大橋七海

僕らなりの働き方改革 |うちのスタッフ編

写真とタイトルがちぐはぐですみません。レストケイヤマウチの山内です。
多分これがFour Hands Dinnerに行く前の最後のnoteになると思っています。

以前有志で話し合った外食業界における僕らなりの働き方改革を踏まえ僕がクアラルンプールに行っている間の"ヤマプチダイニング"に一つ企画をアドオンします。企画は以下の通りです。

当日の感想を一言でもかまいませんので、シェフに向けて書いていただけないでしょうか。(アンケートみたいなイメージです。)

これまで僕が海外に行っている間は、コースの売価を下げて営業していました。お客様の立場からすれば"山内がいないのだから当然だ"と感じるでしょうし、グランメゾンの商慣習からしても定石です。ただし残った従業員からしたら、これをやられちゃうとモチベが上がらないのではと思いました。コースの売価でハッキリと自分達の価値は半値以下だと提示しちゃっているわけですから。

このままだと多分皆んな嬉しくないよね
嬉しいのはコラボで海外に行く自分だけだったり(;´Д`)ギクッ!

これはマズイ!一つ前のエントリで未来の担い手を育てましょうなんて言っていた人間が、自分のスタッフの気持ちも汲めないなんてダメです!お店の番を任せる皆んながもっとポジティブになるために考え抜いた結果、来ていただくお客様へ伏してお願いをしております。

当日の感想を一言でもかまいませんので、シェフに向けて書いていただけないでしょうか。(2回目です、くどくてすみません)

この企画はお客様の善意に100%甘えた企画でしかも後出しです。ですのでそれでもこの企画を面白いと感じた方だけで構いません、是非食べに来てうちのスタッフに色々とダメ出しをしていただけないでしょうか。必ず僕らはそのお言葉を活かし、皆んなでより良いレストランにしてみせます。

僕が海外で研鑽を積んでくる間、皆んなにも研鑽を積んで欲しいのです。なぜなら僕らの成長なくしてお店の成長はありえないからです。普段は僕というフィルターを通してでしか聞くことが出来なかったお客様の声を、じかに受け取れるこの企画を皆んなで楽しもう!

そして今回僕の代わりをしてもらうのがスーシェフ(いわゆる二番手)の大橋七海です。普段はソースを担当しており、僕も彼女が代わりを務めてくれるということで安心して海外に行くことが出来ます。(ソースを任すというのは、お店の味を任すということで非常に重要なポジションです。ここでミスがあると画竜点睛を欠くことになってしまうので、万が一にもミスが許されない責任あるポジションです。)

最後は大橋の紹介と彼女へ向けたメッセージでしめさせていただきます。

大橋七海について

学生時代からのたたき上げの今時珍しいアイアンハートの料理人です。学生時代の二年間はアルバイトとして働き、当時僕も若いが故荒々しかった中でも辞めずに食らいつきてきた一人です。就職活動でホテルやウェディング業界へ行こうとするなか、彼女のポテンシャルをうちで開花させてあげたいと思い僕がヤマウチにひきとめました。

そして大橋との出会いには一つエピソードがあります。
もともと言葉遣いに厳しかった自分は、面接時の彼女の言葉遣いに我慢ならず、"言葉遣いから学校で習いなおして来い"と説教し、一度不採用にしてしまいました。しかしその後ポストに空きが出たことで、採用の連絡をし今に至るという少々変わった出会い方でした。もし他のアルバイトが決まってしまっていたら今の彼女はなかったわけです。今となっては笑い話です。

ポテンシャルを自分が見出したと言えば聞こえはいいですが、彼女はいわゆる”できる人間"で、蟻の世界の2:6:2でいえば優秀な2割に属するタイプです。僕の彼女の評価は"ダイヤモンドの原石"です。石は自分だけでは輝けないから誰かが磨いてやらなくてはならない。よく仕事ができ、よく怒られ、そして怒られた事は次修正してくる。多分負けず嫌い、そして見据えている相手はきっと僕なんだと一緒に働いていてひしひしと感じます。だからこそ自分ももうしばらく彼女が越えられない大きな壁となって、彼女を成長させてあげるべく頑張ろうという気持ちになります。

そんな努力と向上心に溢れた人間は、限られた一握りの存在です。当然海外のイベントでも彼女は人気者です。ポーカーフェイスだが、仕事は黙々とこなす。それでいて愛嬌がある。海外のシェフからも、誰よりも先にナナコって覚えてもらう。これも彼女が持つオーラでありタレントなんだと思う。ずっと一緒に仕事をしてきた僕には分かる。ナナコは誰よりも強い気持ちでいつもまっすぐ上を見ていた。今ではうちの立派な司令塔です、ありがとう。

"何卒うちの大橋が精一杯作る料理を皆様食べに来てくださいませ。"

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?