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Loser転職のこれから

華々しい大学の卒業式から約4年。当時思い描いた熱意や想いとは裏腹に、今まさに外コンの墓場、アベり部屋*からこの文をしたためている。
 *アベり部屋:どのプロジェクトからも声がかからず、常にアサイン可能な
 状態の社員が待機する部屋(業界用語で「アベイラブル」) 
 単純にプロジェクトとプロジェクトの合間にとどまる場所なので誰もが滞
 在する場所ではあるが、1か月以上の長期アベイラブルや度重なるアベイ
 ラブルは肩たたき(事実上の退職勧告)対象となる可能性が高い。

就職活動中は、実に現実的に見えて夢のあるプランを描いていた。「"子どもの可能性を広げてあげられる先生"になることが夢で、そのためにまず自分が海外渡航や民間企業(外コン)での夢を叶え、そして自信を持って子どもの前に立つんだ」と。

当たり前だが、思った事すべてが叶う訳はない。

恵まれた出会いと持ち前の行動力が功を奏し、8か月の渡印や某外コンへの入社を叶えることができたが、その後が続かなかった。
入社後すぐにいきなり3週間のアベイラブルを経験し、ファーストアサインのプロジェクトも3か月で内容すら掴み切れないままリリース。ここまではよくある話だとしても、次のプロジェクトは1年以上アサインされたにも関わらず人事評価では「ステイ*」を言い渡された。
 *ステイ:この業界ではキャリアレベルが明確に定義されていて、ここでは
 「昇給見送り」の意美。かつては "Up or Out"「昇進できなければ去れ」
 といわれるほどキャリアレベルの評価はシビアなもので、近年は"Up or  
 Stay"になりつつあるものの、Stayとなると給与が上がらなかったり次の配
 属プロジェクトが決まらなかったり、精神的にもきついものがある。
 (ちなみに新卒組なんて「普通上がるっしょ」の世界なんで尚更ダメージは
 大きい)

そしてコロナ禍で長期の在宅勤務による孤独感、プロジェクト内での雑務の激増に加え募る今後の不安。入社3年で見切りをつけ、次年度の転職を決めた。
都内一等地の綺麗なオフィスで壮観な景色を見ながら仕事したり、仕事終わりに赤坂見附の美味しい焼肉が楽しめたり、代官山でプロ選手との"食事会"に連れてってもらったり、"らしい"こともそれなりにある。
"ステイ"しとくだけで持てるAMEXのゴールドに安価で買えてどんどん上がる自社株・大抵のローンが簡単に通る魔法の社名は、ここ3年でへばりついた小さなプライドと共に捨て去る。

掲げてた目標は何一つ達成できてない上に「キャリアアップのために独立します」とかいう類でもないし、その筋の人からみればただのLoserでしかないんだけども、別に他の誰が何を言おうと別に気にしない。
自分の糧になったと心から思える経験・知識・出会いだけを胸に次に進む。
この3年間が金にも地位にも代えがたい何か大事なものに繋がると信じて。

まずはここで残された時間を最大限に活かせるよう、元Miami HEATのDwyane Wade言葉を借りて"One Last Dance"なんて言って自分を鼓舞してみる。





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