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ハムバッカーは 500kΩ、シングルは 250kΩの謎

今回の記事も「コンデンサ」や「POT」を高級品に変えて音の違いを楽しむ皆様にとっては不愉快な話かもしれません。これは先にお断りしておきます。

エレキギターのパッシブ回路を配線した経験のあるかたはご存じと思いますが、VOLUME や TONE をコントロールする ポットの定数が ハムバッカー 500kΩ、シングルコイルは 250kΩという暗黙のルールがあります。TONE 回路のコンデンサの定数も 0.025μF (多くは0.022μF で近似) と  0.050μF(多くは0.047μFで近似) の2種類です。

実はこのルール、ただのガイドラインですので、ピックアップとポットの間で何が起きているかを正しく理解すれば忠実に守る必要はありません。個人的にはエレキギターが生まれて50年超(もっとかな?)、音色を追求する数多くのクラフトマンがこのルールを頑なに守り続けているのがよく分かりません。一部 300kΩや 550 kΩ のように少しだけ違うものはありますが根本的にあまり変わっていませんね。

さて、まずはピックアップと VOLUME ポットの関係を考えてみましょう。

1ピックアップ と 1 VOLUME の一般的な配線は以下になります。ピックアップはコイルの成分インダクタンスと直流抵抗値の直列であることは前回のシールドケーブル〜にて説明していますので興味のある方は前回の記事を参照してください。厳密にはこの先に接続するシールドケーブルやアンプ、エフェクターの入力インピーダンスも影響しますが、傾向は同じですのでとりあえず省いて考えます。

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