産業構造の変化に伴う公害問題
産業構造の変化にともなう公害問題
消費は必需消費と選択消費とのふたつに分類できます。
必需消費とは食費、住居費、光熱費、被服費、その他月々の確実に決まって出ていく支出が入ります。
すなわち人間が生命を維持していくために必要な最小限の消費です。食べるために働いている状態です。
それに対して選択消費は嗜好品、温泉旅行や高級車志向の費用など、生活に余裕が出てきたために使う必需消費以外の消費を指しています。
地域差はありますが、日本ではおおむね昭和60年(1985年)以降を境に夫婦共稼ぎの家庭で、選択消費が50%を超え始めていました。 選んでできる消費が50%を超えて、自分で何にお金を使おうかの選択ができる状態になっていることを意味します。
つまり生活に少しゆとりができて、人生を楽しみ豊かに生きるために働いている可能性のある状態へとシフトしています。
しかし、人によっては、遊びのためや嗜好品で贅沢をするために働いているのかという問題も出てきます。
消費するために選択消費が目的化したのか、子供のために使うのか、老後のために貯蓄していくのか。
余裕は生きる目的が明確ではない状態での、何のために消費するかの消費目的が課題になっています。
経済を分析するには先端的な状況に入っている社会を分析することで、すべての社会の経済問題や社会問題は見えてきます。すべてとは先進地域も後進地域もという意味です。
現在の問題は第三次産業が主流を占めているということです。社会経済が医療・娯楽・流通・サービス業といった産業が大半を占めていることです。
第二次産業である製造業と第三次産業との境界での摩擦として、公害問題が発生しています。
第一次産業の農業と第二次産業との間でのトラブルではなくなっています。その段階は通過しています。
たとえば河川や近海で漁業等を営む生活圏に、工場の廃液を流す広大問題はすでに無くなっています。
原発のトラブルは別次元の問題です。この「現在」という段階の入った1973年以降、徐々に起きている公害問題は「精神障害」の問題です。
この精神的に病んでしまう心の病理が新しい広大問題として発生してきています。