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資産を増やすために気をつけるべきこと


はじめに

「株式投資で資産を1億円まで増やすにはどうしたらいいか?」
最近、このような質問とそれに対する回答をX(Twitter)上でいくつか見ました。

その回答には自分の感覚が合っているもの、合っていないものがあったのですが(当たり前)、自分の感覚に合っているものでも、実際にどうするかについてまでは触れられていないようでした。

そのため、この問いに対する文章を書く価値があるかもしれないと思い、noteを書いてみることにしました。

問いの内容をできるだけ一般化したいので、今回は資産を増やすために何に気をつけるべきかについて、自分の考えを書いていくことにします。


資産を増やすために気をつけること

多くの投資家は投資スキル向上にリソースを割き過ぎている(ように見える)

XのTLを見ていると、投資家の優劣は年初来リターンの%の大小で判断されていることが多いように感じます。その考え方は一つの大事な考え方だとは思うのですが、もう一つの投資家としての大事な要素を軽視する危険性を孕んでいるように感じます。

ここで、もう一つの大事な要素(として僕が考えているもの)は入金力です。


最初は金融資産の利回りより節約

投資を始めたとき、ほとんどの人の金融資産は1千万円を越えていることはないでしょう(※1千万円はおおよその区切りです)。越えていない場合、金融資産の利回りより節約が重要となります。種銭がないと複利の効果は微々たるものだからです。


なぜ節約なのか

ここで、自分の収入をどのように金融資産に変えていくかについて簡単に触れます。

当たり前ですが、自分の収入をより多くの金融資産に変えるには
・収入を増やす
・支出を減らす

のどちらかが必要となります。

収入を増やすには転職を行い、なおかつ転職がうまくいくという条件が必要になるため、多くの人にとっては難しい選択肢となります。そのため、資産形成の初期には支出を減らすことー要するに節約ーが必要となります。


節約のために何をするか

節約をするには何をしたらいいか、ですが、思いつく限り書いてみると
・(可能な場合)人生で実家暮らし or DINKSの期間を数年作る
・質素な家に住む
・料理を好きになる、時短料理を身につける
・趣味をお金のかからないものにする
・あまりものを買わない
・必需品は頑丈なものを買う

といった感じです。居住費用の節約、食費の節約、趣味代の節約等々。優先順位は上に行くほど高いものと思われます。

これらを行ない節約をした結果、年50万円浮いたとしたら、1,000万円を運用し年率5%通常の自分を上回るリターンを出すのと変わりません。

普通、年率5%のリターンの向上を目指すより、年50万円の節約の方が簡単です(これは、そういうものだと考えておいてほしいです)。X上の人々の派手な投資リターンには惑わされず、淡々と節約し証券会社に入金しましょう。

投資で気をつけるべきなのは税金

さて、ようやく投資の話に入ります。

投資は正直な話投資信託でいいです。ただ、例えば1億円を目指すといった場合は、入金力が極端に大きい場合を除き、個別株運用が必要となります。

個別株投資について気をつけるべきこととして、集中か分散かといった内容がよく書かれています。個人的には分散がいいと思いますが(人生設計が破綻するリスクが下がる)、集中投資の方がリターンの平均からの外れ方が大きいので、投資に自信がある方は集中投資も選択肢に入ってくるものと思います。

個人的にもっと気をつけるべきなのは税金のコストです。税金は利益に対して約2割取られます。例えば、年10%のリターンを出せたとして、全額利益確定したとすると、税金で2%利益を取られるので、税引き後リターンは8%まで落ち込みます。

ここで、自分も市場の平均も10%のリターンであり続ける場合を考えると(計算は省略しますが)10年間の市場平均のリターンは2.59倍となります。毎年利益確定し、税金を取られた場合のそれは2.15倍となります。

1,000万円を運用したとすると2,590万円と2,150万円で、その差は大きいです。

この差を縮めるには
・保有期間を長くする
(そもそも持っている間は税金がかからない)
・毎年、利益が出た分はなるべく損切りもする
(1年のうちに生まれた利益−損失に税金がかかるため)

といった手段が必要とされます。保有期間は取引手法によりますが、どのような取引手法を取るにしても、利益が出た年はできるだけ損切りもして、課税を先延ばしにすることが重要です。


資産が1千万円になるまでは節約>投資スキル向上、それ以降は投資スキル向上を優先

ここまで節約と投資について書いてきました。ざっくりまとめると

・資産が1千万円(あくまでおおよその数字ですが)を越えるまでは節約を重視する。居住費用の節約、食費の節約、趣味代の節約などが金融資産の基礎になる

・資産が1千万円を越えたら投資スキルを上げる。その際に、気をつけるべきは税金の存在。税金は複利の効果を妨げる

といった内容です。当たり前の内容ですが、誰かの役に立ったら嬉しいです。

資産が増えた後にどうするか

自分が何をしたいかを考えておく

最後におまけのような話を書きます。

目論見どおり資産が増えたとして、その後何をしたいのでしょうか?それを資産形成と同時に少しずつでも考えておくことは重要であるように感じます。

ロールプレイングゲームを例に取ると、経験値が貯まってレベルが上がった時に能力値の何かを上げられる、というシステムがあるとします。経験値を時間という言葉に変えると、現実世界に当てはめることが可能な気がします。

これまでの話でいくと、節約の能力値を上げる→投資の能力値を上げるという順番で、時間を費やして自分の能力を伸ばしてきたことになります。

これらの能力は資産形成のために必要なものでした。それでは、資産形成後は浮いた時間で何の能力値を上げたらいいのでしょうか?

これは人によって答えが違うはずです。何のために生きるかという話につながってくるためです。これを忘れて資産形成に特化しすぎると、後々途方に暮れることになる気がします。

(現に今の僕が少しそんな感じになっています。僕は重めの病気を持っているので、ある程度資産が欲しいと思い節約と投資を行ってきました。いざ資産が目標額に達すると、何を目指していいかよくわからないです。毎日楽しく暮らしてはいるのですが)

自分は資産が増えた後に何がしたいか。よく考えて(僕も考えます)、共に楽しい人生にしていきましょう。

文章はこれで終わりです。とても長いものを最後までありがとうございました!最後にスキボタンを押してくださると励みになります。

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