現実

「もう現実なんか見たくない」
「目を背けるんなら、背けた先にちゃんと見るもの用意しとかなきゃね」
「何も見たくないんだよ」
「でもあんた見るものなかったら、自分を発見できないじゃない」
「じゃあ、君を見る」
「そうしなさい」

 それからずっと、一緒にいる。

 現実よりはいいものを見つめ続けて。

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