世界一

ママのご飯が世界一おいしい、と息子は言った。

「パパもそう思うよね?」

何気ない息子の呟きに、私は答えられなかった。

翌日、私は長い休暇を取り、息子を連れて世界中を回る旅に出た。

ありとあらゆるご飯を食べ、記憶する。

帰国後、自宅に妻の姿はなく、私は息子の言葉を証明できないことに涙した。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?