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詩集

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詩が集まって何かしています。 背景はときどき変わります。 (一時的に非公開になる詩はそのうち帰ってきます)
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2015年12月の記事一覧

宇宙よりすがすがしい黒で
見違えたきみの影
どんな光も入る余地はない
ぼくであっても
きみになってしまう
それほどの黒
手加減のない手影絵のように
ダンスする影と
微動だにしないきみ
どこまでも
見捨てられ
溶けだしていく影が
チューブにつめこまれて
夜に売られてゆく
それくらいしか役に立たないの
ぼくの瞳に住んでいる
きみの影が
かなしそうに揺らいでいた

楽園

わからなさの楽園に住んでいます
等速のさみしさが
トンネルを抜けたときのまぶしさで
目を細めている
そのすきまに入り込んで
ランプを交換できればいいけれど
光っていることに無自覚な熱が
肌へ着任していくすがたが苦手で
いつも
手放してしまうのです
引力と
直感のヘルツ
レコード針がつきさす世界
棺桶がわりのユニットバスが流してくれる
減っていくことへのあこがれが
わたしだけを残して
きれいにあらわ

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