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日本株式市場の急変動とその背景

2024年8月初旬、日本株式市場は大きな値動きを見せ、多くの投資家が驚きました。特に8月5日(月)には、日経平均株価が前週末と比べて12.4%も下落し、31,458円42銭にまで下がりました。この下落幅は過去最大級であり、日本版「ブラックマンデー」とも呼ばれる事態となりました。今回は、なぜこのような急変動が起こったのか、その背景を初心者の方にもわかりやすく解説します。

1. 日経平均株価の急落とその理由

2024年8月5日、日経平均株価が急落しました。この急落の大きな原因は、為替市場で円高が進行したことです。7月末には1ドル149円98銭だった米ドル円の為替が、8月5日には1ドル141円70銭にまで円高が進んだのです。

2. 円高が進んだ3つの要因

円高が進行した背景には、次の3つの主要な要因があります。

  • 日銀の利上げ決定: 7月に日銀が金融政策決定会合を開き、予想外の利上げを決定しました。これにより、円の価値が上がり、投資家は円を買う動きを強めました。

  • 米国の景気後退懸念: 米国では、7月の雇用統計が発表され、失業率が上昇しました。このため、アメリカの景気が後退するのではないかとの懸念が高まり、ドルの価値が下がり、円高が進みました。

  • 円キャリートレードの影響: これまで、低金利の円で資金を調達し、高金利のドルで運用する「円キャリートレード」という取引が行われてきました。しかし、円高が進むとこの取引の利益が減少し、投資家たちは取引を解消し始めました。これがさらに円高を進行させる結果となりました。

3. 日銀副総裁の発言で市場が安定

8月7日には、日銀の内田副総裁が「市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と発言し、早期の追加利上げの観測が後退しました。この発言により、円高の進行が一時的に収まり、株式市場にも安定感が戻りました。

4. 米国景気の動向に注目

今回の急激な円高と日本株の急落は、アメリカの景気後退懸念が大きな要因となっています。米国の失業率が上昇し、景気が悪化する兆しが見え始めたことが、為替市場と株式市場に影響を与えています。今後も米国の経済指標に注目しつつ、慎重な投資判断が求められます。


以下のグラフは、2024年1月から8月までの日経平均株価と米ドル円の動きを示しています。このグラフを見ると、日本株式市場と為替市場の変動がどのように関連しているかが一目で分かります。


参考グラフ: 日経平均株価と米ドル円の動き

このように、日本株式市場の急変動は、国内外のさまざまな要因が影響し合って起こります。初心者の方は、短期的な市場の動きに一喜一憂するのではなく、長期的な視点で冷静に判断することが大切です。市場の変動に備え、分散投資やリスク管理をしっかり行いましょう。



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