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「先生も大変なんです」~いまどきの学校と教師のホンネ~ を読んだ本音

よく「学校は民間と協力して○○すべき」とか「指導力を上げるためにも外部コーチの活用?を」とか誰かが言い合ってるのを聞いたことがあるけど、若干AsIs分析をすっとばして断片的なToBe像ばっかり語ってる気がするなーなんて思ってた。
じゃあ自分が具体的にどんな案持ってるのかって言われても特に何もなかったんだけど。
そんなときに読んでみたのがこの本。

現職教員が執筆してるだけに、教職以外の人でもわかりやすいように現状が整理してある。ざっくりまとめると、
教師の本業である「授業」と「子供とのかかわり」に全力を尽くす為には校務の整理等の抜本的な改革が必要不可欠であるにもかかわらず、効率化を目指すような人員配置も取組も思うように進んでいない為、労働環境が悪化し教員の数・質共に低下が否定できない状態にある。改革が進まないのは形式的な制度の修正から始めようとすることが一因で、一番根幹にある「教員のマインドセット(職業観)」に踏み込めてないからボトルネックである「学校文化」に変化が及ばない。これまで大切にしてきた「子供のため」という考えは忘れず、「1人の労働者として」の目線がこれからの教育を支える為にも求められる。
といった感じでしょうか。
「子供のため」を想う教員であるが故の葛藤が丁寧に描かれていて、教員志望の身としてはかなりスっと頭に入る内容だった。

最近よくDXとか言うけど、一つの企業の基幹システムを統一するだけでも要件固めてシステム導入してテストして・・・って普通に数年かかるのに、全国に何万校ってある学校の働き方を変えていこう なんて確かにとてつもない試みだよね。
指導要領とか読んでると、ほんとに日本の教育ってよく考えられてるなって思うけど、教員の働き方って面ではグランドデザインも描けてなければ要件定義もされてない、というかプロジェクトメンバーさえアサインしてくれない みたいな状態だもんね。
みんな普通だと思って過ごしてきた「就業時間前=子供来る時間」に出勤、「就業時間後に始まる部活」を終えてから退勤 って普通に会社に当てはめてみると相当やばい。きっと教員のマインドセットに一番力を入れないといけないけどそれが一番難しいんだろうなー。なんせ「普通」になってるんだし。

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あと、教員の働き方とは直接関係ないけど
大人数の学級で一斉授業という形で「平均化」を目指してきたとも言える日本の教育は最近「"ふつう"になり切れなかった尖った子」の良さを見つけて伸ばすようにしていこうみたいな風潮になりつつあるように感じてる。Inclusiveな社会を目指していく上で必要不可欠でありながらも、何というか、教育を支える人達の共通認識を持っておかないと成り立たないような気もしてる。捉え方を一歩間違えるとこれまでの日本の教育の良いところまで真っ向から否定することにもなりかねないし。
障がい者だろうと性的マイノリティだろうとダメなものはダメという線引きも必要だし、かといって「周りが支えてあげる対象」というのも違う。支えてもらう<->支える側で分かれてる時点で対等じゃないしInclusiveになってないし。 なんて素人がつらつらと纏まりのないことを書き綴っても偶然読んだ誰かをいら立たせてしまいそうだしこの辺にしておきます。

偶然通りかかった方、モノ申したい方、なんでもコメントもらえると嬉しいです。


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