記念日

交際が始まった記念の日に、彼はこう言った。

「これが第一話なんだ」

何かひとつ思い出が増えるたびに、彼は話数を説明する。

「いま第八話ぐらいだね」

「今回で十七話かな」

あるとき彼と大喧嘩をしてしまい、恐れていた言葉が降ってきた。

「今日で最終回だから」

でも私は、再放送がある事を信じている。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?