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【蕁麻疹】わたしのアレルギーの正体とは。

先日、蕁麻疹がひどく出た。
一度痒くなると、火が燃え広がるようにどこもかしこも痒くなってしまう。私はコレを「蕁麻疹が爆発してる」と言っている。

蕁麻疹とのつきあいは、もう10年近くになる。今回は私が苦しみつつも、半ば完治を諦めている蕁麻疹について書こうと思う。

突然発症した

24歳頃の夏の夜だった。私は自宅で汗だくになりながらパソコンに向かっていた。とにかく激務で、不規則な生活が標準の時代だった。部屋にエアコンは無い。近辺では家賃相場が4〜5万のエリアで、私は家賃2万という破格の安さで住まいを持っていた。当然エアコンの初期装備など無く、安く買った冷風機と扇風機、そしてたっぷり凍らせた保冷剤を駆使しながら暑い夏を乗り切っていた。

実際はタンクトップ、下半身も短パンをギリまでまくりあげた半裸状態で仕事していた。

その日も日中こもった熱がなかなかひかず、蒸し暑い夜を過ごしていた。

あまりの暑さに仕事を一旦中断し、水に近い冷たさのシャワーを浴びて身体を冷やした。そしてまた黙々とパソコンに向かっていると、足や腕が痒くなってきた。痒いもんは無意識に掻く。そして気づいた時には、タンクトップ短パンから見える足と腕に、おびただしい数のひっかき後がミミズ腫れとなって表れていた。

慌てて受診した皮膚科

この症状は連日続いた。どうせストレス性のものだろうと思っていたが、夕方〜夜にかけて発症することが多く、血が出るまで掻きむしっていることもあった為たまらず空き時間で皮膚科へ行った。
「実は原因不明で起こることも多いんです。ストレスが原因の場合もあります」
はっきりした診断がされず納得できなかったので、5000円かけて自身のアレルギー検査もした。しかし検査項目には、いずれもアレルギー該当は無かったのだ。つまりこの当時は「原因不明、またはストレスによるもの」と判断するしか無かった。

皮膚トラブルは初めてだったので、先生の言うことに頼るしか無かった。

しばらくは症状緩和のために錠剤を飲み続けていたが、改善が見られないため通っていた皮膚科にも行かなくなってしまった。

先生に言われたことを続けた結果、症状が悪化

皮膚科は何箇所か行ったが、ほぼ共通して言われたことがある。それは「蕁麻疹は冷やしておくとおさまりやすい」というものだった。濡らしたタオルでも保冷剤でもいい、患部を冷やすのだと。それが正しいと思って、蕁麻疹が出た時には冷やし続けていた。キンキンのカチカチになった保冷剤を何個も冷凍庫に忍ばせていた。

だが、患部を冷やした後には更に強烈な痒みに襲われて、一箇所どころか周りへ更に周りへと痒みが広がっていった。その度に私は「冷やすのが遅かった」と勝手な解釈をしていた。

ようやく気づいた「何かおかしい」

あまりに症状の悪化が続くので、これは何かが間違っているのでは?と思うようになった。これは声を大にするが、決して訪れた皮膚科や先生に不満があるわけでは無い。でも、一向に改善しないどころか悪化すらするこの状況、まずは自分自身でもっと考えなくては。と思った。(薬ですぐ治るだろうと、簡単に見ていたことも反省した)

幸いなことに顔・頭部だけが出にくい場所だった。

ある時、蕁麻疹がまた出たので「もう冷やさずに暖めてしまえ」と半ばヤケクソになって患部を手のひらで暖めた。私は昔から冷え性知らずで、とにかく平熱が高めなのだ。

程なくして蕁麻疹がスーッと治まっていった。いつもの多箇所への広がりなど無かった。「もしかして冷やすことが蕁麻疹を引き起こしていた?」そう思い調べると、ある一つのワードが私の目に入った。

聞いたこともなかった「寒冷アレルギー」

そう、この寒冷アレルギーこそが私の蕁麻疹の正体だったのだ。

肌が急激に冷やされることで症状が起きるのだが、もう思い当たる節ばかりだ。安いアパートで、暑さで火照った身体(皮膚)をやれ冷風機だやれ扇風機だ、あげくに冷水を浴びてその後扇風機で更に身体を冷やす。痒くなればそこに保冷剤をあて、時には患部に巻き付けながらパソコンに向かっていたのだ。

寒冷アレルギー様、どうぞ道をお通り下さいませ。この身体は、寒冷アレルギーとも知らずにどんどん身体を冷やしていっている。蕁麻疹は放出し放題、こりゃもうかりまっせ。などと、憎たらしい声でも聞こえてきそうだ。

このアレルギー、君ならどうする?

原因が分かれば対処方法も考えることが出来る。つまり、なるべく皮膚が急激に冷えないように過ごせば良い。しかしそこには、私のどうでもいい都合があった。私はとても暑がりなのだ!
「赤ちゃんや子どもは体温が高めなので薄着でいいですよ」と、出産直後に助産師さんや保健師さんに言われたが、これは私にも当てはまることだ。長袖を着ていても常に腕まくりしてしまうし、寝る時なんかは冬でもTシャツ・下はUNIQLOのリラコ。これで蕁麻疹を防ごうなど、無理な話だ。

更には女性ホルモンの関係で、体温がグッと上がる高温期なんかはもう、皮膚の温度と触れる気温・室温との差が開くためか蕁麻疹は普段より激しく暴れるのだった。肌が急激に冷やされる、という点では夏のオフィスの冷房も大敵だった。大勢が会議室に揃った際には、私1人だけ綿の手袋をして、夏だと言うのにカイロを持参して手を暖めていた。周りから見れば異様な格好だったと思う。

自分に合った、無理ない付き合い方をする


冒頭で完治を半ば諦めていると言ったが、アレルギーなのでほどよく注意して、あとは発症した時は仕方ないと諦める気持ちを持ったことからそう述べた。10年経った今でも、蕁麻疹は起きる。日中に出ることは減ったが、やはり夕方や夜に痒みは起きる。幸い顔にはほとんど出ず、首から下の身体が痒くなるだけなので、夫にもメメにも説明して理解してもらっている。無心で身体中を掻きむしって、その跡がひどく赤くなったりミミズ腫れになっている姿も、もう見慣れていると思う。相変わらず真冬でもリラコやハーフパンツで過ごしている私にメメは、「冷たくしちゃいけないんだからさ、長ズボン履けばいいじゃん!」と怒ってくれる。5歳児のおっしゃる通りだ。

実はキンキンに冷えた飲み物は好きである。

世の中のアレルギーを持つ方には、もっと繊細で気をつけなければいけない方がたくさんいる。命に関わるレベルの危険が隣り合わせなのだ。私はそういった点ではアレルギーに恵まれているのだと思う。しかしながら今後、何かの拍子に症状が急変することもあるかもしれない。そうならないよう、自分と家族のためにも自分の身体とはうまく付き合っていきたい。

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