働き方改革

僕らなりの働き方改革 |未来の担い手育成編

こんにちはレストケイヤマウチのオーナー山内です。
流行っていますよね"働き方改革"。猫も杓子も"働き方改革"ってそんな感じですよね。この"働き方改革"って捉える人や状況によって様々な解釈が出来るので結構面白く、だいぶ掘れちゃうワードです。それだけ今の外食産業は杜撰ということの裏返しなのかも、うーんまだまだですね。

先日はお店の休みを利用して名古屋スイーツ&カフェ専門学校さんでみっちり講師をさせていただきました。

せっかくですので、今回は働き方改革の中でも担い手の育成と業界の構造に関する話を僕の考えを交えて少し書きます。

講師をするたびに、未来のパティシエやシェフ達が自分の話に興味津々に耳を傾けてくれるので毎回嬉しい気持ちになります。技術と一緒に、シェフとして経営者としての醍醐味や厳しさといった心構え的なものも伝えるように心がけています。限られた時間でのコミュニケーションのため、少しでも伝わってくれたのなら万々歳です。

昨今のフードビジネスは非常に目まぐるしく、様々な課題も見え始めてきました。
水産資源の枯渇化、規格外のため商流にのらずに廃棄される食材、生産者の後継者不足化etc
これまでのひずみがいっぺんに表に出て来ようとしている感じですね。

そんな大変な状況にもかからず"それでも料理人を目指しています"や"頑張りたいです"と言ってくれる若い人達に会えるのはホントに嬉しいです。自分が持っているものは何でもシェアし応援したくなります。

そして皆さんを料理人としてしっかりとオンボーディングさせるのは先輩である僕らの仕事です。昔と違い技術のみを教え、あとは個人の気合と気概で習得してくださいなんて言うのは時代に合っていません。
むしろ逆で、積極的に教えるべきはソフトの部分だと考えています。大事なのは一人一人の表現する気持ちを応援すること、そして最も大事なことは他者を尊重し理解する気持ちの大切さを教えてあげることです。
講師はどうしても盛り付けや技術などの目に見えやすい部分から教えますし、当然生徒もそこを重点的に学びます。そもそも日本の調理師学校は職人制度を前提としている部分があるため、学校のゴールがインスタントにプチ職人を養成することになります。結果学校としては卒業生が就職先の現場で耐えうるだけの技術やノウハウを教えることに特化する傾向にあります。

就職後はそれぞれの親方の下でよろしくやりなはれ~
基礎的な部分はまんべんなく教えましたので

極論こんな感じ。たしかにわずかな期間で技術とマインドをプロと同じレベルにするのは無理。なので僕からは皆んなに"気持ちの大切さ"ついての話をするようにしています。

自分が気持ちの話を大切にしている理由は、海外で一緒にコラボしたシェフやスタッフを通じ彼らと自分では考え方に大きな違いがあったことに気づけたからです。彼らが大事にしていたことは料理のテクニックもさることながら、"自分は何を伝えたいか"、"食べた人にどんな気持ちになってほしいか"、"他の人はどんな考えか"です。食べるのも人ならば、作るのもまた人であるということで、皆んなが大事にしていたのは相手への尊重や敬意といった感情でした。これは日本式の親方やオーナーシェフを頂点としたピラミッド型組織の弱い部分であり、"モノ"から"コト"へ消費者のトレンドが移りつつある現代においてクリティカルだとその時に痛切に感じました。

画像1

海外のコラボで撮った写真です。皆んないい顔!

それ以降はもっと幅広い食の楽しみ方や可能性を知ってほしく、小学校で味覚を教える授業をしてみたり、専門学校の講師をさせて頂く等、できる限り未来の担い手の育成に努めてきました。自分の力不足を感じることもありますが、これからもポジティブに出来ることからやっていきます。

少し横道にそれましたが、最後はこれから料理の世界を目指す人へ
どんな仕事でも厳しい時はあります。打ちひしがれて心が弱ってしまうこともあります。そんな時に彼らの宿木(ヤドリギ)に自分がなれればと思い、毎回精一杯授業をさせていただいています。皆んなやればやった分だけ必ず返ってきます、ノーブレーキのアクセルべた踏みで頑張ってください。

メッキと頭は剥げてからが勝負です、さあ頑張ろう!

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