見出し画像

「楽しかったと信じておきたい」230916摂取コンテンツ日記


二階堂奥歯『八本脚の蝶』河出文庫

外出のお供に持って行って、電車で適当に開いたページから読む始めることが多い。出版された日に買ってちょくちょく読んでいるけれど、いまだに読んでいないページがたくさんあるんじゃないだろうか。
元は同名のブログの文章で、著者の自殺によって幕を閉じている。このブログだけでなく二階堂奥歯と親しかった人々の文章を付け加えて紙に印刷したものが書籍版『八本脚の蝶』である。

http://oquba.world.coocan.jp/


ブログをまとめたものということで内容は日記なんだけど、どれだけの本を読めば、どれだけの思索を積み重ねたらこんな日記が書けるのだろうと圧倒されつつ、著者の乙女な振る舞いがかわいらしくもあり、それ故に幕の引き方が悲しくもある。

新城カズマ「月を買った御婦人」「世界終末ピクニック」「アンジー・クレーマーにさよならを」(伴名練・編『日本SFの臨界点 新城カズマ』早川書房 収録)

「月を買った御婦人」はたぶん竹取物語がほんのちょっと下敷きとして使われているようで面白かった。「アンジー・クレーマーにさよならを」はふたつの物語が並列して進行する構造と、女の子たちの振る舞いや仕草、SFならではの情報社会の描写がとても好きだった。「世界終末ピクニック」は短いながらも「あ、世界終わっちゃったね(クスクス)」ってかんじ……なんだろうな、世界の終わりがとても軽やかに描かれていたのが気に入った。どれも短編で読みやすいけどしっかりSFやってて、大満足でした。

三津田信三『わざと忌み家を建てて棲む』中公文庫

『どこの家にも怖いものはいる』から始まる家シリーズの第二弾を読み始めました。やっぱりいろんな形式の文章(日記や新聞記事、伝聞の記録)が寄り集まってイヤな結論に集まっていく過程はとても楽しい。特に最初の日記のだんだん日常に何かが入り込んできてしまっている感じが好きだ。読み進めます。

三井記念美術館「超絶技巧、未来へ!」展

早めに起きれたので行ってきた。サムネにある白いお花は鹿の角を削って作られており、底の方を水に浸けると少しずつ花びらが開くらしい。すごい。

ほかにも「なんで普通の絵が展示されてるんだろう」と思って近付いてみたら刺繍だったり、螺鈿でめちゃくちゃ細かい数字をいっぱい刻んであったり、一枚の木から水滴や蝶を掘り出したり、「なんでそんなことしようと思ったん???」なすごい技術の結晶がたくさん展示されていた。

なんとこれは焼き物の集合らしい。ど、どど、どうして?

三井記念美術館の建物自体も面白くて満足でした。途中から調子が悪化して展示を見ても「へー」以外に思うことがなく、脳みその9割は「今すぐ死なせてくれ!」という思考に割かれていたのでその点が少し残念だけど、まあそういう時もあるというかこれが通常モードなので仕方がない。それでも楽しかった、と思う。

なんかでっかい書庫への扉もあった
お隣三越の建築もよかった

各地アンテナショップ

日本橋はいろんな地域のアンテナショップが多く、疲れつつも何店か入ってウロウロするだけでも楽しかった。東京のスーパーじゃ見られない食材を見るのが楽しい。

そんな中、新潟(だったっけな……)のアンテナショップに素晴らしくかわいいカンカンに入ったクッキーを売っていたので思わず買ってしまった。これ別に地域とかもう関係ないだろと思いつつ缶もクッキーも美味しそうで、食べるのが楽しみだ。久しぶりに紅茶でもいれようかしら。

その他日記

最初から言っているようにここ数日は疲れ果ててしまっており新しいコンテンツを受け入れる精神的な余裕がない。新しい本を読むのが正直つらい作業になってるんだけど、それでも本を読むのはアイデンティティに深く食い込んでしまっているので読むしかない。ゲームもこないだ買った十三機兵防衛圏を起動すらしないままになっている。まあ焦ってもいいことないのでしゃーなし。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?