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プリアンプを作ってみる2

回路ブロックイメージ

さてお待たせいたしました。前回の続きです。相変わらずの寄り道っぷりで当初の予定よりだいぶ長文になってしまいました。

今度はついに信号ラインの設計です。まず図の「入力段」の設計に入りましょう。いきなりですが、以下の回路で構成することにしました。

プリアンプ初段回路

まずそれぞれの素子の役割ですが、ざっくり以下の働きをしています。

R1:これはのちほど説明します。
R4: 入力された交流信号に信号に直流バイアスを与えます。
C3: R2で与えられた直流バイアスをカットします。
C4:信号のみを増幅するため直流バイアスをカットします。
R5:R6:オペアンプ: 信号を増幅します。

まずは R4 を説明します。前に信号に直流バイアスをかけるというお話をしていますが、まさにこの抵抗がその役割を果たします。R4 は 前回の 電源回路で作った4.5V バイアスに向けて直接接続しています。この回路でR4 にはほとんど電流が流れずR4の両側はほぼ電圧が変わらないことから、A点の直流電圧が4.5V に固定されます。これで入力された信号が 4.5V を中心に上下する信号に変わります。この定数は小さいほうが安定しますが、後に説明する入力インピーダンスと低音部のカットオフに大きく関わるためにあまり小さくはできません。とりあえず1MΩとします。

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