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【感想】デリシャスパーティ♡プリキュア第35話 誰も犠牲にならない共同体を目指して

単刀直入に言うと、プリキュアメンバーや両親、そしてパムパムのことが大好きなここねちゃんが尊いです。何故かというと、4話でゆいちゃんと交流するまでは常にひとりで、正直周りの人に興味はないと思っている子でした。しかし、プリキュアになってゆいちゃんと関わり、らんちゃんとも接触し、ここねちゃんは変わっていきました。9話ではらんちゃんとの衝突を乗り越え、自分の良さと相手の良さを活かす『合わせ味噌』の考え方を知り得ました。そこからここねちゃんの世界観はどんどん変わっていき、『ひとり』ではなく『みんな』を意識するようになります。ですが、15話ではその考えを強く意識しすぎてしまい、自分が疲れ切ってしまいました。そのとき、ここねちゃんは轟さんの助言を受けて『ひとり』の良さも再確認しました。その後あまねちゃんが仲間に加わり、20話では『自分が両親から大切なものを受け取っている』ことに気付きます。23話では、長年の両親との未練を解決し、両親との距離を縮めました。

今回、「引っ越すかもしれない」という事実を知ったここねちゃんが真っ先に考えたのが「今、自分がプリキュアを抜けてしまったら…」ということでした。4話覚醒前のここねちゃんなら、自分が1つのグループを脱退することに対し、果たしてそう考えたでしょうか。プリキュアになったことをきっかけに、『みんな』や『両親』のことが大好きになったここねちゃん。自分自身の中で『みんな』という存在が大きくなって葛藤し、結論を導いたここねちゃんにプリキュア シリーズでもトップクラスの成長を感じてとにかく尊いです。

プリキュアシリーズではれいかちゃんやまどかさんなど、人生のターニングポイントに立たされるキャラは何人かいました。今回、ここねちゃんも人生のターニングポイントに立たされたと言っても過言ではないですが、私はここねちゃんは彼女たちとは違う結論を導いたと思っています。先述したキャラたちは「留学するかしないか」、いわば「白か黒か」の選択でしたが、ここねちゃんは「引っ越すか引っ越さないか」という2択から答えを選んだわけではありません。自分は引っ越したくない。けれど両親とも一緒にいたい。でも両親の夢を邪魔したくはない。その思いの先に、今回のラストがあったのだと考えています。それはここねちゃんが周りの人のことが大好きで、周りの人もここねちゃんが大好きだからこその展開です。デパプリらしい『合わせ味噌』の選択。あたたかくて、素敵なストーリーだったと感じました。

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