えず、結局列車は発車できず立ち往生となり、乗客は全員ホームに下ろされた。この駅の名は「霊園前駅」といった。

 信じようと、信じまいと…… 

・南極の温泉
 
南極にも温泉が沸いているのをご存知だろうか。その周辺には一年中霧が立ち込めており、周囲からの視界を遮っている。アメリカの学者数人が霧の内部に入り、観測を行った。しかし「Oh My God」という通信を最後に消息を絶ってしまった。彼らは何を見たのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・他人の記憶
 
周知のことかもしれないが、つい数秒前に考えたことをすぐに忘れてしまう人は、デジャビュなど突発的に情報が脳内に浮かんでくることがよくあるという。また、それは他人の記憶である可能性が少なからずあるのだそうだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・解離性同一性障害
 
とある病院に通院する男は、恋人のために病気を治す事に必死だった。その甲斐あって病気は完治したが、翌日彼は自室で自殺しているのを発見された。遺書には「僕は彼女を殺してしまった。彼女無しでは生きていけない」とだけ書かれていた。彼の病気は解離性同一性障害だった。

 信じようと、信じまいと…… 

・公表されなかった太平洋横断の証拠
 
ある探検隊は船で太平洋横断を試み、見事成功した。彼自身の学説は正しかったことが証明され、メンバーもろとも喜びに沸き、記録用に持っていたカメラで記念写真を行った。しかし、その写真は結局公表されなかった。男同士の気安さからか、メンバー全員が全裸だったからだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・空を飛んだアンナ
 
ローマに住む八歳の少女アンナの口癖は「私は鳥なの。空を飛べるの」だった。ある日帰宅した母親が、アンナが庭に倒れているのを発見した。奇妙なことにアンナの死因は、急激な気圧変化により肺や内蔵が損傷したためと判明した。アンナは本当に空を飛んだのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・バスルームのもう1人
 
シャワー中、あなたが目を閉じて髪を洗っている間、あなたのすぐ目の前に向き合って「誰か」が立っている。あなたの鼻先に触れるのは、あなたの前髪でも、流れ落ちたシャンプーの泡でもない。そう「誰か」の髪だ。そしてあなたは、知らず知らずのうちに二人分の髪を洗い流し、今日もバスルームを出る。

 信じようと、信じまいと…… 

・戦艦大和の不自然空間
 
戦艦大和は、日本海軍が建造した史上最大の戦艦であることで有名だが、それには奇妙な噂がある。現存している大和の図面には、不自然な空間があるのだ。なんでも、造船中の事故で亡くなった一人の男性の死体が、未だにその空間に閉じ込められたままなのだという。

 信じようと、信じまいと……

・セメント樽の中の手紙(葉山嘉樹)
 
とある工事現場で働く男は、工事に使うコンクリート砂から封筒が出てきたのを見つけた。家に帰って封を開けると「事故で私の夫が機械に落ち、この砂の中に砕かれてしまいました。後生ですから、この砂が何に使われたのか、これを読んだら一報願います」と書かれてあり、住所と郵便番号が入っていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・曜日が分かる男
 
西暦何年の何月何日だろうとすぐに曜日がわかる男がいた。男を研究していた学者が「何故判るのか」と聞いても理由は判らないとしか答えない。学者は長年の研究と努力の末、自身も男と同じ能力を身に付けた。しかし、何故判るかという説明はやはり出来なかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・眠れない男
 
体を拘束され、何人もの知らない人間と一緒に、一列に並ばされる。そして、端の者から順番に首を切り落とされていく。いよいよ自分の番という時「今日は数が多いから、お前は明日だ」と言われ、目が覚める。あの悪夢を見てから五年、私は未だに一睡もできずにいる。

 信じようと、信じまいと…… 

・ドイツの天才
 
1600年頃、一人のドイツ人が天才であると騒がれた。しかし彼は「本当の天才とは自分ではない」と語った。「では、本当の天才とはどんな人か」と聞かれると、彼は舌を出しおどけてみせた。

 信じようと、信じまいと…… 

・カトリーナの眼
 
外国の台風、ハリケーンには命名リストがあり、巨大なものには名前がつけられる。2005年にアメリカを襲ったハリケーン・カトリーナもその一つである。ルイジアナ州一帯がハリケーンの目に入った時、ある男性は、雲間から覗く巨大な少女の青い目を見たという。彼はカトリーナの目を見たのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・ハオリムシ
 
ハオリムシという生き物をご存知だろうか。磯などに生息し、他の生物からの視線を感じると殻に閉じこもり、防御態勢をとるという習性の持ち主だ。彼らは普段、どんなに海が荒れても平然としているが、台風の目に入ったときには防御態勢をとるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・全核兵器=台風
 
エネルギーという観点だけから言えば、台風やハリケーンのひとつが十分間に費やすエネルギーの総量は、地球上に存在する核兵器すべての爆発力に等しい。

 信じようと、信じまいと……

・二十二穰分の一という確率
 
Aはトランプをきり、全員に十三枚ずつ配り終わったところで、奇妙な事実に気がついた。なんとAにダイヤ、Bにスペード、そしてCにハートが十三枚配られていたのだ。約二十二穰分の一という恐ろしい確率である。愕然とする三人。そのときAは、よけておいた二枚のジョーカーが不気味に笑ったのを見た。

 信じようと、信じまいと……

・奇形種の眼
 
とある街に全盲の女性が居た。しかし不思議なことに、彼女は物を見ることができたという。ある時、彼女の体に奇形腫が見つかった。長い手術の末、取り出されたその中からは、無数の眼球が見つかったという。それ以来彼女が物を見ることは無くなった。

 信じようと、信じまいと……

・秘密の壺
 
とある骨董品屋で売られている壺は、一日単位で値段が上がり続けている。店主によると、この店に訪れる世界中の客たちから聞いた「秘密の話」が、その壺にしまってあるのだという。話の内容が重大なほど、値段は大きく跳ね上がるらしいが、未だに「話の取り出し方」は、わかっていない。

 信じようと、信じまいと……

・赤い壺の中身
 
ある富豪が小さな骨董品屋で、一つの赤い壺を買った。その壺は外見に見合わず高価だったが、不思議な魅力があり、富豪もそこを気に入っていた。ある日富豪は、誤って壺を割ってしまう。途端に富豪は悲鳴を上げ、翌日自殺してしまった。「世の中には知らないほうがいい事が沢山ある」という遺書を残して。

 信じようと、信じまいと……

・太陽に焼死した姉妹
 
1990年、ソ連のとある廃墟の取り壊し現場から、四人の姉妹が発見、保護された。四人は軍用の食糧備蓄庫管理人夫婦の娘たちであり、広大な地下室の闇の中で生まれ育ったため、一度も太陽を見たことがなかったという。娘たちは、地上に連れ出された途端、次々に死亡した。死因は共に焼死だったという。

 信じようと、信じまいと……

・奇形のミル貝
 
フィジーで奇形のミル貝が発見された。二枚の貝殻が完全に癒着し、殻の内部が密閉状態になっていたのである。驚くべきは、その密閉状況下でも貝は生存しており、さらには、数百年の齢を重ねたとしか思えないほどの巨大な殻を持っていたことである。

 信じようと、信じまいと…… 

・無念の衛星
 
1960年代、ソ連が人工衛星を打ち上げたが、軌道維持に失敗し、大気圏に突入し燃え尽きた。ソ連政府は「これは無人衛星である」と発表したが、衛星が燃え尽きる瞬間、イタリアの電波傍受局が「熱い、熱い」と悲痛な叫びを上げる女性の声を傍受していた。

 信じようと、信じまいと…… 

・マグリットの絵画
 
自家用飛行機でヨークシャー州上空を飛行していた男は、驚くべき光景を目の当たりにした。濃い霧の中から空中に浮かぶ巨岩が現れたのだ。巨岩の頂上には灯台が建ち、辺りを照らし出していたという。彼は「忘れもしない、まるでマグリットの絵画のようだった」と語っている。

 信じようと、信じまいと…… 

・しゃっくりに殺される
 
有名な曲芸師がいた。彼のパフォーマンス、中でも剣呑みの曲芸は、見に来る人々をアッと言わせていた。しかし彼はとある公演で、剣呑みの最中に突然死んでしまう。原因は「しゃっくり」をしたため…… 

 信じようと、信じまいと……

・最初に自我を持った人間
 
実は、神の正体は「最初に自我を持った人間」である。本来すべての生物は、死亡後に地球精神体と一体化するはずなのだが、自我を得た為、独立した精神体となり霊界を創った。神は今も生きている人間の精神エネルギーで、霊界を維持し続けている。

 信じようと、信じまいと…… 

・ロアを実行した男
 
ある男はロアを全て事実だと信じ「自分なら出来る」と言って、数話のロアを実行し、成功させていった。時には犯罪にも手を染めたが、男は今も捕まらず、どこかでロアを現実化しているらしい。しかし皮肉にも、あなたがこの文章を読み終えた時、男の存在は、男があんなにも嫌っていた「虚構」となるのだ。

 信じようと、信じまいと……

・山神様の通った証拠
 
山に住む鹿が、その場をグルグル跳ね回りはじめたら要注意である。本能的に「敵対する意思がない」という事を示すための表現行動らしい。猟師達も、その行動を見たら即座に木陰などに隠れるようにしている。それは、そこを山神様が通る証拠であり、それを邪魔をした者は神隠しに遭うといわれている。

 信じようと、信じまいと……

・スプーンおばさん
 
千葉県の某所に、スプーンを片手にうろつく「スプーンおばさん」と呼ばれる浮浪者がいた。いつも何かを噛みながら「美味しい、美味しい」と呟いている。ある日、帰宅途中のOLが両目を抉られて殺されているのが発見された。駅の周辺では以前から、目をくり抜かれた動物の死骸が発見されていたという。

 信じようと、信じまいと……

・寿命3日のコーヒー
 
とある地下街の一角に、変わった喫茶店がある。そこのコーヒーは格別だが、値段は一杯で寿命三日、とある。客がどれだけコーヒーを飲もうが、店主はまったく金を取ろうとしない。「コーヒー代」が本当に徴収されているのかどうか、客に知る術は無い。

 信じようと、信じまいと…… 

・エミールの鳥かご
 
パリに住む女性は、エミールと名付けかわいがっていたオウムに、半年かけてやっとひとつの言葉を教え込んだ。しかしその三日後、エミールは鳥かごから逃げ出し、覚えたての言葉を叫びながら青空へと飛び立って行った。
「自由よ、永遠に! 自由よ、永遠に! 自由よ、永遠に!……」

 信じようと、信じまいと……

・やせ薬研究所閉鎖
 
ドイツの製薬会社の研究所が突如閉鎖された。それまでの研究成果も全て破棄されたのだが、何故か実験に使われた動物の骨は全く見つからなかった。この研究所はやせ薬を主に研究していたという。

 信じようと、信じまいと……

・雪女に注意
 
新潟県のとある小さなスキー場には、建物の影にある看板が立っている。地元民もいつ誰が立てたのかわからないというその看板にはこう書いてある。
「雪女に注意」 
 ……余談だが、新潟県は雪女伝説発祥の地という説がある。

 信じようと、信じまいと……

・誰かのカメラデータ
 
ある男がWinnyで個人のデジタルカメラの画像データを見つけた。中身は大学の入学式や旅行の写真ばかりで、男が目当ての写真はないようだったが、最後の一枚を開いて男は戦慄した。それは、さきほどまでの写真にも多く写っていた持ち主と思われる女性の、葬式の様子と棺桶の中の本人の画像だった。

 信じようと、信じまいと……

・殺人鬼になる条件
 
殺人鬼という職業に就くにはある条件があるという。たった一つだけだが、それはあまりにも困難であるという。その条件とは「不死身であること」…… 現在、殺人鬼を生業としている者は三人だけらしい。

 信じようと、信じまいと……

・殺人鬼、間違える
 
深夜、シャワーを浴びていると突然電気が消えた。振り返ると、磨りガラス越しに人の姿が見える。誰かと尋ねると「殺してやる……」と返ってきた。数秒後……
「あれっここは607号室?」
「えっ507号室ですけど」
「……すみませんでした」
 607号室がどうなったのかは知らない。

 信じようと、信じまいと……

・真説「吾輩は猫である」
 
「タイプライターがあれば猿でも名文を書ける」という言葉がある。しかし、タイプライターもない明治後期に、名文を生み出した生き物がいる。飼い主を真似し、爪にインクを付けて気ままに自叙伝を綴ったのは他でもない、名もなき一匹の猫であった。

 信じようと、信じまいと…… 

・監視石
 
ある営業マンは、彼女からプレゼントされたストラップを携帯につけていた。天眼石という魔よけの石を編みこんだ、彼女の手作りのものらしい。ある日彼は、女性クライアントと終始和やかに電話での打合わせを行った。携帯を切った直後に彼女からのメールが届いた「今の女とどういう関係?」

 信じようと、信じまいと……

・動物の眼に写るモノ
 
ある国の研究機関が動物の目をカメラとして使う事のできる技術の開発に成功したと発表した。しかし、その後すぐに実験は失敗だったと訂正し、研究の中止を宣言したという。動物は人には見えないものが見えるといわれるが、研究員達は一体何を見てしまったのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・一足先の搬送
 
ドイツのとある病院に男が駆け込んで来た。男によると、自分と全く同じ顔で同じくらいの背丈で同じ服装の男が、たった今近くのビルから飛び降りたという。その数分後、ほぼ即死の遺体が運ばれてきた。その容姿は男と瓜二つ、そして駆け込んで来た男はいつの間にか消えていたと言う。

 信じようと、信じまいと……

・占い師暗黙の掟
 
占い師には暗黙の掟がある。一つは、相談者の秘密を漏らさないこと。二つ目は、相談者がなるべく幸福になるようアドバイスすること。そして最後に、自分で自分を占ってはいけないということ。これを破ると、たちどころに占い師としての才能を失うそうだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・先住者のスピーカー
 
東京のアパートに一人住まいの男は、ある夜電源の入っていないステレオのスピーカーから、かぼそい女性の声が聞こえてくるのに気がついた。耳を澄ませると、確かに「出してよ」と言っているのが聞こえた。このステレオは先住者が置いていったものだった。彼は、まだスピーカーを解体する勇気がない。

 信じようと、信じまいと……

・自費出版書籍「奇跡の起こし方」
 
ある男が自費出版で百冊ほど本を作った。近くの書店に五十冊ほど置いてもらう予定を立て、残りは自分で保管していたが、出版一週間前に彼の家が火事で全焼し、本は焼失、男も焼死した。現在、その本は一冊も存在していない。本の題名は「奇跡の起こし方」であった。 

 信じようと、信じまいと……

・良い材料
 
都内某所で、男性の遺体が発見された。遺体はひどく損傷しており、皮膚の一部を切り取った跡があった。警察は殺人事件として捜査を進めると共に、遺体の傍らに置かれていたメモと今回の事件との関連性を調べている。「良い材料が取れたので、やっぱり自分で使おうと思います」

 信じようと、信じまいと……

・田舎ホテルの不可能犯罪
 
その奇妙な事件は田舎町のホテルから始まった。最初は左脚、次に右腕と、切断された体の一部が町の近辺で次々と発見されたのだ。鑑定の結果、遺体は全て同一人物のものと解ったが、左腕が三本、頭部が二つ見つかった時点で、警察はこの事件を黙殺することを余儀なくされた。

 信じようと、信じまいと…… 

・死刑囚の発火実験
 
ドイツのある心理学者は、死刑囚の了承を得てある実験を行った。死刑囚に目隠しを施し「君に火をつける」と告知。無論、実際に火をつけることなどしない、にもかかわらず、死刑囚の皮膚には火傷の跡が浮かんだという。この心理学者は熱心なカトリック信者で、今もなお聖痕伝説の研究に明け暮れている。

 信じようと、信じまいと……

・爆心地にいた白い鳩
 
広島が原爆によって被爆した直後、現場を訪れた毎日新聞の記者は頭上に白い鳩が旋回していたのを発見した。どうしても気になったので捕まえてみると、足に手紙が添えられていた。「今すぐそこから逃げて下さい」と書かれたこの手紙……どこの飼い主が、誰に宛てて送ったものなのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・真説「井の頭公園バラバラ殺人事件」
 
井の頭公園バラバラ殺人事件と言えば、平成六年に起きた猟奇殺人事件であるが、それには隠された事実がある。犯人には自殺した妹がおり、彼女を生き返らせるために足りない「部位」を集めていたという。警察が彼の家に踏み込んだ時、既に腐乱した「妹」の体には、真新しい性交の跡が残されていた。

 信じようと、信じまいと……

・夢中絵
 
アメリカ在住の画家が、新作の製作に取り掛かろうとしていた。下絵を描こうと真っ白なカンバスに向き合った瞬間、急に意識が飛んでしまった。次に気が付いたときには光り輝く十字架を描いた油絵が一枚出来上がっていたという。敬虔なクリスチャンである彼は、その絵を今も大事に保管している。

 信じようと、信じまいと……

・高山からのみ産出する何か
「『なぜ山に登るのか、そこに山があるから』などという答えは目眩しで、話は単純、数千メートル峰の山頂にのみ産出する(塗り潰されて読めず)が目的だ」 
 この手記を発表したある登山家は、その華々しい登頂歴を虚偽とされ、公式な記録からは完全に抹消されている。

 信じようと、信じまいと…… 

・偽物ミステリーサークル
 
今現在、ミステリーサークルの殆どが偽物であると証明されている。アーカンソー州の小麦畑で発見されたミステリーサークルも例外ではなく、綿密な調査により偽物と判断された。しかし、現場に残された200以上の多数の足跡に、一つとして同じ形のものがなかったという報告はなかったことにされた。

 信じようと、信じまいと……

・不可能溺死
 
ある男が友人宅を訪れたときのこと。ベルを鳴らしても中から返事がないため、不審に思った男が勝手に玄関の扉を開けたところ、大量の水が家の中から流れ出てきたという。友人は部屋の中で溺死していたが、不思議なことに部屋の窓は全て開け放たれていたそうだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・ハロウィンの怪少女
「ハッピーハロウィン!トリックオアトリート!」
 部屋の扉を開けると、ひとりの少女が佇んでいる。お菓子を手渡そうとするが、女の子は受け取れない。なぜなら、女の子の片手には大きな刃物。もう片方の手には鈍器が握られているからだ。それでも少女は言い続ける。「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ」

 信じようと、信じまいと……

・右目に睨まれる男
 
ある男が右目に角膜移植をした。翌年、彼は失踪。彼の家の鏡、ガラス、その他あらゆる反射物は割られ、粉々になっていたという。彼の机から発見された日記には、移植の日を境に、ある言葉が大量に書かれていた。
「右目が俺を睨んでいる」 

 信じようと、信じまいと……

・放送事故「瞬きした写真」
 
ある誘拐殺人事件は、報道の範囲の例としてしばしば引き合いに出される。被疑者の自室が暴かれたことも問題視され、マスコミ各社に講義が殺到したが、一番多かった問い合わせは「テレビに映し出された被害者の写真がまばたきした」というものだったことは知られていない。

 信じようと、信じまいと…… 

・風船死体の中身は何処へ?
 
とあるハイウェイで奇妙な事故車両が発見された。ドライバーの遺体は骨格と内臓が抜け落ち、まるで潰れた風船のような有様だったという。高速で衝突した場合、その衝撃で内臓が飛び出してしまうことは珍しくない。だが検死官を悩ませたのは、肝心の内臓がどこにも見あたらないことだった。

 信じようと、信じまいと……

・真説「東日本大震災」
 
2011年3月11日、とある国で、多数の犠牲者を出す自然災害が起きた。国や企業により、安全、安心と宣伝されていた施設でも二次災害が起こった。被害の状況についても詳しい説明がされないまま、時間だけが過ぎていったが、一つだけ分かったことがあった。安全安心の安は否定のUNだということが。

 信じようと、信じまいと……

・人外フォロワーズ
 
念願のマイホームを購入したある女性は、自分のツイッターのフォロワーが、週末になるとどんどん増えていくことに気がついた。リフォローをしていったが、何故か彼等は全員一切発言をせず、ただ増え続けるだけだった。彼女の家が建つ前、そこは深夜に大量の何者かの影が見えると、地元では有名だった。

 信じようと、信じまいと……

・幽霊の出るジャズクラブ
 
「幽霊が出る」として有名なジャズクラブがある。元はといえば、経営不振に悩んだクラブ経営者が話題作りのために創作したほら話なのだが、待ってましたとばかりに現れた、夢破れて世を去ったかつてのジャズマンたちが、夜な夜な現れては下手な演奏を繰り広げ、経営者の悩みを増やしているという。

 信じようと、信じまいと……

・ショパン少女
 
ポーランドに住む十六才の少女は、課外授業で訪れた美術館のピアノで、突然皆が驚くような素晴らしい演奏をしてみせた。信じられないのは、彼女はこれまで一度もピアノを弾いたことがないということだった。彼女によると耳元で「さぁピアノを弾こう。大丈夫、私はショパンだ」という声を聞いたという。

 信じようと、信じまいと……

・不可思議怪事件
 
ひとりの男から警察に通報があった。内容は、隣室から女性の悲鳴のようなものが聞こえるというものだった。急いで駆けつけた警察が見たものは、数年前から誰も住んでないという空の部屋と、その隣の部屋で壁を凝視したまま死んでいる男の姿だった。壁には、爪で引っかいたような無数の傷があったという。

 信じようと、信じまいと……

・キラープレイヤー
 
ネットゲームというものが盛んになって久しいが、最近ではそれにまつわる奇妙な噂も少なくない。その一つに、あるプレイヤーが自身のキャラクターに殺されたというものがあるが、この噂が出回り始めた頃から、報告が大幅に減少した出来事がある。もう一人の自分、ドッペルゲンガーと呼ばれる現象である。

 信じようと、信じまいと……

・死んでいたはずの男
 
ある女性が三階の自室に戻ると、外から喧騒が聞こえる。不審に思いカーテンを開けると、男が電柱に登り何事か騒いでいる。思わず怒鳴りつけると、その男は静かになった。しばらくすると部屋に警察がたずねてきて「家の前の男に見覚えはないか」と聞く。男は、女性が注意するよりも前に死んでいたという。

 信じようと、信じまいと……

・マルシチキリシル
 
「マルシチキリシル」と休まず千回言えば、出血を代償に異世界語が喋れるようになるという。そんな噂が流れたある街の午後、一人の男が病院に運ばれてきた。男は舌を噛み切っており、言葉を喋ることさえ出来なくなっていた。

 信じようと、信じまいと……

・幻肢からの出血
 
ある病院に入院していた男が「右腕がかゆい」と訴え、看護婦を困惑させた。男は建設現場での事故で右腕を失っていたからだ。主治医は脳の混乱と考え、彼を納得させるためメスで「右手がある場所」を刺して見せた。すると次の瞬間、何もない空間から血が噴出したという。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎のスパイダーマン
 
ある男は誕生日を迎える息子のため、友人にスパイダーマンのスーツを着て家に来てくれるように頼んだ。誕生日当日、自宅に現れたスパイダーマンに、息子は飛び上がって喜んだ。翌日、男は友人から急用で行けなかったと謝られ、飛び上がって驚いた。 

 信じようと、信じまいと……

・白髪染めの夢
 
ある女性は、ある晩ひどく恐ろしい夢を見て恐怖のあまり目が覚めた。驚くことに彼女の頭髪は一夜にしてすべて白髪になってしまっていた。目が覚めた瞬間にどんな夢だったのか忘れてしまった彼女が、今もっとも怖れていることは、その夢の内容を思い出すことだという。

 信じようと、信じまいと……

・性別逆転のマネキン
 
とある衣料品売り場に勤務していた女性は、背の高い男が売り場にあった女のマネキンを抱えて試着室に入っていくのを見た。彼女は注意しようと、中から男が出てくるのを待つことにした。しかし、試着室のカーテンが開くと、中から出てきたのは男のマネキンを抱えたすらりとした女だった。

 信じようと、信じまいと……

・奈落の壺
 
深い森の中で、ある研究チームが古い小屋を発見した。中は埃まみれで生活の痕跡はなく、大きな壺が一つ置かれているのみだった。壺の中は真っ暗で底も見えない。不審に思った一人が石を投げ入れたが、音は返ってこなかった。思わず顔を近づけたところ、彼は突如消えてしまい、現在も行方不明である。

 信じようと、信じまいと……

・死に気づくきっかけ
 
動物は、自分が死んだことに気付くことができない。しかし、あるきっかけでそれに気付く。もしそのきっかけに出会うことがなければ…… 

 信じようと、信じまいと……

・七十五年に一度の天才
 
早期教育、脳障害等によらない天才は、きっかり七十五年に一度しか生まれない。先の「天才」は一つの言語を一月で極めたといわれる。今の「天才」は日本にいて、まだ知られていない。次に「天才」が生まれるのは2064年と言うことになる。

 信じようと、信じまいと……

・北朝鮮のミサイル
 
北朝鮮が発射したミサイルが日本海に落下したとき、北朝鮮側は十発を発射したと公表したが、四発は不発だった。だがアメリカの軍事衛星は七発目のミサイルが発射された瞬間を捉えていた。七発目は海に落下した様子も、どこかに着弾した様子も無い。果たして七発目は何処へ行ってしまったのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・首吊り自殺を繰り返す男
 
ある監視カメラが、何度も首吊り自殺を繰り返す男を捉えた。「何度も」というのは、男の頭が縄の輪をすり抜けるように変形したからである。それを幾度か繰り返すうちに、ついに男の首は粘土のようにちぎれ、頭部をなくした身体は二、三歩よろめいた後、動かなくなった。

 信じようと、信じまいと……

・夜の神の歌
 
ある部族に伝わる歌は、娯楽というよりも宗教的な儀式に近い。その中の一つである「夜の神の歌」と呼ばれる儀式を、現地の大学生グループが再現したところ、長期に渡り悪夢に悩まされたという。彼らは夢の内容について聞かれても、絶対に口を開こうとしない。

 信じようと、信じまいと……

・人間の体内時計
 
人間の体内時計は、一日が25時間だという説がある。しかしご存知の通り、地球の自転は24時間。体内時計と自転が噛み合っていないのだ。余談だが、火星の自転は25時間である。

 信じようと、信じまいと……

・進化の頂点
 
ある男が、地球の生物進化の調査を行っていた。ありとあらゆる条件を入力し、最後に進化の頂点に立つ者は、なんと蟻であった。男は驚愕し、さらに調査を追及してみた。すると、たった数十世代で蟻が二メートル大に巨大化することがわかった。それから男は毎日蟻を踏み潰している。人類の未来のために……

 信じようと、信じまいと……

・天才作曲家の最期の曲
 
ある天才ピアノ作曲家がいた。彼は物心付いた時から人と会う事を極端に嫌い、作曲の依頼も手紙で打ち合わせて楽譜を送りつけるといった徹底主義で、クライアントも彼の顔すら知らなかった。「最後くらいは、自分のために作曲したい」と言い残した彼の遺作は、腕が二本では絶対に弾けない曲だったという。

 信じようと、信じまいと……

・インクの切れない赤ペン
 
ある少年は不思議な赤ペンを持っていた。その赤ペンはいくら使ってもインクが切れなかった。少年はそれをたいそう気に入っており、毎日肌身離さず持ち歩き、使い続けていた。ある日少年は何の前触れもなく倒れ、そのまま死んでしまう。死因は出血多量による失血死だった。

 信じようと、信じまいと……

・監視カメラの映像
 
とある病院警備スタッフが自殺した。同僚の話によると、監視カメラの映像を見ている際に、突然叫びながら記録用のビデオテープを破壊し、逃げるように出て行ったという。この事件は精神的ノイローゼによる自殺として処理されたが、結局彼が何を見たのかは分からない。

 信じようと、信じまいと…… 

・素川信政の襖絵
 
京都の知恩院の大方丈の菊の間に素川信政が書いた襖絵がある。この襖絵には数羽の雀が描かれていた。しかし、それらの雀はいつしか生命を得て飛び去ってしまい、現在は万寿菊の絵のみが残されている。

 信じようと、信じまいと……

・涙の味
 
涙の味、つまり涙の成分は、その泣き方によって違うという。悲しい時の涙、嬉しい時の涙、感動したときの涙……それらの味は全て違うのだという。ある女性が、愛した人を狂気の果てに殺し、狂い笑いながら流した涙は無味だったという。人間が無垢なる生物に近付いた瞬間だったのだろうか。

信じようと、信じまいと……

・赤子にあった瘢痕
 
妊娠七ヶ月のある女性は、定期検診を受けに外出するため眉毛を整えようとしたところ、誤って剃刀で眉の上の皮膚を切り、二針縫う怪我を負った。幸い傷はふさがったものの、跡が残ってしまった。その三ヶ月後に産まれた赤ちゃんには、彼女と全く同じ場所に瘢痕があった。

 信じようと、信じまいと……

・世界の端
 
地球は円盤型だと頑なに信じている男がいた。彼は自説を証明するため、世界の端を探しに南極へ向かったが、死体となって発見された。しかし、死の前日の日記には、世界の端を見つけた喜びが綴られていた。それが写っているはずのカメラは、フィルムが感光していた。彼は本当に世界の端を見たのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・空を覆う何か
 
とある地域で、空が数日間「何か」に覆われるという事件があった。その「何か」は空を埋め尽くすほどの大群だというのに、その地域以外では一切見られなかったという。不思議なことに、それを語った住民達は一人残らず消えてしまった。ただ一つ「奴らは悪魔だった」というメッセージだけを残して。

 信じようと、信じまいと……

・実験の一つ
 
ある科学者は言う。地球が出来たのはほんの一~二週間前だと……更に科学者は言った。人間が出来たのは二~三日前だと……それ以前の記憶は記憶でしかないと……我らは膨大な実験のひとつでしかないと……

 信じようと、信じまいと……

・短い物語
 
誰もが夢をみるが、その内容は非常に荒唐無稽である。その理由は、目が覚める瞬間の脳が過去の出来事や体の状態を瞬時に処理するためといわれる。ところが稀に、物事の辻褄が合い、妙に現実味を帯びた夢を見ることがある。それこそが、何者かが眠る人の耳元である短い物語を吹き込んでいる瞬間である。

 信じようと、信じまいと……

・バナナに殺された冒険家
 
樽に入ったままナイアガラの滝から落下し、無事生還して世間をあっといわせたある冒険家は、とある町の大通りを静かに歩いていたとき、捨ててあったバナナの皮を踏んで転倒し、命を落とした。

 信じようと、信じまいと……

・学説「深宇宙の二十度の領域へ」
 
「宇宙に存在する全ての物は、深宇宙の二十度の領域に向かってスライドしている」という、NASA宇宙飛行センターのある天文物理学者の発見は、発表となるなり大論争を巻き起こした。彼曰く「常人の頭では理解できない巨大な物質が、観測可能な宇宙の万物を秒速六百キロ以上で引き寄せている」という。

 信じようと、信じまいと……

・爆弾の作り方
 
ある警察官の元に、不思議な手紙が送られてきた。内容は、ごく普通の日用品を組み合わせた工作物のつくり方が示してあるほか、一言「爆弾」とだけ書かれていた。図の通りに組み立てた物はとても爆弾に見えなかったが、見事に爆発した。手紙の発送者は未だ判明していない。

 信じようと、信じまいと……

・逃げるスプーン
 
ある少年はテレビで見た超能力に感動し、台所からスプーンをひとつ持ち出した。少年はそれを両手で持ち「曲がれ」と念じた。瞬間、スプーンは少年の手から逃げるようにして居間のガラス窓を突き破り、そのまま空の彼方へ消えた。

 信じようと、信じまいと……

・怪奇CD「さよなら」
 
ある女性がお気に入りのCDを再生すると、CDに傷がついてしまったのか「さよなら、さよなら、さよなら」と、同じ箇所を繰り返し再生するようになってしまった。その後あることに気付いた彼女は青ざめる。そのCDに「さよなら」という歌詞がある曲はなかったのだ。

 信じようと、信じまいと……

・蟷螂の卵
 
ある少年が蟷螂の卵を見つけた。少年は卵をペンケースに入れ、自室の机の奥にしまったが、その存在をすぐに忘れてしまった。何日も経ったある日、ふと卵のことを思い出した少年は、恐る恐る机の中のペンケースを開けた。そこには、成虫になった蟷螂が一匹だけ死んでいた。

 信じようと、信じまいと……

・奇跡のボルト
 
大きなボルトが機械に落ち込み、弾丸のようなスピードで弾き飛ばされ、一人の女の右目上部に命中し、頭蓋骨に十センチの穴を作った。事故と手術の際に、彼女の脳の一部が失われたが、奇跡的に回復した。そればかりか彼女は、長年の持病であった頭痛が治ったと喜んでいる。

 信じようと、信じまいと……

・お菓子を配る老人
 
子供たちに毎日お菓子をくれる一人暮らしの老人が居た。老人はほぼ毎日お菓子を配っていたが、ついに死んでしまった。その後彼の家を訪ねてみると、食材のようなものは一切無く、また、誰も彼に食事の世話をした人は居なかったのだ。はたしてあの老人は何を食べ、何を子供たちに配っていたのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・増えている退場者数
 
某遊園地にある世界最大のお化け屋敷は、安全管理上の都合から一人での入場が出来ない。広大な敷地故に迷子も多いらしく、良心的な判断であるが、それでも一日の入場者と退場者の数が合わない日があるらしい。明らかに退場者が増えているというのだ。一体何が出入りしているのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・夢の概念を持たない部族
 
西コンゴのある部族は「夢」の概念を持たなかった。彼ら曰く、眠りについてから目覚めるまで意識の完全な断絶があるのだという。この不思議な部族のことを知り、数年後に脳生理学者が現地にやってきたときには、すでに一族が死に絶えたあとだったという。

 信じようと、信じまいと……

・連続通り魔事件解決の謎
 
アメリカで起こった連続通り魔事件は、被害者の一人である少年が死の間際に犯人の名前を口にしたことにより事件は解決された。ただ、少年と犯人との間に接点は無く、そもそも背後からの一撃で顔すら見ていなかったはずの少年がどうして犯人の名前を口にすることができたのかは依然謎のままである。

 信じようと、信じまいと……

・無名小説家の手記
 
ある無名の小説家の手記にはこう記されている。「僕は小説のアイディアに困っていたとき、天使と取り引きをして才能を手に入れたが、あいつは悪魔だったのかもしれない。僕が引き換えにしたものは死後の名声だった。僕が死んだ後、小説家としての僕は皆から忘れ去られるのだろうか。僕は死ぬのが怖い」

 信じようと、信じまいと……

・廃講座「存在と照明」
 
とある大学に「存在と証明」という講座があったが、あまりに難解な内容のため、受講する学生は減り続け、ついに廃止することが決まった。しかし、その担当教授が行方不明のまま講座が継続されていたことがわかった。彼は一体何を証明しようとしているのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・精神遅滞娘の懐妊
 
とある村で、精神遅滞の娘が懐妊した。どれだけ問い詰めても、娘は「父親は神様だ」と言い張り、相手を明かすことはなかった。その後三ヶ月もたたずに娘は破水した。両親は慌てて産婆を呼んだが、どれだけ経っても赤ん坊は生まれてこなかったという。

 信じようと、信じまいと……

・第二天正丸の怪奇
 
マグロ漁船「第二天正丸」は南シナ海を南下していた。ある日船長と乗組員は奇妙な雲を見つけた。それは風向きと反対に流れており、完全なる円形をしていた。彼らは経験豊富な船乗りであったが、彼らの知る雲の動きや形とはことごとく違っていた。彼らが見たものはほんとうに雲だったのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・緑色の手形
 
ある教会につとめる神父が、聖堂の柱にとても小さな手形を見つけた。それは赤ん坊の手のひらほどの大きさであるにも関わらず、大人の手でさえもおよそ届かないような高い場所にぽつんとひとつ付けられていた。その緑色の手形は今も大切に残されているという。

 信じようと、信じまいと……

・笑っていた日本人形
 
一人暮らしの男が部屋で首を吊って自殺した。遺体には生前に自分でつけたと思われる大量の傷があり、遺書には「彼女が笑ってくれなくなった。もうこの方法しかない」とだけ書かれていた。遺体の目の前に置かれていた日本人形は、不気味なほど顔を歪めて笑っていたという。

 信じようと、信じまいと……

・心霊写真鑑定時のタブー
 
心霊写真を鑑定する時に、いくつか気を付けるべき事があるという。その中の一つに「虫眼鏡で見てはならない」というものがある。拡大して観察すると、写真の中の霊が少しずつ動いていることに気づいてしまうためである。その時絶対に霊と目を合わせてはいけない。

 信じようと、信じまいと……

・自称霊感持ちの散歩実験
 
「自分は霊感がある」と自称する人々を集めて、決められたコースを散歩してもらうという実験を行った。コースの途中には偽物の墓石などをいくつか配置した。実験後、彼らは「墓石の前で霊を見た」などと回答したが「本物の一箇所」で自然と自分達の足が速くなっていたことに気づいていた者はいなかった。

 信じようと、信じまいと……

・トビオリさん
 
小学生たちの間でトビオリさんという遊びが流行した。それは「トビオリさん」と三度唱えてから、その場で目を閉じてジャンプするという他愛もない遊びだったが、周囲に建物のない場所であるにも関わらず、子供の転落事故が次々と起きたため、急遽トビオリさんは禁止され、全国には広まらなかったという。

 信じようと、信じまいと……

・鉄パイプの悲劇と怪奇
 
あるビル工事現場で働いていた男に悲劇が起こった。鉄パイプが落下し、男の左後頭部から右頬にかけて貫通してしまったのだ。しかし、男は何事もないように鉄パイプを引き抜き仕事に戻った。彼が死んだ後、司法解剖を行ったが、頭蓋骨の中には水しかなかったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・首を抱えて死んだ男
 
精神科医の元に奇妙な夢を見るという男が相談に来た。内容は、自分の頭だけが体を離れて空を飛び回る夢だという。精神科医は彼に、頭を放さないようにしたらどうかとアドバイスした。翌日男は転落死体となって発見された。彼は頭を押さえ込んだままの状態で落下したという。

 信じようと、信じまいと…… 

・空間転移法
 
とあるマンションの一室で、その部屋に住む男の遺体が発見された。不可解なことに、遺体は上半身が焼け焦げ下半身が凍結していた。更に不可解なことに、遺体発見の数日前から部屋に出入りした人間は誰もいなかったという。検死解剖を行ったところ、体内から「空間転移法」と書かれたノートが発見された。

 信じようと、信じまいと……

・どちらが変わったのか
 
とある男性が、突然「家族が変だ、何かおかしい」と訴えるようになった。ある日「お前らは化け物だ!」と叫びながら銃を乱射し、家族全員を殺害、その後自殺した。ただ不思議なことに、家族の遺体は検死解剖の後も戻ってこなかった。変わってしまったのは男の方だったのか、それとも家族の方だったのか。

 信じようと、信じまいと……

・自分の葬式に出席する男
 
イギリスであった不思議な話。ジョンという男の葬式をその妻がビデオカメラで撮影した。後日彼女はビデオを見て驚愕した。ビデオには、自分の葬式に出席するジョンの姿が映っていたのだ。

 信じようと、信じまいと……

・太らない女性
 
ポルトガル南部に、いくら食べても太らない女性がいた。女性はゆうに人の倍は食べるが、スレンダーな体型が変わることはなかった。やがて彼女が死に、彼女の火葬が行われた際、葬儀は大騒ぎになった。焼け残った骨が、頭蓋骨から足の指まで全て二人分あったのだ。

 信じようと、信じまいと……

・エイズに感染する夢
 
ある男性が「自分がエイズに感染する」という夢を見た。恐ろしくなった彼は、献血を利用し血液検査をしようと考えた。かくして彼の血液が抜き取られたが、その場にいた者は男性を含め凍り付いた。男性の血液は透明だったのである。調査の結果、それは造り出す事の出来ない完全な純水と結論された。

 信じようと、信じまいと……

・生まれ変わりの犬
 
ある男の日課は、三匹の犬を散歩させることだった。とある場所へ行くと、決まって三匹の犬のうち一匹だけが地面に向かって吠えた。不審に思った彼が地面を掘ると、人間の他殺体が出てきた。やがて被害者の身元が判明。吠えた犬と被害者は同じ名前であった。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の魚を食べた
 
船の故障により海で十日もの間漂流していたある漁師の話。彼は釣った魚を食べて飢えを凌いたが、漂流四日目に奇妙な魚を釣った。その魚はまるで人の腕のようなヒレを持ち、頭部からは髪のようなものが生えていたという。生還後、彼が百歳のとき交通事故で亡くなるまでの間、彼が通院した記録は一切ない。

 信じようと、信じまいと……

・動く人形
 
とある地方に、動く人形があるという。ある記者が、人形が奉られている祠に訪れたところ、人形は立ったまま動こうとしない。その事を現地人に報告すると、彼らは青ざめて言った。その人形は普段座っているはずだと。記者が祠に戻ると、人形は座ったままで微笑んでいた。

 信じようと、信じまいと…… 

・絵を食べた男
 
美術商の男が骨董屋から一枚の絵を買った。豪華な晩餐を描いたその絵は、香りが漂って来そうなほどだったという。次第に男はその料理を食べてみたいと思うようになったが、あらゆる料理人や文献学者も、その料理の名前すら知らなかった。絶望した男はある朝死体となって発見される。男は絵を食べていた。

 信じようと、信じまいと……

・カエル男?
 
ある雨の日、男は庭のゴミ箱を漁る奇妙な生物を目撃した。それは子供くらいの大きさで、全身がぬるぬるとしており、両生類のようだったという。また、頭頂部が大きく凹んだようになっていたのも特徴的だったと話した。驚いた男が怒鳴ると、それは一瞬びくりとしてから、四つん這いになって逃げたという。

 信じようと、信じまいと……

・陸の甲鉄艦
 
ある作家の作品の一つに「陸の甲鉄艦」というものがある。陸上専用の戦艦が登場し、戦場で活躍するという内容だ。その執筆から三年後の大戦で、彼の母国では戦車と呼ばれる新兵器が投入された。小説のラストは「それを有りのままに記述するほど彼は無能ではなかった」という興味深い一文で結ばれている。

 信じようと、信じまいと……

・電気の紐と長い髪
 
ある男は寝室の電気の紐を、床につく直前まで延長した。こうすれば寝転びながらでも点灯消灯を行えるのだ。その晩男はふと目を覚ました。再度眠ろうと目を閉じても頭は冴えるばかりなので、一度電気をつけようと紐を引くと、鈍い音がして切れた。男の手に握られていたのは、長く黒い髪の束だった。

 信じようと、信じまいと……

・夢の視点
 
夢というものは、不思議なものである。例えば、今まで見た夢を思い浮かべて欲しい。何人かは、そこに自分が映っているはずである。ではそういった夢は、一体誰の視点で見ているのだろうか。信じようと、信じまいと…… 

・クローゼットの焼死体
 
とある飲食店に泥棒が侵入したが、店の主人に見つかり捕らえられてしまった。主人が近くの交番に警官を呼びに行っている間、火の不始末が原因で店は全焼してしまった。しかし、店の焼け跡からは誰の死体も発見されなかった。同日、隣町の民家のクローゼットの中から身元不明の焼死体が発見されたという。

 信じようと、信じまいと……

・垂れ下がって来たロープ
 
一人暮らしの男がマンションのベランダで布団を干していると、突然上からロープの輪が垂れ下がってきた。ビックリしてその場を離れると、しばらく上下に動いた後ロープはゆっくりと上の階へ戻った。男はすぐに管理会社に連絡したが、上の階は数年前自殺者が出てからずっと空き家になっているのだという。

 信じようと、信じまいと……

・海底二万哩
 
「本の世界に入ってみたい」という読書家の少女がいた。ある日少女は溺死寸前のところを発見された。なぜ水の一滴もない部屋の中で溺死しかけていたのか、少女は決して語ろうとせず、何故かそれから非常に本を恐れるようになった。彼女が発見された際に傍に落ちていた本は「海底二万哩」であった。

 信じようと、信じまいと……

・ビートルズと同名の四つ子
 
ある四つ子がジョン、ポール、ジョージ、リンゴと名づけられた。ジョンレノンが射殺された年、長男ジョンも亡くなった。ジョージハリスンが癌で亡くなると、三男ジョージも死んでしまった。現在、次男ポールは服役中である。飲食店でポールマッカートニー死亡説を語っていた客を殴り倒したためである。

 信じようと、信じまいと……

・髪を視認する神経
 
脳は人体のなかでも特に神経が多い部分だが、その中の一つに、刺激を与えられると神の存在を視認できるようになる神経があると、研究で明らかにされている。ただし、その神経が脳のどの部分にあるのか、どのような条件で刺激を感じるのかは、まだ明らかにされていない。

 信じようと、信じまいと…… 

・足が一本しかない子供
 
ある農夫の家に、足が一本しか無い子供が生まれた。夫婦は訝りながらも、その子供を大事に育てていたが、ある日ぼろぼろの服を着た男が「それはわたしの子だ」と無理に子供を連れ去ってしまった。その男の着ていた服は、農夫が畑の案山子に着せていたものだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・0=1の証明
 
ある数学者が、0と1が等しいという証明をした。彼は、友人の前で紙にさらさらと証明を書いて、それ自慢げに説明をした。説明が終わり、友人がさっぱりわからず紙から目をあげると、数学者の姿は消えていた。再び紙に目をおろすと、今しがた書いた数式も消えていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・眼鏡忘れの功名
 
ある女性はその日、うっかり眼鏡を忘れて出勤してしまったが、それが幸いした。仕事場に押し入った強盗が彼女に手を焼き、とうとう何も盗れずに退散したからだ。なにも彼女が抵抗したわけではない。ただ強盗から手渡された「金を出せ」と記された紙が読めなかったのである。

 信じようと、信じまいと…… 

・人攫い雲
 
とあるアパートに住む学生は、自室からぼんやりと外の景色を眺めていた。そのとき、空に浮いていた雲のひとつが急降下し、真下の公園をかすめるとすぐまた空の中に帰っていった。その後しばらく経ち、学生はその日公園で何人もの行方不明者が出たのを知った。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の男とのツーショット
 
ある大学の学生寮に、宛先不明の封書が大量に郵送されたことがあった。寮生ほぼ全員にそれは来たが、奇妙なことに中身はどれも見知らぬ男と自分が一緒に映った写真だった。写真には寮生それぞれの筆跡で「決して忘れない」と書いてあったが、誰一人として一緒に映ってる男に見覚えがなかった。

 信じようと、信じまいと……

・本物の現代彫刻(実話)
 
ハンガリー美術大の敷地内で、首吊り自殺した男性の遺体が回収された。学生や改修工事にあたっていた関係者は吊り下げられた遺体を現代彫刻だと勘違いしており、ある見物人が本物の遺体であると気付き警察に通報するまで、少なくとも一年以上吊り下げられたままだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・携帯電話の最後を見た男
 
年々所有者が増え続け、現在では所有していない人の方が珍しいとされている携帯電話。もちろん、廃棄される数も少なくない。ある理由で廃棄処理場を辞めた一人の男が居た。彼は、解体される瞬間、今まで記録した"声"を一斉に吐き出した携帯電話を見たという。

 信じようと、信じまいと…… 

・物理法則に抗っていた像
 
とある公園には、奇妙な形をした像があった。いつ、誰が作ったものなのか付近の住民は誰一人知らなかったが、彼らにはとても親しまれていた。それを見たある物理学者が、像の力学計算を行ったところ、その像が立っているのは物理学上あり得ないという結論に至った。奇しくもその日、像は倒れた。

 信じようと、信じまいと……

・空き家にいた家族
 
男が自宅に戻ると、見ず知らずの女性が「お帰りなさい」と出迎えた。男は独身で妻などおらず「君は誰だ」と尋ねても答えようとしない。テーブルには五人分の食事が用意してあり、女性は「もうすぐだね」と繰り返すばかり。恐ろしくなって家を飛び出して振り向くと、そこは隣町にある空き家だったという。

 信じようと、信じまいと……

・巨人の全身骨格
 
とある砂漠地帯の工事現場で、有り得ない物が発見された。全長が12メートルを超える巨人の全身骨格で、軍まで出動する騒ぎになった。調査の結果、カルシウム系化合物で作られた骨格模型であることが判明した。しかし、誰がこんな物を製作し、地下20メートルの深さに埋めたのかは謎のままである。

 信じようと、信じまいと……

・ある作家の不思議な一日
 
ある作家の日記にこんな文章が記されている。
「今日は不思議な日だった。椅子に座っているだけでぞくぞくとアイデアが沸いた。これで当分は執筆作業に困る事はない」 
 不思議なことに、その頃発表されたその作家の短編作品の殆どが、世界各地の民話に類似している。

 信じようと、信じまいと…… 

・鮫の腹の内容物
 
とある港町で巨大な鮫が水揚げされた。競りに出す前に腹を開いてみたところ、いくつかのボートの破片と人体の一部が発見され、周囲の人々は愕然とした。後に、破片に残っていた文字から、そのボートの身元は判明したのだが、それはどれも湖や川で使われているものだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・山脈の巨大な手
 
とある山脈で、登山隊から行方不明者が出たとの通報があった。話によると、突然雲間から巨大な手が伸びてきて一人をつかみ、連れ去ったというのだ。彼らは高山病による幻覚を見たと診断されたが、数日後、全身打撲を受けた遺体が頂上を挟んで山の反対側から発見された。

 信じようと、信じまいと…… 

・コーラ狂の連続暴行事件
 
とある田舎町で複数犯による連続暴行事件が発生した。逮捕された犯人たちは、犯行時に何らかの薬物を使ってトリップしていたが、薬物を特定することはできなかった。しかし、彼ら全員が無類のコーラ好きであった事は調書に記載されていない。

 信じようと、信じまいと…… 

・転校生「サリー・マイアー」の謎
 
ドイツのとある小学校で、サリー・マイアーという生徒が転校したその日に、同姓同名のサリー・マイアーという生徒が転入してきた。生徒たちはサリーに、転校していったサリーの話をしようと思ったが、誰一人、転校していったサリーがどんな子であったか思い出せなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の本「人生の目録」
 
売れそうもない風変わりな本ばかりを出版する小さな出版社があった。意味不明な文章が書かれた本や、何も印刷されていない本もたびたびあった。作者も不詳とすることが多かったこの出版社だが、一冊だけ爆発的に売れた本があった。題名は「人生の目録」。売れたにも関わらず、現在は一冊も残っていない。

 信じようと、信じまいと……

・使い捨てカメラ二十五枚目のタブー
 
二十四枚撮りの使い捨てカメラには、時折一枚多く撮影できるものが紛れ込んでいる。だが、決して二十五枚目の写真を写してはいけない。それは「本来存在し得ないもの」なので、被写体やその場にいる自分に、同じ特性を持つもの、いわば「本来そこに存在し得ないもの」を無数に引き寄せてしまうのだ。

 信じようと、信じまいと……

・ウイルス製作企業
 
とある企業ではウィルスをプログラムしている。彼らは、自らの作り出したウィルスをネットに流し、数日後に、そのウィルスのセキュリティソフトを売り出している。今日もウィルスは流され、ソフトは作られる。莫大な利潤を得るために。

 信じようと、信じまいと…… 

・先取られブックマーク
 
ある男は、自分の調べたい情報がいつのまにかブラウザにブックマークされている事に気付いた。ある日彼が「世界平和」について調べようとブラウザを立ち上げると、いつのまにか自殺についてのリンクがブックマークされていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・ザ・グレイトフル・デッド(ジョジョ5部 プロシュート兄貴)
 ある急行列車がトンネルを抜けたところで突然急停車する事件があった。通報を受けた後続列車の運転士が様子を見に行くと、運転士を含む列車内の全員が既に死亡していた。そして奇妙な事に、彼らの死因は一人残らず老衰であったという。

 信じようと、信じまいと……

・火葬時における「生者」に対しての配慮
 
火葬される時に「もし生き返ったら?」という不安を持つ人たちがいる。その要望に応えて、ある葬儀屋が内側にインターホンをつけた棺を発売した。但し、火を感知すると装置は自動停止する仕組みになっている。これは火葬場にいる全ての「生者」に対しての配慮であるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・ザ・カーの恐怖
 
十数件の轢き逃げの容疑である男が逮捕された。彼は「車が勝手にひき殺した」と主張したが、当然警察に無視された。数日後、隣町でガス欠状態の彼の車が見つかるまで、道路を無人の車が走っているという目撃談が各地で相次いだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・口にしてはいけない言葉
 
絶対に口にしてはいけない言葉という物があるらしい。しかし、その言葉がどの言語でどのような発音なのかは誰も知らない。また、口にすると何が起こるのかも分からないという。一説では地球で最後の人間が死ぬ間際に残す言葉だとも考えられている。

 信じようと、信じまいと…… 

・アインシュタインの遺言
 
大科学者アインシュタインが残した遺言の内容は、永遠にわからない。死の間際に彼がつぶやいたのはドイツ語だったので、彼に付き添っていたアメリカ人の看護婦には、一言も理解できなかったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・鶏を殺したモノ
 
とある小学校で、飼育小屋の鶏が死んでいるのが発見された。何かに食いちぎられたような跡があったことと、小屋の金網の一部が破れていることから、野良猫の仕業だろうと判断されたが、不可解な点が二つあった。金網が内側から破れていたことと、その鶏が産んだと思しき卵の殻が残されていたことである。

 信じようと、信じまいと…… 

・馬を一口で半分食らった何か
 
青森のとある市から警察に、一本の通報が届いた。話によると、民家で飼われていた家畜が食い殺されたらしい。ヒグマの仕業だろうと考えた警察は猟師を集め、探索に当たらせた。しかし手がかりが見つかるはずもなかった。馬を一口で半分食らうヒグマなど存在しえないからだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・表裏逆転した猿の遺体
 
第二次大戦末期、ドイツ国内のある研究施設を占領した兵士たちは、異様な光景を目撃した。実験動物と思しき何百匹もの猿の死骸。それらは全て体の表裏が逆転し、筋肉と内臓を剥き出しにした無惨な姿で息絶えていたのだ。彼らは一体何の開発をしていたのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・不気味な4つの輪と荷物
 
とある山中で男性の首吊り死体が発見された。足下には遺書があり、仕事上の問題で悩んだ末の自殺と断定された。不気味なのは、男性が首を吊った木に、本人のもの以外に四つの輪になったロープがかかっており、傍には持主不明の荷物が四人分置かれていたという。付近で男性以外に遺体は見つかっていない。

 信じようと、信じまいと…… 

・紫外線外の波長で見た世界
 
1992年、某大学理学研究所にて、ある実験が行われた。それは、紫外線よりさらに極端に外の波長の光で世界を見るという実験だった。しかし、実験に参加した学生全員が発狂してしまった。彼らは世界の何を見たのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・教会ごと消えた神父
 
ある神父が行方不明になったとき、町全体が騒然となったのは言うまでもない。彼が教会ごと姿を消してしまったからというのもそうだが、教会のあった場所に転がっていたスケッチブックに、巨大な黒い人型の影が家々をのぞき込む様が何枚にもわたって描かれていたからである。

 信じようと、信じまいと…… 

・天狗のくれた鮎
 
とある山間部に住む女性には四歳になる息子がいた。ある日息子が一匹の鮎を持ってきて、焼いてくれとせがんだ。だが近くに川などはなく、母親は「こんなものどうしたの?」と問いただしたところ、息子は「天狗様にもらった」とこたえたという。何度聞いても「天狗様にもらった」と譲らなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・チリにいた日本人
 
1960年代の南米チリで、奇妙な格好をした東洋人の中年男が発見された。その男は大火傷を負っており、必死の治療もむなしく、病院で死んだ。男は死ぬまで医師たちの知らない言語でうわ言を言っていたという。その内容は「ゼヒモナシ」「ミツヒデ」……

 信じようと、信じまいと…… 

・妖精のいる村
 
ある生物学者がフィリピンのとある村を訪れた。その村では妖精に関わる伝承が豊富で、村人達が本気で妖精の存在を信じているのか気になった学者は、ひとりの村人に「君は妖精を信じるかい?」と尋ねてみた。彼はこう答えた「正直、あまり信じてないんだ。だって、あいつらはすぐに嘘をつくからね」

 信じようと、信じまいと…… 

・機械は生きている
 
埼玉県に住む男性には、不思議な癖があった。家電製品に向かって、まるで友達と会話するように話しかけるのだ。不思議に思った友人が訊いたところによると、彼曰く「機械は生きている」らしい。以前、調子の悪いテレビを叩いたところ、画面が割れて中から血が溢れ出してきたことがあったのだという。

 信じようと、信じまいと…… 

・消された時空
 
一冊のノートがある。そのノートには、タイムマシンで時間旅行したということが書かれていた。そして「タイムマシンの作成法」と書かれたページがあるのだが、そのページだけ黒く塗りつぶされている。最後のページには一言、明らかに前ページとは違う筆跡で「タイムマシンは存在しない」と書かれていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・ヤギ首謀自動車窃盗事件
 
タンザニアで、ヤギによる自動車窃盗事件が発生した。窃盗グループが車を盗むところを自警団が見つけ、そのうち一人を追い詰めた。するとそいつはくるりと壁に背を向け、華麗にヤギに変身したのだ。やむなく警察で取り調べられたヤギは、うなだれたまま地面にはいつくばって完全黙秘を通したという。

 信じようと、信じまいと…… 

・御意=老い
 
どんな人間がどんな手段を講じようと、抗えない事柄がある。遠い昔の人々は、その理不尽な事実を、天の「御意」と解釈し、受け容れようとした。言い伝えられるうちに変化したのか、はたまたどこかで誰かが読み間違えたのか……今、その現象は「おい」とよばれている。

 信じようと、信じまいと…… 

・ロアの個性
 
私は、暗闇であり地下であり背後である。私は、偶然であり運命であり奇跡である。そして、無意味であり意味である。私の名はロア。私は事実に打ち勝つ力を持っている。そしてその日が来るのは、そう遠くない。

 信じようと、信じまいと…… 

・増えていく骨の本数
 
人体を構成する骨格はおよそ206本の骨から成り立っていることをご存知だろうか。実際は個人差により必ずしも206本であるわけではないのだが、統計によると、2007年を境に人体の骨の本数の平均が増え始めているという。果たしてこれは、人類にとっての進化と退化のどちらなのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・草野球の乞食
 
学生たちの草野球に乞食がやってきて、一打席だけ打たせてくれとせがんだ。どうせ三球三振だと投手は渾身のストレートを放った。次の瞬間耳をつんざく打撃音と共に、打球は空の彼方へと吸い込まれた。皆が呆気にとられボールの行方を追っている間に、乞食は姿を消していた。

 信じようと、信じまいと…… 

・リア充爆発しろ
 
ある高校生カップルが、愛を語らいながら幸せそうに下校していた。すると正面から陰湿そうな男が歩いてきて、すれ違いざまに呪文のようなものを口にした。彼女の方は一瞬眉をひそめたが、すぐに笑顔で彼氏のほうに向き直った。そこで彼女は初めて、彼氏の肩から上が「爆発」していることに気がついた。

 信じようと、信じまいと…… 

・「三十九年後」集団自殺
 
前ぶれなく自殺者が増加した日があった。奇妙なことに、その日の自殺者にはいくつかの共通点があった。彼らは皆、同じ時間帯に焼身自殺しており、さらに霊能や占いを生業としていた。そして一様に「三十九年後」と言い残して命を断っていたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・願いの叶う沼
 
あるところに、願いが叶う沼があった。ある日、戦争で夫と息子を亡くした老婆がその沼に身投げをした。数日後、水死した老婆の遺体の他に男性の焼死体が二つ浮かび上がった。老婆が何を願ったのか、誰も知らない。

 信じようと、信じまいと……

・都市伝説「Winny」
 
ファイル共有ソフト「Winny」で「み、みみみみ」と検索すると、全面黄色のページに飛ばされるという。画面の中央には赤い字で「み」と書かれており、バックに流れている奇妙な音楽を聴き続けると、脳が破壊されてしまうという。ウイルスの類か、それとも……

 信じようと、信じまいと…… 

・精神VS現実
 
千葉県のとある市に住むNは忘れっぽく、よく実際に在ったことと記憶が違う事があった。ある日Nが目覚めると、見知らぬ女が朝食を作り、見た事もない男が席に着いていた。彼らは自らを両親と名乗り、Nを精神病院へ連れて行こうとした。間違っていたのは、Nの記憶なのか?それとも……

 信じようと、信じまいと…… 

・赤いコートの女
 
スペインの漁師町で、真っ赤なレインコートを着た女が嵐の日に決まって現れたという。町では彼女のことを知らない者はいなかったのだが、その顔を見た者は誰一人として居なかった。ある嵐の日、漁師の一人がその女を見つけ、注意しようと肩に手を置くと、コートだけが地面に崩れ落ちたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・パンダと小人伝説
 
パンダは笹を好んで食べるが、元来肉食動物である。笹だけを食べ続けると栄養失調になるはずだが、彼らは元気に生存し続けている。どうやら野生のパンダは笹と共に、何らかの動物性タンパク質を摂取しているらしい。余談だが、現地には、笹の中に住む小人の伝説がある。

 信じようと、信じまいと…… 

・共感覚
 
「色彩を聴く」「香りを見る」などというように、五感を統合的に覚知する「共感覚」を持つ者は希に存在する。共感覚の持ち主の一人、ソウル市に住むイ牧師は、賛美歌を聞くたびに、一面に赤黒い景色と、硫黄のような臭いを感じるという。

 信じようと、信じまいと……

・小柄な黒髪少女
 
ある学生は学校生活にうまく馴染めずに落ち込んでいた。ある日ふと何もかも嫌になってつぶやいた。「ああ、もう死んでしまいたいな」すると耳元で女の声が「じゃあ、一緒に」……彼は今、小柄な黒髪少女と一緒に暮らしている。それはそれは幸せそうに……

 信じようと、信じまいと……

・山手線は結界
 
山手線は実は巨大な結界ではないかという噂がある。昔から鉄などの金属で作られた境界線は、邪悪なものの通行を遮るといわれる。山手線施工中に、何者かが結界を完成させまいとして大震災を起こしたとされる。問題は、封じ込めたものが山手線の外側にいるのか内側にいるのか分からないことである。

 信じようと、信じまいと…… 

・人形に報復された男
 
アメリカのガソリンスタンドで、大きなインディアンの人形に押し潰されて死んでいる男が見つかった。捜査の結果、人形は隣町のドラッグストアの店頭に置かれていた物であることがわかった。死んだ男は数ヶ月前にそこに強盗に入り、店主を殺していた。人形は現在、無事店頭に戻されている。

 信じようと、信じまいと…… 

・十三本の親指
 
嫌がらせに悩まされる女性がいた。嫌がらせの内容は、切断された親指が週に一度送られて来るという猟奇的なもの。警察に相談しても犯人は捕まらず、その事件は女性が引っ越すことで収まった。ただ奇妙なことに、送られて来た十三本の親指は全て同一人物の指だったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・猛吹雪中の足跡
 
1882年のクリスマス、ノルウェーの小さな村で、記録的な猛吹雪が起こった。その翌朝、村人が雪の上に奇妙な足跡を発見した。それは数十キロ離れた隣村まで続いており、すべて一夜にしてつけられたものだった。足跡から判断すると、その主は村のすべての家の窓をのぞきこんでから立ち去っていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・生きている自販機
 
ある男が深夜、自販機で飲み物を買った。男が取り口に手を入れると、突然強い力で腕を引っ張られた。あまりのことにつんのめった男は見てしまった。取り口から覗く二つの大きな目を……以来、彼はひとりでは絶対に自販機に近づこうとしない。彼の手首にはまだ、赤黒い痣が残っている。

 信じようと、信じまいと…… 

・死体洗いのアルバイト
 
怪異な噂の定番である「死体洗いのアルバイト」。実在すると頑なに主張する者がいる一方で、医療関係者は単なる都市伝説と一蹴する。両者の言っていることは、ある意味ですべて正しい。なぜなら、このアルバイトは、いつも「食品関係」として募集が掛かるからだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・たどり着いた者の名は
 
読んではいけない本というものがある。その本の表紙には「たどり着いた者の名は」というタイトルが印字されており、表紙の余白にはいくつかの人名がペンや鉛筆で書き込まれているという。その本を読んだ者は表紙の余白に自分の名前を書き、失踪してしまうのだという。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎のバス停
 
昭和四十一年、岐阜県のとある村落の民家の前に突如バス停が置かれた。バス停に記された地名は熊本県のもので、家人は気味悪がってバス会社に連絡し、すぐに回収してもらった。二年後、九州を旅行していた家人は、件のバス停に書かれていた地で急死した。

 信じようと、信じまいと…… 

・死刑の運命
 
あるアメリカの殺人犯は、服役中に死刑から無期懲役に減刑されたが、裸のまま独房の金属製便器に座ってテレビのヘッドフォンを修理中、電線を噛み切った途端に感電死した。結局、電気椅子の運命から逃れられなかったのである。

 信じようと、信じまいと……

・現代より優れた文明
 
かつて、地球上には現代より優れた文明が存在した。しかし、進み過ぎた文明は自らを滅ぼした。自分達の基盤すら吹き飛ばした力に驚嘆した当時の人々は、それを地下深くに封印し、地上には要石を置き、二度と触れるべからずとした。時を経て現代、その要石はピラミッドと呼ばれている。

 信じようと、信じまいと…… 

・おもちゃと電気
 
とある男性の住む家の寝室は、時折電気が点灯しなくなる。このとき「つかないとおもちゃを買わないぞ」と言うと、何事もなかったかのように電気が点くという。
「かれこれ十年はこうなんですが、未だに何が欲しいのか分からないんですよ」
 大量のおもちゃに囲まれた寝室で、彼は今日も眠りにつく。

 信じようと、信じまいと…… 

・ひとりでに逃亡した航空機
 
航空機事故が相次いだある年、一際異様な事件が起きた。空港機材庫で乗員訓練飛行を待っていた一機の飛行機が突然走り出し、滑走路に出るとそのまま離陸、消息を絶ったのだ。コックピットには誰も座っていなかったという職員の証言から、未だに「あいつは自分でどこかへ逃げたんだ」と語る職員もいる。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の島「霧雨」
 
時は幕末、蝦夷地から北陸まで広範囲にわたる測量を行い、日本地図の原型を完成させた伊能忠敬とその弟子たち。作られた地図は現在のものとほとんど変わらず、その技術の高さが窺えるが、その地図には、現在は存在しない小島がひとつ記されているそうだ。その島の名は「霧雨」という。

 信じようと、信じまいと…… 

・ひまわりのタブー
 
栃木県のとある小学校では「ひまわり」がタブーとされている。決して花壇に植えられる事は無く、授業で育てる事もしない。早朝、何者かによって教室の黒板にゴッホの「ひまわり」が描かれていた日には、児童か教職員のうちの誰かが必ず亡くなるからである。

 信じようと、信じまいと…… 

・右横顔の男
 
メキシコでひとりの強盗殺人犯が指名手配された。犯人の手配写真には正面、右横顔、左横顔の三種類の写真が掲載された。一ヵ月後、地方署の刑事課長が警視庁に報告したところによると「この右横顔の男以外は見つけて射殺した」とのことだった。

 信じようと、信じまいと……

・ガチャピンに出来ないこと
 
ガチャピンは、毎回同じ人物が演じているという。彼は、卓越した才能を評価され、あらゆる国内外のスポーツ団体からオファーが後を絶たないが「自分にはガチャピンがあるので」と固辞し続けているという。そんなガチャピンだが、ひとつだけ出来ないことがあるという。「人を悲しませること」だ。

 信じようと、信じまいと…… 

・カエルの呪い
 
とある中学校では、毎年きまって体育祭の天気が悪いという。地元の老人に聞くと、口を揃えて「カエルの呪い」だと言う。なんでもその中学校は、カエルが多く生息していた池を埋め立てて建てられたものらしい。あなたの通っている学校は、行事の日に突然天気が悪くなったりしていないだろうか?

 信じようと、信じまいと…… 

・担任最後の連絡
 
とある小学校で起きた不思議な話。その日、朝の会の時間になっても担任は現れなかった。児童たちが遊びながら待っていると、突然教室のドアが開き、担任が現れ「体育館に集合しろ」と告げ、すぐに教室を出て行ってしまった。児童たちが体育館に集まると、担任が昨晩死亡したことを告げる集会が開かれた。
 
 信じようと、信じまいと…… 

小さくなった昆虫学者
 
ある昆虫学者が、樹海へ研究に出かけたきり消息を絶った。彼のテントから見つかった日記によると、まず両手ほどの大きさの蟻を発見し、翌日には犬ほどの大きさの甲虫を見たという。誰もが、彼は樹海で遭難し錯乱したのだろうと噂したが、日記の文字が日に日に小さくなっている事に気付く者はいなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・不可能航空事故
 
とある砂漠地帯の上空を飛んでいた飛行機が、突如として消えてしまう事件が起きた。その後、捜索部隊が組まれ、飛行機は砂漠に墜落した姿で発見されたが、警察はそれを墜落事故と断定する事ができなかった。飛行機にのみ、雪が積もっていたのである。

 信じようと、信じまいと…… 

・南洋の鬼ごっこ
 
南洋諸島のある島の子供たちは、幽霊ごっこをして遊ぶ。ルールの基本は単純な鬼ごっこなのだが、鬼が独特の掛け声をかけつつ走り回る。それは「グンソウドノ」「オイテカナイデ」「ミズヲクダサイ」というもの。もちろん、子供たちはそれが日本語だということを知らない。

 信じようと、信じまいと…… 

・眼の中で消化
 
目にゴミやまつ毛が入ってしまう、という経験は誰にしもあるものだが、時折、目の中の異物がどこかに行ってしまい、それと同時に異物感もさっぱりなくなる人もいる。そういった人の中には、涙として分泌される液の成分が人とは異なっている者もいて、異物が目の中で「消化」されてしまっているそうだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・鏡の絵
 
ある画家が個展を開いた。彼はトリックアートを得意としており、まるで鳩が額縁から飛び出しているような絵や、本物のドアや窓に見える絵などで閲覧に来た人々を楽しませた。しかし、彼が遊び心で洗面所に設置した鏡の絵には誰一人として気付かなかったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・消えた三発目
 
1945年8月6日、アメリカは二発の原爆を日本に投下した。しかし、その前日の出撃で、原爆を積んだままのB29が行方不明となっていた事は知られていない。2001年の夏に発見された三機目のB29は、調査の結果原爆を既に投下済みだと分かった。三発目の原爆は一体どこに投下されたのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・ことわざ「夜目遠目傘の内」
 
「夜目遠目傘の内」ということわざがある。女性が美しく見える条件を言ったものであるが、この三条件を身につけた女性を見ても、むやみに近づいてはならない。これは人ならざるものの存在に警告をすることわざでもあるからだ。

 信じようと、信じまいと……

・時間厳守王
 
とある国の王は、時間にとても几帳面な男で、時計を見ればどこで何をしているかわかると言われていた。食事、散歩、政務はおろか、房事ですら時間通りと噂されるほどだった。そんな国王にも、天に旅立つ日が訪れた。王が息を引き取った瞬間、偶然か必然か、時報を知らせる荘厳な鐘が鳴り響いたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・2008年の奇形牛
 
2008年12月10日……オーストラリアのとある町の牧場で、奇形の牛が生まれた。生まれてすぐに、人のような声で大きく鳴いた後、息絶えたという。その牛は、顔に毛が生えておらず、鼻面が短く、両目は正面を向いていたという。

 信じようと、信じまいと……

・怪奇ロア
「とある小学校で起きた不思議な話。その日、朝の会の時間になっても担任は現れなかった。児童たちが遊びながら待っていると、突然教室のドアが開き、担任が現れ「体育館に集合しろ」と告げすぐに教室を出て行ってしまった。児童たちが体育館に集まると、担任が昨晩死亡した事を伝える集会が行われた。」
 上記のロアが、消しても消しても消えない。

 
信じようと、信じまいと…… 

・君が代の逆再生
 
ある漁船の船長は、仲間内で酒が入るとよく戦争中に覚えたという異国の民謡を披露した。彼の子供は漁師を継がなかったため、家族がその歌を聴いたのは彼の死後だった。その不自然な旋律を疑問に思い、逆再生を試みたところ「君が代」になったという。この歌がどこの国の民謡なのか、今は誰も知らない。

 信じようと、信じまいと…… 

・嵐のフリーメイソン
 
いまや都市伝説の代名詞となった「フリーメイソン」。歴史を裏から操ると言われている秘密結社だが、実は日本の有名な音楽グループも、フリーメイソンの一員であると噂されている。グループ名は控えるが、メンバーの頭文字を並べると「MASON」になるのだそうだ。

 ↑M=松本 A=相葉 S=櫻井 O=大野 N=二宮

 信じようと、信じまいと…… 

・50年前の行方不明者の遺品
 
田舎町のある農場で、一辺60cmほどの鉄製の箱が掘り出された。不審に思った農場の持ち主が箱を開けると、干からびた右手と古いノートが入っており、「私はここに閉じ込められた」という一文と住所が書かれていた。調べてみると五十年ほど前に、その住所に住んでいたある人物が行方不明になっていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・水晶目玉
 
アンティーク好きの女性が骨董屋から水晶玉を買ってきた。しかし彼女はその日のうちに水晶玉を叩き割ってしまった。「巨大な目玉が、台座の上でぐるぐる回って部屋を眺め回していたから」だという。後日、文句を言いに件の骨董屋を訪れると、主人は片目に眼帯をしていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・目に映っていた犯人の顔
 
ある森で少女の遺体が発見された。殺人事件として進められた捜査は難航すると思われていたが、数日後、犯人の男が逮捕されたことにより事件は収拾した。のちに検死官の一人はこう語った。
「我々はただ、彼女の目を見ただけです」
 少女の瞳には、おぞましい形相をした男の顔がはっきりと映っていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・気難しい陶芸家
 
ノルウェーに気難しい陶芸家がいた。生涯に壊した作品の数は五千を超えるといわれている。彼の死後、彼を偲んで広場に彼の胸像が建てられた。しかし、不思議なことに次の日の朝にその像は自壊していたという。

 信じようと、信じまいと……

・宇宙人に襲われた女
 
宇宙人に襲われたと証言する一人の女性がテレビ局に現れた。彼女は血の気の無い顔で局員に一気に捲くし立てた。
「私たちは監視されてる、いますぐに」
 そこまで言った瞬間、その女性は霞のように消え去った。

 信じようと、信じまいと……

・リビングに空いた穴
 
リビングにあいた穴から出られなくなったと通報があった。レスキュー隊が駆けつけたところ、リビングには魔法陣や蝋燭など怪しげな儀式が行われていた形跡があったが、人の姿はついに発見できなかった。救助要請はその後数回あったが、やがてそれもなくなった。

 信じようと、信じまいと…… 

・鳴き声の主
 
ある男性は、近所で飼われている猫の、あの赤ん坊の泣き声にも似た発情期の鳴き声に悩まされていた。ある晩とうとう我慢ならなくなり、外に出て鳴き声がしている場所を突き止め、怒鳴ろうとした……その後、彼は友人にこう語った。
「あれが猫だとか赤ん坊だとか思ってる奴は幸せだよ」

 信じようと、信じまいと…… 

・母の怨み
 
ある女性が子供を孕んだが、相手の男が失踪した。彼女は男が戻るまで決して出産しないと誓ったが、その後の数十年、男が戻ることはなかった。その間、彼女の腹は際限なく膨らんでいった。結局男は現れず、彼女は死んでしまった。彼女の腹からは老人の死体が出てきたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・聞くと必ず眼が覚める音
 
聞くと必ず眼が覚める音が存在する。この音は脳内の睡眠に関する部分に直接作用し、強制的な目覚めをもたらすという。健常な耳を持つ霊長類には100%の効果が認められているが 発見した研究機関は「全人類の安眠の為」に公開を拒否している。

 信じようと、信じまいと…… 

・何かに操られた男
 
拳銃で四人を殺害し逮捕されたある男は「自分は見えない人間に操られている」と訴えたが、結局死刑になった。十年後、電気椅子により男は処刑されたが、執行の直前に、処刑室の扉がすっと開き、ゆるい風が吹きぬけたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・消してはいけない落書き
 
渋谷のとある地下通路には「消してはいけない落書き」がある。一見すると意味不明な英単語の羅列なのだが、深夜になると呪詛の言葉に変化するのだそうだ。ただ、他の若者によって落書きが描き加えられ続けたため、どれがそのポップアートなのか見分けがつかないという。

 信じようと、信じまいと…… 

・ホラ吹き男
 
フランスに、有名なホラ吹き男がいた。自分は魔術師であると吹聴し人々に笑いを提供する、いわば道化のような存在であったという。彼が亡くなった時、民衆は奇妙な現象に直面する。誰一人として、彼の本名や彼の顔を思い出すことができなかったのだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・不思議なCD(紛失ver)
 
ある男が露店で「不思議なCD」と書かれたディスクを買った。家に帰ってプレイヤーにそれを入れたが、雑音が流れるばかりで何も起こらない。拍子抜けした男はCDを取り出そうとして驚愕した。プレイヤーから出て来たトレイの上に、あるはずのCDが無かったのだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・不慮の死を遂げる有名人のリスト
 
病気などで亡くなりそうな有名人の「リスト」がマスコミには存在するらしい。これを参考にして、テレビ局は事前に元気な頃の映像を編集しておくのだそうだ。ただ、人はそう都合よく死んではくれない。そのため、一部のマスコミには「不慮の死を遂げる有名人のリスト」が存在しているのだとか。

 信じようと、信じまいと…… 

・子供のはしゃぐ声
 
とある刑務所で、五人の子供を車で轢き殺し服役していた男が首を吊って自殺しているのが発見された。発見の直前、複数の看守が監房から子供がはしゃいでいるような声がするのを聞いたとされるが、公式な報告書にそれについての記載は一切ない。

 信じようと、信じまいと……

・パラポラ腫瘍
 
ある女性は、幼少の頃から幻聴に悩まされていた。家庭環境や職場に対するストレスが原因だと思っていたが、日に日にひどくなっていく幻聴に耐えかね、とうとう病院で検査を受ける事にした。その結果、脳に腫瘍が見付かった。その腫瘍はパラボラアンテナの様な形をしていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・疑心暗鬼連鎖殺人
 
とある町で奇妙な連続殺人事件が起こった。自らの犯行を自供する者が次々と現れるのだが、殺人は一向に止まらないのだ。調査の結果、殺人鬼を恐れた人々の疑心暗鬼が引き起こした事件と判明した。しかし、発端となった最初の殺人の犯人は、誰にも分からないままだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・水が絶え間なく湧き出る井戸
 
フランスの南のとある村には、水が絶え間なく湧き出る井戸があった。村人達は長年重宝していたが、ある日その水が急に出なくなった。不思議に思った村人が井戸の底へと下りていくと、水脈があった形跡すらなく、石の床があるのみだった。彼らは何を汲んでいたのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・部屋から出られない男
 
半年もの間部屋に引きこもっている男を心配した友人が彼の家を訪ねると、彼は「部屋からどうしても出られない。出ても部屋の中に戻っているんだ」と言う。友人が無理やり部屋から出したが、ドアを閉めると男の姿は消え、部屋の中にいた。男は今も部屋から出られないでいる。

 信じようと、信じまいと…… 

・心臓に突き刺さっていた指
 
路上で心筋梗塞を起こした男性がいた。突然胸を抑えて倒れ、意識を失ったという。救急隊が駆けつけたとき、すでに男は死亡していたが、奇妙なことに右手の指が五本とも、刃物で切断された様に消えていた。検死解剖を行った医師は、男の心臓を見て驚愕した。心臓には男の指が五本突き刺さっていたのだ。

 信じようと、信じまいと……

・チューリングテストのタブー
 
チューリングテストというものがある。コンピュータがどれだけ人の感情に近いかを調べる方法である。ある日、ロシアの科学者が、テストをクリアしたコンピュータの開発に成功した。しかしその翌日、科学者はコンピュータを破壊し、次のような言葉を残して自殺した。
「その領域に触れてはならない」

 信じようと、信じまいと……

・378個の缶詰
 
ある女性は、工場で働く夫が作業機械に巻き込まれ死亡したとの知らせを受けた。謝罪する工場長に彼女は「夫の遺体を返して欲しい。せめて埋葬したい」と泣きながら懇願した。一週間後、台車に積まれて運ばれてきたのは、378個の缶詰だった。

 信じようと、信じまいと……

・芥川龍之介の死に関する奇譚「謎の血」
 
芥川龍之介が「僕の将来に対する、唯ぼんやりした不安」と遺して自殺したことは有名だが、その文章が書かれた原稿用紙を後日鑑定した結果、明らかに本人ではない血液がついていたことを知っている人は少ない。

 信じようと、信じまいと……

・ギャンブラー「バランス」
 
あるギャンブラーは、いつも大抵の勝負で負けるのだが、最後の最後に大勝ちし、毎回収支ゼロとなっていた。珍しく勝ちのまま終わった日も帰り道で強盗にあうなど、必ず何らかの出費をするので、友人から「バランス」と呼ばれていた彼はある日、車に撥ねられて死んだ。その同時刻、彼の息子が生まれた。

 信じようと、信じまいと……

・人間の急所
 
人は言葉を吐くときに試されている。嘘をつこうとするとき喉が詰まり、汚く罵ろうとするとき眉間に皺が寄る。喉も眉間も鍛えることができない人間の急所であり、嘘や罵倒は自分で自分を傷つける行為なのだ。

 信じようと、信じまいと……

・祖父→蜂→羽虫
 
ジョンは少年の頃、祖父が息を引き取った瞬間に、祖父の口から一匹の蜂が飛び立つのを見た。蜂は部屋中を飛び回ったが、祖父と不仲だった母は、それを叩き落とした。叩き落とされた蜂の口元から、さらに小さな羽虫が這い出し、今度は一直線に窓から外へ出て行ったのを、ジョンだけは見逃さなかった。

 信じようと、信じまいと……

・逆回し大道芸人
 
とある広場にあらゆる行動を「逆回し」する大道芸人が現れた。まるでビデオを逆再生したかのような完璧なパフォーマンスに、連日広場は大賑わいだったが、ある日を境に彼は全く姿を見せなくなる。数ヵ月後、ある女性が広場のベンチで身元不明の赤ん坊を発見した。

 信じようと、信じまいと…… 

・アンテナを持つ人間
 
とある精神病院に、変わった患者が来るようになった。彼らの頭部には「アンテナ」と呼ばれている角のようなものがあった。彼らは口々に「もうすぐ僕らは電波を受信できるようになる。パソコンなんかなくてもネットに入れるようになる」と言っていた。後日、その病院ではハッキング被害が多発したという。

 信じようと、信じまいと……

・何かを保証する会社
 
ある一人の男が会社を設立した。その名前も「具体的にどうとは言えないが、とにかく貴方の何かを保証する会社」……驚いた事に、九時間の間で六百万円もの金が集まり、そのまま男は金を持って姿を消した。彼は世界で最もユニークな詐欺事件として数えられている。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の本「your life」
 
とある古書店で「your life」と書かれた本を買った男がいた。驚く事に、本の主人公が辿る人生は男のそれと全く同じだった。気味が悪くなった男は、急いで本を焼却処分した。数日後、男は謎の火災で焼け死んだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・ビー玉好き金持ち
 
とある町に、ビー玉好きな金持ちがいた。ある夜、彼は自宅の長廊下でビー玉を転がしてみた。静かに転がり向こうの闇へと消えたビー玉の姿に、彼はいつものように心を奪われた。その瞬間、彼は背筋が凍った。そのビー玉が後ろから転がってきたのだ。

 信じようと、信じまいと……

・とある踏切の怪奇
 
日本のある踏切では飛び込み自殺が絶えない。そこに飛び込む人たちは皆何かから逃げるように飛び込むのだそうだ。その踏切を調査した者たちがいたが、カメラマンはテープと共に失踪した。カメラマンは何を見て、何から逃げたのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・医療ミス「ハサミ」
 
ある男が死んだとき、死因は盲腸手術の失敗とされた。ところが数年後、家族が男の遺体を別の墓所に移し変えたとき、真相が明るみに出た。執刀した外科医のミスで、男の体内にハサミが一丁置き忘れられていたのである。

 信じようと、信じまいと……

・ダムドの人面瘡
 
とある小さな村で、ダムドという男の背中に奇妙な腫瘍ができた。人面のようなその腫れ物は、実際に声を発し、言葉さえ喋ったという。その後の手術で、男の背中から切り取られる瞬間腫れ物は、甲高い声でこう叫んだ。「皆騙されるな! 俺がダムドだ! こいつは俺の身体を乗っ取って……」

信じようと、信じまいと……

・音の鳥(Sound Bird)
 
南米のとある地域では「音の鳥(Sound Bird)」と呼ばれる存在が信じられている。何もない空から、大きな鳥の翼の音が聞こえるのだという。ある学者がそれを研究し、遂にその録音に成功した。その音を解析したところ、その「鳥」はなんと体長30m、翼長は50mはあるはずだとの結果が出た。

 信じようと、信じまいと……

・ナメクジの本体
 
ナメクジは月夜の晩に空を渡る、という言い伝えがある。塩をかけると水分が外に出て小さくなるが、実はあの水分の方が本体である。さらに気化して自由に移動し、また固体のナメクジとなるという。梅雨明けの月夜には、沢山のなめくじが光る糸の様に飛んでいく。

 信じようと、信じまいと……  

・死んだ妻の性癖に殺された男
 
ある男は、いつも身体のどこかに怪我をしていた。手足の生々しい傷跡は、明らかに自分の意志で付けたように見え、心配した同僚が訊ねると「こうすると妻が喜ぶんですよ」と、彼は力なく微笑んだ。数年後、彼は自殺した。おそらく、妻をもっと喜ばせるために。

 信じようと、信じまいと…… 

・四つ目人間
 
ある医学雑誌に、四つ目人間のことが記載されている。以下、文章の抜粋 「一対の目の上にもう一対の目があり、別々に独立してどの目も閉じることができ、違う方向の物を見るためにクルリとまわすこともできた。見物人は驚きを隠すことができない」

 信じようと、信じまいと…… 

・死後の世界を伝えた男
 
イギリスに住むある男は、死亡してから数時間後、息を吹き返した。彼はすぐそばにあった日記帳に何かを書き、その直後、再び息を引き取った。彼が最後に書いた文章は「今、死後の世界を見てきた。だがただの真っ白な世界で、神も天使もいなかった」

 信じようと、信じまいと…… 

・目撃された天使
 
ある一家は家族旅行のため、束の間の空の旅を楽しんでいた。離陸から数時間後、一人息子が窓の外を指さしこういった。
「ママ、天使様だよ」 
 母親が窓に目をやると、驚いた表情の男が、背中に生えた羽をばたつかせてどこかへ飛んでいくのが見えた。

 信じようと、信じまいと…… 

・ハンカチネズミ
 
駅のホームで、若い母親がぐずりだした赤ん坊をあやしていた。女性が手を焼いているのを見かねた紳士が、ハンカチでネズミを作って見せると、赤ん坊はピタリと泣き止んだ。役目を果たしたハンカチネズミは紳士の手から飛び出し、走り去った。

 信じようと、信じまいと…… 

・時間逆行の理論
 
ある学者が時間を逆行させる理論を発見した。それによると、一定条件を満たし、隔離された空間のみで行えるという。数日後、助手が彼の家を訪ねると、部屋の一つが無くなっていた。学者は理論を発見する前へと逆行し、現在も理論の発見と実験を繰り返しているという。

 信じようと、信じまいと…… 

・異文化殺人悲劇
 
ニューヨークの裏通りで、暴行された日本人の遺体が発見された。身元確認の結果、生き別れの兄を探しに来たろう者であると判明した。担当した刑事は「言葉の壁が生んだ悲劇だった」と、この事件を語った。日本の手話で「兄」は、相手に手の甲を見せ、中指を立てるというジェスチャーである。

 信じようと、信じまいと……

・泣き地蔵が笑った日
 
「泣き地蔵」という不思議な地蔵があった。翌日の天気によって、地蔵の表情が変わるのだ。泣き顔の翌日には雨が降り、困り顔のときには雪が降った。何も降らない日は地蔵の顔はそのままだったが、ある日地蔵が今までに見たことのない満面の笑顔の日があった。1945年8月5日、広島での出来事である。

 信じようと、信じまいと……

・謎言語の絶筆
 
ある唖者の夫婦がいた。子供は居なかったが、仲睦まじく暮らしており、彼らのコミニュケーション手段は、もっぱら筆談であった。ある春の日、夫婦は突然心中を遂げたが、理由は結局分からずじまいであった。メモ用紙に残された筆談の内容が、世界中のどこのものとも全く異なる言語で書かれていたからだ。

 信じようと、信じまいと……

・中国内部の新種猿
 
中国南部で短い尾を持った人間に似た生物が捕えられた。学者は研究の結果、この生物を新種の猿であると断定した。この猿が雪男のモデルではないかと推測もあったが、捕獲後神経衰弱に陥り、ある日檻の中で首を吊って死んでいた。その生物は本当に猿だったのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・全ての苦しみから解放される薬
 
全ての苦しみから解放される薬を作ったと話す男がいた。男は広場に人を集め、自ら薬を飲むと「これで私は自由だ」と叫んだ。翌日、その男は原因不明の心停止で死亡。男に続いて薬を飲んだ人々も不可解な死を遂げていた。彼の作った薬は単なる毒薬だったのか。それとも……

 信じようと、信じまいと…… 

・「巨大な手」の化石
 
恐竜が滅んだ原因は隕石の衝突が有力であるが、ある化石の発掘でその説が揺るぎはじめている。それは、大型肉食恐竜を一つかみできる「巨大な手」の化石である。

 信じようと、信じまいと…… 

・クレープが食べたい
 
とある大学で、奇妙な実験が行われた。それは、人工知能に世界中の不思議な話を集めさせるというものだった。実験は成功したが、ある日を境に人工知能は不思議な話への関心を失ってしまった。「クレープが食べたい」という交信を最後に…… 

 信じようと、信じまいと……

・街灯柱消失事件
 
イギリスで、コンクリート製の街灯柱が一夜で四本も根こそぎ消え去るという事件があった。事故で押し倒されたり、クレーン車を使用した形跡もなかった。「犯人はよほどの大馬鹿者だろう」と市当局は言うが、犯人ははたして人間なのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・二本足のヤギ
 
ロシア北部の山奥に、一人の猟師がいる。彼の体には肩から袈裟懸けに走る一本の太い傷跡があった。「二本足で立つ、でかいヤギにやられたんだ。4mぐらいだったかな。もっとも、撃ったあと地面に溶けるように消えたんだがね」と彼は言った。

 信じようと、信じまいと……

・マリオネット死体
 
とある小さな村で、ロベールという芸人が老衰により亡くなった。年老いてもなお、彼の動かすマリオネットは本物の人間のようだと村中の評判であった。その後、村民たちが彼の遺品を整理している時、誰かが叫び声を上げた。ロベールが操っていた人形は、ずっと前に死んだ彼の弟の死体だったからである。

 信じようと、信じまいと……

・給食センターの謎
 
秋田県北部の小さな小学校で起きた不思議な話。2009年度の一年間、あるクラスの分の給食が何故か毎日一食分多く届けられたのだ。学校側は何度か給食センターに連絡したのだが、それでもその一食分は毎日届けられたという。その給食は、誰のために用意された物だったのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・北海道某市の電話ボックス
 
北海道某市の児童公園の片隅に、奇妙な電話ボックスがあるという。毎月15日の午前0時になると、きまって電話のベルが鳴り出すというのだ。誰かのイタズラか、機械の故障か……住民たちは、そのどちらでもないことを知っている。そのボックスの中の電話機は、4年も前に撤去されているからだ。

 信じようと、信じまいと……

・毎月八日の花束
 
世田谷区には、毎月八日になると必ず花束が添えられている交差点がある。過去にその場所で交通事故が起きたという記録は無く、また目立った事故も無い。そして何より、誰も花を供える人間を見たことが無いという。一体誰がどうやって、何のために行っているのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

毎月八日の花束 真相
 
世田谷区に住む男性が、自転車で通勤中、車に当て逃げをされた。警察は大きな怪我は無いからと、まともな捜査してくれない。男は事故のあった毎月八日の日、現場に花を供え続けた。すると一年後、ノイローゼになった犯人が警察に出頭してきたのだった。

 信じようと、信じまいと……

・多重人格障害の七つ子
 
南米のとある村で七つ子が産まれた。その村の人々はそれを「神の奇跡」と大いに喜び、村では盛大な祭りが行われた。子供たちは「神の御子」と呼ばれ村人たちからとても可愛がられた。後々わかったことだが「神の御子」たちは皆重い多重人格障害で、なんと兄弟で七つの人格を共有したという。

 信じようと、信じまいと……

・雨の日にだけ停まる列車
 
イギリスのとある駅に、雨の日にだけ停まる列車があったという。その列車を見た者は何人もいるが、乗ったことのある者は今は存在していない。なぜなら雨があがると、その列車も雨とともに忽然と消えてしまうからだ。

 信じようと、信じまいと……

・ミライアルバム
 
ある少年が、アルバムの中で赤子を抱いたとても美しい女性の写真を見つけた。母親に聞くと「あなたのよく知っている人よ、この子もね」と答えた。それから二十年程経ったある日、彼が再びアルバムを開くと、その写真はなくなっていた。ふとそばにいる妻を見た時、全てを悟ってその場で写真を撮った。

 信じようと、信じまいと……

・砂漠で眠る巨人
 
その日はいつもより暑い日だった。アラブ人の男は砂漠で巨人に出会った。その巨人は砂の中から突然這い出てきて、全身は炎に包まれていたという。巨人は男に旧暦の日付を尋ねた後、空と地平を眺めながら「まだ早かった」とつぶやいて、再び砂の中に潜っていったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・体重0kg男
 
ある男は、着替えの場面を誰にも見せないという奇行を持っていた。ある日、彼が行方不明となり、彼の家を訪れた友人は驚くべき事実を発見してしまう。彼が着ていた服は全て、彼の体重とまったく同じ重さだったのだ。彼の本当の体重はいくつだったのか、彼とは何者だったのか、今となっては知る術は無い。

 信じようと、信じまいと……

・夏目漱石と肩こり
 
何らかの疾患を負っている場合を除いて、外国人は肩こりにならない。そもそも「肩が凝る」状態がどういったものか分からないそうだ。肩が凝るという言葉を世に広めたのは夏目漱石だと言われているが、肩こりに苦しむ日本人が増え始めた時期は、漱石の書が流行し始めた時期とほぼ同時期である。

 信じようと、信じまいと……

・月夜の電信柱
 
高圧線の鉄塔が、巨大な生き物に見えてしまうという人が稀にいる。ある幼稚園児の女の子もその一人だが、彼女の訴えは少し違っていた。
「暗いうちに目が覚めたとき外を見たら、山にある電線の塔が歩いてたの」 
 鉄塔の点検をする際、鉄塔に割り振られた番号が一致しない事が、数年に一度あるようだ。

 信じようと、信じまいと……

・笹子トンネル崩落事故について
 
2012年12月、山梨県のトンネルで天井が崩落する事故が発生した。数台の車が崩落した天井の下敷きとなって9名が死亡した。しかし、ただ一人そこから生還した女性がいる。女性によると、気がついたら車の外にいたという。彼女の車は一瞬にして潰され脱出する隙間などないというのが調査結果だった。

 信じようと、信じまいと……

・虹の根元を見に行った男
 
100年ほど前、とある村に酔狂な若い男がいた。「虹の根元がどうなっているか見てみたい」と言い、ふらりと旅立ってしまったのだ。月日は流れ、村は町になり彼を知るものも少なくなってきた頃、男はふらりと戻ってきた。「結局、何もなかったよ」と笑う男の姿は、旅立った当時と同じ若いままだった。

 信じようと、信じまいと……

・45年ぶりに返却された本
 
ある日図書館に、一冊の本が45年ぶりに返却された。匿名で返却された上に、図書館に記録が残っていなかったため、借主は不明。そして何より人々を驚かせたのが、その本の内容が「ある日図書館に、一冊の本が45年ぶりに返却された」という一文で始まるものだったことだ。

 信じようと信じまいと…… 

・娘の眼に映った叔父
 
鏡で自分の目ばかり見ている娘を不審に思った母親が、何故目を見てばかりいるのかと尋ねると、目の中に笑っている人の顔があると言う。気のせいだろうと母親が娘の目を見ると、そこには十年前に失踪した叔父が映っていた。

 信じようと、信じまいと……

・村長夫人の歯型
 
とある村の共同墓地で、ある男が死んでいるのが見つかった。彼は夜な夜な墓地に忍び込んでは、棺を掘り返し遺体の装飾品を奪って金に換えていた墓荒らしだった。死体には全身に噛まれた跡があり、調べてみるとその歯型は二日前に埋葬された村長夫人のものだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・完全美「ミロのヴィーナス」
 
ある美術家が「ミロのヴィーナスの両腕を再現してほしい」という依頼を受けた。しかし半年後、美術家は首を吊って死んだ「これは私だけのものだ」という遺書と、ヴィーナスの両腕部分が破り取られた大量のスケッチブックを部屋に残して……破り取られたヴィーナスの腕は、美術家の胃から発見された。

 信じようと、信じまいと……

・絶対に口にしてはいけない言葉
 
「絶対に口にしてはいけない言葉」という物がある。しかし、その言葉がどのような言語で、どのような発音なのかは誰も知らない。また、口にすると何が起こるのかも分からないという。一説では、地球が滅亡するその日に、人間が残す言葉だとも考えられている。

 信じようと、信じまいと…… 

・それだけの脅威
 
ある海域に50mにもなる一本の黒い帯が現れた。近くを通った漁船が調べてみると、数千万にも及ぶ魚群だった。船長から話を聞いた専門家曰く「通常、魚は脅威から身を守るために、自分達を大型の魚のように見せかけます。それだけの群れであったということは、それだけの脅威がいたということです」

 信じようと、信じまいと……

・九億四千万キロメートルの宇宙旅行
 
今年もまたごいっしょに九億四千万キロメートルの宇宙旅行をいたしましょう。これは地球が太陽のまわりを一周する距離です。速度は秒速二十九.七キロメートル。マッハ九十三。安全です。他の乗客たちがごたごたをおこさないよう祈りましょう。

 信じようと、信じまいと……

・終わりのない一本道
 
オーストラリア中央部では、満月の夜に終わりのない一本道が出現するという。伝承によれば、その道を歩き続けると戻れなくなってしまうという。興味を持った研究者が、彼らの導きで実際にその道を歩いてみたところ、五時間歩いても先が見えず、怖くて引き返したところ、五分で出発点に帰れたという。

 信じようと、信じまいと……

・謎の殺人事件
 
一人の少年が、突然現れた男に滅多刺しにされ殺害された。男は少年を刺しながら「神様、俺はやった!これで世界は救われた」と叫んでいた。男は取り押さえられる際、もみ合いの末、自分のナイフに刺され死亡。彼の身元はいくら調べてもわからなかった。男はどこから来て、なぜ少年を殺したのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・3×1/3の靴
 
プロシアで代々続く靴職人の家に生まれたヨハンは、物置に積まれた靴型の中に三つで一組となる型を見つけて不審に思った。数年後まさにその客が工房に現れたが、分厚いコートから出た脚は二本だった。しかし男の注文は「真ん中を増やして四つで一組の靴を作ってくれ」というものだった。

 信じようと、信じまいと……

・怪奇事件の怪証言
 
1985年、ニューヨークのとあるマンションの貯水タンクの中から死体が発見された。この死体は、遺棄された場所が場所だけに、住民から寄せられた多数の苦情によって発見されたのだが、その苦情の中には「水道水から人間の味がする」といった内容のものもあったらしい。

 信じようと信じまいと…… 

・サイコパス大司教への報復
 
ある大司教は、西暦914年の飢饉のとき、貧しい者たちに食事を与えるといって納屋に集め、納屋ごと焼き殺した。彼は「この者たちは天国で安らぎ、神は犠牲を受け入れて豊作をもたらすのだ」と説明したが、数年後、彼はネズミの大群に襲われて食い殺された。

 信じようと、信じまいと…… 

・異星占い師
 
ある占い師が人々を集め「私は人間ではない」とのたまった。彼女が曰く、自分は遠い宇宙からやってきて人類を観察しているという。荒唐無稽なその話に一人の村人が思わずつかみかかると、彼女は一瞬で消えてしまった。あとには一人分の人間の皮が残っているだけだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・死角の怪物に殺された男
 
ある男は鏡を顔の周りに取り付けて、視界に死角が無いようにするという奇妙な癖を持っていた。彼は「視界の隅には怪物がいる」と怯えたように繰り返していたが、ある日「目の裏側が最大の死角だ」と言い、自分の目を抉って絶命した。彼の目の裏側には、何かに噛みつかれたような奇妙な傷が残っていた。

 信じようと、信じまいと……

・鼻と耳で見る少女
 
十四歳のときに熱病のため失明したフランスの少女は医師のテストの結果、鼻の頭と耳たぶで物を見ていることが判明した。明るい光を耳たぶに当てると少女はまぶしがり、鼻先を指で触ると飛びのいて怒った。「私をめくらにするつもりなの!」と……

 信じようと、信じまいと…… 

・背中に人が乗っている人間
 
先日、見知らぬ人に「あなた、背中に人が乗ってますよ」と言われた。それから、急に肩が重くなったような気がした。自分も同じように見知らぬ人に「あなた、背中に人が乗ってますよ」と言ってみた。それから肩が楽になった。

 信じようと、信じまいと……

・狂った女の笑い声
 
神奈川県に住む少年は、ある日の深夜、狂った女のような笑い声で目が覚めた。何処から聞こえるかも、誰のものかもわからない声を恐れた彼は半狂乱で耳を塞ぎのた打ち回った。そこで彼は初めて、窓に映る、耳を塞ぎながら大笑いする彼自身の姿を目にした。

 信じようと、信じまいと……

・亡くなった双子の妹
 
ある青年は、その朝もいつものように顔を洗っていた。ふと顔を上げると、目の前の鏡に、自分の顔ではなく、自分とよく似てはいるが明らかに女性の顔が映っていた。それはほんの数秒で自分の顔に戻ったのだが、後になって彼は、自分には生後まもなく死んでしまった双子の妹がいたことを思い出した。

 信じようと、信じまいと……

・胎児の意識
 
ある医師が、胎児にも意識があることを証明するため、妊婦の腹に直接マイクを埋め込み、胎児との交信を試みた。その結果、会話をすることに成功したと本人は主張したが、真偽は不明。実験が原因で妊婦が流産してしまったからだ。彼は医療ミスで告訴されたが、皮肉にも殺人罪の適用は免れたという。

 信じようと信じまいと……

・手を洗わない僧
 
ある僧は、出家以降、死ぬまで自分の手を洗わなかった。晩年の彼の両手は醜く朽ちており、彼の苦行に対する信念の強さを思わせるほどだったが、弟子の一部には、苦行ではなく悪魔に魅入られたからだと噂する者もいた。彼の死後、一番弟子が彼の両手を拭いたところ、布はあっというまに燃え尽きてしまった。

 信じようと、信じまいと……

・病院への落雷
 
とある病院に落雷があった。電気の逆流で、病院内のあらゆる機械がショートした。激しい漏電によりCTスキャンを受けていた患者の頭部を完全に炭化させ、死亡させてしまった。 その翌日から、病院付近の住宅街のPC画面に、妙なメッセージが勝手に表示されるようになった。
「ここはどこなの?」

 信じようと、信じまいと……

・完奏できない曲「あの世への誘い」
 
「あの世への誘い」という曲がある。作曲者は不明だが、予測では一般市民が書いたものとされている。噂によれば、この曲が演奏されているときに寝ると、死んだ友人・知人・家族に会えるという。しかし、この曲の楽譜の最後の二ページは破れており、完奏することはできない。

 信じようと、信じまいと…… 

・吸血鬼を自称する男
 
ドイツのとある町に、吸血鬼を自称する男がいた。吸血鬼を自称するだけの無害な男だったため、町人達は男を放っておいた。ある日、道路を横断中の男に車が突っ込み、男は死んでしまう。轢死した男からは、成人男性六人分もの血液が流れ出たらしい。

 信じようと、信じまいと…… 

・4時44分の怪
 
「4時44分の怪」という話を聞いたことはあるだろうか。4時44分に電話をかけると悪魔に繋がる、4時44分に鏡を見ると未来の姿が写る、といったものが主流であるが、無論、これらの話はいずれもただの噂話である。本当の怪異は、4時44分がいつまでも終わらなかった時に起こるのだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・精肉店に来た老人
 
一人の老人が精肉店を訪れていた。病弱そうな体に、蒼白の顔色。微かに腐臭の様な臭いも漂わせている。老人は店員に、肉の冷凍保存について聞いた。
「牛を生きたまま冷凍し、解凍したら生き返るか?」
 それは無理だと店員が答えると、老人は「やっぱり駄目か」と呟いて、ばらばらに崩れてしまった。

 信じようと、信じまいと…… 

・九光年以内の神
 
1904年の日露戦争の際に、ロシア正教会は全教会をあげて日本に天罰を下すように神に祈りを捧げた。結局何も天罰は降りず、ロシアは負けたが、その二十年後、日本で関東大震災が発生した。ロシアの物理学者はこの事実から「神は我々の位置から九光年以内に存在している」と結論を下した。

 信じようと、信じまいと…… 

・117の女
 
電話サービスに関する噂話は数多くある。たとえば、時報を知らせる電話サービス「117」にかけて117分後に電話を切ると、間髪を入れず電話がかかってくる。電話にでると「最後まで聞いていきなさいよ」と、時報を知らせる女性の声で背後から囁かれるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・手品師に消された6人
 
ある手品師がテレビ番組で、画面を通じて「あなたの存在は消えてなくなる」とメッセージを送ったところ、番組を見ていた人が、確認できただけで6人、忽然と姿を消したという。彼は事前に「暗示にかかりやすい人は決して番組を見ないように」と呼びかけていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・指輪入りケーキ
 
ある夫人は、出征中の息子の軍隊に、慰問品として手作りのケーキを焼いたが、途中で結婚指輪がその中の一つに入り込んでしまった。半分諦めながらも彼女は150個のケーキひとつひとつに、指輪を見つけたら教えて欲しいと手紙を添えた。果たして指輪入りのケーキを受け取ったのは、彼女の息子だった。

 信じようと、信じまいと…… 

・世界がもし100人の村だったら
 
世界がもし100人の村だったら
、8人は与えられたばかりの生をまだ理解できない者
、42人は生を理解していないが充実した生を送っている者
、45人は生を理解せず怠惰な生を送っている者
、5人は生と死とは何かを悟った者
、4人は自分の死を未だ理解していていない者である。

 信じようと、信じまいと…… 

・凄腕の狙撃主
 
第二次世界大戦中のイタリアに凄腕の狙撃主がいた。彼は射程ギリギリの標的でも難なく撃ち抜いて見せた。彼は1943年に戦死を遂げてしまうのだが、その両目は先天性の病で失明状態であったという。

 信じようと、信じまいと……

・二つの左手
 
関西のとある駅で人身事故が起こった。死体はバラバラになり、駅員がそれを回収した。全てを回収し終わったとき、一人の駅員が奇妙なことに気づいた。右手が見つからず、左手が二本あったのだ。

 信じようと、信じまいと……

・メモ魔
 
営業成績トップのある男は、メモ魔として知られていた。彼曰く、どんなに大量の仕事でも愛用のメモ帳に書いておくと、いつの間にか片付いているのだという。男がメモ帳を紛失したある日、大量の紙片がどこからともなく降り注ぎ、あっという間に男を圧し潰してしまった。

 信じようと、信じまいと…… 

・背景を見抜く女
 
ある程度の観察を行えば、会話せずとも相手の背景を見抜く特技を持つ女性がいた。ある日公園でデートの待ち合わせ中、近寄ってくる彼氏の表情を「見て」違和感を覚えたというメモを残し、彼女は消息を絶ってしまった。友人によると、彼女は昔から自分に関わる背景はなかなか見抜けなかったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・肉料理「ヒヒ」
 
英国の調査隊が、文化研究のため、ある小部族を訪ねた。無事に集落へとたどり着いた彼らは客人としてもてなされ、宴が開かれた。宴の席では、ヒヒと呼ばれる肉料理が出され、その味は絶品だった。その部族と敵対している別の部族の呼称がヒヒであると彼らが知ったのは、帰途の車の中であった。

 信じようと、信じまいと…… 

・名前のない手品師
 
ドイツに名前のない手品師がいた。彼の技術は素晴らしく、客が頼んだ内容を完璧にこなす事で有名だった。ある日、客が彼を撮った写真を出し、これを消して見ろと言った。彼は見事にそれを消し、拍手喝采が起こったが、気づくと手品師の姿はなく、その後も誰一人として彼を見つける事ができなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・マイルズ・ルーカス奇譚
 
マイルズ・ルーカスという男が道路を車で走行中、信号無視の車と衝突。弾き飛ばされた彼の車が激突したのは、交差点近くの墓地の中の、一つの墓石だった。墓に眠っていたのは「マイルズ・ルーカス」という同姓同名の人物。そして墓には、ある言葉が刻まれていた…… 
「死は全ての者に等しく訪れる」

 信じようと、信じまいと…… 

・健忘症について
 
健忘症という病気をご存知だろうか。一種の記憶障害で、発症の原因は様々だが、都合の悪いことを忘れるために起こることが多い。十七世紀半ば、ロシアのある村で、住民全員の記憶が一週間分消えてしまった。いったいどんな出来事が起こったのだろうか、確かめる術はない。

 信じようと、信じまいと…… 

・立ったコイン
 
ある高校で数学を教えていた教授が、学生たちを前にして「確率」のごく判りやすい例として、コインを放り投げて裏が出るか表が出るかをやってみせた。すると投げられたコインは裏も表も出さず、床の上に立った。

 信じようと、信じまいと……

・ハーバード大医学部の天才演説教授
 
ハーバード大学医学部に、とても上手い演説をする教授がいた。彼の講義は毎回生徒でごったがえし、全員が彼の演説に聞き入った。ある日、その教授の講義中、三十人もの学生が気分が悪いと訴えた。原因はわからずじまいだったが、そのとき教授が話していた演説のテーマは「食中毒」であった。

 信じようと、信じまいと…… 

・ある特定の状況を指す適当な言葉
 
ある青年が友人に近況を告げる手紙を書いていた。その際、ある特定の状況を指す適当な言葉が辞書にも見つからなかったため、自分で作って手紙に書いた。翌朝何気なく辞書を見ると、昨日手紙に書いた造語が、家中のすべての辞書に記載されていた。そしてその言葉は現在も英英辞典に記載され続けている。

 信じようと、信じまいと…… 

・数字では無い存在「ジョーカー」
 
トランプには必ず、数字では無い存在「ジョーカー」がある。「数字では無い存在が、もし数字になったらどうなるか?」という事を研究した男がいたが、彼は謎のメモを残して失踪してしまう。その内容は 「∞/0」 

 信じようと、信じまいと……

・異端博士とパンダ
 
ある博士は言った。「私たち日本人の命は軽視され、いずれ滅びるだろう」と……彼は当然のように非難され、界隈から姿を消した。またあるとき、一人の男子学生がいじめを苦に自殺した。しかしマスコミは、同時期に死んだパンダの子供の事をこぞって報道した。博士の言葉を覚えている者は、もう誰もいない。

 信じようと、信じまいと…… 

・コンピューター名人
 
会社員のある男性は、コンピューターを手なずける名人と言われている。会社のコンピューターが不調になったら必ず彼が呼ばれる。彼が電源を入れ直したり、なにかをしゃべりかけたりするだけでコンピューターの調子は元に戻るという。時には彼が姿を見せただけで復旧することもあるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・砂漠の龍宮城
 
ある探検家がオアシスに住む民族を探しに砂漠に旅立った。それから四十年して、彼は中国のとある山脈で変わり果てた状態で発見された。彼は精神に異常をきたしており、自我を失っていた。持っていた日記には「龍宮城のようだった。しかし奴らは俺のすべてを変更した。送り返す場所さえ」と書かれていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・暗闇に殺された男
 
「俺は暗闇に殺される」と常日頃から口にしている男がいた。男は暗闇を異常に怖がり、毎晩寝るときでさえも部屋中の電気をつけたままの生活を送っていた。ある嵐の晩、男が住む町一帯に落雷があり、大停電に見舞われた。それっきり、男の姿を見る者はなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・人間の眼は合わせ鏡を起こさない
 
鏡と鏡を合わせると、鏡達はどこまでもお互いを映し合う。曇りのない鏡は、自分も相手も欺いたりはしないからである。しかしこの世には、合せ鏡という現象を起さない鏡が存在する。それは、人間の目である。

 信じようと、信じまいと…… 

・はな、いりませんか
「はな、いりませんか」
 背後から声をかけられ振り返ると、バラの花束とハサミを持った少女が立っている。
「悪いけど、要らないよ」
「はな、いらないんですか?」
 不思議そうに言う少女の足下を見て「いや、要る」と答えた。そこには、今まで「要らない」と言った人たちのものであろう鼻が散らばっていた。

 信じようと、信じまいと……

・安産祈願のお守り
 
車を運転していたある男が、トラックの陰から飛び出してきた妊婦を避け損ない、電柱に正面衝突して死亡した。彼は普段から、外出するときは必ず交通安全のお守りを携帯するようにしていたが、その日に限って安産祈願のお守りを携帯していたそうだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・火を手に入れる二万年前
 
ひとりの男が板と棒を延々と擦り合わせていた。それは悪魔の所業といわれ、多くの人間は彼を疎んじ、忌み嫌った。彼は死の間際までその作業を続けたが、最後まで何も起こらなかった。……人類が火を手に入れたのは、彼の死から二万年ほどあとだったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・視界が三分の一
 
ある男は目を患い、眼帯をして出勤した。バスに乗っていると彼と同じく眼帯をした若い女が隣に座った。同じ境遇の親しみから「眼帯というのも、なかなか不便なものですね」と話しかけると、女は「何せ視界が三分の一になってしまいますからね」彼女の眼帯の中がどうなっているのか、男は聞けなかった。

 信じようと、信じまいと……

・図書館での変死
 
日本のある地域の小学校で、何人もの生徒が変死をとげた。変死した生徒は必ず、皆図書館で死んでいたという。警察はこの事件を徹底的に調べたが、結局迷宮入りにされた。だがそれ以降、その図書館に飾ってある無表情の人形が、不気味な笑みで今も笑っているらしい。

 信じようと、信じまいと…… 

・妻帯者集団失踪事件
 
とある町で、数百人もの男が集団で失踪するという事件が起きた。数日後、警察にひとりの男が出頭した。学者崩れのその男は「死者を墓場から蘇らせる」秘術を行ったという。失踪者は全員妻帯者だった。結婚は人生の墓場である。

 信じようと、信じまいと……

・教授の未来死体
 
ある大学教授の元に、白骨化した人間の両手両足が届けられた。骨の身元は不明のまま翌月、今度は両手両足を切り取られた教授の死体が自宅で見つかった。後に詳しく調べた所、奇妙な事に、送られてきた手足と殺された教授のDNAは一致した。骨の送り主は依然不明のままである。

 信じようと、信じまいと……

・寝たら溺死する男
 
ある男は毎晩溺れる夢に苦しめられ「寝たら溺死する」という妄想に取り付かれ、不眠症になってしまった。見かねた友人は彼を精神科医に通わせ、男は妄想と不眠を克服することが出来た。しかしある晩、彼はバーで居眠りの最中に死んでしまう。男の死因は肝炎、酒に溺れた結果の死であった。

 信じようと、信じまいと……

・ドイツの話す犬
 
ドイツに話す犬がいた……といっても、アルファベットが書かれた文字板を使ってだが、この犬は簡単な足し算、引き算もでき、人間がする簡単な質問に答える事もできた。あるとき調査に来た若い女学生が「何かやって欲しい事がありますか」と質問したところ「おまえのしっぽをふってくれ」と答えたという。

 信じようと、信じまいと……

・福島某デパート「何かが噛んでくる棚」
 
福島県にある某デパートの二階・婦人服売り場に、一箇所だけ商品が置かれていない棚がある。そのような状態になってから、もう十二年になるそうだ。理由は「お客様にとって危険だから」なんでも、その棚から商品を取ろうとすると、誰もいないのに指を強く噛まれる事件が頻発したそうである。

 信じようと、信じまいと……

・都市伝説「偶数階のドア」
 
「偶数階のドア」という言葉をご存知だろうか?これは団地やマンションなどの偶数階で、開けておいたドアが勝手に閉まるという現象だ。もしあなたが偶数階に住んでいるなら、注意した方がいい。なぜならドアが完全に閉じてしまった時が「人間ではない何か」を部屋に招き入れてしまった証拠なのだから。

 信じようと、信じまいと……

・卵を産む猫
 
昔、ローマに卵を産む猫がいた。何故猫が卵を産むのかはまったく分からなかったが、その卵からは子ヤギや子牛、金銀財宝が出てきたために、人々にたいへん喜ばれていた。ところがある日、卵から人間の胎児が出てきたために、その猫は殺処分されてしまった。

 信じようと、信じまいと…… 

・Skypeの同一人物
 
Skypeをしていた女性が、戯れに自分のIDで検索をしてみた。すると奇妙な事に自分の他にもう一つ同じIDが検索された。話しかけてみると、相手は性別も年齢も名前も自分と同一の人物で、さらに住所さえも全く同じであった。部屋の造りも、今座っている場所も。

 信じようと、信じまいと……

・呪術師に殺された海賊達
 
モザンピークの貨物船が、ペルシャ湾で海賊に乗っ取られた。ところが、乗っ取った海賊達は数日のうちに原因不明の奇病を発症した。皮膚はただれ、髪は抜け落ち、そのうちのほとんどは死亡した。海賊達にとって不幸だったのは、貨物船に呪術師が乗り組んでいるのを知らなかったことだ。

 信じようと、信じまいと……

・対になってない部位
 
目に見える人体の部位は必ず一対になっている。手も、足も、耳も、目も、二つずつ対称についているが、口だけが例外である。一方、人間の首の後ろには元々裂け目のような跡があり、胎内で成長する過程で消えてしまうことは余り知られていない。 

 信じようと、信じまいと……

・仮面と素顔
「私の素顔を見たいですか?」
 彼女の問いに、男は迷うことなく頷いた。行きつけの喫茶店で知り合った彼女は、目と口の部分に切込みを入れただけの白い仮面を常に着けていた。 よっぽど人目を避けたい有名人なのか、それとも……果たして彼女の素顔を見た男は、彼女の仮面が自画像だったことを知った。

 信じようと、信じまいと……

・魔女狩りのカビ
 
昔ヨーロッパで、麦につくカビの一種が大発生する事件があった。そのカビの混ざった麦をパンにして食べると、幻覚を引き起こす。やがて人々の脳は犯され、幻覚と疑心暗鬼から狂気の殺戮と拷問の日々がはじまった。それは後世、魔女狩りと呼ばれることになる。

 信じようと、信じまいと…… 

・アポロ計画
 
1960年代、アメリカはある研究を進めていた。その研究のテーマは「人類全体に嘘をつけるかどうか」その研究は69年7月20日に「可能」という判断が下された。大成功を収めたその研究の名は「アポロ計画」といった。

 信じようと、信じまいと……

・次はもう助けられない
 
カナダに住むある男性が、思い悩んだ末に自殺を試みたが、飛び降りた先は植え込みだった。首吊りのロープは切れ、拳銃は突然故障した。結局死にきれなかった彼はその晩、死んだ母の夢を見た。「次はもう助けられないと言われたよ」と、今年85歳になる彼は笑って言った。

 信じようと、信じまいと……

・げに恐ろしきは女の性(さが)よ
 
あるところに怖いもの知らずの将軍がいた。彼は、霊や魔物も、権力も、狂気も、自分の死すらも恐れることが無かった。やがて彼は王になり、国中の美女を集め後宮を造ったが、やがてそこに足を運ぶことも少なくなった。そして、男は死の寸前にこう言い残した。
「げに恐ろしきは女の性(さが)よ」

 信じようと、信じまいと……

・何かが入り込んでる。
 
ある晩男は、声が聞こえるだけの不思議な夢を見た。内容は「お前は自分のよく知る人間に殺される」というものだった。翌日、男は夢の中で何者かに首を絞められ、必死の思いで引き離したところで目を覚ました。男の左手には、自らの右手で掴んだ跡がくっきりと残っていた。

 信じようと、信じまいと……

・グレイの記録
 
ある高家に伝わる記録。「それは流星のように見えた。轟音とともに近くの森へ落ちた。従者を連れて見に行ったところ、大きな銀の皿のようなものが落ちており、近くには異様に目と頭の大きい人物が倒れていた。すぐに手当てをしたが、まもなく死んでしまった」

 信じようと、信じまいと…… 

・六名目のプレイヤー
 
NBAのある試合で、ロングスローされたボールがゴールに届く前に何者かに叩き落されたかのように空中で落下する事件が発生し、試合は一時中断された。トリックは見当たらず、そのまま試合は続行されたが、数名の観客からは、一方のチームに六名のプレイヤーがいるとの訴えがあったがそれは退けられた。

 信じようと、信じまいと……

・鶏の幽霊
 
中世ヨーロッパ、ある哲学者は食料の冷凍保存を考案した。彼は街の通りで鶏を買い、殺して捌いたあと中に雪を詰めるという実験を行った。実験は極寒のなか行われたため、その後彼は肺炎をこじらせて死んだ。それ以来、その通りには幽霊が出るという。哲学者ではなく、鶏の……

信じようと、信じまいと…… 

・奇妙な箱と鍵の鳥
 
ある研究グループの海中探査機がカリブ海を探索していたところ、奇妙な箱を発見した 箱は歪な形の鍵がかかっており、開錠は困難だった。それから二十年後、鍵穴にぴたりと合う形のくちばしを持つ鳥が出現するが、政府によって絶滅させられた。政府は箱の中身を知っていたのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・二度と開かない
 
その老人は、毎日教会へ通い「願いが叶いますように」と祈り続けていた。ある朝老人は、自分の目が開かなくなっていることに気づき絶望した。彼が願い続けていた事とは「朝、目を開けたら世界が平和になっていますように」というものだった。

 信じようと、信じまいと……

・一つになったカップル
 
ある夜、カップルと思しき男女が溶鉱炉に飛び込むという凄惨な事件があった。1500℃を超える鉄は二人の骨一本さえも残さなかった。二人の最後の日記にはこう書かれていた。 
「今夜私たちは一つになります」 

 信じようと、信じまいと……

・犬の綱渡り
 
とある町で、サーカスの興行が行われていた。一番の見世物は犬の綱渡りである。クラウンの合図と共に、犬は綱を渡り始めたが、半分ほど渡った所でそれ以上進まなくなってしまった。観客が何事かと見守っていると、犬は突然向きを変え、何も無い空中を登って行ったかと思うと、そのまま消えてしまった。

 信じようと、信じまいと……

・現実世界を侵食する本
 
現実世界を侵食し続ける本があるという。その本に書き込まれたことは、どんなでたらめだろうとその通りに世界を書き換えてしまうらしい。もし世界が書き換えられたとしても、それは「最初からあった事実」になるので、その本を見つけることができても、どのような書き換えが行われたのかはわからない。

 信じようと、信じまいと……

・チェスボードの反撃
 
ある男は向かうところ敵なしのチェスの名人だった。もはや相手になる人間はなく、スーパーコンピューターと勝負することになった。勝負は終始男の有利に進み、ついに決着の時がきた。男がチェックメイトを打った瞬間、金属製のチェスボードを通してコンピュータは男を感電死させた。

 信じようと、信じまいと……

・深海6000mの男
 
アメリカの海洋調査会社が深海の調査を行っていたところ、深さ6000mの海底付近で、無人カメラが潜水服を着て酸素ボンベを背負ったダイバーの姿をとらえた。人間が耐えられるはずのない深度にいたその人物はカメラに向かってピースサインをしたあと、深海の闇の中に消えていったという。

 信じようと、信じまいと……

・はねられた透明人間
 
ある町で奇妙な事故が起きた。バスが人をはねたらしいのだ。……らしいというのは、死体が見つからなかったからだ。現場にはB型男性の多量の血痕が残されており、乗客も衝突の音と悲鳴を聞いたと証言した。事故の瞬間に居合わせた者の証言によると、何もない空間からいきなり血しぶきが飛び散ったと言う。

 信じようと、信じまいと……

・時計仕掛けのシャンパン
 
大晦日の夜、とあるバーで小さな年越しパーティが開かれていた。店主が高価なシャンパンをサービスし、0時になると同時に栓を抜こうとしたのだが、上手く栓が抜けず、2分ばかりてこずってしまった。数人の客が気づいたことだが、彼が悪戦苦闘している間、店の時計の針は0時のまま止まっていたという。

 信じようと、信じまいと……

・殺人鬼を殺す手
 
殺人鬼は不死身である。しかし、彼が死ぬ方法が唯一つだけ存在するらしい。その方法がとられたことは今まで一度もなく、これからもそれが成されることはないという。

 信じようと、信じまいと……

・一杯のマティーニ
 
映画界には「ジャクリーン夫人に一杯のマティーニを」という伝統的な合言葉がある。映画に社交パーティーのシーンが登場するときは、必ず一杯のマティーニを用意するらしい。完成したフィルムに、マティーニを飲む見覚えのない老婦人の姿が映っていれば大丈夫、その映画のヒットは保障されるという。

 信じようと、信じまいと……

・CDの叫び声
 
ドイツのとあるホールで、管弦楽団がコンサートを開いた。観客は大入り満員で、演奏も大きなミスなく進行して行ったのだが、途中で体調不良を訴え退出する客が続出し、最後には半分ほどになってしまった。現在このコンサートを録音したCDが残っているが、曲目に関係なく叫び声が時折聴こえるという。

 信じようと、信じまいと……

・地下の男
 
ある男は二階建ての家の二階で寝ていたが、翌日起きてみると、布団ごと一階へ移動していた。それが数週間続いたある日、酔っ払って帰ってきた男は一階で眠りについてしまった。それから、男を見た者はいない。 

 信じようと、信じまいと……

・映画を始めて見た客
 
1985年、世界で始めて映画を観た客は驚いて逃げ出したという。彼らは一体何を見たのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・考える人が考えること
 
人間の死後について考えたことのある人は多いだろう。ただ、あまり考えすぎるのもよくない。あなたの思考する力があの世に引き込まれると、残された自分自身はたちまち廃人になってしまうからだ。余談だが、ロダンの「考える人」は、地獄について考えているという。

 信じようと、信じまいと……

・ドッペルゲンガーを撃った男
 
見たら死ぬといわれているもうひとりの自分、ドッペルゲンガー。ある男はドッペルゲンガーと鉢合わせたとき、とっさにポケットの銃を抜き、こちらを見て笑みを浮かべるもうひとりの自分に向け発砲した。放たれた弾丸は何もない所で兆弾し、男の眉間に命中した。

 信じようと、信じまいと…… 

・シェルター内の何か
 
東京の地下には大規模なシェルターが設けられている、という都市伝説があるが、それは確かに存在していた。「していた」というのは、現在シェルター内をうろつく何者かのために放棄され、出入り口もコンクリートで完全に封鎖されているためである。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の廃ビル
 
地図に載っていない建物や場所が、ごくまれにある。通常は地図を作成した側のミスである事が多く、その旨を連絡すると謝礼が出るらしい。しかし、そうした「未掲載」の中には、わざと掲載しない場合もあるという。例えば埼玉県の某所にある廃ビルは、建物ごと行方をくらますので掲載を見送ったそうだ。

 信じようと、信じまいと……

・死ねて幸運
 
とある田舎町に、大層幸運な男がいた その男はどんな状況においても強運を発揮し、その度に満足げに微笑んだという。ある日、男は「俺が今のうちに死ねるのは、まさに幸運だ」という言葉を残して消えてしまった。一体、この先に何があるというのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・汚れに潜むメッセージ
 
さっき拭いたはずの眼鏡のレンズが汚れている。こんな経験はないだろうか。何かに当てたり、自分で触った記憶もない。しかし、ある人に言わせるとこれらの汚れも、すべて何かが触ったことによるものだそうだ。
「何が触っているかは知らないほうがいい」
 ある日を境にメガネをやめた彼はそうつぶやいた。

 信じようと、信じまいと……

・余計なお世話
 
事故で左手の親指を切断する大怪我を負い、入院中だった男は、ある日隣のベッドの少女に話しかけられた。「指、取れちゃって可哀想 治してあげる」男は苦笑したが、その翌日、目を覚ますと本当に指が治っていた。彼女は嬉しそうに「これからどんどん生えてくるよ」 現在、彼の左手には指が21本ある。

 信じようと、信じまいと……

・真似できない死に方。
 
山小屋で死体が見つかった。死体の傍には遺書があり「誰にも真似できない死に方をします」とだけ書かれていた。確かに死体はとてつもなく奇妙な死に方をしており、他殺の線も考えられたほどだった。死体には手足と頭が無く、全て消化器官に収められていたのだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・死出の通り銭
 
とある村の祠には、小さな賽銭箱が奉られており、昔から「死出の通り銭」と呼ばれる現象が伝えられている。周囲に誰もいないのに、銭を投げ入れる音がするのだ。音がした翌日に村の住民が亡くなるため、死神が通りがけに清めの銭を投げ入れているのだろう、と噂されている。

 信じようと、信じまいと…… 

・またくる
 
ある男が深夜部屋に戻ると、壁に血文字で「またくる」とだけ書かれていた。男に心当たりはなく、部屋の鍵もかけられていたままだった。男はすぐさま警察に通報、検察官によって血液が調べられたが、結局それが誰のものなのかわからなかった。以来、男は何者かの二度目の訪問に怯えながら暮らしている。

 信じようと、信じまいと……

バッタの栄養価
 
栄養学の立場から言えば、重さ1キログラム分のバッタは、同じ重さのステーキより、三倍も栄養価が高い。もちろん、呑み込めたらの話だが。

 信じようと、信じまいと…… 

・ダイヤモンド鉱脈
 
南アフリカでダイヤモンド鉱脈が見つかった。その埋蔵量は一兆カラット以上といわれた。しかし価値が暴落する恐れがあるため、その鉱脈は国際的に封鎖、管理され、ダイヤモンドは今の価値を保ち続けているという。 

 信じようと、信じまいと……

収集癖のある男
 
ある男のPCには、多種多様の画像がHDDいっぱいに詰め込まれていた。周囲の人間は「無意味なことを」と笑ったが、彼の収集癖は勢いを増すばかりだった。ある日男の友人が、悪戯で彼のフォルダの一つを削除した。すると同時に男も消えてしまった。そのフォルダの名は「信じようと、信じまいと……」

 信じようと、信じまいと……

・いつまで埋めとくの?
 
ある男は毎日のように悪戯電話を受けていた。その内容は「今日で~日」と女性が日数を数えるだけのもの。しかし「今日で30日、いつまで埋めとくの?」という留守録を聞いた男は恐怖のあまり警察に出頭した。留守録の声が、強姦の末に殺して山中に埋めた女性のものであることを思い出したからである。

 信じようと、信じまいと……

・最後の7本
 
アメリカで、一人の野球選手が亡くなった。彼は息子に、今期中に通算二百本塁打を達成すると約束していたが、残り七本を残しこの世を去った。翌日、彼への黙祷が奉げられた試合で、両チーム合わせて七本の本塁打が飛び出した。打った選手の頭文字を並び替えると、FRANCIS 亡くなった選手の名だ。

 信じようと、信じまいと……

・ダウンバースト
 
上空から強風が吹き下り、建物などが破壊される現象を、ダウンバーストという。その日起こったダウンバーストは、建物の損壊した形が人間の足によく似ていた。「巨人が積乱雲を割って現れ、街を踏みつぶした」とは、当時小型機で空撮を行っていたカメラマンの証言である。

 信じようと、信じまいと…… 

・左天国、右地獄
 
とある山奥に、自殺の名所となっている崖がある。毎年数十人が飛び降り自殺をするその崖の前には、誰の悪戯か「左天国、右地獄」と書かれた看板が設置されている。不思議なことに、その看板の左側から身を投げる人は、ここ数年誰一人いないと言う。

 信じようと、信じまいと…… 

許してくれ、許してくれ
 
ある男はいつも何かに怯えていた。昼間から酒を飲んでは「許してくれ、許してくれ」と哀願するのを、多くの人が呆れ顔で聞いていた。ある日、男は自室で首を吊っているのを発見される。死体は満面の笑みを浮かべていて、部屋の壁にはびっしりと「許します」と書かれていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・13につきまとわれた橋
 
とある橋は、とかく13につきまとわれた橋だった。いつの頃からか、毎月13日に必ず事故が起こるようになり、死者も度々出た。そして完成から13年後のある日、やはり13人の通行者を巻き込んで橋は崩壊した。崩れた橋梁の中からは、13人分の遺骨が発見された。

 信じようと、信じまいと…… 

・伯爵の頭蓋骨
 
金持ちの資産家が、馴染みの古物商からある伯爵の頭蓋骨を買った。伯爵は十八世紀に活躍した貴族で、錬金術に精通し、永遠の命を手に入れたとも言われる人物だという。「永遠の命か、羨ましいね」資産家が頭蓋骨に向かって皮肉っぽく言うと、頭蓋骨は「そんな良いもんでもないさ」と笑った。

 信じようと、信じまいと……

・2012年5月3日に死ぬ男
 
ある男性は「俺は2012年5月3日に死ぬんだ」と日頃から話していた。2012年5月3日、まさにその日、彼は首を吊って自殺した。警察の捜査によって事件性はなしと結論づけられたが、部屋の机の上には「死にたくない、死にたくない」と書かれたメモが残されていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・サブリミナル恐慌
 
大学教授の指導の下、とある映画館でサブリミナル実験が行われた。映画館側もその効果を期待していたが、何も起きなかった。それもそのはず、サブリミナルで「何もするな」と表示するイタズラ企画だったからだ。その後、実験に参加した観客全員が失業したのは、番組と無関係という事になっている。

 信じようと、信じまいと……

・記念写真に写り込む謎の女の子
 
ある小学校では、もう何年もの間、卒業生の記念写真を撮っていないという。写真を撮ると、必ずどこかにクラス名簿にない女の子が写ってしまうからである。彼女の顔は蝋のように真っ白で、とても生きた人間とは思えないそうだ。

 信じようと、信じまいと……

・視線や物音の酷い部屋
 
「家の中で視線や物音が酷い」と何度も通報をしてきた男の部屋に警察が駆けつけた。部屋には侵入した形跡もなく、警察は男の悪戯として処理した。翌日、男は自ら家に火を放ち自殺した。焼け跡からは、男一人分では考えられない量の人骨が発見されたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・怨みの遺体
 
恋人を殺害し遺体を湖に捨てた男がいた。帰宅途中に車内から悪臭がすることに気付き、トランクを開けてみると、捨てたはずの遺体が入っていた。恐ろしくなった男がもう一度捨てに行くと、今度は自宅に遺体があったという。錯乱状態の男がその日のうちに自首をしたのは言うまでもない。

 信じようと、信じまいと……

・砂時計の湖
 
フランスのとある森に「砂時計の湖」と呼ばれている湖がある。澄んだ水をしているその湖から、満月の夜にはあらゆる生物が姿を消してしまう。不思議に思ったある釣り人は、満月の夜、船を漕ぎ出し湖を覗き込んだ。彼は見てしまった。うごめき波打つ湖底の砂……底に存在する「何か」を……

 信じようと、信じまいと……

・猫の集会
 
どの町の猫達も深夜に集会を開く。そこは公園であったり、人家の庭であったりする。とある学生が、それに興味を持ち、集会の共通性を調べ上げ、それを論文にまとめた。その日から、どの町でも猫の集会を見られなくなった。

 信じようと、信じまいと…… 

・白のみで統一された家
 
近頃、家族が丸ごと失踪する事件が様々な国で起きている。ある家族は一切の痕跡を残さず消え、またある家族は、人型の血痕を残して消えた。ケースは違えどそれらの失踪事件は一つ共通点がある。彼らが住んでいた家は、壁や家具など、全てが白のみで統一されていたと言う。

 信じようと、信じまいと…… 

生きた消しゴム
 
ある会社事務員の女性は、十五年ほど前からずっと同じ消しゴムを使い続けている。何の変哲もないそれは、1/3程度のあたりから一向に減っておらず、古びる様子もない。そして、ちょうど必要な時に机の上に転がっているのだとか。「便利でいいわ」と彼女は言う。

 信じようと、信じまいと…… 

・カノカワ
 
沖縄県にカノカワというわれる海がある。とある男性がその海で貝を取っていると、巨大な魚が彼の目の前に現れた。のちに男性はその魚についてこう語っている。
「その魚はよく見ると首がありさらに奥のほうには体があった。あれは図鑑で見た首長竜そのものだった」

 信じようと、信じまいと…… 

・落下する宇宙
 
ある天文学者曰く、宇宙の滅亡は何百兆年後などではなく、あと数年後の出来事である、というのだ。学会は彼を全く相手にしなかったが、彼はまだ学説を曲げていない。「宇宙は落下し続けている。動きは相対的で気づきにくいが、もうすぐ『着地』するだろう」と……

 信じようと、信じまいと……

・竜巻の目にいた人
 
アメリカのとある州で竜巻が発生した。その竜巻は不思議なことに、三時間にも渡って一箇所に留まり続け、突然消えてしまったのである。そしてその竜巻を見た人々は口をそろえてこう言った。「竜巻の目に巨大な人がいる」と。

 信じようと、信じまいと……

・人間が聞いてはならない音
 
耳はノイズを消すために微弱な音を発している。だが、他人に自分の耳の音を聞かせてはならない。それは「本来人間が聞いてはならない音」だからである。ちなみに、耳鼻科医の失踪率は、他の科の医師の十五倍にもあたるといわれている。

 信じようと、信じまいと……

・風呂場のビー玉
 
ある男が風呂場でビー玉を見つけた。よく見ると、表面に模様が彫り込まれている。男はそれをポケットにしまった。次の瞬間、ポケットから女性の悲鳴らしき声が響いた。慌てて男がポケットを裏返すと、ビー玉の模様は無く、ポケットの中は血で濡れていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・未来怪談
 
あるオカルト好きの学生が、自分で創作した怪談を、人から聞いた話だと言って仲間に話した。しばらく経ったある日、似たような話を別の友人から聞かされた。友人曰く、実際に起きた殺人事件が基になった噂話らしい。調べてみると、その事件が発生したのは、彼が最初に話を創った二年後の出来事だった。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の下水道跡
 
埼玉県にある古い下水道跡へ、四人の若者が肝試しに行き、行方不明になった。数日後、記憶喪失で戻ってきた一人の体には無数の虫の刺し傷があった。その虫は、カナダとアラスカの一部にしか生息していない虫だった。 

 信じようと、信じまいと……

・傘バス
 
山梨県の田舎町で、少し前まで「傘バス」と呼ばれるバスが通っていた。普段乗るバスと見た目も時間も変わらないが、車中には大量の傘が用意してあるらしい。その中には、乗客達がこれまでになくしてきた傘が必ず混じっている。「傘バス」が走る日は、予報にない雨が必ず降り出すという。

 信じようと、信じまいと…… 

・「入口」という森
 
某県某市には「入口」という名の森がある。黄泉へ繋がっているとの伝承があるその森へは、狩人さえ滅多に近づかない。記録に残る「入口」に入った最後の人物は、数十年前に調査のため訪れたある民俗学者だが、彼がいつ亡くなったのかは記録されていない。余談だが、この地域に「出口」という地名はない。

 信じようと、信じまいと…… 

・とある数学者の死
 
「この世の全ては数字で動いている」というのが、ある数学者の信条だった。彼は、理解不能な数式を用いて、しばしば賭博で大勝ちしていたが、四十歳の時に交通事故で命を落とした。「運命は計算できなかったらしい」と彼を悼む者もいれば「死んだ方がマシな未来が見えたんだろう」と言う者もいた。

 信じようと、信じまいと…… 

・「鏡」という題の本
 
「鏡」という題の本がある。読んだ人間の過去・未来・本性・感情によってその中身は変わり、決して同じ内容になることはないという。ある日一人の善良な主婦が、その本を片手に死んでいるのが発見された。彼女はどのような物語を読んだのだろうか……その本は現在も古本市に出回っているという。

 信じようと、信じまいと…… 

・間違えたサンタ
 
ある少年はサッカーボールが欲しかったものの、手持ちがなかった。無駄を承知で「神様、ボールを下さい!」と願った翌日、家の玄関にボーリング球が置かれていた。少年は思わず「神様、これじゃないよ!」と叫んだ。次の日、ドイツ語で「すまない、間違えた」と書かれたメモ用紙が玄関に貼られていた。

 信じようと、信じまいと…… 

深海で歩く人
 
宇宙よりも謎が多いといわれている深海。未だ未調査の領域も多く、新種の生物や、もう絶滅したと思われていた生物が見つかることがある。奇妙な噂も、研究者の間では絶えない。それはこういうものだ。
「探査機のモニター画面の中で、歩いている人を見た」

 信じようと、信じまいと…… 

・異常人気の謎ゲーム
 
ある一本のゲームが発売された。そのゲームは異常な人気を博し、ソフトを巡り、強盗事件が発生するほどであったと言う。現代でもそのゲームの続編は発売され続けているが、そのような事件が起こることは無い。かつて彼らを熱狂させたものは、一体、何だったのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・教科書の落書き
 
とある小学校に通う少年は、教科書に載っている偉人に落書きするのが好きだった。ある日少年がいつものように落書きをしていると、その人物が笑ったように見えた。恐ろしくなって教科書を閉じたが、数日後、落書きと同じ模様の痣が少年の顔に現れた。痣は決して消えず、彼は現在も後悔し続けている。

 信じようと、信じまいと…… 

・雨女と統計学者
 
ある統計学者は、雨女だと自称するひとりの女性と出会ってから十年間、彼女が外出するときは欠かさず同行し、毎回雨が降ることを記録し続けた。しかし一度だけ風邪をひいてしまい、泣く泣く彼女を見送った日があった。一日中快晴だったその帰り、友人たちは密かに統計学者が雨男だったのではと噂した。

 信じようと、信じまいと…… 

・逆の色覚
 
人間の視神経と繋がる脳の部位を調べてみると、およそ三百人に一人は赤と青など二つの色が逆に見えているはずだという。彼らは赤く見えるものが青、青く見えるものが赤と思い込んでいるため気づくことはない。あなたの視界は、本当に周囲の人と同じだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・ウルトラマンAお蔵入り回
 
ウルトラセブンの一話が、抗議によって封印処分されたのは有名な話であるが、実はウルトラマンAにも封印された回が存在する。抗議等を受けたからではなく、製作側が自主的にお蔵入りを決定したのだという。完成したフィルムを試写した時、劇中の台詞がすべて女性の金切り声に変わっていた為らしい。

 信じようと、信じまいと…… 

・いなかったはずの男
 
ある町で一人の独身男性が亡くなった。彼は日頃から「自分は死んだら全ての人から忘れられるのでは?」と恐怖していた。男の友人が役場に届けに行くと、彼の戸籍は初めから存在していなかった。彼が恐れていたのは本当に「忘れられること」だったのだろうか?

 信じようと、信じまいと…… 

いわくつきの石垣
 
ある村の少女は、年寄りに中腹にある石垣に立ち入るなと言われていた。少女に思い当たる節は無かったが、石垣には近づかないようにしていた。ある晩少女が目を覚ますと、豪雨の中、石垣の上で寝ている自分に気が付いた。驚いて山を下ったが、すでに村は土石流に押し流され、助かったのは少女だけだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・朝日が昇る確率
 
ある特殊な方法で計算した場合、朝陽が昇る確率は1/1000000を下回ることが判明した。もちろん、太陽はそんな確率に関わりなく毎朝大地を照らす。この事実を知ったとき、その計算をした学者はこれぞ奇跡だとして神を賛えたという。

 信じようと、信じまいと……

・死者に噛まれた子供
 
死者がまだ簡単な棺桶に入れられて土葬にされていたときの話。子供達数人が墓地で遊んでいると、一人の少年が、埋めてあった棺桶を踏み破ってしまった。足はどうやっても抜けず、数人がかりでようやく足を引き抜くことに成功した。足の先には、明らかに人間に噛まれた歯型が付いていたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・奇跡のコイントス
 
ある数学者が屋外でコイントスをしてみた。すると空中で鳥がくわえて飛んで行ってしまった。もう一度やってみると、コインは見事、地面に垂直に立った。まさかこんなことがあるとは。拾い上げたそのコインを見ると、表と裏が同じ柄のものだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・鏡の中の男
 
「自分は鏡の世界の住人だった」という男がいた。彼曰く、世界のどこかに自分だけが映らない鏡があり、そこから鏡の向こう側に行けるという。「普通の鏡だと、鏡の向こう側の『自分』がこっちに来ないように押さえ付けているから、向こう側の世界へは行けない」らしい。

 信じようと、信じまいと…… 

・自然発生する本
 
本は作ることができる。大量の本の山に何も書かれていない本を一冊混ぜ、長期間放置する。すると、何も書かれていないはずの本に文章が書かれているという。歴史ある図書館には、そういった本が必ず有るのだという。

 信じようと、信じまいと…… 

・光合成の出来る人物
 
中国湖北省のある人物は、光合成が出来る人間だった。彼は存命中、食物をほとんど取らず、水と日光のみで生活していた。1976年に彼は病死し、荼毘にふされたのだが、遺骨は残らず、周囲には生木が焼けるような臭いだけが漂っていた。

 信じようと、信じまいと……

・Something Invisible
 
テネシー州郊外の動物園には「Something Invisible」とだけ書かれたケージがある。ガイドも「そうとしか言いようがない」と投げやりな説明しかしてくれないが、何も見えないケージの前から人が絶えることはない。運が良ければ中の「何か」が餌の肉を食べるところが見られるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・天使にさらわれた男
 
深夜、男が住む家に激しいノックの音が響いた。同時に親友の声で「助けてくれ、天使にさらわれる!」と聞こえたので、ただならぬ様子に慌てた男がドアを開けた瞬間、空から靴が片方落ちてきた。以来、親友の消息は不明である。

 信じようと、信じまいと…… 

・ツクモガミ
 
人が作る作品には時々ツクモガミと言う魂が宿る事がある。木彫りの像から機械、パソコンの規格一つまで該当する。作品たちには様々な願いが込められているが、古くて使い物にならなくなったある作品を「殺そう」とした男が居た。それを殺す前に、彼は不可解な死を遂げた。

 信じようと、信じまいと…… 

・狼女
 
とある田舎町で、少年五人が連続して獣に噛み殺される事件が起きた。その直後に、三歳年上の姉を射殺した十四歳の少女が逮捕された。彼女は「姉が狼に変身し、付き合った少年たちを殺した。自分も殺されそうになったので撃った」と主張した。妹の脚には少年たちを殺した獣と同じ歯型がついていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・三十年に一回の人肉
 
ハンバーグ、メンチカツ、餃子、ミートボール、コンビーフなど。これら肉を加工した食品を、一日一回以上食べたとする。計算上、三十年に一回の確率で人肉が混入している。

 信じようと、信じまいと……

デザインの無い缶
 
とある町に、地元では有名なジュースの自動販売機がある。下段、一番左のココアのボタンを押すと、まれにデザインの無い缶が落ちてくることがある。開けると、腐った生肉のような臭いとともに緑色の液体が垂れてきて、まるで生きているかのように、地面に吸い込まれていくそうだ。

 信じようと、信じまいと…… 

ノイズの走る男
 
ある男が死体で見つかった。男は苦しんだ跡も無く、まるで眠ってるかのようだった。死因は誰にもわからなかったが、男は生前周囲の友人にこんな事を話していた。「最近頭にノイズが走るんだ。テレビの砂嵐みたいに……日ごとにその時間が長く、間隔は短くなってきている」

 信じようと、信じまいと…… 

・逆になった飼い猫
 
ある男は、外から戻ってきた飼い猫の異変に気付いた。顔の右にあった黒いぶちが左に移動していたのだ。よくよく見ると、全身の模様がすべて左右逆になっていた。猫はひどく怯えた状態で、それ以降見知らぬ人を異状に怖がるようになったという。

 信じようと、信じまいと……

・身代わりになった兄弟
 
相手も死ぬが自分も死ぬという、禁忌の呪術を試した男がいた。数日後、呪いをかけた相手は本当に死亡したが、男は一向に死ぬことはなかった。しかし、数日後、母親から男のもとへ、息子が死んだと手紙が届いた。男は一人息子だったはずなのだが……

 信じようと、信じまいと…… 

・子供達の変死
 
とある山あいの公園で、子供達が一斉に変死するという事件がおきた。一緒に遊んでいたにも関わらず、唯一生き残った少年はこう証言した。どこからともなく 『あなたはそこにいますか』 と声が聞こえ、亡くなった子供達は残らずその呼びかけに応えたのだ、と。

 信じようと、信じまいと……

・客室前
 
一枚の古びた絵がある。大きな扉が描かれたその絵には「客室前」というタイトルがつけられている。実はこの絵、時々具現化するのだ。扉を開けるとそこは小さな部屋になっており、テーブルの上には豪華な料理が湯気を立てている。更に、料理の前には入室者の名前が書かれたプレートが置いてあるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・実在のマグリッド
 「空に浮かんでる城を見た」という人は全国各地に存在している。彼らの目撃した城の特徴は共通して、絵本で見かける宮殿のような城であり、雲の上に浮かんでいると言う。それは夢か幻だったのか?それとも……

 信じようと、信じまいと…… 

・マネキンの喧嘩
 
ある夜、一人のサラリーマンが公園でリンチされている青年を見つけた。彼は鞄を放り出して不良たちに立ち向かったが、彼が一人の男に体当たりをした瞬間、彼を除く全員が倒れ、動かなくなってしまった。彼は目を疑った。そこに横たわっているのは、全てマネキンだった。

 信じようと、信じまいと…… 

真逆の死因
 
夫はヘビースモーカーの菜食主義者、妻は煙草はやらないがステーキが大好物……と、食の嗜好は真逆だったが、地元では有名なおしどり夫婦がいた。二人は同じ時期に病に倒れ、同じ日に息を引き取ったが、夫の死因は高脂血症による脳梗塞、妻の死因は肺癌だったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・混ざり込む首吊り死体
 
過去に首吊り自殺があった部屋で、服を部屋干ししたまま眠りについてはならない。あなたが部屋の電気を消すその瞬間、部屋に吊るされた洗濯物の中に、首吊り死体が混ざり込むからだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・透明忍者
 
アラスカにある核廃棄施設で、何者かによる警備員、研究員の惨殺事件があった。その凄惨な事件による死者は45名にものぼった。たったひとり、奇跡的に助かった研究員がいたが「透明……ニンジャ……」と意味不明な言葉を残し三日後に自殺してしまった。

 信じようと、信じまいと…… 

時間のずれ
 
ある作家Aが生まれて数ヵ月後、その母親が「もう一人いたのに……」と呟きながら発狂した。やがては自分も母と同じようになるのでは、と怯えながら生きていたAは、三十歳のときに自ら命を絶った。数十年後、若い頃は美男子で「作家のAに瓜二つ」と評判だった老人がひっそりと息を引き取った。

 信じようと、信じまいと…… 

・文明を持つアリ
 
ある学者が、奇妙な蟻を見つけた。その蟻は別の種類の蟻と戦っていたようだったが、よく見るとその蟻の顎には金属片が付いていたそうだ。学者は言う。「もしかすると、蟻も我々と同じような文明を持っているのかもしれない」と。

 信じようと、信じまいと……

・アレックス・ドナヒュー
 
映画などのクレジット表示を拒否した際に使われる偽名「アラン・スミシー」は、割と有名であるが「映っているはずのない役者」を示す偽名が「アレックス・ドナヒュー」であることを知っている者は少ない。うっすらでも「映ってしまっている」以上は役者とみなすのが、映画協会の取り決めらしい。

 信じようと、信じまいと…… 

本物のネッシー写真
 
有名なネッシーの写真が捏造と発覚した後、ある番組で討論特集が生放送されていた。司会者が「絶滅した恐竜の生存証拠かと思ってたのに、残念ですね」と言うと、ある教授が「私はあれが捏造と見抜いていた。本物はこれだ」と懐に手を入れたところで番組は中断された。その後、教授の行方は誰も知らない。

 信じようと、信じまいと…… 

・穴を描く画家
 
あるところに「穴を描く画家」がいた。地元では名の通った男だったが、ある日、急に仕事場の床を黒く塗り始め、数年かけて巨大な「穴」の絵を描き上げたという。絵の完成直後、この画家は失踪したが、仕事場を訪れた誰もが「彼はこの穴に落ちたに違いない」と言ったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・人身事故を予告した謎の男
 
電車を利用していた女性が、向かい合った男から「これから大変ですね」と声をかけられた。適当に「ええ、まあ」と答えた瞬間、人身事故で車両が激しく揺れた。飛び込んだのは女性の母親で、ノイローゼからの自殺だった。電車が停止する頃には、男の姿はどこにもなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・色でできた世界
 
全盲の娘に「色」について尋ねられた父親が「音楽が沢山の音でできているように、この世界は沢山の色でできている」と教えた。その日から娘は、赤い紙と青い紙を破る音を聞き分けるなど、色の違いから音の違いを認識できるようになったが、水や風などの透明なものが発する音は聞こえなくなってしまった。

 信じようと、信じまいと…… 

・謎の物理学者
 
ある数学者は、知人の物理学者から「自分で書いた覚えの無い論文について質問を受ける」と相談を受けた。数日後、物理学者は殺人容疑で逮捕され、以後二度と会うことはなかった。しばらくして数学者は、ふと気づいた。自分はいつ、どこで物理学者と知り合ったのだろう。

 信じようと、信じまいと…… 

・客人
 
無風であるにも関わらず、部屋のドアが自然に開いたとき、すぐにドアを閉めてはならない。 その「客人」が帰るまでは…… 

 信じようと、信じまいと……

・写真を撮られたら死ぬ王
 
ある国の王は、占い師に「写真を撮られたら死ぬ」と予言されたため、一切写真を撮らせなかった。しかし王と面会した画家が、王そっくりの肖像画を描いてしまい、その絵が国の新聞に掲載された。その直後に王は暗殺されてしまった。肖像画を載せた記事のタイトルは「信じようと、信じまいと……」

 信じようと、信じまいと…… 

・1996年12月25日の墜落死体
 
ある冬の朝、デンマークの片田舎で身元不明の死体が発見された。その太った老人は、検死の結果、数百メートル以上の高さから「墜落死」していたことが判明した。だが妙なことに、死体の周辺には、高い建物などは何一つなかった。1996年、12月25日のことである。

 信じようと、信じまいと…… 

・ソユーズ1号着陸失敗の謎
 
ソ連の宇宙船、ソユーズ1号は打ち上げには成功したが、着陸に失敗。乗員であるウラジミール・コマロフは命を落とした。不思議なのはそれからである。ソ連政府は、宇宙船の回収班の班員に何故か生物学者を加えた。さらに、墜落した森林地帯でそれ以降三ヶ月間に渡り、赤い怪光が何度も目撃されたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・鈴木選手の幻影
 
俊足で活躍したプロ野球選手の鈴木氏は「盗塁の秘訣は?」という問いに対し「自分の数歩前を自分の幻影が走っていて、それと同じ様に走れば大半は成功した」と答えた。現役引退後、登山中に遭難してしまった彼の目の前に再び幻影は現れ、それについて行くと、無事に下山することが出来たという。

 信じようと、信じまいと…… 

・空洞の虫
 
虫捕りに行った子供が、奇妙な虫を捕まえて来た。全身が黒く、ぶよぶよとした数センチの球状で、木の蜜を吸っていたという。父親が大学に調査を依頼したが、虫は大学に到着する前に死んでいた。虫籠の中で動かなくなったそれを解剖してみると、中には空洞しかなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・奇形の遺体
 
とある研究所の取り壊し作業中、フロアとフロアの間に大きな空間が発見された。そこを捜索すると、白骨死体、老人の死体、若い男女、乳児が発見されたが、彼らは皆、奇形であった。研究所で何が行われていたのか、彼らは誰だったのか、知るものはいない。

 信じようと、信じまいと…… 

・憎しみに自滅した男
 
とある病院に、友人の運転する車に同乗して事故に遭った男が運ばれてきた。一命を取り留めたが両脚を失った彼は、自分をこんな目に遭わせておきながら姿を見せない友人を憎み「あの男の心臓を止めてしまって下さい」と神に祈った。翌朝、男は心臓麻痺で死んだ。彼の胸には、友人の心臓が移植されていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・ルルイエ
 
ニュージーランド沖を航行中の船が海の中に建築物を発見した。建築物は緑がかった塔のようで、周囲には腐った魚の様な異臭が立ち込めていた。乗組員はその異臭にまいってその場を後にしたが、彼らは全員、一ヶ月以内に怪死した。日誌によると、建築物を発見したのは南緯47度9分、西経126度43分……

 信じようと、信じまいと…… 

・地下室の扉
 
ある老人が家を格安で売りに出していた。新婚の夫婦が訪ねてきて、商談は成立した。老人は、一つだけ約束してほしいと夫婦に言った。
「地下室の扉だけは、絶対に開けないでください」
 若い二人が住み始めてかれこれ二十年経つが、未だに地下室の扉はみつかっていない。

 信じようと、信じまいと…… 

・ハンカチネズミ
 
とあるピザ屋の店主は、店内に出没するネズミに手を焼いていた。ある時一斉駆除を思い立ち、店内各所にネズミ捕りを設置した。古典的なタイプのネズミ捕りは確実に仕事をこなしていったが、幾つかのネズミ捕りは、なぜか丸まったハンカチを捕まえていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・二次元に消えた男
 
ある漫画のヒロインに対し、常日頃から「彼女は俺の嫁だ、二次元に行きたい」と言っている男がいた。その後漫画にてヒロインに付きまとったストーカーが主人公に叩きのめされる展開が描かれた。「こんなはずでは」と何度も呟くストーカーは、漫画が掲載される数日前に姿を消したあの男と瓜二つだった。

 信じようと、信じまいと…… 

・ゴキブリの結託
 
とある飲食店に勤める男が、厨房にゴキブリ用の粘着罠を仕掛けた。数日後、罠の様子を見ると、おびただしい数のゴキブリが罠にかかっていた。驚いた男が罠を持ち上げようとすると、罠の中のゴキブリたちが一斉に羽ばたき、罠ごと空を飛び、窓から外に逃げたという。

 信じようと、信じまいと…… 

・生きている館
 
ドイツのある地方に生きている館があったという。入るたびに部屋の位置や廊下の形が変わるのだそうだ。あるとき、その館に入った人間が誤って壁を傷つけてしまった。すると、大きな叫び声に似た音が館に響き、それ以降不思議な現象は起きなくなったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・完璧主義カウンター
 
あるホテルでは、カウンターに置かれている物の位置が寸分の狂いもなく決まっている。いつ誰がそう決めたのかは定かではないが、なぜこのような決まりがあるのかは判明している。配置をわずかでも変えてしまうと、カウンターの上にある物が、綺麗に全部消えてしまうからだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・水を飼っている男
 
カンボジアに水を飼っているという男がいた。記者が男の家を訪ると、水以外には何も入っていない大きな水槽がある。いぶかしむ記者の目の前で、水槽に放たれた魚が一瞬にして消えた。
「水ってのは、死んでいればなんでもないが、生きている間は大変だ」
 男はそう語った。

 信じようと、信じまいと…… 

・天使の分け前と死者の取り分
 
醸造中のワインやウィスキーが蒸発して少し量が減ることを「天使の分け前」というが、人が臨終する瞬間に体重が僅かに軽くなる現象を、生理学者たちは「死神の取り分」と呼んでいる。

 信じようと、信じまいと……

・巨大な幽霊
 
人の集まる場所で、その場にいる全員が一斉に静まり返るといった体験をしたことがある人は多いだろう。その瞬間こそ、幽霊が我々の頭上を通り過ぎている証拠であるといわれている。あるサッカーの国際大会では、選手含む二万人の人間が一斉に静まり返ったという。彼らの頭上を通り過ぎたのは一体……

 信じようと、信じまいと…… 

・1957年11月3日のライカ
 
1957年11月3日。某県の動物園で起きた話。この日、園内はいつも通り動物達の鳴き声で騒がしかったが、ある数十分間だけ、動物が一匹たりとも鳴き声をあげず、恐ろしく静かな時間が園内を流れた。同時刻、ソビエト連邦はライカという犬を乗せた宇宙船が地球の衛星軌道上を回ることに成功していた。

 信じようと、信じまいと…… 

・臨死体験の妖精
 
臨死体験で妖精を見る、という人は少なくない。聖職者の調査によって、ある共通点が見つかった。その妖精はほとんどの場合幼い子供で羽が生えているという。余談だが、人間の胎児は最初は鳥のようなかたちをしている。

 信じようと、信じまいと……

・空へ落ちていく人
 
ある少年は、糸が切れて飛んでいく風船を指差し「風船が空へ落ちていく」と言った。父親は、あれは飛んでいくと言うんだと説明したが、少年は聞き入れない。困り果てた父親がその理由を尋ねると、少年はこう答えた。「でもパパ、この前、悲鳴を上げながら空へ落ちていく人を見た」

 信じようと、信じまいと…… 

・某掲示板の「犯人」
 
とある警察署に、一人の男が女を殺し山に捨てたと自首してきた。男が指定した場所には確かに女の死体が埋められていた。男が自首した理由は、某掲示板に名無しで書き込むたびに、自分の名前だけが毎日「犯人」になり、気を病んだ為だという。

 信じようと、信じまいと…… 

・名ストッパー
 
とある高校の野球部に、名ストッパーとして名の知れた投手がいた。普段は朗らかな人格者だったが、マウンドでは常に死球ギリギリの剛球を投げるため、打者は彼の投球に本気で殺意を覚え、退部する選手が続出した。一方、本人曰く、自分が登板した回はあっさりと打たれた記憶しかないという。

 信じようと、信じまいと…… 

・親猫の怨念
 
ある男の飼い猫が五匹の子猫を産んだ。面倒になった彼は、ある雨の晩、車で峠へ向かい、そこの崖から六匹の猫を落として殺した。数年後のある日、男は雨の中、車で峠越えをしていた。ふと後部座席を見ると、数年前に殺したはずの親猫が座っており「あの日もこんな晩だったわね」と言ってにやりと笑った。

 信じようと、信じまいと…… 

・死ねる喜びを追う学者
 
「私たちが求めているのは生きる喜びじゃない。死ねる喜びだ」と、ある学者が小さな村の住人達に言った。翌日、学者からの連絡が途絶えたため、警察が捜索隊を派遣したところ、住人達の死体だけが見つかり、学者の死体は見当たらなかった。

 信じようと、信じまいと……

・とある男性議員の懐中時計
 
とある男性議員の懐中時計が、八時二十分で動かなくなってしまった。 時間がわからなくなった彼はとにかく急いで議会へと向かった。到着した彼が議会の時計に目をやると、針はちょうど八時二十分を指していた。それと同時に、彼の懐中時計も再び動き出したという。

 信じようと、信じまいと…… 

・靴を食べる男
 
日本のとある町で、靴が盗まれるという事件があった。立て続けに見境なく盗まれていくが、靴はどこからも見つからなかった。しばらくして犯人が捕まったが、靴は全て「食べた」と言った。警察が目の前に靴を出したところ、彼はそれを瞬く間に胃に収めてしまった上、おかわりを要求したという。

 信じようと、信じまいと…… 

・1回きりのおまじない
 
ある登山家が雪山で遭難してしまった。吹雪は激しさを増すばかりで、一歩も動けない。彼は藁にもすがる思いで、子供の頃に祖母から教えてもらった「困ったときのおまじない」をつぶやいた。すると吹雪は瞬く間にやみ、しばらくすると救助が来た。下山後、彼はそのおまじないをまったく思い出せなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・肉食恐竜の天敵
 
メキシコで、新種と思しき恐竜の皮膚の化石が見つかった。調査の結果、その恐竜にはカメレオンのように皮膚の色を変え、外敵から身を守る能力があったことがわかった。ただ、体長三十メートルの肉食恐竜に一体どんな天敵がいたのかは定かではない。

 信じようと、信じまいと…… 

・DIO
 
ある男性が、巷で「吸血鬼なのでは」と噂されている男の写真を見ていた。その男の事実上の年齢は五十歳なのだが、彼の容姿は成人男性そのものだった。男性が写真から目を離せないでいると、突然写真の中の男が動き出し「貴様見ているな!」と叫んだかと思うと、写真は男性の手の中で消滅したという。

 信じようと、信じまいと…… 

・月面着陸ドラマ
 
月面着陸の映像は、NASAがスタンリー・キューブリック監督に撮らせたというのは有名な話だが、キューブリックの完全主義、リアリズム追及姿勢により、現地ロケを敢行せざるを得なくなったのはNASAの誤算だった。

 信じようと、信じまいと……

・何かを捉える昆虫
 
昆虫の中には、電磁波や超音波など、人間に見えない「何か」を捉えることのできる種類が多い。ある男は散歩中、スズメバチの大群に出くわした。大群は彼を襲おうともせず、そこに何かがあるように飛び回っていた。男が見ている数分の間、大群は一定の高さに固まり続け、最後は殆どが地面に落ちて死んだ。

 信じようと、信じまいと……

・前衛的映画「狂気」
 
1968年、ドイツで「狂気」というタイトルの、真っ黒な画面が延々と続くという前衛的な映画が製作された。2011年にこの作品をデジタルリマスター化した際、そこには一人の女が男を刺殺する映像が映し出されたという。 

 信じようと、信じまいと……

・スーフィズム「回転」
 
一定の速度で、同じところをぐるぐる回り続ける。回転は、早さよりも持続させることが重要である。成功すれば、視界に映る景色だけが徐々に早くなって行く。この行為は、スーフィズムの人々が、変性意識にはいる時の方法として知られる。一時間程続けると「向こう側」に行けるらしい。

 信じようと、信じまいと……

・使われた掃除用具
 
マンションに住む男のもとに、ある日警官が数人たずねてきた。何事かと身構えたが、用件は「箒とちりとりを貸してほしい」というものだった。男はそれに快く応じた。彼らは不自然なほど綺麗にそれらを洗って返した。マンションで飛び降り自殺があったことを男が知ったのは、警官が帰った直後だった。

 信じようと、信じまいと……

・群馬県とブラジルを結ぶ穴
 
群馬県のとある山中で穴が発見された。その穴は十円玉程の大きさで、中に入れたものが消えてしまうという。同時期、ブラジルで日本の硬貨が突然出てくる穴が発見された。現在、その穴の場所を知る者は殆どいない。目撃した人間が皆消えてしまったからだ。

 信じようと、信じまいと……  

・未来名刺
 
会社員の男は、名刺フォルダーの中に見知らぬ名刺がいくつか収められているのに気が付いた。名刺に書かれていた電話番号はどれも、使用されていないものばかり。そしてどの名刺の裏にも「あなたの娘さんの十年後が楽しみです」と書かれていた。男に娘はいない、妊娠したと分かったばかりの妻はいるが。

 信じようと、信じまいと……

・遅れた焼死体
 
あるガソリンスタンドで爆発事故がおきたが、幸いなことに爆発が直撃したはずの店員と車の運転手は無傷だった。彼らは神のご加護の賜物であると喜んだ。しかしその事故から丁度二年たったある日、二人とも火気など存在しないところで焼死しているのを発見された。

 信じようと、信じまいと…… 

・300ページの白紙本
 
とある図書館に、一冊の本がある。最初から最後まで何も書かれていない約300ページほどの白紙本だが、それを読んだ者は、何故か涙が溢れ出して止まらないという。ある日、誰かが最後のページに「End」と悪戯書きしてから、誰にも発見されなくなってしまった。

 信じようと、信じまいと…… 

・殺さないという殺し方
 
この世で最も残酷な殺し方は何か、と聞かれたとき、ある人物はこう答えた。
「殺さないことですよ」 
 彼は憎んでいた人間を餓死するまで監禁し、殺したと伝えられる。

 信じようと、信じまいと……

・「さかさ」にする能力
 
だままいならかわかのたっなにさかさが何にだ未、がたい頷にか確は男時のそ。たっ言と「れくてみてしにさかさをか何るす有所のしたわ」に彼はしたわ。ういとるいてっ持を力能るすに「さかさ」もでのもなんど、は男のそ。たきてけかし話が男ぬら知見の人一、にしたわ、日先 

 先日、私に、一人の見知らぬ男が話しかけてきた。その男は、どんなものでも「さかさ」にする能力を持っているという。私は彼に「私の所有する何かを逆さにしてみてくれ」と言った。その男は確かにうなづいたが、いまだに何が逆さになったのか分からないままだ。

 信じようと信じまいと……

・真上のそれ
 
自分ひとりしかいない部屋で、背後に視線を感じる。そんな経験をしたことがある人は多いだろう。もちろん、振り返っても誰もいない。なぜなら「それ」は、既にあなたの真上にいるからだ。

 信じようと、信じまいと……

・トンネルの中の標識
 
とある高速道路に奇妙な標識が立っている。それ自体は何の変哲もない「飛び出し注意」の標識だが、トンネルの中にあるのだ。もちろん両側は壁で、人も動物も飛び出しようがない場所である。観光客が問い合わせたところ、担当者は「それでも飛び出してくるんです」と答えたという。一体何が、どこから?

 信じようと、信じまいと……

・猿の毛皮を着ていたモノ
 
猟師が河原に猿を追い詰め、銃で仕留めた。倒れて動かなくなった猿のところへ猟師が近づいてみると、そこには干からびた猿の毛皮があるばかりで、周囲には血の跡も残されていなかった。猟犬は怯えるばかりで、近寄ろうともしなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・食い続ける男
 
とある繁華街を歩いていた老人が行方不明になる事件があった。目撃者によると、カレー屋に入ったのを最後に消息を絶ったようだった。だがおかしなことに、そのカレー屋が繁華街のどこにもなかった。後日、家族に「食べ過ぎて金が足りない、金を持ってきてくれ」と電話があったが、警察は悪戯と見ている。

 信じようと、信じまいと……

・ネス湖の女神
 
ある男が釣竿をネス湖に落としてしまった。すると女神が出てきて 「落としたのはボロの竿か、それとも立派な竿か」と尋ねてきた。男がネッシーを釣り上げることができるやつだ、と答えると「そのためにはネッシーを用意しなくてはいけない。千年待て」と言って水中に消えていったという。

 信じようと、信じまいと……

・未来を映し出す鏡
 
とある教会には未来を映し出す鏡がある。この鏡の前に立った人は、自分の三十年後の姿を見ることができるといわれていた。しかし、十年ほど前から鏡は人間の姿をまったく映さなくなってしまった。鏡はただ壊れただけなのか。それとも……

 信じようと、信じまいと…… 

・罵詈雑言まとめ
 
ネット上のあらゆる場所で見られる誹謗や中傷の書き込み、それらの文言を完全に網羅するまとめサイトが存在するという。そのサイトは何の目的も持たず、全ての罵詈雑言を機械的にまとめ続けている。一見悪意に満ちたネット上の文章は、全てそのサイトからの引用にすぎない。

 信じようと、信じまいと…… 

・開かないマンホール
 
某県某市に、決して開かないマンホールがある。その厳重さは、マンホールの内部に鉛を注入してある程である。そして、そのマンホールの内側から何か物音を聞いた者もいるそうだ。その地下には下水もガス管も地下鉄も存在していない。一体何に蓋をしているのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

妻の予知能力
 
ある男がかつて同棲していた女性には、予知能力があった。作ってくれる夕食はいつも男が一番食べたい物だったし、傘を渡された日にはどんな晴天だろうと雨が降った。ある日、男は仕事で大変なミスを犯し、上司に叱責された。傷心して自宅に帰ると、彼女はちょうど、二人分のロープを天井から下げていた。

 信じようと、信じまいと……

・バズビーズチェア
 
とある博物館には「天井から吊るされたイス」が展示されている。なぜなら、そのイスに座った者は「必ず死ぬ」と言い伝えられているからである。「試しに座ってみよう」などという不心得者が出ないよう、博物館側は天井から吊すことで、危険を未然に防いでいるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・ドッペルゲンガー創出
 
必ず人を殺せる呪いの方法がある。呪い殺す人物のドッペルゲンガーを創出し、その当人に見せることで、死に至らしめるというものだ。ただし、呪いをかける者のドッペルゲンガーも同時に創出される理なので、あくまでもこの呪法は最後の手段なのだそうだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・何かを食べていた男
 
拒食症に悩まされていた男が、ある日突然食欲を取り戻した。男は人並み以上に食べ続けたが、七日目の朝に急死してしまった。男の過食を聞いた検死官は驚愕した。死因は餓死だったからだ。検死報告によると、男は少なくとも一ヶ月は何の栄養も取っていないとのことだった。彼は何を食べていたのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・青い雪
 
1966年12月、世界各地で青い雪が降るのが観測されたという。それからというもの、この現象は確認されていなかったが、2001年12月、35年ぶりに再び真っ青な雪が観測された。関連は不明だが、1966年、2001年は共に獅子座流星群が大出現した年としても知られている。

 信じようと、信じまいと……

・殺された大熊
 
二メートルほどもある大熊が、川で死んでいるのが発見された。検死をした獣医は溺死と結論付けたが、立会いの警察官は首をひねった。熊の両足首には強い力でつけられた圧迫跡があり、持ち上げられた形跡が残されていたのだ。まるで、誰かが熊を逆さまに吊るし、頭を水中に浸けて溺死させたかのように。

 信じようと、信じまいと……

・下あごの入った箱
 
ロシアの某所で、豪奢で煌びやかな箱が発見された。その箱は道路の中央に放置されており、ボストンバッグほどの大きさだった。箱の中には毟り取られた人間の下顎が大量に入っていた。検査をした結果、その下顎は全て同一人物のものだったという。

 信じようと、信じまいと……

・あなたは存在しない
 
ある精神科医は、患者のひとりを使い、ある実験を行った。患者を催眠状態に置き「あなたは存在しない」と言い続けるというものだ。その結果、患者は本当に消えた。ただ、患者はあらゆる記録や、人々の記憶からも消滅してしまった。実験の成功を証明することが出来ないと精神科医は嘆いたという。

 信じようと、信じまいと……

・アラスカにいたマンモス
 
アラスカに、十日間の遭難から生還した男がいた。彼は遭難の間、谷底で見つけたマンモスを食べて生き延びたと証言した。調査団が現地に向かったが、そこには何かの毛皮があるのみだった。その後、男は何かに誘われるように再び失踪し、今度は二度と見つからなかった。

 信じようと、信じまいと…… 

・母のラジカセ
 
深夜二時、ある女性は目覚まし時計代わりに使っていたCDラジカセに叩き起された。曲は音が飛んでおり「Get out here」と繰り返し再生していた。怖くなった彼女がアパートを出た直後、隣の部屋で大規模なガス爆発が起きた。焼失してしまったラジカセは、亡くなった母の形見だったという。

 信じようと、信じまいと……

・謎の歌
 
カラオケマシンDAMに、とある文字を打ち込むと、楽曲名も歌手名も表示されない曲が送信される。その文字列を知り得た男が、友人数名とカラオケボックスを訪れ、興味津々でその文字を入力し、送信した。瞬間、男は意味不明な言語で何かを歌い続け、終わる頃にはその文字をすっかり忘れてしまっていた。

 信じようと、信じまいと……

・歯茎の琥珀
 
ユタ州に住むルーシー・ウィリアムズさんはある時、奥歯のさらに奥の歯茎から小さな何かが突出していることに気付いた。彼女は特に気にも留めず暮らしていたが、ある日突然、それはぽろりと抜け落ちた。なんとそれは琥珀だった。

 信じようと、信じまいと……

・死人に殺された女
 
平成四年、栃木県のとある市で、二人の少女が行方不明になった。捜索が始まってすぐに、木村早苗が井戸の中で死んでいるのを発見された。それから数年後、小林裕子の死体が同じ井戸で発見された。捜査の結果、木村早苗に突き落とされたものと判明した。

 信じようと、信じまいと…… 

・風車を回す少年
 
よく晴れた日に青空を見上げるのは気持ちの良い事である。しかし、月の綺麗な晩には、あまり空を見上げたりしない方が良いかもしれない。月に照らされた病院の屋上に、風車を回す少年を目撃してしまうかもしれないからだ。少年を見た者には大きな災いが降りかかるという。

 信じようと、信じまいと……

・つながる排水口
 
深夜、シャワーを浴びている。何気なく排水溝を覗き込むと、向こう側からも誰かが覗いていた。

 信じようと、信じまいと……

・顔盗りの殺人犯
 
とある田舎町で、連続殺人事件が発生した。十日ばかりで五人もの被害者が発見され、いずれも顔の皮を剥ぎ取られていた。捜査は難航したが、ある日送られてきた「気に入った顔があったよ」という投書を最後に犯行は止み、犯人は今も行方をくらませている。

 信じようと、信じまいと…… 

・1000人超の「私」
 
ある女性の元に、ある朝、差出人不明の封筒が届いた。中の紙には一文だけ「私からあなたへ」とだけ書かれていた。その日から毎週、同様の手紙が届くようになったが、受け取るたびに筆跡が違うのだという。この20年で彼女に手紙を送った「私」はついに1000人を超えた。
 
 信じようと、信じまいと…… 

・本物の心霊写真
 
仲の良い四人兄弟は、親に写真を撮って貰うことにした。14歳の長男は、おふざけで心霊写真にしようと右足を曲げ、左足だけで立った。他の三人も面白がって協力し、片足しか映らないような構図に並んだ。現像した写真には、左足がない長男が写っていた。

 信じようと、信じまいと……

・五年間行方不明だった男
 
ロンドンで、五年間行方不明だった男が当時と同じ格好で発見された。話によると、男は二階建ての建物のエレベーターに三階のボタンがあるのを発見し、好奇心からそのボタンを押して外に出ると五年が経過していたという。その建物は男が行方不明になった後、五年間の間に三階建てに建て増しされていた。

 信じようと、信じまいと……

・本物のトリックアート
 
イギリスに、トリックアート専門の画家がいた。彼の作品はとても美しく、人々を感動させる程のものだが、彼の展覧会は大変危険だという。時折、客や警備員が絵の扉や部屋に入って行ってしまうからである。

 信じようと、信じまいと…… 

・耳抜き事件
 
人間の耳と鼻は繋がっているのは有名な話だが、ある男がダイビングをするため耳抜きをしたところ、なんと耳から鼻水がもの凄い勢いで飛び出たという。しかし男の鼓膜は健全で、何故そのような事が起こったかは解っていない。

 信じようと、信じまいと……

・最も残酷な殺し方
 
元ナチス党幹部の話によると、最も残酷な殺し方は「何もしないこと」だという。つまり密室に閉じ込めて、水も食べ物も与えない。早い者は三日ともたずに衰弱死してしまう。遅い者でも一週間以内には絶望し、発狂する。問題は、自分の子供をこのやり方で殺した母親が日本に数多く存在するということだ。

 信じようと、信じまいと……

・双子の食事担当
 
ある村に、人の二倍は食事を摂っているのに、全く太らないポールという男がいた。その村には、何も食べなくても平気なジョンという男もいた。二人は双子だったので、村人たちは「片っぽが二人分済ませてるんだろ」と二人の異常体質を気にも留めなかったという。
 
 信じようと、信じまいと…… 

・風景画に消えた男
 
精神病院に通うある青年の描く風景画は、写真と見紛うばかりの緻密さで周囲の人々を圧倒した。天才だと騒がれ始めた矢先、青年は「ここは騒がしいので向こうへ行きます」と書き残して失踪する。彼の部屋に残された最後の風景画には、誰かの後姿が小さく描かれていたが、いつの間にか消えていたという。
 
 信じようと、信じまいと……

・MP3.mp3
 
音楽好きな男が、パソコンからお気に入りのmp3を再生しようとした。すると、ダウンロードした覚えのないファイルが入っていた。題名は「MP3.mp3」。試しに聞いてみようとそれを再生した瞬間、男は背筋が凍った。男が気に入りそうな曲だった。しかし、そのビートは男の心臓から聴こえていた。

 信じようと、信じまいと……

・生粋の雨男
 
ユタ州のとある一軒家の庭にだけ突然雨が降り出すという奇妙な出来事があった。その雨は二週間にわたって降り続いたが、その間、当地は快晴だった。その雨がどこから来たのかは結局わからずじまいだったは、何の偶然か家主の男の名前はアルバート・レインマンといった。

 信じようと、信じまいと…… 

・悪魔の潜む森
 
ウクライナのとある地方の森には、悪魔が潜んでいると伝えられている。これに取り憑かれた者は、人間を喰うようになると恐れられていた。1990年、この地方で大量に子供を食い殺していた男が逮捕され、死刑となった。刑が執行される直前、男は「今回はしくじった」と呟き笑ったという。

 信じようと、信じまいと……

・埼玉県の鈴木さん
 
埼玉県に暮らす鈴木さんは「他人と記憶がごちゃ混ぜになる」という不思議な体験を頻繁に経験している。時には、警察に追われる人物の記憶が入ってくることもあるのという。あるとき、逮捕された殺人犯が「私は鈴木だ」と供述したという記録がある。今の「鈴木さん」は、果たして本人なのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・鏡の向こうから覗く何か
 
使わない鏡台に布がかけられているのには、理由がある。埃の付着を避ける為でもなければ、曇りを防ぐ為でもない。向こう側から覗かれるのを防ぐ為である。

 信じようと、信じまいと……

・楽譜では表すことができない最高の贅沢
 
十世紀のフランス、刺激に飽きた貴族の間に、ある音楽が流行した。「楽譜では表すことができない最高の贅沢」と言われたその曲を、今は誰も耳にする事はできないが、興味本位で当時の演奏方法を調べた者は後悔するだろう。
「用意するものは安上がりである 奴隷十人とよく切れるナイフ……」

 信じようと、信じまいと……

・飛行機に殺された男
 
ある男はその晩、飛行機事故で死ぬ夢を見た。彼はその夢を見てから飛行機に近づくことすら怖れるようになったが、その夢を見た日に彼は街の真ん中で何かに頭を砕かれて死んだ。男の頭を砕いたのは、高度を飛ぶ飛行機の翼から剥落した氷の塊であった。

 信じようと、信じまいと…… 

・多くの夢を他人に語るな
 
多くの夢は、目が覚めた時には既に忘れ去られている。たとえそれが、どんなに興味をそそられた内容であってもだ。もしもそうした夢が、誰かから送りつけられた物だったとしたら……?あまり多くの夢を他人に語るのは危険であると、本能は知っているのかもしれない。

 信じようと、信じまいと…… 

・オリジン「ガリガリ君」
 
ある有名なアイスのイメージキャラクターは、アイスの食べすぎで腹を下し、夏風邪を併発させて死んだ少年がモデルであると噂されている。なんでも、その少年の死体は「ガリガリ」に痩せ細っていたとか……

 信じようと、信じまいと…… 

・過去を改変された男
 
ある男の45歳の誕生日に、差出人不明の手紙が届いた。便箋にはただ一文「ご注文通り、幾つかの過去を改変いたしました。ご満足頂けましたでしょうか?指定日、請求に伺います」と書かれていた。彼は、自分の過去がどのように改変されたのかを聞くために差出人を待ち続けているという。

 信じようと、信じまいと……

・偽者を殺しに行った男
 
ある男はドッペルゲンガーに悩まされていた。しばらく錯乱状態が続いていた彼だったが、ある日胸を一突きされて死んでいるのが見つかった。彼は死の直前、友人にこう話していた。「偽者を殺してくる」遺体で見つかったのは、本当に彼自身だったのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・処刑体験
 
三十年近く前まで、カンボジアでは兵隊に小額のお金を払えば処刑を行うことができた。銃殺と殴殺がメインで、料金は高くても千円程。旅行者などが興味本位で志願する事が多かったという。処刑が癖になって長期滞在する者もいたそうだが、そのほとんどが何かしらの罪に問われて処刑されたらしい。

 信じようと、信じまいと……

・見えない客
 
とあるスーパーに、客の数をリアルタイムで測定する装置が取り付けられた。万引き等の防犯に備えた装置であったのだが、その効果を発揮する間もなく取り外された。なぜなら、たびたび装置が何もない所で反応を示し、その「見えない客」に店員達がおびえたからである。

 信じようと、信じまいと…… 

・忍者の潜む峠
 
バイク乗りの少年たちは、その晩もけたたましいエンジン音を轟かせながら峠を走っていた。大きなカーブにさしかかったとき、突然先頭のバイクが転倒した。後続の仲間たちが慌てて駆け寄ったが、ドライバーは既に死んでいた。彼の眉間には、手裏剣が深々と突き刺さっていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・写真を通った指
 
写真集を読んでいた女性は、遠い異国の一軒家を外から撮影した写真に目を落とした。何気なく指を乗せると、なんと指は写真の中に入りこみ、家の窓を開けてしまった。慌てて指を引っ込め、彼女は写真集を閉じたが、同時刻、写真の家に住む家族は、巨大な指が外から窓をつついて開けたのを目撃していた。

 信じようと、信じまいと…… 

・見つかった
 
ある男が、ツイッターで自分と同じIDのユーザーを見つけた。それには、自分の今までのつぶやきがすべてツイートされていた。それも同じ日の、同じ時間に。気味が悪くなった男は、試しに「あなたは誰ですか?」とツイートしてみた。するとそのアカウントは消えた「見つかった」というツイートを残して。

 信じようと、信じまいと…… 

・噂の出所
 
とある地方に幽霊が出る館があるという噂がたった。調査の結果、館は実在したが、実際に幽霊を目撃した人は誰もいなかった。つまり噂を意図的に流した者がいるという事になるのだが、噂を知る人たちは皆、誰からそれを聞いたのかを覚えていなかった。そこには何がいて、何がいなかったのだろうか……

 信じようと、信じまいと…… 

・怪奇絵本「終わらない鬼ごっこ」
 
「終わらない鬼ごっこ」という絵本がある。主人公の少年が妖怪に追い回されるという児童向けの怪談で、最後の頁をめくると、また最初の頁に戻って堂々巡りが続くという他愛のないトリック本であったが、読者の子供が物語から抜け出せず発狂するケースが頻発し、全て回収されてしまったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・騙し絵の見方
 
見方によって別の物が見える、いわゆる騙し絵というものがある。ある研究機関によると「名画」の中には、かなりの数の騙し絵が存在するという。「隠されている絵の見方」があまりにも高度なため、世に広まることは殆ど無いが、噂によると、名画本体を大きく上回る値段で「見方」が取引されているという。

 信じようと、信じまいと…… 

・未来画家「バルメス」
 
バルメスという画家が一部で話題になっている。生前はまったく無名だったが、彼の絵画が未来を予言しているというのだ。世界大戦、疫病蔓延など、絵画が示す場面は次々と実現されていき、今では地球が真っ二つに割れた絵が一枚残っているだけである。

 信じようと、信じまいと……  

・翼をもがれた男
 
ベルギーで、神父が教会内で男を殺し、自らも命を断つという事件があった。狭い町にしては妙なことに、被害者の男に誰も心当たりはなかった。死因は絞殺だったが、左右の肩甲骨付近に一際大きな傷があった。そして、男の傍らには、一対の巨大な翼がうち捨てられていた。

 信じようと、信じまいと…… 

・蘇生ページ
 
十九世紀末、ドイツの学者が古書を開くと、一匹の羽虫がその見開きに押しつぶされていた。何の気なしに彼がその羽虫を引き剥がすと、虫は羽音も高く飛び去っていった。偶然にも、虫が挟まっていたのは蘇生術についてのページであった。

 信じようと、信じまいと…… 

・映さなくなった鏡
 
ある女性がふざけ半分に、鏡の中の自分に向かって手を振った。鏡の中の自分は同じ動きをしたあと「さよなら」とつぶやき、どこかへ去っていってしまった。その日から、彼女が鏡やガラスの前に立っても、それらは彼女を映さなくなってしまった。

 信じようと、信じまいと……

・入れ替わりつつある兄弟
 
とある地方に「入れ替わりつつある兄弟」がいるという。ある日を境に、性格や能力、さらには記憶まで、徐々に兄が弟に、弟が兄になっているそうだ。それを知った兄の妻はとりあえず離婚した。入れ替わりが完了するのを見計らって、弟と再婚するらしい。

 信じようと、信じまいと…… 

・我が村の英雄
 
スペインの古い教会から一枚の絵が発見された。絵そのものは油絵なのだが、描かれているのはどう見ても日本の侍だった。絵の裏には「我が村を救った英雄」とあり、鑑定の結果、十二世紀頃の物だとわかった。誰が描いたものなのか、そしてこの侍は誰なのか、知る者はいない。

 信じようと、信じまいと…… 

・鏡面の人生
 
リバプールに住む男はある日、鏡に映る自分の行動が正反対の挙動を示すことに気づいた。男は右手を挙げるが、鏡面の中の自分は左手を上げる、といった具合だ。それは、男が36歳になるまで続いたが、それ以降は右手を挙げれば中の男もきちんと右手を挙げるようになった。男は72歳でこの世を去った。

 信じようと、信じまいと……

・主要因は貼り紙
 
ニューヨークのとある高層ビルのエレベーターには、奇妙な貼り紙がある。誰が貼ったかは謎だが、それには「一人で乗らないで」と書かれており、実際に一人で乗った人が行方知れずになる事件が何件も発生しているという。この貼り紙が貼られる前はそのような事件が起こっていないにも関わらず……である。

 信じようと、信じまいと……

・パラレルハリケーン
 
米国を襲った過去最大級のハリケーンの通過地域で「携帯電話に死んだはずの人間から電話がかかってきた」という通報が警察に相次いだ。ある科学者は、ハリケーンの猛烈なエネルギーにより時空に歪みが生じ、パラレルワールドからの電波が紛れ込んだのだろうと話している。

 信じようと、信じまいと…… 

・畸形嚢腫の生まれ変わり
 
ある女性が畸形嚢腫という腫瘍のために切除手術を受けた。医師によれば、双子で生まれるはずの妹が、彼女の腹に残ってしまったものだそうだ。手術は成功し、彼女が療養のため他の病院に移る日のこと、見たこともない少女が彼女を指差し「人殺し」と呟いたと言う。

 信じようと、信じまいと…… 

・鏡の中の自分
 
指を組んでみてください。きっと利き腕の指が上になることでしょう。もしも利き腕と反対の指が上になったあなたは、注意してください。あなたは鏡の世界から誤って来てしまった人間です。夜中に鏡を見るのは絶対にやめたほうがいいでしょう。もう一人のあなたが鏡の中で外に出れるのを待っていますよ。

 信じようと、信じまいと……

・何かに噛まれた少女
 
ある少女が何かに咬まれたと言って泣き叫んだとき、癲癇で処理しようとした警官は、目の前で彼女の二の腕に歯型が浮き出るのを見て仰天し、慌てて司祭に連絡した。彼女によるとそれは黒いマントを身に纏っていたという。警官は、彼女にしか見えない何物かが彼女を襲ったのは間違いないと証言している。

 信じようと、信じまいと……

・2012年5月21日:日本で金環日食があった日
 
2012年5月21日の朝、大通りを歩いていた男は妙なことに気が付き足を止めた。平日の朝にしては人が少なすぎるのだ。頭上では、丁度月が太陽を飲み込んでいる最中だった。
「月が太陽も人も隠してしまったのだろうか」
 日食に気をとられていた男は、自分の足が黒く溶け出していることに気づかなかった。

 信じようと、信じまいと……

・戦禍の東京スカイツリー
 
東京スカイツリーに使われている鉄材は、戦争の際に活躍した米軍の戦車を鋳潰したものが使われているという。なんでも、鉄骨に耳を当てると、エンジンの音、爆弾の破裂する音、若い兵士の叫び声が聞こえるという。

 信じようと、信じまいと……

・怪僧ラスプーチンの死因
 
怪僧ラスプーチンが貴族の一団によって暗殺された。まず、大人三人を殺せる猛毒入りのケーキやワインでもてなしたが、効果無し。焦った一人が胸を銃で撃ち抜き、鉛入りの重い杖で頭を殴りつけ、その後皆で川へ放り込んだ。にも関わらず、死因は溺死だったという。

 信じようと、信じまいと……

・天井を付いてくる何か
 
ある雨の晩、バーで男が「自分の後を誰かがついてくる気がする」としきりにボヤいていた。その話を聞いた人は皆、気のせいだろうと言い、信じようとしなかった。男がバーを出ていった後、ふと上を見上げた女が悲鳴をあげた。男の通った道をなぞるようにして、天井にびっしりと靴跡がついていたのだ。

 信じようと、信じまいと……

・目が見えるようになった女
 
とある女性は生後六ヶ月のとき熱病で失明してから、光のない生活を送ってきた。十八歳のとき、熱湯を張ったまま、まだ水でぬるめていない浴槽に誤って足をつけ、悲鳴を上げた瞬間、彼女は自分の目が見えることに気がついた。

 信じようと、信じまいと…… 

・人間から出てきたハリガネムシ
 
ハリガネムシという寄生虫がいる。成虫になるまでカマキリなどの昆虫の体内で過ごし、最後には宿主を水辺まで誘い、その身体を食い破って出てくるという生物である。最近、川に飛び込んで自殺した男性の体内から、二メートル近くまで育ったハリガネムシが見つかったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・「憑いている」人形の重さ
 
魂の重さを21gだと量った実験は有名だが、実はこの実験には続きがある。いわゆる「憑いている」人形は、同一の工場で作られたほかの人形に比べて、21g重いのだと言う。

 信じようと、信じまいと……

・予言に依存した家族
 
物心ついたときから、翌日のことを予言する少年がいた。両親は息子をとても大事に育てたが、少年の十歳の誕生日にその子を残して自殺してしまった。その前日少年は「明日自分の能力がなくなる」と予言したそうだ。

 信じようと、信じまいと……

・何かに酔っていた男
 
アルコール中毒の男がいた。男はまさに浴びるように酒を飲み続けていたが、ある朝自宅で死んでいるのが発見された。死因は水を飲みすぎたことによる「溺死」であった。死の前日、男は「いい酒が手に入った、一緒に飲まないか」と友人に話していた事がわかった。男は何を飲み、何に酔っていたのだろうか。

 信じようと、信じまいと……

・200年前の気球
 
1998年、とある郊外に古びた気球が墜落した。籐で編んだゴンドラには二体の白骨死体が入っており、調査の結果、気球は十九世紀初頭の頃のものと鑑定された。気球は200年近い間、どこを彷徨っていたのだろうか。そして二体の白骨は誰なのか、真相を知る者はいない。

 信じようと、信じまいと…… 

・ツナカユリコ 
 
主人公の名前を決めることができるゲームで、名前を「ツナカユリコ」にすると、自身に不幸が訪れるという。ある少年がRPGを始める際に主人公の名を「ツナカユリコ」にしたところ、どこからともなく視線を感じたという。なお「ユリコ」だけでも効果があるらしい。

 信じようと、信じまいと…… 

・何かに助けられた女
 
ある女性は「少しだけ時間の進んだ自分」が見えていたという。喫茶店に入ればすでにコーヒーを飲み終えた自分が座っている、といった具合だ。ある日彼女が道を歩いていると曲がり角の先に自分が倒れている。それを見た彼女は来た道を急いで引き返した。それ以来、もう一人の自分を見ることはなくなった。

 信じようと信じまいと……

・非科学否定学会
 十八世紀後半のイギリスで、非科学的なものを否定する学会があった。彼らは、妖精や霊魂、交霊術などをすべて科学的に立証し、そのたびに霊媒師や霊能力者を否定していった。しかし驚くべきことは、彼らの学会は今現在もメンバーが変わっていない、ということである。
 
 信じようと、信じまいと…… 

・謎の用務員「村瀬」
 とある小学校には「村瀬さん」という用務員が働いているという。彼はもう十年もその小学校で働いており、その学校の生徒なら誰でも一度は彼と遊んだことがあるほどだった。だが、その学校にはいままで一度も「村瀬」という名の用務員は勤めておらず、教師のだれも「村瀬」という人物を見たことがない。

 信じようと、信じまいと……

・第二次世界大戦の裏話
 ある男の前に一人の老人が現れ「お前さんの願いを一つだけ叶えてやろう」と言った。男は即答した。
 「地球のゴミを消して、動植物の住みやすい環境にしてくれ」。
 その年、第二次世界大戦が勃発し、全国の死者数は前年度をはるかに凌いだ。
 
 信じようと、信じまいと……

・逢魔が時
 夕方、黄昏の時刻を逢魔ヶ時という。日が沈みかけ影が薄く判りづらくなる頃だが、実際の魔物には全く影が無い。もしそれに気づいたなら、そっと後ろから近づき「影はどうしたの」とつぶやくといい。気づかれた魔物は気づいた人間の言いなりにならなければならない。

 信じようと、信じまいと…… 

・黄鬼
 とある地域では、陸の腐乱死体を赤鬼、海の腐乱死体を青鬼と呼んでいる。前者は全身の皮膚の色が真っ赤になり、後者は真っ青になることから由来している。ある日その地域で、空から身元不明の死体が落下してきた。それは地面に激突した衝撃で激しく損傷しており、全身の皮膚が黄色く腐敗していたという。

 信じようと信じまいと……

・爆発事故
 とある工場で小さな爆発事故が起き、作業員一人が怪我をした。しかし、両腕に軽い切り傷を負っただけでたいした怪我ではなかったため、仕事にもすぐに復帰した。だが、彼は奇妙なことに気づく。事故が起こる前までは右利きだったはずが、今は左利きだったのだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・白いカタクリ
 男が弁当を木に吊るして草刈りをしていた。昼飯時になって弁当を下ろそうとすると妙に軽い。包みを開けると、弁当はすっかり食べられており、代わりに白い花が一輪残されていた。通りがかった旅人に見せると、これはカタクリの花で、白色のものは非常に珍しいのだと言った。

 信じようと、信じまいと…… 

・予知夢を見る男
 南米に、必ず当たる予知夢をみる男がいた。彼曰く、夢の中で、少し未来に起こる出来事が、自分の目の前で繰り広げられるのだという。その男が、ある朝ベッドの上で舌を噛み千切って死んでいるのが見つかった。死にたくなるほどの惨状を、男は夢で見たのであろうか。 

 信じようと、信じまいと…… 

・30年後のメール
 ある男のメールボックスに送信日が30年後のメールが舞いこんだ。内容はただ一文、「30年前の自分、逃げろ」。男は何から逃げてよいのか分からないのでとりあえず「逃げて」いないが、それが分かるのは果たして30年後なのだろうか。

 信じようと、信じまいと…… 

・恋人の木
 とある森に「恋人の木」と呼ばれる、寄り添い立つ二本の木がある。人の背丈ほどのその木は、成長せず枯れもせずに数百年間も立ち続けているという。その場所は、中世、身分の違いから結ばれる事を許されなかった二人の男女が、永遠の愛を誓って命を断った場所だという。

 信じようと、信じまいと…… 

・時計のサボり
 時計を見ると、秒針が一秒以上止まっている。そんな経験をしたことがある人はいないだろうか。ある男がデスクワーク中にふと時計を見ると、なんと五秒間もの間秒針が静止していたという。その後いつも通りに動き出した時計を見ながら男は「こいつも自分の仕事をサボる時があるのだろう」と言って笑った。

 信じようと信じまいと……

・人身事故の英雄
 韓国人の男が、ホームから落ちた人を助けようとして死んだ。マスコミは彼をこぞって英雄扱いした。だが、鉄道会社と警察は知っている、その後周辺の駅ホームからの飛び込む者が大幅に減ったことを…… 

 信じようと、信じまいと……

・泳いでいる右手
 とある海水浴場……人の右手だけが泳いでいるという噂が流れ、海水浴客が何者かに足を引かれ溺れかける事件まで発生した。耐えかねた地元観光局の依頼により、漁師がその「手」の捕獲に成功した。それは何故かマネキンの左手だったのだが、以降噂は立ち消えた。

 信じようと、信じまいと…… 

・夢の中のゲーム
 ある男が言うには、夢の中でゲームをする。それに勝ったら願い事を一つかなえてもらえる しかし負ければ命を取られるらしい。とんでもない賭けだが、今まで負けた事がない。願い事はささやかだし、所詮夢だと安心していた。ところが男は心不全で突如亡くなる。男の最後の願い事は世界の平和だった。

 信じようと信じまいと……

・人工知能会話ソフト
 ある男が秋葉原の路上店で、人口知能会話ソフトが三百円で売られているのを見つけた。 有名なメーカー製であったため、男は喜んでそのソフトを買い、帰宅するとすぐに試したが、そのソフトは「助けて」と「もう許して」の二種類しか返事をしなかったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・タイムスリップトイレ
 営団地下鉄の某駅には奇妙な噂がある。終電が出た後に、男性用トイレの奥から二番目の個室に入ると、タイムスリップするというものだ。ある夜、終電を逃した男性が件の個室に入り、事を済ませてドアを開けると、目前には朝の通勤ラッシュでごった返す人ごみがあったという。

 信じようと、信じまいと…… 

・不吉な銃夢
 あるガンマンは、愛用していた一丁の銃の残弾を全て外す夢を見て以来、その銃を使うことをきっぱりとやめた。数年後、その銃はしまわれていたクローゼット内で突如暴発したが、不思議なことに、銃口の先にいたガンマンの娘は無傷だった。

 信じようと、信じまいと……

・吸血鬼に対する認識
「吸血鬼に血を吸われると自分も吸血鬼になる」
 これは、狂犬病患者等を吸血鬼と思い込んだが故の間違った認識らしい。実際は「吸血鬼の血を体内に入れてしまうと自分も吸血鬼になる」のだという。そう告白した男は、200年経った今も後悔し続けている。

 信じようと、信じまいと…… 

・有名な拷問法
 ある青年が、有名な拷問法を自分で試してみようと思い立ち、鏡に向かって「お前は誰だ」と問い続けてみた。しかし数分経っても身体に異状はない。これで最後にしよう、と思いつつ「お前は誰だ」とつぶやいたとき、青年の背筋は凍った。今、鏡の中の自分は、瞬きはおろか、口すら動いていなかったのだ。

 信じようと、信じまいと……

人間を読む本
 本は人間にとって読むものであり、人間は本にとって自分を読むものである。これは紛れもない事実だが、世の中には、人間を読む本が存在する。その本に読まれた人間は、すべての記憶や記録から消え去り、本には読まれた者の人生の記録が、文章となって浮かび上がるという。

 信じようと、信じまいと…… 

・高校超人サッカー
 とある高校のサッカー部の新人ゴールキーパーは、1秒後の世界が見えると豪語し、先輩達のシュートをすべて弾き返すセーブ力を見せ、スタメンに起用された。しかし県大会では、あっさりとゴールを許し、大敗してしまった。噂では、相手チームのストライカーは2秒後の世界が見えると自称していたという。

 信じようと、信じまいと……

・本末転倒縁結び神社
 
某県某市にある神社の縁結び効果は絶大であり、一心に願えば、ある代償と引き換えに必ずや相手は自分の虜になる。だが、この神社に祈願して長続きしたカップルは一組もない。何故なら求められる代償は「祈願者が相手を恋慕う気持ち」だからだ。

 信じようと、信じまいと…… 

・戦艦武蔵は生きている
 
1944年10月25日にシブヤン海で撃沈された戦艦武蔵。記録を基にした調査で残骸を発見できていない一方、その近海で米海軍の潜水艦が海中を移動する巨大な何者かと遭遇している。

 信じようと、信じまいと……

・蘇生実験
 
アメリカの蘇生研究所で行われた実験により、死後数時間が経過した犬を蘇生させることに成功したという記事は、発表と同時に瞬く間に拡散され、物議を醸した。蘇生した犬は正常で、脳にも障害は見られなかったと書かれていたが、蘇生後から、天使の絵を異常に怖がるようになったことは書かれていない。

 信じようと、信じまいと……

・鍵穴からのぞく目
 
とある学校の図書室で少女の遺体が発見された。教師の不注意で少女を閉じ込めたまま大型連休を迎えてしまったのだ。しかし不可解な点が一つあった。遺体の傍らには、このような文章が残されていたのだ。
「大好きな本に囲まれているからひとりでも怖くなかった。でも、鍵穴から覗いている目が怖かった」

 信じようと、信じまいと……

・福岡県の怪民家
 1986年1月に、福岡県の民家で惨殺死体が発見された。死体は損傷が激しく「まるで強い酸か何かで溶かそうとした」かのようであったと言う。死体のあった民家も特殊な構造で、全ての部屋が1本の廊下でつながっている造りであった。ちなみに死体の発見された場所はキッチン、以前住んでいたこの家のデザイナーも同様の死体で発見されている。

 信じようと、信じまいと……

・100年後の新兵器の設計図
 CIAが超能力を真面目に研究し、それを軍事転用できないかと本気で考えていた1985年頃の話。未来予知や予言が出来る超能力者に「100年後の最新兵器の設計図」を「透視」させる実験が行なわれた。厳選に厳選を重ねて集められた12人の超能力者に(互いの能力が影響しないよう)個別に透視させた結果、12人全員が「石弓」の設計図を描いたそうである。

 信じようと、信じまいと……

・不可能マンホール
 2007年2月6日、山口県周南市のマンホールから男が救出された。その男は覚醒剤を使用した罪で追われている途中マンホールに逃げ込み、出られなくなったという。しかしマンホールの蓋は60kgもあり、しっかりと地面に固定されていた。男は逃げ込んだ時の事を覚えておらず、どうやってマンホールの中に入ったのかは不明なままである。

 信じようと、信じまいと……

・喫茶店「5時45分」
 1995年1月17日午前5時46分。阪神大震災が発生した日時である。この地震で神戸市は大きな損害を受け、JR三宮駅前の商店街もほぼ全ての店舗が焼失、倒壊するなど壊滅的な打撃を受けた。だが、その中である喫茶店がただ一軒無傷で生き残った。店の名は「5時45分」。夕方の待ち合わせの時間から取った名前だと言う。

 信じようと、信じまいと……

・身元不明の自殺者5人
 1999年11月2日、富士の樹海のある場所で7人の死体が発見された。その場所には遺書が残されており、周囲に結婚を反対されての覚悟の自殺である事が記されていた。持ち物から身元も判明し、2人の死体は各々の家へ戻される事になったが、残り5人の身元がどうしても判明しない。死亡時刻は全員変わらない事が判明しており、何故7人なのか、残り5人は誰なのか、未だに判明していない。

 信じようと、信じまいと……
 
・函館山夜景の怪
 北海道函館市で発売している「写るんです」には、1枚だけ函館山からの夜景の写真が予め入っている。これは函館山に霧が発生しやすく、夜景が撮影しにくい事からの措置らしいのだが、実際には霧の中に写らないはずのものが写った場合、写真を差し替える為に入っているらしい。差し替えられた写真はその場でネガごと廃棄されるらしく、何が写っていたのかは未だ判らないという。

 信じようと、信じまいと……

・隕石の中にいたモノ
 1985年旧ロシアの寒村に隕石が飛来した。落下直後は高熱を持っていた為、冷えてから処理を行うことになった。後日村人が様子を見たところ、隕石は中が空洞になって割れており、割れ目からは水と何かが這いずった跡が森に向かって続いていたという。

 信じようと、信じまいと……

・穴をふさぐ部屋
 フィンランドに住むある男は不思議な部屋を持っていて、それを自慢にしていた。その部屋に穴の開いた服や開封済の缶などを入れておくと一晩で直っているのだ。ある日男はこの部屋でうたた寝をしてしまったが、翌日呼吸困難で瀕死のところを発見された。目と耳と口がきかなくなった男は、死の間際にメモを遺している。
「部屋は俺を塞いでいく」

 信じようと、信じまいと……

・奇形児の発生率
 ロシアの複数の研究者が共同で、奇形児に関する調査を行った。調査が行われたこと自体が公式には公表されていないがそれによると、世界の地域ごとの奇形児の発生率を色の濃淡で表した場合、アフリカ北部を中心とした幾何学模様が形成されるという。

 信じようと、信じまいと……

・オーロラに書かれた日本語
 1867年、北フィンランドで全く形を変えない奇妙なオーロラが観測された。何かの文字の様でもあったが、人々には読むことができなかったので、絵に描いて記録しておいた。それを読んだのは、およそ100年後にその地を訪れた日本人観光客。そこには平仮名で、「ありがとう さよ」と書かれていた。

 信じようと、信じまいと……

・ダミー電線
 空を見上げれば蜘蛛の巣のように電線が広がっているのが当たり前の風景になった昨今。しかしこの電線の実に2割以上は、中空のゴム皮膜だけが張り巡らされた『ダミー』なのだと言う。何故わざわざそんな物を張り巡らせるのか知る者はいないが、偽者を用意する理由などそう多くはない。「本物の電線に被害が及ばないようにする囮」か「獲物をおびき寄せる疑似餌」 ――しかし、何を相手に?

 信じようと、信じまいと……

・鏡の世界から来た男
 ある所に「自分は鏡の世界の住人だった」という男がいた。その男が言うには世界の何処かに一つ、自分だけが映らない鏡があり、そこから鏡の向こう側に行けるという。どうして普通の鏡では向こう側にいけないのかと聞くと、「鏡の向こう側の『自分』がこっちに来ないように押さえ付けているから」と答えた。

 信じようと、信じまいと……

・不可解バラバラ死体
 1968年、千葉県のある公園でゴミ袋に入った女性のバラバラ死体が発見された。注目を浴びるなか警察は捜査を開始したが、死体に不審な点が多すぎたため迷宮入りとなる。両腕は見付からず、そのかわりに被害者の女性のものらしい脚が4本あったという。また同一人物の脚であるにも関わらず、推定された年齢は20代から60代までばらばらだった。

 信じようと、信じまいと……

・鋼屑を純金に変える
 中世のフランスに「鋼屑を純金に変える」という触込みで、多くの貴族から出資金を集めていた錬金術師がいた。ある日突然連絡が途絶えたので、債権貴族達は彼の工房に乗り込んだ。そこで見つかったのは、純金で出来た、満足そうに微笑む錬金術師の彫像だけだったという。像は債権の代わりに鋳潰されたが、当の錬金術師の行方は不明のままである。

 信じようと、信じまいと……

・ユダヤ人を助けた魔術師
 ドイツがナチスの支配下にあった時に、一人の男が現れた。魔術師を名乗るその男は、隠れ住んでいるユダヤ人達の元に現れ、安全に国外へ逃れる方法を教えて回る。魔術師は当然のようにナチスに逮捕され、度重なる拷問を受けるが、遂にナチス崩壊の時まで死ぬ事はなかった。それより奇妙なのは、彼が助けたユダヤ人の多くがナチス崩壊までに怪死を遂げている事だろう。

 信じようと、信じまいと……

・神のノート
 ある所で発見された「神のノート」というものがある。それには種族が絶滅する理由や時期が過去から未来に渡って綿密に書き込まれてある。研究者が調べたところ、書かれた時代~現代にかけて絶滅したというものは全て合致していたという。人類も何時かは絶滅するであろうが、書かれていた理由と時期については研究者達は固くなに口を閉ざしている。

 信じようと、信じまいと……

・ヒュージャック図書館の不思議な本
 カンザス州のヒュージャック図書館には、不思議な本があると言われている。その本を読むと人生が劇的に変わるらしいのだが、題名や装飾・どんな事が書かれているのか一切分かっていない。とにかく「そんな本がある」という噂だけがあり、時折わざわざ遠くから物好きが探しにくるそうで、ちょっとした町の観光地になっている。客寄せに広めた噂かもしれないが、不思議と昔から寄付や寄贈が耐えない図書館であることは事実である。

 信じようと、信じまいと……

・不可思議な鮫の死体
 数年前、島根県の浜田市にある浜辺に大きな鮫の死体が打ち上げられた。連絡を受け、駆けつけた警官が見たところ、どうも腹の中に何か詰まっている感じである。「人間ではないか」と野次馬が騒ぐので、警官は近所から包丁を借りて腹を開いてみる事にした。すると中からこぼれ出てきたのは、大量の石ころであった。それが胃にぎっしりと入っていたらしい。材質的には普通の石なのだが、すべて一辺が2センチほどの立方体だったという。

 信じようと、信じまいと……

・中国、兄墳の「不思議砂漠」
 中国の兄墳という地域には、まるで公園にある砂場のような広さの「砂漠」がある。地元の人間は月初めになると、この「砂漠」の真ん中にたくさんの干し肉と水が入った小さな瓶(かめ)を置く。たまたま海外出張で立ち寄った日本人が「どうしてこんな事をするのか?」と尋ねると、瓶を運んでいた青年は「ここは仕事帰りに通る場所だからね。夜の暗いとき、砂漠に迷い込んで遭難したときの用心だよ」と答えたそうだ。

 信じようと、信じまいと……

・未来少女のタイムカプセル
 少女は自宅の庭で花の水やりをしていて、土の中から何かがのぞいているのを見つけた。スコップで掘り出して見ると、ボロボロになった少女の宝もの入れの缶だった。中には震えた字で書かれた手紙と見覚えのない紙幣数枚、知らない男の写真が入っていた。手紙には差出人は82歳になった自分であることと、これからの人生についての予言が書いてあった。

 信じようと、信じまいと……

・人間とモグラの共通点
 砂漠の昆虫には暑さと乾燥を防ぐために砂の中に潜る種がある。アフリカの砂漠に、同じように砂の中で日中を過ごす民族が居住している。彼らは、長らくそのような生活をしていたためだろう、指先は硬く尖った形をしている。ところで、処女膜は人間とモグラにしかない。

 信じようと、信じまいと……

・「食べる」という言葉
 アフリカ中部に、牛や馬、果ては人間に至るまで、食べるものによって「食べる」という言葉を使い分ける地域がある。
 1980~83年にかけて、言語学者シェリング教授を中心として、地域内の言語調査が行われた。
 結果、その部族が「空から神が訪れた」との伝承を持つ場合、何を食べる際に使うのか分からない「食べる」の数が、際立って多いことが判明した。

 信じようと、信じまいと……

・見上げる人々
 香港の一角に、通称「見上げる人々」と呼ばれる一連の彫像がある。空に目を向けている人物像が何カ所かに配置されているだけなのだが、一様に無表情なため地元ではあまり人気はない。彫像の近辺は飛び降り自殺が多い地域としても知られているのだが、自殺者が飛び降りるのは、決まってそれぞれの像の視線が注がれるビルの屋上からであることが知られている。

 信じようと、信じまいと……

・炭鉱夫行方不明事件
 1932年、ソ連のチェレムホボ炭田で、試掘に赴いた炭鉱夫たちが行方不明となる事件が起きた。一人だけ戻ってきた者がいたが、全身に大量の返り血を浴びており、殺人容疑で逮捕された。ところが、取調べ後,当局は周囲を封鎖。そのまま数日後、ガス発生を理由に試掘抗入口は爆破された。逮捕された炭鉱夫は結局釈放されなかったが、奇妙なことに国から表彰されたとの記録が残っている。

 信じようと、信じまいと……

・ティム・ネイスミス
 北海沿岸の漁師だったティム・ネイスミスは、ある日猛烈な時化に巻き込まれ、やっとの思いで浜へ辿り着いた。家に帰ると妻や子供たちの様子がおかしい。ティムは少し前、既に帰って来たと言うのだ。もう一人のティムはその後も現れ続けた。いつも必ず玄関から疲れた様子で入って来て、「帰ったよ」と言いながら部屋を横切り、洗い場の戸口で消えてしまうのだ。
ティムが死んでから150年近くが経ち、彼の子孫は同じ地所に住んでいるが、今でも度々ティムが玄関から入って来ると言う。

 信じようと、信じまいと……

怖い黒い人
 1952年、アメリカ・ルイジアナ州沿岸で飛行機事故が発生し、海中に墜落。飛行機は大破し、捜索の結果行方不明者多数の、絶望的な事故となった。ところが何週間かのちに、飛行機事故にあい行方不明になっていた乗客全員がテキサス州で保護されたという。そのとき取材した新聞記者によると、パイロット含め乗客は全員助かった理由について口を閉ざしている。しかし一人の子どもが「パパ、あの怖い黒い人に何を頼んだの?」と言っていたのをかすかに聞いたという。

 信じようと、信じまいと……

・首吊りの芸
 中国の江蘇省には、とても特殊な「芸」を継承する一族が存在する。現在の当主は李才県。彼の家は代々人前で「首吊り」を披露する事を「芸」としている。無論「芸」を披露した者は死んでしまうのだが、だからこそ彼の芸を見に中国全土から見物人が集まる。才県の息子が15歳になる来年……それが、才県の芸の披露の年であるとの事だ。

 信じようと、信じまいと……

カーゴ・カルト
 オーストラリアの奥地に、「カーゴ・カルト」(飛行機信仰)を信じる原住民が現存する。彼らの先祖は空に住んでいて、空飛ぶ機械で彼らに恵みを送ってくれていた筈だった。だが、近隣に白人が飛行場を作ってしまった為、恵みはそこの白人が全て奪っていると彼らは言う。今でもなお先祖の恵みを乗せた空飛ぶ機械を、彼らは手作りの飛行機模型と共に待ちつづけている。

 信じようと、信じまいと……

・160kmにわたる奇妙な獣の足跡
 1885年の2月9日、英国はデボンにて160kmにわたる奇妙な獣の足跡が発見された。小さな穴を通っていたり野原で突然途切れていたりと不審な点が多かった。蹄を持った二本足の動物と推定され、地元の人間は悪魔ではないかと恐れた。動物が通ったらしい茂みを犬に探させようとすると、みんな怯えて逃げ出してしまったという。

 信じようと、信じまいと……

・壁の中から聞こえる声
 1970年代、某県のホテルで壁の中から声が聞こえるという怪談が流れた。
そのホテルの支配人は、問題の部屋を隈なく調べ、声の出所を突き止めた。
彼は業者を呼び、壁を崩させると、そこに埋め込まれていたテープレコーダーを発見した。
「これで怪談もお終いだ」
 支配人は得意げに語っていた。

 信じようと、信じまいと……

・肉が消える倉庫
 ドイツのとある肉屋では、たくさん肉が倉庫から消えるということが度々起こったそうだ。ある晩、責任感の強い見習いが、主人の制止も聞かずに倉庫の中で番をした。翌朝見習いは血まみれになって気が抜けたように立ちすくんでいるところを発見された。発見した主人によると、彼は小さな排水口を見つめていたという。自分の舌を掴んで。

 信じようと、信じまいと……

・ひなま
 1999年、諏訪湖の漁師が仕掛けていた網に、ある奇妙な魚の大群が入っていて話題になった。一見シロナガスクジラの様な姿と尾ヒレ、しかし頭部に理由の解らないヒレがあり、そして、体長は5㎝ほど。銀色に輝く青魚で、地元の人々も見た事が無いと言う。その現場にいた、当時の小学生がふざけて「ひなま」と呼んだ事からひなまとされたが。その後は捕まらないと言う。

 信じようと、信じまいと……

・9000m超の山
 中国の地図は正確ではない、という話を聞いた事はあるだろうか。奥地にある山々は観測隊も入り込めぬほど危険な場所であり、いつも厚い雲に覆われているため衛星写真も撮れない。そこで25年前、ある調査チームが小型飛行機による空撮を試みた。順調に撮影は進んでいたが、雲を超えるほどの高い山に遭遇した。この山の高度を測ろうと飛び越えようとしたが山頂が見えない。「9000mを超えた」という通信を最後に小型機は消息を絶ってしまい、これまで撮影したフィルムも失ってしまったそうである。

 信じようと、信じまいと……

・ラジールカその1
 ベトナム戦争の戦死者よりも、帰還後の自殺者の方が多いのは有名な話であるが、その中の数人が「ラジールカが来る」という言葉を残して自殺していることは、あまり知られていない。彼らは皆、とある山を拠点として奪うための作戦に参加していた。「ラジールカ」が何なのか、未だにわかっていない。

 信じようと信じまいと……

・ラジールカその2
 ベトナム戦争の戦死者よりも、帰還後の自殺者の方が多いのは有名な話である。しかし自殺者の6%が「ラジールカが来る」と騒いで自殺している事は、あまり知られていない。彼らが戦時中、拠点となる山を奪うための作戦に参加している事までは確認されている。現地の住人も「ラジールカ」が何なのか分からず、今も不明のままであるという。

 信じようと、信じまいと……

・ラジールカその3
 
ベトナム戦争の戦死者よりも、帰還後の自殺者の方が多いのは有名な話であるが、その中の数人が「ラジールカが来る」という言葉を残して自殺していることは、あまり知られていない。彼らは皆、とある山を拠点として奪うための作戦に参加していた。「ラジールカ」が何なのか、未だにわかっていない。

 信じようと、信じまいと……

・神奈川県茅ヶ崎市の死神
 1982年、神奈川県茅ヶ崎市の住宅街で住人が相次いで亡くなったことがあった。通りの端の家から順番に、病気や事故で一月の間に5名もの死者が出たのである。住民の間では死神が通り抜けたなどと噂がたったが、空き家を境に死者は止まった。二月ほど前に空き家から引越していった男性は、周囲に「見つかった」と漏らしていたらしい。

 信じようと、信じまいと……

笑う女
 アメリカのテキサス州で5人の若い男女のうち4人が行方不明になるという事件があった。ただ1人発見された女性は頭部や顔面に怪我をしており、服などは血まみれであった。そして彼女は精神障害を起こしており事件について聞かれてもただ奇声を発して笑うだけだったという。

 信じようと信じまいと……

・酋長の決め方
 ネイティブアメリカンのサジ族の酋長の決め方は、「白いガラガラヘビに噛まれた男がなる」というものだった。その理由により、酋長の体の一部はどこかしら欠損しているのが普通だった。1830年代に、サジ族は「白いガラガラヘビに噛まれた」白人を助けたが、この男は傷が癒えると帰っていった。その後、サジ族の住む地に金が見つかると彼らは土地を追われたが、その時の隊長は前述の白人だったという。

 信じようと信じまいと……

・1970年代の噂
 深夜12時に合わせ鏡を覗き込むと、鏡の中の自分が全てこちらを向いている……といったように、怪談には「時刻」と「鏡」が関係したものが数多くある。1970年代には「深夜の2時16分ジャストに鏡の中の自分に手を振ってはいけない」という話が噂になった事がある。手を振ったあと、鏡の中の自分が「じゃあね」とばかりに立ち去るのだそうだ。

 信じようと信じまいと……

・南極冒険家の幽霊
 1993年にフランスの南極環境調査隊が撮影した氷山の一角に、男の幽霊が写っていたため大騒ぎになった。南極点に到達できずに死んだ冒険家の幽霊ではないかと囁かれたが、調査してみると半分ほどがその通りであった。男性は、20年前に行方不明となったアメリカの冒険家と思われ、どうもクレバスに飲み込まれたらしい。その箇所が20年かけて海に押し出され氷山となり、温暖化の影響で崩れ……氷の中から出てこれたのである。

 信じようと信じまいと……

・不慮の死を遂げる有名人のリスト
 病気や健康上の問題で死にそうな有名人の「リスト」がマスコミには存在しているらしい。これを参考にして、テレビ局は事前に元気な頃の映像を編集して用意しておくのだそうだ。ただ、人はそう都合よく死んではくれない。そのため、一部のマスコミには「不慮の死を遂げる有名人のリスト」が用意されているのだとか。

 信じようと信じまいと……

・オシャレなカレー店
 2003年、静岡の繁華街を歩いていた老人が行方不明になった。十数人いた目撃者によると、オシャレなカレー店に入ったのを最後に消息を絶ったようである。だがおかしなことに、目撃者が見たカレー店が繁華街の何処にもないのだ。後日、息子夫婦に「食べ過ぎて金が足りない、金を持ってきてくれ」と電話があったが、警察は悪戯と見ている。

 信じようと、信じまいと……

・胎児の意識
 70年代アメリカ。中絶反対論者であるジョーンズ医師は「胎児にも意識がある」ことを証明するため、妊娠3ヶ月の妊婦の腹に直接マイクを埋め込み胎児との交信を図った。その結果「片言ではあるが会話ができた」と本人は主張するも真偽は不明。実験が原因で妊婦が流産してしまったからだ。ジョーンズ医師は医療ミスで告訴されたが、皮肉にも殺人罪の適用は免れたという。

 信じようと、信じまいと……

・異国の民謡
 ある漁船の船長は、仲間内で酒が入るとよく戦争中に覚えたという異国の民謡を披露した。彼の子供は漁師を継がなかったため家族もこの歌を知らなかったが、ある時偶然孫の一人が耳にした。旋律に不自然さを感じたので逆再生を試みたところ、「君が代」になったという。船長は既に故人のため、この歌がどこの民謡なのか今ではわからない。

 信じようと、信じまいと……

・牛の怪死とウシガエル
 1999年某日、長野県のとある牛舎で牛十数頭が死亡した。飼育員達が調査したものの、体には致命傷となりうる外傷等はなく、餌に有害な物質が含まれているという事もなかった。ただ、何故か死亡した全ての牛の胃からウシガエルが生きたまま発見されたという。

 信じようと、信じまいと……

・神の七つ子
 1972年の秋ごろ、南米にあるコーサトゥ村で七つ子が産まれた。その村の人々はそれを「神の奇跡」と大いに喜び村では盛大な祭りが行われ子供たちは「神の御子」と呼ばれ村人たちからとても可愛がられた。ちなみにその「神の御子」達の親は、共に多重人格症を患っていたらしい。

 信じようと信じまいと……

恵比須様の通り道
 東北の、特に太平洋側の漁村には「恵比寿様の通り道」という話が伝わっている。なんでも、ある時期に海で死んだ者の遺体は、海流に流され、あるひとつの「流れ」に到達するらしい。海に潜ったある者は、その海流を歩く様に流れる何十という遺体を目撃した事があるそうだ。漁村の多くは、その海域で獲れた魚を食べようとしない。どこで餌を食べたのか、不自然に肥えている為だ。

 信じようと、信じまいと……

・黒くて大きな影
 イギリスのグラスゴーで、今までにないほどの大雨が5日間続いた。その後7日間に渡り、建物が突然押し潰されたように崩壊する事件が相次いだ。原因は不明だったが、何故か現地人ではない観光客達だけが「黒くて大きな影が闊歩していた」と口を揃えて証言したという。

 信じようと、信じまいと……

・鹿のダンス
 山に住む鹿が、跳ねるようにその場をグルグル周りはじめたら要注意である。本能的に「敵対する意思がない」事を示すためのダンス(表現行動)らしい。猟師達も、そのダンスを見たら、即座に木陰などに隠れるよう言い伝えている。鹿のダンスは、そこを山神様が通る証拠であり、それを邪魔をした者は空高く放り投げられるそうだ。

 信じようと、信じまいと……

・終わらない鬼ごっこ
 70年代に「終わらない鬼ごっこ」という絵本が密かなブームを呼んだことがある。主人公の少年が妖怪に追い回されるという児童向けの怪談もので、最後の頁をめくると、また最初の頁に戻って堂々巡りが続くという他愛のないトリック本であったが、読者の子供が物語から抜け出せず発狂するケースが頻発し、全て回収されてしまったという。

 信じようと信じまいと……

・生きている被害者
 アメリカには『生きている被害者』を『殺害した』として死刑判決を下された、極めて珍しい判例が存在する。保険金目的で夫が妻を殺害しようと、食べ物に毒を毎日少しずつ混入させていたのだが、つまらないミスで露呈。夫は逮捕されたものの、妻の身体は毒に侵されきっており「もう助からない」と医者から診断された。しかし彼女は夫の有罪判決と数ヵ月後に執行された死刑を見届けた直後、静かに息を引き取ったそうである。

 信じようと、信じまいと……

・双子を隔離する仕来り
 今から70年ほど前、某県のとある集落には、双子を隔離する仕来りがあった。双子は出生直後から聾唖の下女とともに納屋に閉じ込められ、一生をそこで過ごすという。そして奇妙なことに、納屋から聞きなれない言葉が聞こえて来るという噂が絶えない。それも、いつの時代も同じ単語が繰り返されているようなのだ。ある言語学者の調査によると、その単語は「飢え」を意味するラテン語によく似ているらしい。集落は疫病と飢饉で壊滅してしまったそうだ。

 信じようと、信じまいと……

死者のスレッド
 日本のインターネット掲示板では死者がスレ立てやレスを行うことがあるという。そうしたレスを見かけた際にはその成仏を心から祈らなければいけないという。仮に成仏を祈らないでいるとそのスレの住民が道連れにされてしまうからだ。

 信じようと、信じまいと……

・鼻より上を隠す女
 栃木の山奥の集落から、鼻より上が包帯で覆われた女に関する書が見つかった。女は1832年に生まれてすぐに母に包帯を巻かれ、それ以来1度も顔の上半分を人に見せなかった。彼女は1867年に亡くなり、葬式のあとその場にいる人によって包帯が剥がされたのだが、その下に何があったかは唯一記されていないのである。

 信じようと信じまいと……

・水色の扉の落書き
 大阪府の泉州地域のとある港の防波堤にはに水色の扉の落書きが描かれている。ただの落書きにもかかわらず地元では開けてはいけない扉と呼ばれており、大人たちも子供をその周辺で遊ばせることはない。まれに防波堤の中から子供の泣き声が聞こえてくることを除けば何の変哲も無い落書きである。

 信じようと、信じまいと……

・27番目の文字
 「27番目の文字」というフレーズにぴんと来ないだろうか?英語圏の一部の人達は奇妙な主張をしている。というのも、アルファベットは本来27文字あったのだがインターネットの普及時期くらいに全ての書物から文字が消えていったという。インターネットとどう関連性があるのだろうか?また、彼らは「消えた」ということは覚えているが、「GとHの間にあった」以外の情報は思い出せないのである。

 信じようと、信じまいと……

・天才「サイモン」
 アイルランドの地方都市にサイモンと言う自他共に認める天才がいた。彼は動物の知性を調べる研究の為、バインガルを製作していた。研究は成功したが彼は首を吊って自殺、遺書らしき物を残し研究所を実験動物ごと焼却した。不審に思った警察が遺書を確認すると「人間は一番賢いとは言えない」と記されていたという。

 信じようと、信じまいと……

・背中に羽を生やした女の子
 アメリカで訓練飛行中だった戦闘機三機が突如爆撃され墜落した。パイロットは奇跡的に生き残った一人を除いて死亡。レーダーには感知されなかったその物体は、UFOや敵国の最新型戦闘機などと噂された。が、生存者は、「背中に羽を生やした女の子にやられた」と語っている。

 信じようと、信じまいと……

・夜見島の怪事件
 30年前の某日深夜零時。日本近海の離島、夜見島で、原因不明の海底ケーブル切断により、大停電が発生。島民全員が島から姿を消すという怪事件が起きた。調査によれば、海底ケーブルは何者かに食いちぎられたように切れていたという。

 信じようと、信じまいと……

・十二支の猫
 十二支の伝説において猫はネズミに出し抜かれて干支になれなかったというものがあるが近年その続きが発見されたという。研究者によるとそれは干支になれなかった猫は神によって絶滅されるはずであったがただ1人反対する若い男性神が人に転生、主神を切り裂き猫を守ったという南山残猫と真逆なものであったという。

 信じようと、信じまいと……

・リューネブルクハイデの怪光
 2004年、ドイツのリューネブルクハイデで民家4棟が三日三晩燃え続けた。何とか消化できたものの、出火原因はいくら調べても不明であった。その後しばらくして、焼け跡付近で怪光の目撃情報と神隠しが相次いだが、2006年に入った途端に一切報告されなくなった。

 信じようと、信じまいと……

・松前屋市兵衛と言いう男
 江州(滋賀県)の八幡に、松前屋市兵衛という男がいた。ある晩、女中に明かりを持たせて厠へ行った市兵衛だが、厠へ入ったきり、忽然と姿を消してしまった。20年後のある日、厠から「おーい」と人が呼ぶ声が聞こえてきた。妻が慌てて戸を開けると。そこには20年前の市兵衛が。記録によると、それからしばらく市兵衛と妻の奇妙な生活が続いたという。

 信じようと、信じまいと……

・多指症
 「多指症」をご存じだろうか。名前のとおり、指の数が10本以上ある先天性の異常である。このような赤ん坊が生まれた場合、医師はすぐに不要な指を切除する。通常、手術は簡単で痕も残らない。親に告げず処置を行う医師も多いので、当人も知らないケースがほとんどである。多指症の発生率は案外高い。あなたが生まれたとき片手の指が6本あった可能性は、500分の1である。

 信じようと、信じまいと……

・目のいい駅員
 国鉄時代、多くの駅に「目のいい駅員」が配備されていた。視力がいいのではない。普通は見えない黒いモヤのようなものを見分けられるのだ。このモヤを背負った人は必ずと言っていいほど飛び込み自殺をしようとする。あわや!というところで取り押さえて落ち着かせると、やがて「何で死のうなんて思ったんだろう」と言いだすのが常であったという。モヤが見えるようになる訓練法もあり、口伝のように伝わっていたが、JRになってからその伝統は廃れたようである。

 信じようと信じまいと…………

・日本書紀の謎の歌
 
よく知られている話だが、日本書紀には全く意味の分からない謎の歌が記録されている。斉明天皇の時代に庶民の間で爆発的に流行したという、「まひらくつのくれつれをのへたを・・・」という童謡である。新羅遠征の失敗を予言した歌、あるいは当時の権力者の揶揄等諸説あるが、いまだに定説がない。ついに解明したと言う研究家もこれまで何人かいたが、いずれもその内容を発表することはなかった。人に問われると、彼らは決まって「知らないほうがいい」と答えるのである。

 信じようと、信じまいと……

・頭蓋に刻まれた文字
 カリフォルニアのとある農夫が畑を耕していると、畑の中から人骨を掘り出した。気味悪がりながら見てみると、頭蓋の部分に文字が掘られていた。それは今朝彼が妻に発した言葉だったので、農夫は反狂乱になりながら警察に電話したという。なお、人骨の身元は3年前にアリゾナで行方不明になった全く関係の無い男だった。

 信じようと、信じまいと……

・つまらない傷害事件
 ある男が、つまらない傷害事件で逮捕された。男は無実を主張したが、被害者の血が付いたナイフが決め手となった。結果、男には有罪判決。全ては丸く収まった。被害者の物と一致したナイフの血から、蛇のDNAが検出された他は。

 信じようと、信じまいと……

・優勢アライグマ
 野生化したアライグマによる野菜などへの害とともに日本固有のタヌキの生息数も減少も懸念されている これは凶暴なアライグマにタヌキの生存が脅かされている為だと考えられているが、とある猟師はアライグマと交配したタヌキがアライグマを出産していたという。

 信じようと、信じまいと……

・1767に処刑された男の霊
 カンブリア地方のとある村の、かつて処刑場があった場所では、嵐の夜になると骸骨が現れ、まるで吊るされたようにしばらく揺れ、忽然と消える。これは1767に殺人の罪で処刑された男の霊だと言われているが、詳しいことはわかっていない。長い年月の間に出現の頻度は減っているが、今でも時折目撃されるという。

 信じようと、信じまいと……

・NOT ME Wand
 ドイツのとある町にある「ノットミーの壁(NOT ME Wand)」をご存知だろうか。その町で自殺者を含む死者が出た次の日、その壁に「NOT ME」という落書きがされると言う。誰の仕業か見届けようとしても必ず気を失い、監視カメラを設置しても一瞬画面が飛び、その際に文字が書き込まれているのだ。その真意やなぜ英語なのか不明なまま、現在も夥しい数の「NOT ME」が並んでいる。

 信じようと、信じまいと……

・こっち側
 とある交番に酷く動揺した若い男性が駆け込み、ついさっき見知らぬ男に「お前もこっち側になったんだな」と声をかけられたこと、振り返るとそこに男の姿がなく恐ろしくなったことを語った。警察は事件性はないものとして処理したが数ヶ月に件の男性は捜索願が出されたという。

 信じようと、信じまいと……

・うらみのサブリミナル
 2009年5月神奈川県である一家が全員リビングで変死した状態で見つかった。遺体を調べると恐ろしいことがわかった。ある特定の二曲を合わせて聴くとサブリミナルにより脳が停止する危険性が出てきた。当然その曲の名は公開されてはいないが一曲目は滝廉太郎の「うらみ」と言われている。

 信じようと、信じまいと……

・海底の自転車
 海底は未だに謎が多い。1990年代初頭ロシアの探査チームが太平洋の海底探査を行った。4000m付近まで降りた時、探査チームは異様な光景を目にした。おびただしい数の自転車がひとりでにキコキコと海底を進んでいたのである。

 信じようと、信じまいと……

・案山子の風習
 中国地方のある村では毎年、人が亡くなると畑に新しい案山子を立てるという風習がある。既に案山子が立っている畑には新たに立てず、案山子が立てられた畑は手入れをしない。そのうち荒れた畑ばかりになりそうだが、毎年一体ずつ案山子が畑から消えるのだそうだ。ある村人は「新しいのが立てられそうになると、古い案山子から山へ歩いて行く」と語った。

 信じようと、信じまいと……

・石の敵兵
 第二次世界大戦末期、チェコのプラハ攻防戦に参加した兵士の証言に次のようなものがある。
「その敵兵は石の剣や鎧で武装しており、銃で頭を砕かれても動きを止める事は無かった」
 その証言を裏付けるように、戦闘後の市内には石の剣や鎧が埋まった砂山が各所で見られたが、公式には「戦闘によって彫刻等が多数破壊された」とするのみで、兵士の証言は黙殺された。

 信じようと、信じまいと……

・叔父のキャベツ
「私が作りました」
 それは、農産物の生産者と消費者を繋ごうとする試みである。長野の山本氏は、東京のスーパーで信じがたいものを見た。キャベツに微笑むのは、10年前に死んだはずの叔父なのである。あわてて出荷元の農協に問い合わせたが、確かに叔父と名乗る人物から集荷したという。一体、キャベツはどこから来たのか。

 信じようと、信じまいと……

・巨人の伝承
 フランス西部のある村には、1400年代に巨人が住んでいたという伝承が残されている。巨人が住んでいたと言われる遺跡もあるのだが、どう見ても普通の人間サイズである。では何故巨人と言われるようになったのか?この村の伝承には次の様な描写がある。
「見上げれば牛より高いであろうか、巨大なる人が不思議そうに見下ろしていたのだ」

 信じようと、信じまいと……

・カメレオン恐竜
 1997年、メキシコで珍しい肉食恐竜の化石が見つかった。殆ど炭化しているものの遺伝子配列まで固定された皮膚の化石で、これにより発見された恐竜にはカメレオンのように皮膚の色を変え、外敵から身を守る能力があったことが解った。ただ、体長30メートルの肉食恐竜に、一体どんな天敵がいたのかは定かではない。

 信じようと信じまいと……

・天までそびえる巨大な灯台
 1987年5月ごろ、鳥取県の海岸に無人の古いボートが漂着しているのが発見された。脱北者が乗っていたボートだったらしいが、中に残されていた食料はすべて腐敗していた。ボートからは手帳も発見されており、ハングル文字で「途中で遭難した」事が記されていたらしい。日付は1980年になっておリ、最後のページには「天までそびえる巨大な灯台が見えた。助かった」とだけ書かれていたという。

 信じようと、信じまいと……

・夕暮れの塔
 ドイツに、「夕暮れの塔」と呼ばれる高い塔があった。その塔の最上階から見える景色はいつも夕焼けだという。それを聞いたある作家が、「そんなはずはない」と朝早くから塔に登った。しかし塔は高く階段も急で、やっと最上階に着いたときにはもう夕方だった。「夕暮れの塔とはそういうカラクリか」と合点した作家は、今度は夕方に塔に登ることにした。最上階にたどり着く頃にはもう夜中のはずだ。そう思い塔に入った瞬間、彼は絶句した。夕陽の差し込むそこは、紛れもなく最上階だった。

 信じようと、信じまいと……

・少女に殺された男
 アイルランドである男が、何週間も続けて顔も見たことのない女の子の夢を見た。相談した占い師に「お前はその少女に殺されるであろう」と予言され、ノイローゼになったその男はある日、バス停で、夢に出てきたそのままの少女に「わたし、おじさんと夢で会ったよね?」と声をかけられた。半狂乱になった男は、名前も知らない少女をその場で絞め殺した。その咎で、男は縛り首になった。

 信じようと、信じまいと……

・ずぼらなCD管理
 パッケージを開くと全然違うCDが入っている。そんなずぼらなCD管理をしている方は多いかもしれない。ある男が以前適当にCDを選び、プレイヤーに入れたところ音が出ない。不思議に思い中を見るとハムが一枚入っているだけだったという。

 信じようと、信じまいと……

・養殖物は飽きた
 ある男が、殺人容疑で逮捕された。自宅のバスタブで知人の女性を溺死させたというのだ。さらに男の自宅では牛刀や斧も見つかっており、殺害後に解体しようとした疑いも出た。偶々遊びに来た友人が遺体を発見した事から事件が発覚したのだが、男は警察の追及に対し「養殖物ばかりは飽きたので、天然物が欲しくなった」と意味不明の供述をしたという。

 信じようと、信じまいと……

・雀と暮らす
 ホームヘルパーのAさんが担当している独居老人が、ある日「子供が一緒に暮らそうと言ってくれた」と嬉しそうに語った。しかし程なく老人は孤独死。息子が遺体を引き取りに来たが、同居しようと言った覚えはないと言う。数日後、Aさん宅のベランダに2羽の雀が飛んで来てしばしさえずり合い、会釈のような仕草をして再び空へと羽ばたいていった。その時Aさんは思い出した。老人が生前、軒先に飛んで来る雀に餌をやりながら「我が子のように可愛い」と繰り返していた事を。

 信じようと、信じまいと……

・木の中の空洞
 聞いた話。ある人が切り倒した木を寸断していると、木の中に空洞があり、その中に獣の骨が一揃い入っているのを見つけた。抜け穴もなく外界から完全に隔絶した洞の中には、乾いた糞のようなものも落ちていたと言う。

 信じようと、信じまいと……

・コケだけを燃やす炎
 聞いた話。山菜採りを生業としている夫婦が、山肌にある大岩が燃えているのを見つけた。慌てて近寄ったが、不思議と熱を感じない。やがて火は消えたが、周囲の草や木には焦げた跡はなかった。ただ、岩肌の苔は奇麗に無くなっていた。

 信じようと、信じまいと……

・贋札聖人
 明治時代、「贋札聖人」と呼ばれた紙幣偽造犯がいた。彼の作る紙幣は見た目も手触りも本物そのままだったと言い、それを使って潰れかけた寺を再興し、困窮層の子供達に食事と教育を施して犯罪者ながら大いに尊敬を集めたが最後はその羽振りの良さを妬んだ仲間に密告され、逮捕寸前で逃亡。その後、仲間達が彼が偽札を隠していたはずの行李を探ってみたが、中には何故か大量の木の葉が詰まっているだけだった。その寺の名は、証城寺という。

 信じようと、信じまいと……

・幹の向こうの目
 聞いた話。ある人が梯子に上り木の枝を切っていると、耳もとで声がした。声のした方向を見ると、幹の向こう側から誰かが覗いている。目が合った途端、そいつは上の方に滑るように消えてしまった。その目は真ん丸で、目蓋がなかったと言う。

 信じようと、信じまいと……

・精神病者の風景画
 アメリカのペンシルバニア州にある精神病院に通う青年は、医者に勧められて絵を描き始めた。人物画は壊滅的に下手糞だったのだが、風景画は写真と見紛うばかりの緻密さで周囲の人々を驚かせた。「天才だ」と騒がれ始めた矢先、青年は「ここは騒がしいので向こうへ行きます」というメモを残して失踪する。彼の部屋に残された最後の風景画には誰かの後姿が小さく描かれていたが、いつの間にか消えていたという。

 信じようと、信じまいと……

・ミロのヴィーナス
 ある美術家が「ミロのヴィーナスの両腕を再現して欲しい」という依頼を受けた。しかし半年後、美術家は首を吊って死んだ。「完全なる美を見た。これは私だけの物だ」という遺書と、描かれたはずのヴィーナスの両腕部分を破り取った大量のスケッチブックを部屋に残して。破り取られたスケッチブックは、検死された美術家の胃から発見されたという。

 信じようと、信じまいと……

・ネジ長石
 1869年11月ネバタ州トレジュア市のアピア鉱山で採掘されたこぶし大の長石の塊の中には5cmほどの金属のネジがはめ込まれている。そのネジは鉄製のため錆びてはいるが現代のものと変わらないネジ山の刻みがはっきり認められる。問題はこの長石が人間自身よりも何百万年も古い時代のものだという事実である。

 信じようと、信じまいと……

・多額の金を失った者
 2016年4月末、東アジアを中心とし世界各地で「多額の金を失った」とする人が大勢現れた。彼らの大半はなぜか満足気であったが、そうでない者も大勢おり話題となった。しかし一年たって今年の5月末、また「多額の金を失った」とする者が大勢現れた。その中には昨年の「満足気ではなかった者達」がいたが、今年はその全員が満足気であったという。


信じようと、信じまいと……


・ポップコーン妄想

ある精神病患者は自分がポップコーンであって鶏に食べられるという妄想に取り付かれていた。医者の治療の甲斐もあって彼は妄想から解放されることができ、退院することになった。しかし、彼は次の日には自殺してしまい、発見された遺書にはこう書き残されていた

「確かに私はポップコーンではない。しかし、鶏は私がポップコーンでないと知っているだろうか?」


信じようと、信じまいと……


・竜殺し大臣

中国の皇帝の夢の中に一匹の竜が現れてこういった。

「今日、私はあなたの大臣に殺されます。どうか助けてください」

承知した皇帝は、目覚めると大臣を呼びつけ、一日中仕事を命じた。夜になると象戯を行い、大臣に暇を与えなかった。途中、大臣は疲れて眠ってしまう。すると二人の兵士が何かを持って皇帝の前にあらわれ、手に持ったそれを置いた。それは竜の首だった。「空から落ちてきました」。目覚めた大臣はそれを見ていった。「不思議だ。こんな竜を殺す夢を見ていたのだ」


信じようと、信じまいと……


・世界樹信仰

世界樹信仰というものがある。これ自体は北欧や東アジアなど、森に恵まれた地方ではよく見られる伝承である。1986年にイギリスのジェイムズ・ランカー博士が、「海洋民族の信仰」をまとめた際に、ある興味深い事実が明らかとなった。海洋に暮らす民族に伝わる神話のほとんどは海や水に関するものであったが、太平洋の中心に暮らす民族だけに「世界を支える大きな木がかつて生えていた」という言い伝えが残っていた。


信じようと、信じまいと……


日本の国技『相撲』は、他の格闘技と比べて少し変っている風習が多い。特に土俵に関しては「土俵台の中に歴代横綱の骨が納められている」という噂がある程だ。真剣勝負に挑む力士たちを護る為であり、土俵が神聖視される理由だとも言われている。しかし一方で「正々堂々と戦わない力士に呪いをかける」為ではないか、と囁かれているのも事実なのだ。


信じようと、信じまいと……


・地球の酸素濃度

地球の酸素濃度が今より1%上昇すると、一気に燃焼して地球は火の玉になってしまうらしい。だが安心して欲しい。南極や北極等でのボーリング調査により、ここ数十万年の酸素濃度に変化がない事が判明しているのだ。ところが、ここ最近のエコブームや緑化運動などにより、僅かではあるが年間平均濃度が上昇しているそうである。個の話を環境運動家たちは信じようとせず、今日も緑を植え続けている。


信じようと、信じまいと……


・発火事件

ヒートアイランド現象による都市部の急激な温度上昇で、熱中症などの被害が増えている。2002年ロサンゼルスで、道を横断しようとしたサラリーマンの身体が突然燃え上がった。発火の原因がまったく分からず、結局『焼身自殺』として処理された。一説によると、ごくたまに都市構造や熱伝送率、地層や地下空間の配置等の要因が重なり、急激に熱が集中するポイントが出てくるという。


信じようと、信じまいと……


・全身銀色の小人

アフリカや南アメリカには、まだ近代文明に触れていない部族や集落が、少ないがある。数十年前にも一度南アメリカで新しい部族が見つかり、現地政府による調査がなされた。部族そのものに驚くべき新発見はなかったが、長老のある発言を政府は必死で抹消した。その発言とは、隣の部族は超高速の乗り物に乗る全身銀色の小人だったという話である。


信じようと信じまいと……

 

・ピレネー山脈の巨人集落

カエサルが書いた「ガリア戦記」、タキトゥスが書いた「ゲルマニア」という本がある。共に、原始ゲルマン人やガリア人について書かれた歴史的にも非常に貴重な資料である。しかし、両書とも元本に近いものだけに一致するある共通の記述が学者を悩ませている。その記述は、ピレネー山脈には身長が3mを越す人が住む集落があるというものだそうだ。


信じようと、信じまいと……


・70年代高校野球の名ストッパー

70年代、ある高校の野球部に名ストッパーとして名の知れた投手がいた。普段は朗らかな人格者だったが、マウンドでは常に死球ギリギリの剛球を投げたため、打者は彼の投球に本気で殺意を覚え、トラウマを残して退部する選手が続出した。一方、本人曰く、自分が登板した回はあっさりと打たれた記憶しかないという。


信じようと、信じまいと……


・子供用の三輪車

2002年、ビジネスでペルーから日本に向かう途中の小型ジェット機が太平洋上に不時着した。エンジンの片方が衝撃と共に突然炎上したのだが、幸いな事に死傷者は出ず、全員が無事に救助された。事故原因の調査が行なわれたのだが、出された結論は「何かがエンジンに吸い込まれたため」。壊れたエンジンから回収されたのは「子供用の三輪車」だったのだが、この事実は伏せられた。


信じようと、信じまいと……


・国防総省の天使

アメリカ国防総省では第二次大戦中、合成獣(キメラ)の研究を積極的に行なっていた。大都市に住み着いている若く健康なホームレスを拉致監禁し、大型の鳥類の翼を移植。培養液で満たしたプールに全身を浸し、翼の定着を促し、ステロイド注射で筋力増強を促進した。実戦に配備されたとの記録は無いものの、軍施設周辺での天使の目撃情報は今も尚後を絶たない。


信じようと、信じまいと……


・個性的な女性

1990年代、東アジアのある個性的な女性がビデオに出演した。2000年代に入り、そのビデオが些細なきっかけからインターネットに流出した。そして彼女の愉快な言動からネットを中心にカルト的な一大勢力を築き上げた。現在、現実の彼女が今どこにいるのか、生きているのか亡くなっているのかもわからないが、彼女はインターネット上で人々の意識の上に意思を持ち、存在し続けているという。


信じようと、信じまいと……


・眼球改造実験

1999年ドイツでナチス時代に行われていた研究をまとめたレポートが発見された。その研究内容は眼球に手を加え、仮想敵との戦闘のとき暗闇でも昼間同様に視界を確保するというものだった。研究は実験段階まで進み、結果を得るまでになった。しかし、実験後の被験者は皆口を揃えてある事を言った。「暗闇は死人で溢れそうだ。」と。


信じようと、信じまいと……


・幸運な男

ニュージーランド北部に、幸運な男がいた。その男はどんな状況においても幸運を発揮し、その度に満足げに微笑んだという。ある日、男は「俺が今のうちに死ねるのは、まさに幸運だ」と告げて消えてしまった。一体、この先に何があるというのだろうか。


信じようと、信じまいと……


・隣町の空き家

山梨県に住むAさんが自宅に戻ると、見ず知らずの女性が「お帰りなさい」と出迎えた。Aさんは独身で妻などおらず「キミは誰だ」と尋ねても答えようとしない。テーブルには真新しい食器で5人分の食事が用意してあり、女性は「もうすぐだね」と繰り返すばかり。恐ろしくなって家を飛び出して振り向くと、そこは隣町にある空き家だったという。


信じようと、信じまいと……


・旅人の帰る場所

イギリスのアッシャー地方にある古びた屋敷は「旅人の帰る場所」と呼ばれている。1人の老婆が旅人を無償で泊めたりする宿屋のような所だったそうだが、その老婆も十数年前に亡くなってしまった。それでも頻繁に旅行者は訪れ、常連の旅人などは屋敷の中を掃除をしたり、場合によっては屋敷を修繕したりするという。

「この屋敷のことが頭から離れないんだ。良い意味で呪われているのかもしれないね」と、旅行者の1人は語る。


信じようと、信じまいと……


・そろそろ次を探す

1975年、インドのデリー州で男性の変死体が発見された。驚くべきことに、男性の中身は空であった。遺書には明らかに彼の筆跡で「そろそろ次を探す」とだけあり、口から抜け出たと思われる中身は、家から数mのところで発見された。


信じようと、信じまいと……


・調べるんじゃなかった

愛知県で交通事故が起こった。死者はおらず、人々はいつものことだと気にもとめなかったが、ある警察官は熱心に捜査した。数ヶ月後、同じ場所でその警察官が事故を起こし死亡した。その前日に彼が記した日記には、「調べるんじゃなかった」とその一文だけが書かれていた


信じようと、信じまいと……


・ペンタゴンの地下

ペンタゴンの地下には、とある部屋がある。分かっているだけでも、これまでに519人がそこに入室している。しかし、監視カメラの映像によれば、出てきたものは一人もいない。昨年9月に調査チームが入ったものの、彼らも今だ、出てきていない。


信じようと、信じまいと……


・片足のない百姓

江戸時代末期、小三郎という名の、片足のない百姓がいた。ある年の秋、小三郎は「田んぼの様子を見てくる」と妻に言い残し、行方不明になった。「稲穂を掻き分けて田んぼに入り、そのまま沈むように消える小三郎を見た」という証言をもとに、田んぼを掘り返してみると、小三郎と同じ柄の着物を着たカカシが見つかった。


信じようと、信じまいと……


・奇妙な森

1938年、ロシアの片田舎の草原に奇妙な森が発見された。森の木はみな枝が二本しかなく、十字架のような形をしていた。発見時、それぞれの木の根元には布切れが散乱しており、布をつなぎ合わせると木の本数と同じ人数分の服が出来上がったという。


信じようと、信じまいと……


・ドーム状の山に囲まれた街

地球のどこかにドーム状の山に囲まれた街があるという。その街は外から入ることは大変困難だが、住人だけが知る特別なルートからなら簡単には入ることができる。ちなみに街を囲む山は、千メートルほどの高さであるが人工物であるという。余談であるが、その山の付近では未確認飛行物体の目撃談が後を絶たない。


信じようと、信じまいと……


・雷に愛された男

ロイド・トゥエイン氏は「雷に愛された男」として知られている。4歳の時、彼は家に押し入ってきた強盗に危うく誘拐されそうになったのだが、彼らが車に飛び乗る寸前、雷が強盗を打って彼を救ったのである。また、18歳の時には、登山中の彼を襲った熊を雷が打った。ただ、彼自身は雷を嫌悪している。22歳の時、恋人を落雷によって亡くしているからだ。人々は、雷が彼女に嫉妬したのだと噂している。


信じようと、信じまいと……


今では東京に限らず都会に我が物顔で君臨するカラス達、一日たりとも目にしない日はない。だがしかし、彼らの死骸を見た事があるだろうか?各自で思い出してもらいたい、あんなにいるのに。では何故見ないのか?彼らのような野生の者達は死を迎えると物理的に消滅してしまうのだ。愛玩動物のように人の生活に関わった物にはみられない謎の現象だが解明はされていない


信じようと、信じまいと……


・トビカタツムリ

野生動物の危険予知と回避能力は人知の及ばない不思議な能力がある。蝿を見つけ殺そうと殺虫剤を取りに行って戻ってくると忽然と蝿の姿がなくなるというの経験した人も少なくないだろう。アマゾンには危険を感じると一瞬に居場所を移動するという和名トビカタツムリなるものが生息している。地上にいるトビカタツムリが天敵に襲われた時に木の葉に一瞬で「跳び移った」ところからトビカタツムリとされたそうだが、本当にただ跳び移ったのだけなのだろうか。


信じようと、信じまいと……


・カメラに映った事故

ある夫婦が家を新築した。防犯のため玄関にはオートロックやカメラなどが設置されている。夜、急ブレーキと何かが跳ね飛ばされるような音。防犯カメラにひき逃げの現場が映っていた。慌てて助けに行く夫。だが外に出ると逃げる車もはねられた人物も見当たらない。

すると家の中でカメラを見ている妻が叫んだ。「その人起き上がってそっち向かってるよ!大丈夫なの?」


信じようと、信じまいと……


・落とし穴の夢

ニューヨークに住むある男性は、連日奇妙な夢を見るという。夢の内容は、目の前にある巨大な建物に向かって歩いていくというものである。ある日、ついにその建物にたどり着いた時に落とし穴に落ちた、という所で目が覚めた。翌日彼は土汚れに塗れたスーツを着て出勤してきたという。


信じようと、信じまいと……


・病死したCA

初フライトを前に病死してしまったCAがいた。彼女の同期の同僚が初フライトを終え、乗客を見送っていると、客の老夫婦から不思議なお礼を言われた。

「親切にしてくれた髪の長いスチュワーデスさんによろしくお伝えください。色々話を聞いていただいて。」

その日搭乗していたCAは3名だったが、全員がショートカットで、老人の話す「もう一人のスチュワーデス」の特徴は病死したCAのものと酷使していた。


信じようと、信じまいと……


・300人に一人の色覚

実害が無いため報道されることは少ないが、視神経と繋がる脳の部位を調べてみると、約300人に一人は赤と青など二つの色が逆に見えているはずだという。彼らは赤く見えるものが”青”、青く見えるものが”赤”と思い込んでいるため気付くことは少ない。あなたの視界は、本当に周囲の人と同じだろうか?


信じようと、信じまいと……


・核シェルターで暮らす男

冷戦当時、古い坑道を買い取り、そこを核シェルターに改造している大金持ちの男がいた。数十年分の生活物資を溜めこみ、核戦争が起きると自動で入り口を塞ぐ装置も作った。しかしある日、男が中を点検していると、装置が誤作動を起こして入り口を塞いでしまった。男はそれを本物の核戦争と信じ、多分今もその中で暮らしているという。


信じようと、信じまいと……


・神のプログラム

「サイコロを振ったときにそれぞれの目が出る確率は1/6である」ことを証明した人はいない。「何度もサイコロを振るうちに限りなく1/6に近づく」ということが分かっているだけである。

『人類がサイコロを振った回数が計100兆回を超えると、それ以降は常に1の目しか出なくなる』

神がそんなプログラムを用意していない保証はない、とある数学者は語る。


信じようと、信じまいと……


・インダス文明の警告

人間が最初に知覚した色は、血や炎の色である「赤」であったと言われている。現代においても赤信号など、危険を知らせるものには赤色が用いられる。最近の調査で、インダス文明の古文書の中に、赤の顔料で記された箇所があることが分かった。果たして彼らは何を警告しようとしていたのだろうか。


信じようと、信じまいと……


・天使の記念日

ドイツ北部のとある村では、4月3日を「天使の記念日」とし、小さな祭りを行って祝っているという。その祭りは1786年の4月3日、その村に「天使の羽」が降ったことに由来するものだという。同地の教会に残る記録によれば、その「羽」はほのかに青みを帯びた白い羽毛であり、正午を告げる鐘の音と共に降り始め、一帯を雪のように埋め尽くしたそうである。


信じようと、信じまいと……


・泣き地蔵

「泣き地蔵」という不思議な地蔵があった。普段は静かな顔つきなのだが、夕方に見ると泣き顔や困り顔に見えるのだ。泣き顔の時には次の日雨が降り、困り顔のときは雪が降った。何も降らない日は地蔵の顔はそのままだった。人々は地蔵を見て明日の予定をたてていたが、ある日地蔵が今までに見たことのない満面の笑顔の日があった。

1945年8月5日、広島での出来事である。


信じようと、信じまいと……


・六甲おろし

阪神タイガースの応援歌として知られる「六甲おろし」。この歌には天皇家がかつて六甲山に隠した秘宝の所在が暗号で示されているという。一説には「六甲おろし」に隠されたこの秘宝は「やまたのおろち」に縁のある品、すなわち正史の上では壇之浦に沈んだとされる叢雲剣の真剣であるともいう。


信じようと信じまいと……


・自動暦

1998年、イギリスの民家の倉庫から400年程前のものと思われる設計図が発見された「自動暦」と題されたその設計図には、奇怪な形をした部品の寸法と、それらの組み立て方が記されていた。とあるエンジニアが設計図をもとに装置の復元を行うと、西暦と日付を表示する機械が出来上がった。しかしこの装置には奇妙な欠点があった。2050年を経過した辺りで歯車が噛み合わなくなり、装置が表示を止めてしまうのである。


信じようと、信じまいと……


・神田神保町の古書店の古習慣

神田神保町の古書店には今も古い習慣がある。厚さ約5cmの表紙も中身も無い白い本を見つからないように本棚へ長い期間隠しておく。すると、本や客に影響されて、白い本が見たことも無い一冊の奇本へと変化するという。しかし、期間中に見つけたり見つかってしまうと、たちまち元の白い本へと戻ってしまうそうだ。


信じようと、信じまいと……


・未来のニュース

1950年。アイオワの農夫カーネギーは人の良い飲んだくれだったが、飲み過ぎると時折「入電だ!」と口走り、ユニークな『未来のニュース』を語ったという。ニュースの日付は半世紀以上も先だったから確かめようもなく、仲間たちはNYのビルに飛行機が突っ込むだの、黒人の大統領が生まれるだのという荒唐無稽なホラ話を楽しんでいた。彼は60年に酒場で心臓発作を起こして死んだが、死の間際に友人たちは彼が「2015年以降、入電無し!」と叫ぶのを聞いたという。


信じようと、信じまいと……


30年ほど前、ある男にロアが回ってきた。男が紙にロアを書こうと、バッグからペンを取り出し机の上を見ると、さっきまであったはずの紙が無くなっており、後ろのドアが開いていたらしい。その翌日、男は強盗殺人に合い死んでしまったという


信じようと、信じまいと……


・名乗り出なかった男

イギリスのドッジスンヒルという田舎町で殺人事件が起きた。記録によると107年ぶりの殺人事件だそうで、町はちょっとした祭になった。ヤードの刑事が来ると、住民が次々に「私が犯人だ!」と名乗り出るほど盛り上がったらしい。しかし真犯人はすぐに見つかった。ただ1人、名乗り出てこなかった男が犯人だったのだ。


信じようと、信じまいと……


・ミニチュアに蠢く無数の黒いもの

イギリスの片田舎に住む女性は、ミニチュアの模型を作ることを趣味にしている。数週間かけて作り上げた自分の住む村のミニチュアを眺めていた時、作った村の中に無数の黒いものが蠢いているのを見つけた。それを何とか捕まえて持ち上げてみると、細い糸で作られた何かだった。虫だと思ってそれを全て取り除いた後、彼女は村に誰も居なくなっていることに気がついたという。


信じようと、信じまいと……


・日本近海で泳ぐ小学生

1995年8月、日本近海で泳いでいた小学生の男の子が漁船に救助された。男の子が言うには学校で開放されているプールに飛び込んだ矢先、後ろからエンジンの唸る音が聞こえたので顔を上げたらなぜか海にいて、そのまま漁船に拾われたそうだ。同様の事件が過去に4度記録されているが、いずれの生徒もゴーグルを忘れて目をつむったまま飛びこんだと話している。


信じようと、信じまいと……


・神

神の声というものを聞いたという人間は数多くいる。その中で、神を殺したという者すらいるという。ある男は神の後継者として選ばれたというが、彼はそれを拒否し、愛するものと生きるために神の機能を停止させてしまったらしい。


信じようと、信じまいと……


・加藤清正の一計

江戸時代初期の武将、加藤清正は、当時の築城防御技術の粋を集め、熊本城を築城した。彼は城内に銀杏を植えた時、「この銀杏の木が天守と同じ高さになった時にこの城で兵乱が起こる」とつぶやいたという。明治時代初期、加藤清正が植えた銀杏の木は、天守とほぼ同じ高さになった。西南戦争が起こり、熊本城下はまさに戦場となった。 西郷軍約2万は、明治政府軍が籠る熊本城に猛砲撃を加え、銃撃を加えながら突撃したが、300年前の鉄壁の防御策を破れなかった。加藤清正は未来を予知し近代戦対応の頑強な城塞を築いたのか?


信じようと、信じまいと……


・水中で首を吊った男

1985年アメリカのオンタリオ湖で男の首吊り死体が発見された。身元はすぐに特定されて遺体に外傷もなく事件性のない自殺として処理された。しかし彼がどうやって水深10mの水中で首を吊ったのかは誰にもわからなかった


信じようと、信じまいと……


・持って行かれた男

「奴らに持って行かれる!」その男は交番に駆け込んでくるなり、そう叫んだ。夜勤の若い巡査は面食らって聞き返す。「誰に、何を持って行かれるですって?」しかし、男はただ「持って行かれる、持って行かれる」と繰り返すばかりだった。そして男は突然、「あっ、持って行かれた」と呟くと、その場に崩れ落ちた。男は絶命していた。


信じようと、信じまいと……


・トンネル内の看板

北海道の札幌と旭川を結ぶ高速道路の一つに、奇妙な看板が立っている。それ自体は何の変哲もない『飛び出し注意』の標識だが、トンネルの中にあるのだ。もちろん両側は壁。人も動物も飛び出しようがない場所である。ある時、疑問に思った観光客が旭川市に問い合わせてみたところ、担当者は「それでも飛び出してくるんです」と答えたという。一体何が、どこから?


信じようと、信じまいと……


・指が12本の生物

時計やカレンダーなどは12進数で表されるが、これは古代エジプトが起源と言われている。人間が10進数を使うのは手の指が全部で10本だからだが、12進数の方が3や4で割り切れるので優れているとも言える。ところで、古代エジプトの遺跡からは手の指が12本ある大型生物の骨が発見されているがこれが12進数と関係するかは現在不明である


信じようと、信じまいと……


・失われた天皇家の姓

1990年代、失われた天皇家の姓を統計的手法を用いて復元する計画があった。しかし、結局この計画は思いもよらぬ原因で頓挫してしまった。すなわち、スーパーコンピュータによる並列処理によって候補とされたその姓は、4つの子音のみから成り立っており、人間の口で発音することは不可能であったからだ。


信じようと、信じまいと……


・絶対に演奏してはいけない応援歌

野球の応援歌には絶対に演奏してはいけない旋律がある。「1/fの揺らぎ」を含む旋律が奏でられるとバッターは過度にリラックスしてしまいバッティングに集中できなくなるのだ。あなたの応援する球団は大丈夫だろうか


信じようと、信じまいと……


・戒めのながらスマホ

外で立ち止まってスマートフォンを弄るようなことがある人には注意していただきたい。立ち止まっている時に腕の皮膚、髪の毛に引っ張られたり触られたりするような感覚があるが、それは虫が当たっているだけとは限らない。特に、その感覚が顔に会ったときは本当に危ないときであるため早急にその場から離れることを勧める。因みに糸のような物が触れた感覚があった時は、諦めろとしか言いようがない。


信じようと、信じまいと……


・血まみれ大凧

明治初期に『血まみれ大凧』の目撃談が警察に数多く寄せられたことがある。誰が飛ばしているかも分からず、2~3の大凧が実際に血を滴らせながら舞っているらしい。目撃談によると凧に描かれるのは歌舞伎役者ではなく、西郷隆盛や大久保利通だったりしたという。それも決まって大事件が起きる前日の夕方に飛んでいたと云うのだ。


信じようと、信じまいと……


タロットに「塔」というカードが有る。描かれた塔はかの有名な古代「バビロン」の伝承にあるバベルの塔であり、カードナンバーは「16」。「崩壊」や「不名誉」を意味し、イラストでは塔の「屋上部が燃え」、男が2人、「地下まで堕ちる」がごとく真っ逆さまである。


信じようと、信じまいと……


タイに住むワンガリットさんは少し変わった猫を飼っている。普段は絶対に鳴かないのに上空を飛行機が通った時だけ鳴くのだ。ある日猫がずっと鳴いているのでワンガリットさんは空を見上げたが飛行機はひとつも飛んでいなかった。その日を境に7人の村人と30頭以上の家畜が消える怪事件が起きたが手掛かりは一切なく現在も未解決のままである


信じようと、信じまいと……


・謎の鳴き声

山梨県に住むある男性は、近所で飼われている猫の、あの赤ん坊の泣き声にも似た発情期の鳴声に悩まされていた。ある晩とうとう我慢がならなくなり、外に出て鳴声がしているところを突き止め、怒鳴ろうとした。

――失踪する直前、彼は友人にこう語っていたそうである。

「あれが猫だとか赤ん坊だとか思ってる奴は幸せだよ」


信じようと、信じまいと─


・謎の野菜カレー

インドの長い歴史の中には今日では失われてしまったスパイス配合の知識も数多く存在するという。アメリカの料理研究家レナ・マクレガーは古文書からネストリウス派キリスト教徒が西方よりもたらしたと言われる。スパイスの配合を忠実に再現し、野菜カレーを作ってみたところ、なぜかカレーの中に魚肉のようなものと、薄焼き煎餅のようなおこげが出現し、最初の原材料の総量よりも明らかに多い料理ができてしまったという。


信じようと、信じまいと……


・『誰か』の住む家

三重県F市にある山には、親切な『誰か』が住んでいるらしい。猟や山菜採りから戻る時に、赤いリボンを木々に結んで帰り道を示してくれるからだ。この現象は20年ほど前からで、類似する伝承や事件はそれ以前には確認されていない。ちなみにこのリボンを持ち帰っても、いつの間にか無くなってしまっているという。


信じようと、信じまいと……


・ある村の日付変更線

バングラデシュのある村には日付変更線がある。無論これは東経180度の線ではないのだが村人はこれを日付変更線と呼んでおり、線の向こう側を「昨日」「明日」と呼び合っている。ある旅人が村を通った際にを昨日から明日へと線を越えたのだが、いつの間にか彼の持つ時計の日付は1日遅れてしまっていたという


信じようと、信じまいと……


・夜目遠目傘の内

「夜目遠目傘の内」ということわざがある。女性が美しく見える条件を言ったものであるが、この三条件がそろっていた場合、むやみに近づいてはならない。これは人ならざるものの存在に警鐘を鳴らしたことわざでもあるからだ。


信じようと、信じまいと……


・レアアース

日本近海の海底にはレアアースが大量に存在しており、その有効利用のために日夜研究が行われている。あるとき無人探査艇を回収した技術者が船体に妙な落書きが彫り込んであるのを発見した。調査の結果、ロンゴロンゴ文字に酷似していることは分かったが内容の解読は不可能であった。


信じようと、信じまいと……


・百匹目の猿

「百匹目の猿」という有名な逸話がある。とある無人島に集団で住む数千匹の猿のうち、1匹の猿が芋を海水で洗って食うと美味いことに気づき、周囲の猿たちが真似をし始めある一定数を超えた時、離れて住んでいる他の猿たちも一斉に「芋洗い」を始めるという現象である。ただしこれは発見者のライアル・ワトソン自身が後に「進化の寓話としての作り話」と告白している。だが別の学者が同じ島を再調査したとき、猿たちに芋洗いを「教育」する奇妙な生物を目撃した。身長1mほど、真っ白な肌に体毛の全くない、人とも猿ともつかぬ生物であったという。


信じようと、信じまいと……


・大熊猫

パンダは大熊猫とも表記され、元来肉食動物である。笹だけを食べ続けると栄養失調になるはずだが、彼らは元気に生存し続けている。どうやら野生のパンダは笹と共に、何らかの動物性タンパク質を摂取しているらしい。現地には、笹の中に住む小人の伝説が残されている。


信じようと、信じまいと……


・喋る貝

1987年アメリカの海沿いの村に喋る貝を育てている男がいた。貝が喋る時パカパカと口が開くのだそうだ。その貝は自らを23歳のシスターだと語ったという。翌年貝は死んでしまったが、最後の言葉は次は鳥に産まれると喋ったという


信じようと、信じまいと……


・一目惚れ

とある米大学の研究チームの発表によると、「一目惚れ」について科学的に解明されたという。物は全て異なる波長の電磁波をだしており、その物と自身と波長が合った場合に「気に入った、一目惚れした」と認識してしまうのだそうだ。これはあらゆる「一目惚れ」の現象にあてはまるそうで、ひょっとしてこのスレも・・・


信じようと、信じまいと……


・残り寿命を計算するソフト

ある有名企業が人間の残り寿命を計算するソフトを開発していたことがある。このソフトは異常に精度が高く開発段階にも関わらず95%以上的中させていた。しかし当時のCEOが試したところ最悪の結果が示されたため開発中止となってしまったという


信じようと、信じまいと……


・絶対的な色

現在は戦火により消失してしまっているが、20世紀初頭、とある無名の画家により一枚の絵が発表された。題は「何事にもとらわれぬ絶対的な色」といい、当時ありふれた前衛美術のひとつで、ただキャンバス一面に単色でアクリル絵の具が塗られているだけのつまらぬ絵であったのだが、見た者の感想は「ただの青」、「一面の赤」等、描かれている色の判別が一致ししなかったという。


信じようと、信じまいと……


・宇宙からのメッセージ

宇宙にメッセージを発するのは宇宙人に地球の位置を悟られるため危険だという話を聞いたことがあるだろうか?もちろん逆に地球が電波を受けることも十分に考えられる。そしてそれは2015年に現実となってしまった。米国政府によって厳重に秘匿されたその電波を解析したところ、白い身長1m程度と考えられるツルツルな人々が彼らの惑星のものと思われる凶暴な小動物に噛まれたり、湯気のたった食物らしきものを口だと考えられる器官に入れて吐き出す様子などが写されていた。ある学者はこれを彼らの勇敢さを受け手に印象づけるためのメッセージであると解釈したが、これと言った明確な説明は未だない。


信じようと、信じまいと……


・宇宙人との友好

1980年遠い宇宙の果てに知的生命体が居る星を発見した。コンタクトを取ろうにも当時の技術では不可能であり混乱も予想された為情報は秘匿された。いずれ彼らが会いに来てくれるのを信じ人々は準備を進めたという。その後宇宙人と戦う物より協力しあう娯楽作品が増え続けているのはこの時期からである


信じようと、信じまいと……


・ハオリムシ

ハオリムシという生き物をご存知だろうか。磯などに生息し、ほかの生物からの視線を感じると殻に閉じこもり、防御態勢をとる。そしてこのハオリムシ、どんなに海が荒れても平然としているが、台風が通過する際、台風の目に入ったときに防御態勢をとるのだ。


信じようと、信じまいと……


・ナチスドイツのロケット技術

ナチスドイツのロケット技術が戦後宇宙時代の礎となったことは有名であるが、実はそれ以外にも転用を研究された技術があったらしい。ドイツの技術が米露間で奪い合いになることを見越した技術者たちが、データを二分割してそれぞれの国へと接収させたというのだ。それはどうやら反重力技術のようだが、米露両国とも大事なピースが欠けていたため実現出来ず、最重要機密ゆえに冷戦期のスパイ活動を持ってしても二つのデータを統合することは叶わなかった。冷戦も終わり、宇宙時代として両国が手を取り合った今日、はたして研究はなされているのだろうか?


信じようと、信じまいと……


・鏡の世界

指を組んでみてください。利き腕の指が上になりますよね。僕もそうです。え?利き腕と反対の指が上になりましたか。それは大変ですよ。あなたは鏡の世界から誤って来てしまった人間です。夜中に、灯りなしで鏡を見るのはやめましょうね。さもないと、鏡から鉤爪の生えた手が飛び出してきて、頭を握り潰されますから……


信じようと、信じまいと……


・螺旋階段の夢

オーストラリアでBRAを営んでいるゲインは、見るからにやつれた友人のシェナーからこんな相談をされた。

「最近、毎晩同じ夢を見るんだよ。塔の中みたいなところにある長い螺旋階段をひたすら登っていくんだ。なぜか後戻りはできない。しかももうすぐ登り切ってしまいそうなんだ……」

翌日、自宅のベッドで事切れているシェナーが発見された。死因は今でも解明されていない……。


信じようと、信じまいと……


・世界を救った男

1980年代のある日、アメリカ南部テキサス州の一人の少年が、突然あらわれた男に滅多刺しにされ殺された。男は少年を刺しながら、「神様、俺はやった!これで世界は救われた。」と叫んだ。男は取り押さえられる際、もみ合いのなかで自分のナイフに刺され死亡。その後、どんなに調べても男の身元はわからなかった。男は誰で、どこから来たのか。なぜ少年を殺したのか。


信じようと信じまいと……


・聞こえるはずのない声

ロンドンに住むアーサー・シンプソン氏は、聞こえるはずのない声に悩まされていた。最初のうちはボソボソと小さな声で何やら呟いていた声も、日が経つにつれ、だんだんとはっきりしてきた。「早く病院に行け」彼にはそう聞こえた。声が止んだのは、彼の肺に小さな腫瘍が出来ているのが分かった直後のことだった。


信じようと、信じまいと……


・木箱に封じられた神

山陰の山奥にある集落に神社に祀られた木箱には神が封じ込められているのだという。曰く、この村を外部から遮断する様にして連なる山脈の山神が。だが信仰の途絶えた今、その迷信を信じる者は誰も居なくなった。社殿の改築に伴い木箱を破壊した村民達は、周囲の山々に生えた木が轟音と共に圧し折れるのを目撃した。


信じようと、信じまいと……


・胎児に救われた母親

1986年、フランスの山岳地帯の田舎に住む妊婦が行方不明となった。数週間後彼女は山の麓で両足を骨折した状態で発見された。食料を携帯せず、移動もできない状態だったが彼女の健康状態はとても良かった。しかし、彼女のお腹からは胎児が胎盤だけを残して消え去っていた。後に彼女はこう語った。「飢え死にしそうになった時、声が聞こえたの。“ママ、私を食べて生きて”」


信じようと、信じまいと……


・2098年のタイムカプセル

兵庫県明石市のある小学校では卒業式の後に校庭にタイムカプセルを埋めるのが恒例行事になっている。20年後の同窓会で掘り出すことになっているのだが、ある年間違えて自分達が埋めたものではないタイムカプセルを掘り出してしまった。すぐに間違いに気づいたためタイムカプセルは開封されることなく埋め戻された。タイムカプセルには「2098年度卒業生一同」と書かれていたという。


信じようと、信じまいと……


・昆虫食

とある年頃の少女が、ダイエットに効果的との噂を聞いて昆虫食にのめりこんでしまった。みるみるうちに体重が落ち、彼女は理想通りの体型を手に入れた。そんな彼女がとある世界的に有名な炭酸飲料を数年ぶりに飲んだとき、こう言ったという。「このジュース、私が食べてた虫と同じ味がするわ」 ちなみに彼女が常食していたのは、家内をよく動き回っているあの黒い虫である。


信じようと、信じまいと……



・チャールズ・ウォルトン殺人事件

1945年2月14日にチャールズ・ウォルトンなる老人が殺害されたのだが、その遺体の状況が特異であった。日本でいうところの三本鍬が首に突き刺してあったのである。その殺され方から、ウォルトンは魔女に殺害されたのではないかと噂された。ちなみに、「ウォルトンが首のない女とそれに連れられた黒い犬を目撃した」という1885年の記録が残っている。動物と会話することが出来たとも言われているウォルトンは、60年の時を経て本当に魔女に殺されたのだろうか。今なおこの事件は未解決のままである


信じようと、信じまいと……


・見るな

夜に眠れないからといって、むやみに夜更かしをしてはならない。2003年4月、M県のとある中学生が眠れない夜、ベランダから外を眺めていたときのこと。奇妙な発光物体が空を飛んでいるのを見つけ、それを眺めていると突然、「見るな」と声が聞こえたという。それ以来、彼は病的要因は関係なく夜に目が見えなくなってしまった。


信じようと、信じまいと……


25時間営業のコンビニ

熊本県のある町に25時間営業のコンビニがある。一見どこにでもあるコンビニでバイトも募集しているのだが、シフトが25時間分あるのだ。皆シフト通りに勤務しており給料も支払われているため何も問題は発生していない。しかし営業時間が1時間多いためか、他の店よりも少しだけ売り上げが高いらしい。


信じようと、信じまいと……


・諜報機関にマークされる方法

簡単に世界各地の諜報機関などにマークされる方法がある。その方法とは、UFOを見た、宇宙人を見たと叫ぶだけである。周りに人がいる状況でUFOの特徴をそれっぽく話せばあなたも世界からマークされる要注意人物となれる。もっとも、そうなることで得をするはずはないのだが。


信じようと、信じまいと……


・神様を見たドライバー

1980年後半に日本で行われたスプリントレースであるブラジル人のドライバーが予選でポールボジションを獲得したが決勝ではスタートミスで中団に沈んでしまった。優勝は絶望的に思われたが彼はある周回以降常人とは思えないほどペースを上げてついにはトップに立ち優勝した。優勝した彼はインタビューで「僕はあるカーブを走ってるときに神様をみた」と答えた。他のドライバーはもちろんそんなものは見たことが無く一体彼は何を見たのだろう。


 信じようと、信じまいと…… 


・受刑者の腕や手

アメリカの闇市場では処刑寸前、または終身刑の受刑者の「腕」や「手」が高値で流通しているという。生体腕移植や生体手移植を行うことができる高度な技術を持った闇医者が顧客であるらしい。逃げ場を失った犯罪者が腕や手を移植し指紋を替え別人に成り済ますのだそうだ。アメリカの街中をよく見ると、途中から腕の太さや腕の肌の色が違う人間を見かけることがあるかもしれないが。あまり凝視してはいけない、命が惜しければ。 


信じようと、信じまいと…… 


・盲点に映り込む何か

人間には視界に入っているはずなのに何も見えない盲点が存在する。しかしその盲点に何かが映り込むことがある。意識してみることは出来なくとも勝手に見えてくるものであるそれを認識した時、それについて何も考えてはならない。考えることが引き金となり、盲点までに留めているそれらを引き寄せてしまうから。 


信じようと、信じまいと……


・赤く生臭い雨 

1937年、アメリカのとある州で赤く生臭い雨が降った。成分を分析したところ、人間の血と同一の成分が含まれてたという。またその2週間後から、血の無い人間の遺体があちらこちらで見つかり、解剖したところそのどれもが死亡から10分以内であった上、死亡してから強い衝撃を全身に受けたという結果が出たという。 

 信じようと、信じまいと……

・ソ連の極秘資料
ソ連崩壊により、様々な極秘資料が明るみになった。ある資料では、冷戦時代のロケット開発等が詳細に書かれていた。だがおかしなことがある。打ち上げ成功数と、帰還数が食い違っているのである。事故など全ての事項を考慮しても、約10機、20人ほど宇宙飛行士がロケットの打ち上げに成功したのち現在まで帰還していない。

信じようと、信じまいと……

・萬画世界ノ冒険
終戦直後に流通した「赤本」と呼ばれる漫画本の作家に、福野洞犀という人物がいる。彼の最後の長編「萬画世界ノ冒険」は、作者と同名の主人公が自作した漫画の世界を訪れるという物だが、執筆半ばで彼は失踪した。原稿は、主人公がペンを紛失して元の世界に帰れなくなった場面で中断していたという。この漫画は発売中止となった。

信じようと、信じまいと……

・物語を吹き込む何者か
誰もが夢をみるが、その内容は非常に荒唐無稽である。それは、目が覚める瞬間の脳が過去の出来事や体の状態を瞬間的に処理するためといわれる。ところが稀に、物事のつじつまが合い、奇妙に現実味を帯びた夢を見ることがある。それこそが、何者かが眠る人の耳元である短い物語を吹き込んでいる瞬間である。

信じようと、信じまいと……

・シーカイト号
フィリピン船籍の大型貨物船「シーカイト号」は、常に人手が足りない船として有名だった。欠員がでると、途中で立ち寄る港で「通常の倍以上の賃金」を提示して募集する。魅力的な金額に釣られて乗り込んだ船員に、船長は必ずこう忠告するという。「洗濯室の隅にある黒い影には近付くな。あれの誘いに応じたりしたら、また次の港で船員を補充しないとならん」

信じようと、信じまいと……─

・くろひめ
1952年。バミューダ海域で消息を絶った日本の漁船「くろひめ」が、海域を抜けた所で漂っているのが発見された。乗っていた筈の10人の乗員は一人もおらず、ただ航海日誌だけが残っており、そこには海域での状況が克明に記されていた。海域に入り、磁界が乱れてコンパスが効かなくなり。船長が決断した。「船員の一人を海の神へ生贄に捧げようと思う」。一人ずつ居なくなり。最後のページは、船長が自分を生贄にする事を決意して終わっていた。

信じようと、信じまいと……

・釘絵
江戸時代中期の見世物に「釘絵」という物があった。厚い杉板に釘を隙間なく何万本と打ちつけ、一方向から光を当てると、浮かび上がる陰影が絵になっているという物で、多くは地獄絵図だった。釘の抜けた穴だらけの板が一枚だけ現存するが、元の釘の長さがまちまちだったらしく絵柄は再現できない。ためしに全ての穴に同じ長さの釘を差し込んでみると、キノコ雲に酷似した絵が浮かび上がってしまうのだ。

信じようと、信じまいと……

・永久に動くもの
1961年、米ナショナルジオグラフィックは数万もの墓があるローマ人の集団地下墓地墓の撮影をし、ドキュメンタリーとして放映した。しかし、とある視聴者が壁の隅に置いてある黒い小さな車輪の置物が回転し続けているが、あれは何かと投書が合った。映像を解析するとその車輪には「永久に動くもの」というラテン語が彫られていた。一体このテープがどの墓で撮影されたのかは、今では不明である。車輪は今でも回転し続けているのであろうか?

信じようと、信じまいと……

・通り魔の似顔絵
ある絵描きの少年が通り魔によって殺害される事件が起きた。少年は怪我の為に視力を失っていたが、死の間際に犯人の似顔絵を描いていた。結局、その似顔絵が有力な手掛かりとなり、犯人は逮捕された。犯行の際、犯人はフルマスクを着用していたはずなのだが。

信じようと、信じまいと……

・奇形嚢腫のトカゲ
ある医師が奇形膿腫の手術をする事となった。手術は無事成功したが、摘出したものを医師は信じられないでいた。摘出したものの中から一匹のトカゲが出てきて、捕まえようとすると尻尾を切り逃げて行ったのだ。興味を持った医師がトカゲの尻尾と患者のDNAを鑑定したところ、DNAは一致したらしい。トカゲのDNAとして。

信じようと、信じまいと……

・人類の共通語
1980年代に英国の大学で人類の共通語を作るという試みがなされた。共通語はある言語を母語とする者が有利にならないよう、あらゆる言語と異なる物でなくてはならない。そこで、当時の最新式コンピュータが用いられたが、コンピュータのはじき出した一連の結論はどんな学者も解読できなかった。しかし、何らかの規則性があることは認められるという。

信じようと、信じまいと……

・円形都市
1960年代に中東のある地区で新バビロニア時代(紀元前6世紀)の石碑が見つかった。その一節には「私は空を飛んで二つの偉大な川の間にある美麗にして完全なる円形都市を、神のごとき目から見た」と書かれている。しかし、円形の都市バグダードがティグリス川とユーフラテス川の間に建造されたのは紀元後8世紀のことである。その後、その石碑は紛争により行方不明になったとされている。

信じようと、信じまいと……

・幸せの預言者
先頃惜しくも亡くなられたフランス、エーズに住むサンドリーヌ=バールさんは子どもの頃、未来の出来事、それも良い事ばかりを次々と言い当てる『幸せの予言者』として有名だった。だが、1966年8月23日を境にその能力は失われ、間違った予言をする嘘つきと呼ばれるようになった。彼女の最期の言葉は「あの日から世界は間違い続けている」であったという。

信じようと、信じまいと……

・鳥居の破片
とある神社の前で道路改良の工事中、小型のユンボが誤って石造りの鳥居を倒壊させしてしまった。現場責任者はもちろん工事会社の社長が宮司で平謝りし、早急に新しい鳥居を手配することに。神社としての体裁以上、新しい鳥居が来るまでは修理した鳥居を立ててくれと、宮司が申し出た。さっそく組み立てられ、元通りに復元されたのだが───なぜか大きな破片がいくつか余ってしまった。

信じようと、信じまいと……

・消えた先頭車両
1975年のアメリカで地下鉄が終点を過ぎても止まらずに駅舎に激突するという事件が起きた。最初は運転手のミスかと思われたが、奇妙なことに事故現場からは先頭車両が発見されなかった。さらに大破した車内からは「先頭車両なんて初めから存在してない、俺達は騙されたんだ!」そう書き殴られた、乗客の物だと思われるメモ帳だけが見つかった。その先頭車両とそれに乗っていたはずの乗客達は現在に至るまで見つかっていない。

信じようと、信じまいと……

・立体的な少女
カナダのバンクーバーの正統教会で、不思議な現象が話題になっている。なんと教会右上方のステングラスに陽が射す時、イエス像に祈るような形で立体的な少女が出現するのだ。この教会が建てられたのはAC800年代と伝えられており、ステンドグラスは当時から嵌めてあったがこんな現象は無かったとの事。どういう経緯で出現するのか科学的に調べようとする動きもあるが、教会はこの調査を拒否しているそうである。

信じようと、信じまいと……

・吉野ケ里遺跡のオーパーツ
1986年吉野ヶ里遺跡発掘の際、その遺跡から出土した物の99%は重要保存物として丁重に扱われた。しかし、ある一品は不要物として廃棄されたそうだ。遺跡から出てくるのだから、全て重要で捨てるものなどないはずであるが、研究者は皆が皆それを「不要物」として捨ててしまったらしい。捨てた理由は「それはその時代にはまず存在し得ないもの」であったからだそうだ……

信じようと信じまいと……

・未来人イッチ
とある実況スレのイッチがその日の試合の全得点数、打席数、安打数、打点数をピタリと言い当てたそのスレは盛り上がったが以降イッチは姿を消した。最後に「帰る」と書き残して。

信じようと、信じまいと……

・天気「光」
ある近江の商家では代々番頭の手で日記がつけられていた。商売上の些事や店での人事などが記録されており、近世経済を研究する重要な資料となっている。のみならず日付の下に必ず天気が書いてあったので、気象研究者にも重宝がられているが、一日だけ「光」と記されており、どんな天気かわからない。この日は商いも営まれなかった様だ。

信じようと信じまいとー

・enola44-86292
2005年8月7日、Washington郊外の病院にPaul Tibbets Jrという22歳の男性.が危篤の状態で搬送された。男性の症状は重く、医師たちは手の施しようもない状態のまま、3時間後、男性の死亡が確認された。検死の結果、信じられない事に、彼の体からは大量の放射能が測定され、死因は被爆によるものだと特定された。当然、一般人である彼が被爆するはずがなく、事態を不審に思った警察は、極めて事件性が高いと判断し、彼の周辺を洗いざらい捜査した。結局、手がかりとなる物は何一つ掴めず、捜査は打ち切りとなったのだが―彼の愛用していたMacintoshのログには、彼が死亡する前日の8月6日、enola44-86292という名の動画ファイルへアクセスした記録が残されていた。

信じようと、信じまいと……

・新造巡洋艦「畝傍(うねび)」
明治20年、フランスのルアーブルから日本へ航行中だった新造巡洋艦「畝傍(うねび)」が南シナ海で消息を絶った。沈没したものとみられるが、漂流物がひとつも発見されなかったため、様々な憶測が庶民の間で囁かれた。その中でも特に信じられたのが「生きのびた西郷隆盛が乗船して帰国してくる」というものだった。嵐で遭難した漁船が、謎の軍艦を指揮する「鹿児島弁を喋る大柄な男」に助けられたという事件があったばかりだったからだ。

信じようと信じまいと……

・大阪府の奇妙な影
大阪府のある海沿いの街で、奇妙な影が出現するとの噂がある。秋の終わり頃にふらりとと現れるだけで、特別悪さをするわけでもなく近づいたり、その影に気づくといつの間にか消えてしまうというものだ。ただ、その影は首がなく体もぼやけているにもかかわらず見たものは全員その影を中年の男だと認識してしまうのだ。

信じようと、信じまいと……

・猿田和彦
江戸末期、猿田和彦は死んだ父親から将棋を学び、御守りとして父親が大切にしていた王将を肌身離さず持って将棋を指していた。ある日初めて見る老人に誘われ一局勝負した。猿田が接戦で勝利すると老人が「強くなったな」と一言残して消えてしまった。老人が消えたあとには将棋の駒が落ちていた。その駒は死んだ父親が大切に持っていた「玉」だった。

信じようと、信じまいと……

・さまよう落書き
少し前、池袋の地下道に「さまよう落書き」の噂が流れていた事がある。ポッポな字体で「HAPPY!」と、カラースプレーを使って大きく書かれたものらしい。書かれた次の日には掃除の跡もなく消え去り、まったく同じものが別の場所に出現したという。地下鉄を通り過ぎる電車の車体に「ByeBye」と書いてあったのを最後に、落書きは目撃されていない。

信じようと、信じまいと……

・誕生日おじさん
昭和60年ごろ、主に関東から北陸にかけて「誕生日おじさん」が目撃されていた。道端で露店を開き、誕生日用のケーキを売っているのだ。このケーキで祝うと「幸運が訪れる」らしい。Aさんは従姉の誕生日に購入。ところが従姉は食中毒で入院。予定していた海外旅行はキャンセルになった。旅行先で乗るはずだった飛行機が墜落したと知ったのは、退院からしばらくしてであったという。

信じようと、信じまいと……

・ジェフリー・ドーソンの回顧録
南北戦争時の資料に「ジェフリー・ドーソンの回顧録」というものがあるが、資料的な価値は低いとされている。「戦闘中に天使の軍勢が悪魔と戦っているのを見た」という記述があるからだ。ところが、興奮状態で見た幻覚や虚言であるという理由から否定されているわけではない。彼が見たという天使の肌の色が黒かったから、という理由で資料的価値がないとされているのである。

信じようと、信じまいと……

・福井県三柴市戸越村
福井県三柴市にある戸越村には、村を取り囲むように長い樫の棒が何本も立てられている。「抜くと村がなくなる」と言い伝えられており、信仰の対象にもなっている。そのため村の老人達は「抜かれるのを防ぐため」に、昼夜交代で棒を見張る習慣があるそうだ。もしも貴方がこの村の事を調べようとして、何一つ資料が出てこなかったとしたら……

信じようと信じまいと……

・ブラッドウッドの宇宙人
ブラッドウッドの宇宙人、俗に言う3メートルの宇宙人だが、実は太古の日本で既に記録されている。遮光木器土偶と同時期に出土している物と非常に酷似しているのだ。これは3メートルの宇宙人が世に知れた以降の出土品である為、アメリカ国防省との密約により公表記録からすべて封印されている。そして、それは今なお上野の国立博物館地下倉庫にて厳重に保管されている

信じようと、信じまいと……

・ギャンブラー「バランス」
1980年ごろのアメリカ、アトランティックシティにジョン・ウッドというギャンブラーがいた。彼は大抵の勝負で負けるのだが、最後の最後に大勝ちし、いつも収支ゼロとなっていた。珍しく勝ちのまま終わった日も帰り道で事故にあうなど必ず何らかの出費をするので、友人から「バランス」と呼ばれていた彼は、83年3月2日に車に撥ねられ亡くなった。彼の息子が生まれた瞬間だった。

信じようと、信じまいと……
・予言者「手塚治虫」
「漫画の神様」として知られる手塚治虫氏だが、一部では「予言者」として知られている。何十年も前のSF漫画で示唆してきた技術革新や世界状況などが、ピタリと的中しているのだと言う。彼の予言を信じる者に言わせれば「ひとたび世に出れば嘘は本当になり、それは必ず実現する」のだそうだ。ところで手塚氏の作品の中には、完成しているのに未発表のものが1本だけあるらしい。

信じようと、信じまいと……

・恐怖の未解決事件
青森県のドライブインで車だけを残し行方不明になった長距離トラックの運転手が、その10日後瀬戸内海の人一人乗るのがやっとなほど突起した岩山の上で死体となって発見された。死体の腹は臨月が近い妊婦のように膨れており、解剖したところ口から胃にかけて貝類や藻類がぎっしり詰まっていたという。

信じようと、信じまいと……

・ギアナの小さな宇宙
ギアナのとある村では小さな宇宙が飼われている。その宇宙は少しずつ成長していると言うのだ。1978年、フランスのTV局が取材を行ったが、スタッフは取材終了の連絡の後消息を絶った。TV局が村人に取材スタッフ達の行方を尋ねてみても、村人はただにやけるだけであった。現在その村は深刻な過疎にある。

信じようと、信じまいと……

・素性不明の人物
2005年8月、アメリカ合衆国ルイジアナ州で一人の男性が保護された。男性は警官の質問に対し、住所はおろか氏名や年齢、出身地もわからないと答えた。数日後、アメリカ本土をハリケーンが襲い、男性を保護していた保護室は半壊、男性は行方をくらませた。過去に1995年日本、1980年イタリア1976年中国など、同様に素性不明の男性が保護された事例が多数あるが、関連は不明である。

信じようと、信じまいと……

・人身事故現場の抜いてはいけない草
線路の整備員達の間では作業マニュアルにはない、口頭だけで行われる注意があると言う。それは「人身事故のあった場所に見なれない草が生えていたとしても、けして引っこ抜かないこと」。ある時、その掟をやぶった作業員が突然心臓発作を起こして倒れた。こと切れた彼の傍らには人間に似た奇妙な根っこの草が落ちていたという。

信じようと、信じまいと……

・幻肢痛
熊本県の某市に住む少年は、事故で右腕を失ってから幻肢痛に悩まされるようになった。だがある時を境に、痛みが誰かの手を握っているような感覚に変わった。しかもその手は「向こう側」に彼を引っ張っているような感覚だと言うのだ。ちなみにそのある時というのは、いじめられていたクラスメートが亡くなった日である。

信じようと信じまいと……

・災厄を封じ込めた箱
時は14世紀、ヨーロッパに小さな町があった。その町には「恐ろしい災厄を封じ込めている」と言われている大きな鉄の箱があった。皆恐れて近寄ろうとしていなかったが、ある日酔っ払った若者がふざけて箱のふたを開けてしまった。町の人々が恐る恐る覗き込んで見たが、小さなネズミが一匹入っていただけでネズミはどこかへ走り去って行った。

信じようと信じまいと……

・白い悪魔を撃退する儀式
ネイティブアメリカンに伝わる儀式にこんなものがある。毎年一人の男が選ばれ、その男は三角州の尖端に立ち、棍棒を水平に一振りする。そして三角州の周囲を走って一周する。何の目的があるのかというと、空から飛来する白い悪魔を撃退するのだという。再び悪魔がやって来る前に帰って来られたら儀式は成功である。ところで、この儀式は現在も形を変えて世界中で行われているらしい。

信じようと、信じまいと……

・ヤマンバギャル
かつて日本に、奇抜な化粧で有名になったヤマンバギャル達がいた。その文化は欧米にも広がっていた。伝統的に独特な化粧をするアフリカのとある民族に、こんな言い伝えがある。
―彼らに顔を借し、われらは知恵を得る。彼らを増やしすぎぬよう、本物の化粧は族長のみに伝えられる―
奇抜な化粧が海を越えいまだに生き残っている事実は単なる偶然なのか、それとも……

信じようと、信じまいと……

・広島県の某遊園地
広島県にある某遊園地では、毎日「午後2時~午後3時半」までメリーゴーランドが停まる。別に遊園地の係員が停めているわけではなく、その時間になると勝手に停止してしまうそうだ。その時間は「保守点検」と称して、客が近付かないようにしている。原因を調べた全員が、口をそろえて「ひどく嫌な感じがする」と再点検・修理を拒否したからだ。

信じようと、信じまいと─

・神の意思定数
ある日、酒に酔ったアインシュタインの友人が、計算中のメモを見つけ悪戯心を起こした。「神の意思(宇宙意思と訳す場合もある)定数」という架空の定数を、メモに書き込んだのである。後になってメモを見たアインシュタインは、友人の悪戯に苦笑しつつも、面白半分に計算してみたところ。あれだけ悩んでいた解があっあさり導かれたのだが、彼は「ありえない」とメモを握りつぶしてしまったそうだ。

信じようと、信じまいと……

・サブリミナル「肩こり」
何らかの疾患を負っている場合を除いて、外国人は肩こりにならない。そもそも「肩が凝る」状態がどういったものか分からないそうだ。肩が凝るという言葉を世に広めたのは夏目漱石だと言われているが、肩こりに苦しむ日本人が増え始めた時期は、漱石の書が流行し始めた時期とほぼ同期である。

信じようと、信じまいと……

・姿の見えない迷子
都内に住むある家族は、このところ奇妙な、姿の見えない迷子ともいうべき訪問者に悩まされている。廊下や扉の向こうに突然気配のみが現れるのだが、どうやら迷い込んだ当人も本意ではないらしい。家族の誰も、その迷子のような幽霊じみた存在を気にかけないようにしてやり過ごしているのだが、最近頻度の増してきた「おーい」という呼びかけに応えるべきかどうか悩んでいるという。

信じようと、信じまいと……

・ミルギー群島の化け物
19世紀末、ミャンマーのミルギー群島で、皮をはがれた死体が見つかるという事件があった。被害者が、滞在中の英軍船で雇用されていた現地人だったことから、住民の反感を買った末の事件とされたが、幾人かの英軍士官は宣誓の上、猿に似た奇妙な生き物が人を抱えて逃げるのを目撃したと供述した。現地では、人の皮をかぶって人間に成り済ます化け物の伝説があるという。

信じようと信じまいと……

・瓶に入った魚
イタリアのさる好事家は瓶に入った魚を所持しているという。その魚は密封された瓶の中にもかかわらず、実に30年以上にわたって何も食べずに生き続けているという。この好事家はこの奇妙な魚を父から受け継ぎ、更に父は祖父から受け継いできたという。いったいこの魚は何を食べ、どう呼吸しどこまで生き続けていくのだろうか。余談であるが、この魚を飼って以来、時折近所の家畜が見るも無残に食い荒らされた姿で見つかるようになったという……一方、日本ではベンチで冷たくなっている内川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った。

信じようと信じまいと……
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〇自作・創作ロア

・封じられた洞窟の石像
 
ある街の外れで、入り口を封じられた、謎の洞窟が発掘された。その洞窟の奥にあったのは、怪物の石像だった。それは、推定年代と、石像の製造技術が噛み合っていないオーパーツ。
 
 信じようと、信じまいと……

・実在の電気クラゲ
 
毒の刺胞に刺された衝撃を電気になぞらえ、電気クラゲと呼ばれる種類のクラゲが、日本の近海にも生息している。一方で、とある南の島近海には、発電器官を備え、実際に電気を流して獲物を捕らえる、本物の電気クラゲが生息している。

 信じようと、信じまいと……

・遊星星座
 
星々の動きは相対的であるため、星座の位置関係は変わらないというのが、天文学の定石である。だが、この世界には、遊星星座と呼ばれる、科学幾何学の常識を打ち破る星座が存在する。その星座は、子供が遊ぶように自由に動き回り、非常に美しい。何でも、心の清い者にしか見えないとか。
 
 信じようと、信じまいと……

・水獣
 
世界には、ハナカマキリ、コノハムシ等、非常に緻密な保護色を使って、身を守る動物がいる。一方で、水獣と呼ばれる、身体を液体状にし、身を守る怪物が実際に生息している。何でも、液体状ゆえに、網にかからないためその生息を断定できないとか。

 信じようと、信じまいと……

・行方不明にされた事件
 
世界的に有名な集団失踪事件……メアリー・セレスト号事件……実は、行方不明者は皆、船倉にて見つかっている。見つかってはいるのだが、船員全てが小さな缶詰にされており、どうしてそうなったのかを断定できないため、行方不明にされているとか……
 
 信じようと、信じまいと……

・怪物メドゥーサ
 
星座にまつわる物語に登場することでよく知られている、怪物メドゥーサ……実は、実在が確定している。眼を見た瞬間、石になるという謂れは事実とは異なるが、眼を合わせた瞬間、その恐怖のあまり、一時的に動けなくなる。数十億人に一人、メドゥーサが生まれるとか。
 
 信じようと、信じまいと……
 
・白縄と言う生物
 
ヘビとも、ウナギとも異なる、うごめく白い縄のような生物を見たことはないだろうか。見てしまった人は、その瞬間からおよそ20年しか生きられない。その白縄と言う怪物が、20年後に殺しに来る。
 
 信じようと信じまいと……

・ネオキラノドン
 
ネオキラノドンという肉食の恐竜がいる。身体の化石は見つかっているが、足だけが発見されなかった。一方で、指名手配犯が何者かの爪撃を受け、亡くなった。彼らはまだ、足だけで生きているというのだろうか。
 
 信じようと信じまいと……

・戦士と怪物
 
この世界には数人「戦士」と呼ばれる職を持つ者がいる。彼らは、人類を滅ぼすために現れた怪物達を、秘密裏に消すという。その怪物は、進化の過程で生まれたものではない、圧倒的捕食者だとか……
 
 信じようと信じまいと……

・ポラポールランド
 
「あの世」と呼ばれる土地は、時に「ポラポールランド」と称される。辿り着いた者は、その、あまりにも平和で平穏な有様に、地獄のような呵責を味わったり、天国のような快楽を味わったりする。
 
 信じようと、信じまいと……

・謎の蝉の抜け殻
 
ある夏……1m超はありそうな巨大な蝉の抜け殻が発見された。しかし、その本体が見つからぬまま、一週間は過ぎ去ってしまった。

 信じようと、信じまいと……

・タキタロウ
 
20○○年某日……秋田県の奥地にある湖で、2m超の魚の死体が発見された。遺伝子異常による巨大種だと判断されたが、問題は、大きく食い千切られたその跡が、何によるモノなのか……ということである。
 
 信じようと信じまいと……

・巨大イッカクの生存証明
 
19○○年代……某軍事国家の潜水艦が海中を航行中、何者かの衝突を受けた。鋼鉄の外壁には巨大な二等辺三角形の穴が開けられ、そこからは、イッカクの角に似た成分が検出された。

 信じようと信じまいと……

・肉食狼の上にいるモノ
 
南太平洋に浮かぶ、無人島。そこでは、肉食狼を頂点とした生態系が構築されているが、彼らは増えすぎることがない。裕福な自然の恵みとは裏腹に、一体何が彼らの個体数を制限しているのか。
 
 信じようと信じまいと……

・謎の猛獣「パズズ」
 
アフリカ大陸の奥地には、パズズと呼ばれる猛獣が生息する。ライオンやワニ等の動物を現地の言葉でそう呼ぶのではなく、もっと恐ろしい何かだと現住民は語る。今でも彼らは、夜に行動しない。
 
 信じようと、信じまいと……

・真っ青の冬蜂
 
日本には、全身真っ青の蜂が存在する。既知の青蜂とは違い、彼らは真冬の夜に雪に混じって現れるという。

 信じようと、信じまいと……

・奇妙な銃死体
 
某国の公園にて、男性二人の奇妙な遺体が発見された。二体とも、額の真ん中に銃創があるのだが、奇妙だという理由は、銃声は一発だったにも関わらず、両方とも自身の放った弾丸で亡くなっていたことである。自殺か……あるいは……?
 
 信じようと、信じまいと……

・モケーレ・ムベンベ
 
アフリカの奥地に、奇妙な大型動物が棲むという湖がある。現地の住民はその怪物を「カバ」という意で呼ぶのだが……その見た目は首長竜そのものだという。一方で、世界最強の動物は「カバ」だという説がある。
 
 信じようと、信じまいと……

・謎の日本ワニ
 
日本の某県にて、ワニが目撃されたという通報の元、警官が駆け付けたが、その場にワニなどは発見されなかった。現在も、通報者なお発見されていない。
 
 信じようと、信じまいと……

・別にいた謎のライオン
 
某博物館にて。展示物だったライオンの剥製が盗まれるという事件が起こった。その現物は、自供した犯人によって戻されたが、今なお、監視カメラに映っていた謎のライオンの正体がつかめていない。
 
 信じようと、信じまいと……

・ハリセンボンの実在
 
ハリセンボンという針だらけの魚がいるが、その本数は350~400ほどで、千には程遠い。沖縄近海のある島では、千本を超える針を持つ個体が目撃されているという。現地では、千手観音の化身として、捕まえてはいけない、逃がさなければならないという掟があるとか。
 
 信じようと、信じまいと……

・隠蔽屋の魚
 
深海には、網や針にかかった瞬間、内臓を全て捨ててしまう魚がいる。
一体、彼らは海の底から何を隠そうとしているのか。

 信じようと、信じまいと……

・白い図書館
 
この世界のどこかには、並行世界の情報が詰め込まれた「白い図書館」が存在する。反対に、並行世界には、この世の情報が詰め込まれた「黒い図書館」が存在する。並行世界は、この世界の血塗られた歴史を知り、交流を断絶したとか。

 信じようと、信じまいと……

・カエルに守られた古村
 
ある古い村は、土地の守護神としてカエルを崇めている。人々は、村の外へ出て初めて、カエルが人間より弱い動物だと気付く。今でも彼らは、雨天の外出を禁じている。カエルは乾燥を嫌うから。

 信じようと、信じまいと……

・宇宙人の存在
 
宇宙人は存在する。何故なら、その定義を満たすモノを、人間が造ってしまったからである。今でもある組織では、その存在を隠蔽する。それが、想像を遥かに超える恐ろしさ故に……
 
 信じようと、信じまいと……

・デス・ワームの真説
 
ユーラシア大陸の某砂漠に生息すると言われるデス・ワーム。元々は、人間を滅ぼすために遣わされた怪物だという。すんでのところである聖人が、人類=砂だと教え込んだ。彼らは今も、生きていない砂を殺し続ける。
 
 信じようと、信じまいと……
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〇更新記録

 2023年5月18日 作成
 2023年10月27日 更新
 2023年11月6日 更新
 2023年11月27日 更新
 2024年3月13日更新
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