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不幸の苦みを味わい尽くせ~ゲーム【LOOK OUT】感想※ネタバレあり

今日はゲーム「LOOK OUT」で遊びました。なんとフリーゲーム! さあ遊ぼう。

サムネイルからわかる通り、ホラーゲームです。けど、そんな超絶怖い幽霊が出てくるとかびっくり要素があるわけじゃないので「なんかちょっと不気味なゲームやりたい」って時にちょうどいいかも。

こちらが遊んでいる様子。ホラーゲーム大好きなのでテンションが上がっています。

そろそろサムネをもうちょっといい感じにできるように……今はWindowsに入ってるペイントアプリでマウス使って描いてるから……せめてペンタブが欲しいかもしれない。でもサムネ以外に使わないしなあ。

というわけでいつもの目次からいきましょうか。noteは最近編集がしやすくて本当にありがたい限りでござい。


このゲームを遊んだきっかけ

「ノベルゲームコレクション」という、私にとっては神のようなサイトがあります。それがこちら。

最近は暇さえあれば見てるかもしれない。今日はホラーゲームをやりたい気分だったので「ホラー」のタブがついている作品を上から順に見て行って、サムネの不穏さに心を撃ち抜かれて「今日遊ぼ!」と決意しました。見て、この赤と黒のザ・ホラー王道カラー。顔の上にぐしゃぐしゃっと書かれたタイトル。本当にいい。本当に。

「牛乳を買いに行こう!」が好きな人ならきっと大好き! 不穏の嵐と不安な語り手

主人公の瑠璃ちゃんは「生まれてこの方自室から出たことのない」女の子。だけどなんでか今日はパパが家にいない。部屋の片隅に落ちていたマスコットを後押ししてくれる友人として、勇気を出してパパを探しに部屋を出ます。

視界にある色はいつだって赤と黒だけ。加えて、瑠璃ちゃんはどうも語り手として信用ならない言動が節々に現れます。自分の中にいくつかの人格をすまわせていたり、目に見えるものをうまく認識できなかったり。キッチン、寝室と移動するたびに「何か、思い出さなくちゃいけないことがある気がする」と言って、しかしそれを直視はしたくないらしく「何も思い出すべきことなんかない」と目をそらす。寝室を見て足が震えるシーンから察せられるものはありますが、察せられるからこそ、思い出さなくてもいいんだよと抱きしめてあげたくなるような儚くてもろい、魅力的な主人公なんだ瑠璃ちゃんは。

あと怖い存在が出てくる時のBGMがめちゃくちゃかっこいいので怖さに耐えつつ聞いてほしい。コミュニケーションが成り立たない不気味さもサイコーだった。

その強さを与えてくれた存在もまた正邪の基準で言えば「邪」であることの不幸さよ

この作品には「パパ」が二人出てきます。はじめは混乱するかもしれませんが、丁寧にすべてのエンディングを回収すれば何が起こったのか、パパとパパはどんな存在なのかおぼろげに把握できるはず。

幸せの形は画一的だけど不幸のあり方は多様であるみたいな言葉がありますが、私は「とはいえ不幸に突き進む道は典型的なものがいくつかある」と思っています。生まれてこの方異常な環境にいたから「正常」がわからないとか、過酷で異常な環境を正常であるととらえることでしかそんな地獄を生き延びるすべがないとか、そういったことの積み重ねが、地獄から這い出すための救いの糸を見えなくするのよね、きっと。見えない糸にすがることなんかできないもんね。

このゲームの主人公は「正常を知らず、以上を正常と勘違いすることでしか生き延びることができなかった」の典型だなあと思います。そんな救いのなさが私は悲しい。その意味でこのゲームは「そんな後味の悪さ」を楽しむゲームなんだと思います。そして私はそんなゲームが大好きです。

後半において瑠璃ちゃんは自分にさんざん暴力を振るってきたパパ①に反抗し、パパ①を拒否する強さを披露します。だけどその強さはパパ②によってもたらされたものであり、瑠璃ちゃんとパパ②の関係は、決して正常ではありません。だけどパパ②がいなければ主人公はずっと虐げられたままの生活をただ死なずに受け入れることでしか生き延びることができなくて、ああ~~~~結局なにも救われてない。私は主人公に幸せになってほしいけれど、どうやったら主人公が「正常な幸せ」を享受できるようになるのか全く分からない。そもそも他者の感じている幸福を正しいとか誤っているとか判断することほど傲慢なことはないんだよな。

まとめ 不穏と不幸を味わいつくそう

ホラーゲームにハッピーエンドを求める方が間違っていると言われればまあそれはそう。いろんな幽霊が出てきて怖い演出盛りだくさんで、、、っていうホラーゲームも好きだけど、私はこういうじっとしと嫌な感じが背中にへばりつくようなホラーゲームが大好きです。「牛乳を買いに行こう!」が好きな人ならきっとこのゲームも大好きなはず。月並みかもしれないけれど、生きてる人間が一番怖いんだよね。そんな怖さを噛み潰して「苦い……」と感じ、眉間に深いしわが刻まれるような、私にとっては超絶最高のホラーゲームでした。こういうゲームが増えてくれると私はとてもうれしい。

なんと次のホラーゲームも制作中のこと。とても楽しみだ。

もう一回ゲームのリンク貼るね。

それから、作者の方のSNSアカウントがこちら。

名前がホラーゲームのためにあるって感じでとても好きだ。

今月中にもう一回くらい何か怖いゲームやりたいな~!

それじゃあ、また今度ね。いい夢見てね! おやすみなさい。

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