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プリアンプ回路をつくってみる1

しばらく、間があいてしまいましたが note 更新です。読者の皆様お待ちいただきありがとうございます。

今回は実際にこれまで解説してきた記事+αの内容で実用的なプリアンプをつくってみようかと思います。電子回路はあれこれ読んで覚えるのもいいのですが、実際作ってみて、なんかうまくいかなくて、うまくいかない原因を追求して、解決するってサイクルが一番効率よくノウハウを身につけられるかと個人的には思います。関係ないですが、これは私がたまに学んでいるソフトウェアプログラミングも同じです。どんな業種のどんな技術も実践が一番かもしれませんね。

今回は、あくまで回路を書くところまでの解説にします。実際は部品を実装したり半田付けしたりといった作業が必要です。

例えば、ネットで見つけた回路図をそのまま実装してオリジナルエフェクターを作っている皆様には是非この内容を理解していただき、自身のオリジナルな設計を実践していただけると嬉しい限りです。

相変わらず寄り道だらけで本筋がわからなくなりそうな説明ではございますが、寄り道も何かのヒントになるかもしれませんので、興味のあるかたはさらっと読んでみてください。プリアンプ設計は2回に分けての解説にさせていただき、今回は準備〜電源回路設計までの内容になります。

まずは製作するプリアンプの最低限の仕様を決めていきましょう。必要となる仕様はざっと以下にまとめてみます。

コントロールは GAIN VOLUME の2つ
入力インピーダンスが 最低 100k、できれば300kΩ以上
出力インピーダンスは1〜10kΩ
利得は 最小 0dB、最大40dB程度
006P 9V 電池で 8V まで電圧が下がっても使用可能
使用するオペアンプは1パッケージのみ

実際慣れている回路設計者はいきなり回路図を書き始めることが多いですが、そういった方々はとりあえずこれくらいのことはあらかじめ想定しています。私自身も実はいきなり回路を書くことのほうが多いです。面倒な場合は回路図を書かずにいきなり配線することも結構あります。

でも、そういった場合はこの仕様の項目だったり回路図が頭の中にあるので紙やディスプレイに出力していないだけです。自身が何を作りたいのか、作り始めるまえにまとめておくのは大切なことですね。

回路を書く手順は人によって様々ですが、私の場合はまず回路機能の全体像を頭の中で描きます。具体的に表しにくいのですが、以下の図のようなイメージです。

回路ブロックイメージ

イメージ図書けたら、図の丸で囲んである各ブロックに分けておいた回路をそれぞれ書いて繋げていきます。私は最初に電源回路を作成し、入力→出力 の 流れにそって順番に作成することが多いです。今回の"信号処理段"はただのバイパスです。

では早速電源回路を作成していきましょう。今回は9V DC 電源が電池やアダプターから供給されますので、それほど考えることは多くありませんが何もしなくていいわけではありません。

必要な設計をざっと以下にまとめます。

・逆接防止ダイオード
・安定化コンデンサ
・DCバイアス回路 

とりあえずDCバイアス回路 を除いた回路は以下です。 説明を簡素化するためにDCバイアス回路はあとで追加します。

プリアンプ電源回路

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