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詩集

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詩が集まって何かしています。 背景はときどき変わります。 (一時的に非公開になる詩はそのうち帰ってきます)
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2017年7月の記事一覧

エウレカ

間近ではないひらめきが見えて
歩き出すことが
その輝きを消してしまったように
思えること
距離がなければ
ひらめきを覗けない
あえて
ぽっかりとしているのだ
いつか驚くため
あたまに空間を乗せて
なにもなさに
愛を送る
うごいているから
とまっているものにさわれるの
打ちあけて
飛びおきて
落ちのびて
まだ歩く
すこしも
不思議じゃない
生まれたときから
そうだった
だから
みんな
このいのちに

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夜をそだてる

余計であることから
始まった
会計のない商品として
この星にならぶ
どうして
わたしたちは
何かを失えば
何かを得られると勘違いして
命を支払おうとするのか
失いを盾にしても
光は突き抜けていく
その変わり果てた光の
通り道を
闇と呼んで
わたしたちは夜を作った
蓋をのぞけば
報われると信じて
足もとを転がり続ける
丸みのないからだを
ゆっくり削りながら
空のかたちに
あこがれて
しわを刻んだ

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