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9.95

ここのところ、毎週のように日本記録の話題が尽きない。今日は男子100mで記録を更新した。9.95である!山縣亮太選手、やってくれた。追い風2.0mのコンディション下で、ついに自身初の9秒台を達成したのだ。

短距離というのは、物凄く技術の要る競技だと思う。長距離もテクニカルな部分はもちろんあるのだが、短距離はより顕著である。スタート、中間走、スピードの維持、フィニッシュと、それらを10秒足らずで全部こなす必要がある。どれか一つ欠けても、記録が出ない。10秒のために何年の月日を捧げてきたのだろう。気の遠くなるような取り組みである。

肺気胸、膝の怪我、なかなか万全でレースを迎えることが出来なかった山縣選手。安定感は日本選手の中でもピカイチだっただけに、条件さえ整えば……という声は多かった。その条件が整ったのが今日だった。

映像では2位の多田選手もかなりいい記録と思ったら、こちらも10.01。限りなく9秒台に近くなった。あと、0.02秒、距離にしたら20cmあたりであろう。本人は自己ベストでも悔しいのではないだろうか。

これで、9秒台を持つ日本選手は4名になった。単純に考えれば、9秒台の選手で4×100mリレーが組めるわけだ。多田選手も10.01だから、力はほぼ変わらない。9秒台4人揃う時は、いつか来るとは思っていたが、いざ来てみると感慨深いものがある。これまで日本人に足りないものは個々の走力と言われてきたから、これで堂々と世界の舞台で勝負できるメンバーになった。オリンピックの開催がどうなるかわからないが、この人たちにリレーを走ってほしい……と思う結果であることに変わりはない。


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