空砲


断言の弾薬をつめた傘をさし
曖昧なすべての季節から
身を守っていると
空から人生が降ってきて
世界中に散り積もっていった
みな必死で人生を取り除こうと
働きつづけ
季節も傘も忘れてしまう
薬莢だけが見つかって
どこが撃たれたのかもわからない
そうしてぽっかりと
空いた穴を抱え
わたしたちは
空に還ってゆくのです

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