「短パンおじさん」のこと(BYご隠居2号)

いた。「短パンおじさん」だ。
月曜の午後3時頃にジムに行くといつもいるおじさんなのだが、私は密かに「短パンおじさん」と呼んでいる。
年齢は60才ぐらいか。身長は185センチぐらいで筋肉質。見るからに昔はアスリートだったようなルックスは、腹の出たただのお爺さんである私には羨ましく憧れの体形である。

なぜ「短パンおじさん」なのかというと、当たり前だがいつも短パン姿だから。それも陸上競技の選手が着用するやつ。ペッラペラの生地でサイドには若干スリットも入っていて足の付け根が見えそうなやつ。しかも鮮やかなイエロー。そして上下セットになった黄色いランニングシャツ。

ここにきて「短パンおじさん」という呼び名がにわかに微妙な色合いを帯びてくる。ジムをざっと見渡すと午後3時の空いた時間帯でもスタジオを除いて15人ぐらいの男女がいるが、最も肌露出が多いのが「短パンおじさん」なのです。私に言わせれば微妙というより奇妙な姿に見える。

さらに奇妙度を上げているのが髪型。ロン毛なのにハゲ。アルシンドか!

私はジムへ行くとマシンの筋トレを20分ぐらいと40分ぐらいのエアロバイクというのがルーティンなので時々私がやろうとしているマシンを「短パンおじさん」が使っているというシーンがある。このジムでは使用前後にアルコール消毒をして掃除することになっていて、次に私が消毒しながら重りのセッティングをしようとすると、いつも「短パンおじさん」がピンをゼロ位置に戻していないのよね。

それもほとんど全てのマシンでリミットいっぱいの超重いウェイトにセットしてある。
いつも私はそれの3分の1ぐらいにセットし直すんだけど、自分では終わったらゼロ位置に戻しますね。なぜならマシン使用マニュアルにそう書いてあるし。「短パンおじさん」がピンを戻さない理由は多分(自分はこんなに重いウェイトでやれる)というアピール、つまり自慢。なんだかなあ。

まあ私に何か実害があるわけじゃないので問題はないのですが、ひとつだけ心配なことが。

あの短パンの具合だとよほどしっかりした下着かサポーターを着けないと横チンしそう。

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