通りすぎたあと

わたしたち
通りすぎたあと
通りすぎたあとにいる
貧相なスポットライト
浴びながら
どこも目指せずに
さなぎになったまま
絶命した昨日をねぐらにして
光景
あったことの気づかれなさは
警告も猫の死体も同じようなもの
しにしつはありません
たくさんの空漠があるだけ
われてるかな
さめてるかな
いびつがよくばって
球体のふりをしたまま
転がってみせて
すぐに止まってしまう
動いているのが懐かしい
過去はぜんぶ動物だから
いきていたことしか
しにははなせない
わたしたち
通りすぎたあと
通りすぎたあとにいる

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