トランスファ

いいかたの新しさでおなじものを輝かせるだけの日々を
迎えに来ないだれかを待ちつづけるベンチのような湿度で
風が匂いとつれだって歩くのを
裸眼でみつめている空

うすいのがこくなるのを
ひくいのがはねあがるのを
あさいのがみちるのを
未解決を食べながら
おしゃべりしている街

土はかえりみちがわからない
染まっていくことだけが
違いへのアプローチ

水だって人を過ごしている
季節のように人を過ごして
次のバスを待っている

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