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万津人 YOROZU ZINE

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街は人の声に満ちている。 この街で生まれた人。この街を旅立った人。 ある時この街にやって来て暮らしはじめた人。 この街と共に生きる人。通り過ぎる人。 佐世保市の玄関口、万津6…
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万津人0007:川村吉保

万津町、昔ながらのたばこ屋さん。 昭和24年生まれ。名前は、川村吉保。吉と書いて、ヤスは、佐世保の保。俺は万津の人じゃなかけん。生まれたのは駅の上やね。白南風小学校、山澄中と。それで(佐世保)工業に行って、〈ダイキン〉に入った。 ここのたばこ屋はね、昔、佐世保港湾運輸っていうのがあってね。その佐世保港湾運輸の初代社長が、親父やったんすよ。で、戦時中、戦後間もない頃にね、佐世保の入り口のところで、塩を載せた船を転覆させたとよ。そういう事故があった。その頃の塩は専売品で、非常

万津人0008:兼松卓也

工場の仕事を辞め、アパレルの道へ。 兼松卓也です。1983年生まれですね。生い立ち……高校からでいいですかね。地元がずっとこっちで、小中高ずっとこっちで、高校卒業して、まぁ高校が工業高校だったから、そのまま何もわからず就職活動して、その流れで普通の工場に勤務して。 そこが三交代制の工場で、6年くらい働いてて、まったく喋らない仕事。もう、目しか明いてない、マスクして、黙々とする作業工程で、もうずっとこのままなのかと、どうなるんだろうと思って、将来とか。楽しくないし、もちろん