分配共有型経済と共生社会が、資本主義を超える

分配共有型経済  が資本主義を超えられる

 この贈与経済を基本とした分配共有型経済を進めていく上で、国内の課題と世界規模での課題を考える必要があります。

 当然、FRBを中心とした世界中央銀行組織から、金融権力、資本主義経済体制を排除していく必要があります。というのも分配共有型経済は資本主義経済の次に来る、新しい人間回復の、より優れた共同体を目指しているからです。

 金本位制から、為替変動相場制へと通貨価値の決定権が移行し、通貨自体が単なる交換機能から、非常に不安定かつ投機的な機能へと変貌してしまいました。これらの弊害を止揚し、かつ投機資本主義経済を乗り越え、その先の体制へと移していくためには、シェアの意味と共に通貨をどのように取り扱うかに踏み込む必要があります。

 分配共有型経済の基本は、「利潤の追求」を防ぐために、古代に行われていた物々交換がイメージされます。しかし、人類の文明はその頃から見れば、善し悪しは別にしても、大きく進化してきています。その良いと考えられる部分を引きだし、より優れた社会を生み出していくために、新たな枠組みへと移行していきます。

 現在、通貨発行権を、文字通り政府が発行します。しかし、それだけだは資本主義体制を突き崩すことはできず、何も変わりません。つまりシェアリング・エコノミーは国内のみならず、世界の市場全体を分配共有経済体制に変える必要があります。そのためにも既存の変動相場制を廃止し、貿易そのものの不均衡や不利益をも乗り越える必要があります。そのために、近代国家の規制の枠は外し、世界共通の単一通貨に切り替えて発行していく必要があります。

その際、従来発生していた先進国、或いは新興国といった経済格差を通貨価値に換算して、物の取引相場や量、人件費を見るのではなく、物品そのいものの対象価値を基準に、世界の人々との分配共有型経済へとへと切り替えていきます。そのため、私たちはいずれ訪れる国境の廃止、つまりは近代国家の消滅にも耐えうる経済体制を構築していくことになります。

 私たちの国境なき新体制は、具体的には二つの方法を構想しています。

第一は、産業のバランスを地域コロニー毎に考えていくこと。第二に、それを既存の国家の枠を取り除き、世界市場での産業地域分担と商品の交換を、世界通過を基軸として分配共有していきます。

また、従来のような政府紙幣や硬貨である必要がなくなり、既存の貨幣概念から解放されます。つまり、企業は社会的還元の為に物を製造し、生産しますから、企業を維持するために、過剰に利益追求する必要がなくなります。利潤追求のために、新製品を限定期間で廃棄するような無駄な生産は必要なくなります。つまり生産を持続する目的の利潤のための「戦争」は必要なくなります。また利益追求のための新製品開発、あるいは過当競争も必要なくなります。

 つまり資本主義経済の思想の核は、飽くなき利潤の追求でしたが。分配共有型経済では、利潤の追求から解放されます。

よろしくお願いします。