仕事、やりがい、かくあるべし~ゲーム【1f y0u're a gh0st ca11 me here! 幽铃热线】感想※ネタバレ注意

こんばんは。今日は「1f y0u're a gh0st ca11 me here! 幽铃热线」というゲームで遊びました。ので、いつものことながら感想を書いてまいります。

まずはゲームの購入先リンク! いつだって何よりも先に乗せるべき大事な情報。Steamでたったの720円。安いね。

私が遊んでいる様子はこちら。

なかなかミス0のSランクが取れなくて、後半一時間はその回収に時間を費やしています。結構難しくて楽しかった。


このゲームを遊ぼうと思ったきっかけ

買ったのが半年以上前のことなのでどこで情報を見つけたのかは忘れちゃったんですけど、たぶんまあTwitter(現X)で流れてきたのを見かけたんじゃないかなあと思います。Steamページのサムネにもなっている絵がかわいくて、それから「画面上に表示されるたくさんの文章を同時に読んで制限時間内に判断する」というゲーム性に魅かれました。こんなの絶対にめちゃくちゃ楽しいに決まってる!

もともと速読は得意だったので、「どのくらい難しいか挑戦してやろうじゃないの」という気持ちもありました。惨敗しまくったが故のミスなしクリアまで1時間の刑だったのですが。

ゲーム性の感想:「アクションノベルゲームアドベンチャーゲーム」の文句に偽りなし

私はノベルゲームをよく遊びます。これは今使っているパソコンの性能が激しいアクションに耐えられないってこともあるのですが、単純にアクションゲームが苦手なことも理由になっています。ゼルダやスプラトゥーンは好きで遊んでいますが、クリアまでにめちゃくちゃ時間がかかります。未だにライネルと戦う時はがちがちに着込んで挑みますし、武器も攻撃力の高いものを愛用しています。前線のゲームスピードについていけないので、スプラではいつもハイドラを持って後方から一歩引いて頭の整理をしつつ味方の援護をするのが主な戦い方です。

なので、ゲームの説明欄にある「アクション・アドベンチャーゲーム」の文字に臆して半年放置していました。俺が臆病な幽霊だ。
しかし最近Speedrun.comというRTAのコミュニティサイトで偶然このゲームが表示されて、プレイ動画を見たところ(ストーリーとは別に用意された、純粋に視覚版聖徳太子ゲームを楽しむためのモードである「100本ノック」のクリアタイムを競う種目でした)、なんだか自分にもできそうな気がほのかにする。というわけで今日遊ぶに至りました。

速読が得意ならクリアできるようなゲーム性ではなかったです。でもそれがめちゃくちゃ楽しかった。

普段我々はこの記事のように横一列、または縦一列に並んだ文章をまとめて読みますよね。その形式の文章を読むのは慣れています。しかしランダムな内容が、ランダムな位置に、ランダムなタイミングで流れてくる多数の意味の塊を持った文章を読むのはめちゃくちゃ大変! しかもこの中には「読むべきではない」文章も混じっています。このゲームは「幽霊からの緊急の電話を受け付けるコールセンター」を舞台にしていて、もちろん電話をかけてくるのは主に幽霊なのですが、ここに人間も混じってきます。この人間からの電話がゲームとしての楽しさをめちゃくちゃ高めている、ような気がしました。

幽霊からの電話には特に大事な部分が太文字になるのですが、人間からの電話にはそれがありません。なので、要点を拾おうとしてある電話の内容を読み続けた先にようやく「人間からの電話だ!」と気付くんですよね。このおかげで
・普段は太文字の情報に集中しているにもかかわらず
・細い文字の内容にも気を配らなければならない
必要が生じます。「電話の要点を教えてくれる」というプレイヤーへのお助け機能が、人間からの電話においては機能しなくなります。なんならずっと太文字を待ち続けてタイムロスが生まれ、お助け機能がお邪魔機能に反転します。このせいで何度さまよえる幽霊を救い損ねたことか。

人間、邪悪すぎる! と一瞬思いますが、たまたま幽霊にしか見えない電話ボックスを見つけてしまって、不思議とつながってしまった電話に不安を感じている人間もたまにいて、憎み切れないところがシナリオ(?)の妙だなと思いました。幽霊の電話内容もよくよく聞いてみると「生きている頃は怖くて近寄れなかった心霊スポットに行ったら楽しくなっちゃって帰り道がわからなくなった」「お化け屋敷が怖くないから本物の幽霊である僕が怖がらせてやろうと思ったらやりすぎて霊媒師に祓われそうだ」とか、けっこうおちゃめなものがまぎれていて、とてもかわいい。

5秒しかつながらない緊急電話、たぶん文字数にしたら100文字程度のテキストに小さい物語がぎゅっと詰まっていて、それを読むのも楽しかったです。


ストーリーの感想※ストーリーのラストに関するネタバレを含みます

このゲームは主人公であるヴァニタスになり、コールセンターで電話交換手として働くお仕事ゲームです。なれば当然、仕事の話がメインストーリーとして展開されます。

少し前にジャンププラスに読み切りとして計算手という職業と、その横で作られる電子計算機への葛藤が描かれた漫画が掲載されていました。

また、最近はChatGPTの登場により「技術革新によって自分が今就いている職業の地位が危うくなる」という危機感は、かなり身近なものになっているように思います。本屋さん行くと何冊も「ChatGPTの活用法」みたいなタイトルのビジネス書とか情報技術に特化した雑誌の特集とか見るよね。私は見ます。

「1f y0u're a gh0st ca11 me here!」メインストーリーにおいても同様の話題が取り上げられています。このゲームの舞台になっている世界では「死神」という生得的な通信手段(生得的な通信手段てなんやねんと思われるかもしれませんが、マジで生得的な通信手段なんです)が必要とされる職業があり、常に人手不足の様子。しかし主人公が働くことになった「ゴーストコールセンター」では、電話を介すことで能力の有無にかかわらず、死神と同じ役割を果たすことができるようになっています。電話は死神の人手不足を解消するために作られましたが、死神として働く者たちは「自分の職業がなくなるのではないか」という不安から、開発者に対してなんでそんなもの作ったんだ! と批判します。電子計算機や、たぶんこれからのChatGPTと同じ状況にありますね。めちゃタイムリーだ。

そんなタイムリーさはちょっと横に置いといて、何だろう、その、私たぶん死神って職業をめちゃくちゃ舐めてたんですよね。いや舐めるって言葉はあんまり好きじゃないな。えっと、このゲームはミスをすると最終的に死神からの了承が得られず職場が解体されます。ミスとはすなわち、幽霊からの電話に対して不適切な交換先を案内してしまうこと。でも一人じゃさばききれない量の電話が次々とかかってくるんだから「しょうがないじゃん」って思ったんですよね。いいよな死神は一対一の対面コミュニケーションで、少しくらいミスしても死神の助けにはなるじゃんなのにつぶすのひどくない??? って。

でもよく考えたら自分の仕事をとってかわるかもしれない存在が少しでもミスをするとなればそこはそりゃあ弱点だから叩きのめすし、誰かが誇りを持って必死に働いているような職務内容に(それが目的ではないが結果的にそうなってしまうような)とってかわる(可能性のある)手段を開発しようとするなら、絶対にミスをしてはいけないんですよね。それは「叩かれないため」でもあるし、「とってかわろうとするその職業に対して敬意を払うため」でもあるのかもしれません。評価オールSを目指している最中にこれに気が付いて「あっ私今めちゃくちゃ失礼なことしてたわ」と反省しました。


まとめ

というわけでゲーム「1f y0u're a gh0st ca11 me here!」とても楽しいゲームでした。100本ノックRTA、挑戦してみたい。でも難しいんだろうな……100本の電話内容ってランダム生成なんだろうか。それとも毎回同じ100本の順序がランダムなんだろうか。後者かなあ、たぶん。だんだんやっていうくうちに内容をおぼろげに覚えてきて、そしてその記憶がまた邪魔をしてきたりするんだろうな。楽しみだ。対戦、よろしくお願いします。

もう一回リンク貼っとく!

聖徳太子気分が視覚で味わえる楽しいゲーム。もしまだやってなかったら、やりましょう。

ほいじゃまたね。



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