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「なんにでも“お”がついていますわ〜!」231001摂取コンテンツ日記


柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』ハヤカワ文庫

葬式で流す音楽のセトリを決めておきたいという話の震源はどこだっただろうか。私が見聞きした限りでは匿名ラジオの中で出された話題だったように思う。そこから少しずらして走馬灯のセットリスト、いいタイトルだ。

まだ表題作まで読み進められていないんだけど、ひとつめの「オンライン福男」だけでもう最高に楽しかった。こういうネットミームの歴史みたいなやつ、ノンフィクションならもちろん好きだし、フィクションでもとても好きだ。インターネットで日々発生して消えていく文化や文脈のことをとても愛しているのに記録に残せないことをもどかしく思っているからかもしれない。なにがどんな理由でどうやって炎上し、忘れられるのか。歴史に残らない日々の記録だ。

なんとか記録を手元に残したくて、「こんにちのインターネット(ユリイカ2007年特集)」とか初音ミクの現在(2020年発行のなんかの雑誌の特集)とかを集めている。2ちゃんねるの歴史をまとめた本とかがあったら教えてください。

芦花公園「宇宙の家」UNEXT

電子版でのみ配信されている(?)短編小説。芦花公園の嫌な感じが圧縮した上で顔面パンチ! みたいな感じでとてもよかった。短いのは読みやすくていいね。珍しく美しすぎる存在が登場しなかったな。今日同作者の『パライソのどん底』を買ったので読むのが楽しみ。

鮎川ぱて『東京大学「ボーカロイド音楽論」講義』文藝春秋

タイトルの通り、著者による大学での講義内容をまとめたもの。発売されてすぐに一度読んだが、プロセカ3周年ということで特にここ半年プロセカを通していろんなボカロ楽曲を聴いたので再読し始めた。

どうして批評っていつもジェンダー論に触れるんだろうと不思議に思うのは、たぶん私が普段自分の性別やそれに対する他者の視線を無視している(無視できるレベルである)あるいはまったく気付いていないからだと思う。股間に余計なものがあるかないかの差しかないじゃないか、程度の認識でちゃらんぽらんに生きている。だから後半に進めば進むほどついていけなさを感じる……とはいえ、「批評」のとてもいい入門書でもあるように思う。人気のボカロ楽曲という誰でも5分ほどで楽しめるエンターテイメントをどうやって分析するのか、ワクワクしながら読めるとてもよい本だと思う。

その他日記

最近買った絨毯が本当に快適で、2年以上住んでいて初めて自分の部屋を「私の家だ」と実感できるようになってきた。絨毯の上で座るときはいつも正座なんだけど、足が痺れるのが少し面倒。でもあぐらとか立膝とかは行儀が悪いので苦手だ。

右の写真集を買うために、6kmほど歩いて隣の隣の駅にある本屋さんへ行ってきた。タイトルも写真家の名前も覚えておらずフェアコーナーにある陳列場所だけ覚えていた本で、そこがカレンダー一色になっているのを見て「やばい、やっちまった。もう二度とあの本に出会えないか大規模な書店で手当たり次第探すしかない……」としょんぼりしたけれど、コーナーごと違う場所に移されていた。暁光! 人々の「なにもしてないをしている」状態を素晴らしく切り取った写真ばかりなので無事買えて嬉しい。

タイトルは今日のジョー・力一の愉快な配信から。キリコ様のビンタゲームめちゃくちゃ面白かったので見てほしい。

そんなかんじ、ほいじゃまた。

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