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Power Rangers / パワーレンジャーについて語らせてくれ!

Power Rangersにハマっています。
突然ですが今日はパワーレンジャーについて語らせてください。

そもそもPower Rangersとは

Power Rangers / パワーレンジャー とは、日本のスーパー戦隊をアメリカで再展開した特撮ドラマシリーズです。
TV Shows - Characters, Videos, and Pictures - Power Rangers
戦隊や敵のスーツデザインなどはそのままに、ストーリーやコンセプトなどは独自にアレンジされています。
例えば、最初のパワーレンジャーシリーズ「Mighty Morphin Power Rangers」は日本の「恐竜戦隊ジュウレンジャー」がベースとなっていますが、従来はドラクエのようなファンタジックなお話だったのが「普通の高校生活を送っていた5人のティーンエイジャーが不思議な力を授かり戦士となる。学校生活に戦士としての使命に大忙し!」と大きくアレンジされています。また、メンバー構成もジュウレンジャーは男性4名女性1名のチームでしたがパワーレンジャー版では様々なルーツを持った男性3名女性2名の構成になっています。
実際に見てみると「そうアレンジするんだ!!」とびっくりするポイントが多々あり、そこがまた日本の特撮オタク的に見ると面白かったりします。

映像は(時代にもよりますが)戦闘シーンやロボットが活躍するシーンは日本の映像を編集して使用しているケースが多いです。近年は戦闘シーンは現地で新撮・ロボットシーンは日本の映像の流用という組み合わせが多いようです。
日常パートおよび戦闘シーンの吹き替えはアメリカ版の役者さんで撮られていますが、そういった映像編集上の工夫にも「はぁ〜なるほどそう切り貼りするんか…」という驚きがあって楽しいです。
また、ロボット戦シーンの映像制作や、毎週異なる怪人をデザインしてスーツを制作することは実はとても難しいことで、日本の東映のノウハウや技術力の高さがあるからこそ為せる技だということも、パワーレンジャーを楽しんでいる中で初めて知ったことです。
実は私たちはものすごいものを毎週見てたんですね。すごいぞ東映、すごいぞスーパー戦隊。

アメリカでどのくらいパワーレンジャーが文化的に浸透しているかというと、近年の事例では2019年にマクドナルドのHappy Meal(日本でいうハッピーセット)の40周年記念復刻おもちゃのひとつに選ばれていたり…
McDonald's Surprise Happy Meal: Retro toys return Nov. 7-11
同じく2019年、ニューヨークで開かれたメイシーズのサンクスギビングデーパレードのバルーンとして登場していたり…
第93回メイシーズサンクスギビングデーパレード。強風にめげずバルーンが行進【写真】 - mashup NY
Macy's Thanksgiving Day Parade - Info & More - Macy's
といった感じです。
Mighty Morphin Red Ranger(日本ではジュウレンジャーのレッド、ティラノレンジャー)がHappy Mealではミッキーマウスやハローキティと、パレードバルーンではドラゴンボールの悟空やピカチュウ、アナ雪のオラフと肩を並べています。

ジュウレンジャーの再展開として1993年に始まったパワーレンジャーシリーズですが、現時点で2021年の放映予定まで発表されています。
ゴーカイジャー以降は変則的になってますが、去年と今年はゴーバスターズがベースのPower Rangers Beast Morphersが放映されており、そして次回作としてリュウソウジャーがベースのPower Rangers Dino Furyが控えています。
何気にご長寿シリーズなパワーレンジャーですが、実は制作会社遍歴がかなり複雑で、一時はあのディズニーが権利を持っていた時代もあるそうです。現在はアメリカのおもちゃ会社のHasbroが所有しています。
このあたりの話も面白いのでぜひWikipediaを読んでください。
パワーレンジャー - Wikipedia
ちなみにディズニーが権利を所有していた時代はアメリカのフロリダにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのディズニー・ハリウッド・スタジオでグリーティングイベントも行われていたようです。

ディズニーランド名物のフロート(山車)に乗って爆音テーマソングと共にやってきて写真撮影やサインに応じている様子が撮影されています。サインしてくれるのがいかにもディズニーランドにいるディズニーキャラっぽい振る舞いですよね。
現在はこのイベントは行われていないようなので残念です。
日本の特オタ的には本当にうらやましいイベントでしかないです。しかもチームごちゃまぜで豪華だし。

特撮テレビドラマシリーズの他、漫画版やゲームなども出ています。
漫画版はまさにアメコミ的なスタイルで複数シリーズが展開されています。
MIGHTY MORPHIN POWER RANGERS - BOOM! Studios 
私もまだあんまり把握しきれていないんですが、どうやらパワーレンジャーはシリーズ同士でつながりがあるらしく、漫画版ではその設定がフルに活かされて様々なチームのメンバーが時空や次元を越えて大活躍する…という内容のようです(MIGHTY MORPHIN POWER RANGERS)。
また、Mighty Morphin Power Rangersたちが学校生活に親子関係に恋に悩みながらも戦士としての活躍する様を描く…といったティーンドラマを軸とした漫画シリーズもあります(GO GO POWER RANGERS)。こちらのシリーズはハワイ旅行の折に本屋さんで購入して以来ちょっとずつ読み進めてます。

ゲーム版の話題も見逃せません。
こちらは北米市場でリリースされた格闘ゲーム「Power Rangers: Battle for the Grid」。

日本でもおなじみのキャラクターもパワーレンジャーのオリジナルキャラも入り乱れてて大乱闘面白動画になっちゃってますね。
プレイアブルキャラとして(日本版における)理央様やマジマザーがいるのが激アツですね。レッド不在でそこプレイアブルなんだ。
パワーレンジャーファンの特徴として追加戦士とヴィラン(悪役)を異様に支持しているという点があるのですが、ゲーム版のキャララインナップにもそういった背景が反映されている形跡がありますね。
今後のアップデート予定のラインナップもアツいんですよね。殿は殿でもそっちの殿なんだ!ってびっくりしました…。

スマホ向けに展開されている「Power Rangers Legacy Wars」もすごいんです。
Power Ranger Legacy Wars
こちらも格闘ゲームっぽいんですが、こっちもこっちでキャラのラインナップが魅力的すぎるんですよね。
日本にも進出してほしいです…!!

日本の戦隊ファンからしたらこれらのキャラクターがプレイアブル…つまりは自分の操作で動かせるというのが魅力的ですし、何より3Dでかっこよく動くというのも感動モノです。

グッズも子ども向けからマニア向けまでガッツリ販売されています。
日本と同様、毎シリーズごとに武器やアパレルなどのなりきりグッズや人形などが販売されています。
最近は権利元であるHasbroが「Lightning Collection」というシリーズで歴代パワーレンジャーの可動フィギュア(腕や足などを自由度高めに動かせるフィギュア)やレプリカヘルメット・武器を販売しており、ファンの間で話題になっています。
Power Rangers Lightning Collection - Hasbro Pulse
日本では現在入手困難、もしくはそもそもグッズ化の機会が少なかったキャラクターのグッズもあるんですよね…!
そしてなんといっても、日本バンダイの可動フィギュアブランド「S.H.フィギュアーツ」は現在、特撮系でいうと仮面ライダー中心のラインナップとなっており、このボリューミーなサイズ感の戦隊フィギュアというのはそれだけでレアなんですよね…。
また、変身前の素の顔のヘッドパーツがつくというのも日本ではレアケースな気がしますよね。日本だとプレミアム特典として付属したりしますが、LCは毎回付属しています。

このシリーズで今後発売が予定されている「リタ・レパルサ&ロードゼッドパック」もやばいです。
Hasbro Reveals Power Rangers Lightning Collection ‘Wedding of Lord Zedd and Rita’ GameStop Exclusive Two Pack
リタ・レパルサとはジュウレンジャーの宿敵・バンドーラのパワーレンジャー版の名称で、隣のロードゼッド(ゼッド卿)はパワーレンジャーオリジナルの敵キャラです。
2人は夫婦(!)なんですが、その結婚25周年を祝してのフィギュアセット販売だそうです。銀婚式ですね!
バンドーラ様のフィギュアですよ!?しかもLightning Collectionは可動フィギュアシリーズなので、こちらのフィギュアももちろん自由に動かせます。
LCはフィギュアーツほどの関節のなめらかさはないものの、やはりラインナップが魅力的なんですよね…。

ゲームの話で「ヴィランも人気がある」と述べましたが、グッズ展開にもそれが反映されています。
上記Lightning Collectionにもヴィランがラインナップされている他、子ども向けのおもちゃでもヴィランの人形が販売されているようです。
日本だとウルトラマンの怪獣はそういうポジションですが、戦隊ではなかなかないですよね…!
毎週登場するいわゆる「幹部」「戦闘員」はもちろん、

少なくとも日本版では1回きりの登場のはずの「怪人」まで…!デーボ・スポコーン!デーボ・スポコーンじゃないか!なんで商品化されてるんだよ!1回しか出てないはずなのに!

子ども向けのおもちゃとして戦隊ロボ(パワーレンジャーでの名称はMegazord)の人形も出ているんですが、いやデカすぎるやろってぐらいデカい上にばっちり幼児向けにアレンジされてたり日本版からすると設定が変わってたりとこちらも面白いことになってます。
見た目はガオレンジャーのガオキングらしいのですが…なんと変形ギミックがですね………。
商品写真欄からぜひCM動画もご覧になってみてください。

おもちゃの話題でいうと、過去にアメリカバンダイから発売されていた「Legacy Collection」もはずせません。
残念ながら現在はデッドストック品や中古品しか出回っていないのですが、かつてLCと同じような可動フィギュアとして販売されていました。
これがまたアメリカンデザインといいますか…男性キャラは腹筋バキバキ筋肉ムキムキのマッチョに、女性はボン・キュッ・ボンのセクシーダイナマイトバディとして造形されています。
Legacy Collection | RangerWiki | Fandom
しかし、かえってこの造形が味があると思いませんか?!
特にPower Rangers Ninja Storm / ハリケンジャーのシルエットがこのシリーズの真髄だと思っています。旦那さんが所有していたので借りて撮影してみました。腹筋、背筋、臀筋群、脚線美、ウエストライン…美しいボディラインをご堪能ください。

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現在の権利元であるHasbroは前述のとおりおもちゃ会社で、パワーレンジャー以外のコンテンツとしてはスポンジ弾エアガンのNERFやトランスフォーマー、マイリトルポニーなどを扱っているそうです。
NERFを扱っている経緯からか、パワーレンジャーの武器のNERFも販売されていたようです。
こちらはPower Rangers Beast Morphers / ゴーバスターズのアイテムで日本版のモーフィンブラスターにあたる武器なんですが、実際にスポンジ弾を撃つ様子も撮影されています。

スポンジとはいえマジで撃てるやつを出しちゃうのがすごいですよね。
HasbroはWikipediaによるとマテル社と並んでアメリカを代表する玩具メーカー…ということですが、このマテル社はバービーやホットウィールなどを扱っている会社だそうです。
この辺、キャラクタービジネスとメディアミックスに強いバンダイと、リカちゃんやトミカ・プラレールなど確固たるブランドを持つタカラトミーの関係性に似ていると感じたのですがどうなんでしょうか。

パワーレンジャーのここが面白い!ここが好きだ!

本編をDVDでちょっとと漫画版、あと残念ながら数ヶ月前に日本での公開が一部制限されたオフィシャルYoutubeチャンネルを見て、あとはWikiの情報などで補完しているような状態ですが愛を叫びます。

まずは役者さんの魅力が素晴らしいです!
「変身前の状態でそんなことできるの!?」という方が多くてびっくりしました。
例えば、Mighty Morphin Red Ranger(ティラノレンジャー)ことジェイソンはもともと高校生ながら空手の達人という設定なのですが、第1話からビジュアルがもはやストリートファイターのリュウかよってレベルで全身ムキムキなんですね。
変身前からハイキックも回転キックもお手の物なのですが、第2話で「ジェイソンが別の男性を肩車し、肩車された男性の足首に別の女性が両手でつかまり、竹とんぼのような状態になってジェイソンは軸としてブンブン回転して周りの敵を蹴散らす」という大技を決めます。変身前の状態で!
同じチームのMighty Morphin Pink Ranger(プテラレンジャー)ことキンバリーは体操、特に平均台が得意な女性という設定なのですが、こちらも戦闘シーンだろうと日常パートだろうとサラッと美しいフォームでバク転を決めるのでかっこいいんですよね!

そしてパワーレンジャーシリーズを語る上で欠かせない存在がトミー・オリバーです。
Tommy Oliver - Wikipedia
彼はMighty Morphin Green Ranger(ドラゴンレンジャー)として登場しました。日本版のストーリーと同じく、いわゆる「追加戦士」です。
この登場にアメリカの子どもたちは熱狂したそうで、なんと当時のアメリカの子供番組史上で最高の視聴率を記録したそうです。
かっこよくてアクションもできてリーダーシップもあるトミーはまさにスーパーヒーローで、スターダムを駆け上がっていきました。
Mighty Morphin Power Rangersシリーズ中ではなんと追加フォームとしてWhite Ranger(ダイレンジャーのキバレンジャー)へ変身する力を得ます。
えっ!?ドラゴンレンジャーからキバレンジャーになれちゃうの?シリーズ違うじゃん。でも変身できちゃうんですトミーなら。その結果、ジュウレンジャーの初期メンバー5人とキバレンジャーの6人編成という謎のチームが爆誕します。ドリームチーム感がすごい。
さらに後に続く新シリーズPower Rangers Zeo / オーレンジャーでRed Ranger(オーレッド)となり、レッドの座すら射止めます。
さらにさらに次シリーズPower Rangers Turbo / カーレンジャーではRed Ranger(レッドレーサー)となります。ちなみにこの間トミー以外のメンバーは代替わりをしていたりします。そう、トミーが人気すぎたためか、続投につぐ続投をやってのけているのです。
さらに、時は流れてPower Rangers Dino Thunder / アバレンジャー… Mighty Morphinから約10年の時を経て、トミーはなんとBlack Ranger(アバレブラック)へと変身するのです!!
日本の戦隊でも複数のヒーローを演じた方はいらっしゃいますが、設定上は「他人の空似」、つまり役者さんは共通でもキャラクターとしては別々となっています。
しかし、トミーは1人で5タイプのヒーローに変身できる設定を持った男なのです!
1人ゴーカイチェンジ男、それがトミー・オリバーだ!
彼はパワーレンジャー25周年記念としてPower Rangers Ninja Steel / ニンニンジャーにゲスト出演した際、これらの変身を披露しています(オフィシャルの映像を貼っておきます)。

しれっとカクレンジャーのパワーも持ってるのでこんなこともできます。"もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな"状態ですね。

あー、かっこいいー!!
トミーの圧倒的なパワーももちろんかっこいいんですが、この「かつて活躍したレンジャーたちがピンチの時に手を貸してくれる」展開、そして全員で変身するシーン、マジで激アツですよね…!

漫画版ではオリジナル要素としてロード・ドラッコンという悪役が登場し、平行世界のトミーの闇落ちした姿として立ちはだかります。
プロモーションムービーでは、Green RangerとWhite Rangerを合体させて闇感を足したデザインのドラッコンスーツをまとい、玉座に君臨しているトミーが描かれています。

こんなたくさんの魅力を持つヒーロー・トミーですが、演じているジェイソン・デビッド・フランク氏はWikipediaによると"4歳からレッドドラゴンカラテを学び、12歳で黒帯を取得。18歳で通っていた道場のオーナーとなる"という経歴の持ち主だそうです。少年漫画かよ。そこからアクションドラマスターになるわけですからやっぱり少年漫画ですわ。

前述のフィギュアシリーズLightning Collectionでもトミーが担当したレンジャーのフィギュアは続々発売されています…が、なにせ担当しているキャラ数が多いために「変身前の素顔のヘッドパーツも付属する」LCのコンセプトと合わさった結果、新しいキャラを発売しても発売しても毎回トミー・オリバー・ヘッドパーツが付属するような状態になっています。髪型など微妙な差異こそあれ、トミーはトミーです。
そのため、Power Rangers Zeo / オーレンジャーのフィギュアについてはZeo Gold Ranger(キングレンジャー)の次に発売されたのがZeo Blue Ranger(オーブルー)となっています。レッド出すとまたトミーヘッドになっちゃうからね。…とはいえ追加戦士の次に出るのがレッドじゃなくてブルーって何事!?って感じですよね。そんなことある?

Mighty Morphin Power Rangersも放映開始から27年が経っているわけですが、いまだに「パワーレンジャーといえば!」というアイコン的な役割を果たしているように思います。上記で述べたメイシーズのパレードのバルーンとかまさにそうですよね。
パワーレンジャーのグッズやメディアミックスがあれば必ずMighty Morphinチームが入ってきています。
ジュウレンジャーは前後のジェットマンやダイレンジャーに比べてデザインがプレーンな気がするので、そこが「定番」として定着した理由なのかなーと思います。
また、この世界的な「おうち時間」の中で、パワーレンジャーオフィシャルはFacebook上でぬりえをプレセントしてくれたんですが、まさかの現行最新のレンジャーではなくMighty Morphinチームのぬりえでした。
Here are some Mighty Morphin Power Rangers coloring pages for you - Facebook
しかしこのぬりえ、収録順をよく見るとGreen Ranger(トミー)→White Ranger(トミー)→番組ロゴ→Red Ranger(ジェイソン)→... となっています。
トミーがいかに番組の顔であるか、ということがわかるエピソードですね。逆にいえばレッドが追加戦士と追加戦士の追加フォームと番組ロゴに押しこまれて後ろになっちゃってるのかわいそうすぎる。

映像面についても語っていくと、まずロケ地が広大!壮大!どこだよここ!というような大渓谷や砂漠でのロケがあり、日本ではなかなかお目にかかれない映像表現になっていると思いました。
日本では採石場が特撮のロケ地としてド定番ですが、パワーレンジャーではガチの岩山で撮っているシーンもあってびっくりしました。
また、現在視聴しているPower Rangers Lightspeed Rescue / ゴーゴーファイブでは、レスキューチームであるレンジャーたちが現場へ急行するためにオープンカータイプのジープに乗るんですが、これがまたありえん横幅のモンスタージープなんですよ!
power rangers lightspeed rescue jeep car - Google 画像検索
上記に出てくる黄色い車ですね。
こんな化け物みたいなクソデカジープが成人5名を乗せてギュイギュイ言いながらやってきて現場にドリフトでインしてくるわけです。かっけー。

日本との文化的な違いとして面白かったのは1995年の映画版「パワーレンジャー・映画版」でのワンシーン、レンジャーたちが試練を乗り越えてさらなる力"ニンジェッティパワー"(元ネタはカクレンジャーの力)を授かるというところで、それぞれ鷹・猿・鶴・狼・熊・蛙モチーフの力を得るのですが、そこで蛙の力を授かったキャラが「なんで蛙…?」ってなるんですね。
忍者と蛙、要は自来也っていう概念を知らないとたしかに「蛙……なんで自分だけカエル…?????」ってなっちゃうよなーって気づきが面白かったです。他の動物が強そうだったり賢そうだったりするだけに。
それに対して力を与えた女神っぽいキャラが「蛙はキスで王子様に変わるから」とドチャクソ強引なフォローをしてて「すごい!日本の不思議ポイントを西洋のおとぎ話で埋めるなんて!!」ってちょっと感動しました。

映画の話でいうと2017年版映画「パワーレンジャー」はこんなにパワーレンジャーにハマる前に見たので、「えっ、こんな暗い感じなんだ…?」と戸惑いました。
2017年版はチームメンバーの細かな設定が入れ替わっていたり変更されていたりしますが、基本的にはMighty Morphin Power Rangersをベースとしていることが今なら理解できます。
2017年版はとにかくレンジャーたちがティーンエイジャーらしく自分の境遇とか人間関係とかにめちゃくちゃに悩みまくるシーンが多く、それがゆえに全体的にずっと暗いんですよね。
映画館で見た当時は「監督的には『俺は戦隊を子ども向けドラマではなく人間模様を描いたディープなドラマとして見てるからな!』ってアピールなんだろうか…」と推察していたのですが、今考えてみるとおそらく漫画版の「GO GO POWER RANGERS」の流れをくんでのお話だったのかなーと思いました。
漫画版もけっこう暗くて、親子関係に悩んだり親が離婚したりとレンジャーとしての使命以外のところでもみんなやたらめったら苦労しているんですよね。
その辺の要素が2017年版映画にも反映されていたのかなーと今では思っています。とはいえ何も知らずに見たので「戦隊のはずなのに…爽快感があんまりない…!」と思ったのは事実です。映画館出た後のエレベーターの中で特オタっぽいお兄さんが「名乗りやらなかったね…やらないんだね…」と話していたのが印象的でした。今なら言える、テレビシリーズ版も見よう!変身後の決めポーズもやるからちゃんと!(なぜなら日本の映像を流用しているから)

パワーレンジャー版のオリジナル要素としては「パワーアップ装甲」も見逃せません。アレ、正式名称なんて言うんだろう。
主にレッドがパワーアップした姿としてバズーカ砲とかレーザーとか背負ってムチャクチャな姿になる強化形態らしいんですが、デザインがとにかくイカしてるんですよ!
Power Rangers Lost Galaxy / ギンガマンでは、日本版では自然や動物モチーフでナチュラルなイメージだったのにパワーレンジャー版ではバリバリにメカパーツ背負ってるので面白いことになってます。
power rangers lost galaxy red armored ranger - Google 画像検索
イチオシはPower Rangers Samurai / シンケンジャーのパワーアップした姿ですね。Shogun modeだそうです。
power rangers samurai shogun - Google 画像検索
マスクに口ができててびっくりしちゃいますが、甲冑だけに漢字の「甲」をモチーフとした肩や胸の装甲がめちゃくちゃ神デザインになってます。
頭部の兜もマスクデザインを踏襲して「火」の字をかかげているのが良いですねー。めちゃかっこいいしおしゃれ!!

【2020/06/20 追記】
上記パワーアップ形態、「バトライザー」という名称(カテゴリ)だそうです。
バトライザー (ばとらいざー)とは【ピクシブ百科事典】

本編はもちろんみんな英語でしゃべってるのでDVD買っても自力で聞き取るしかない状態なんですが、見てるうちに聞き取れるようになるやろ〜と気楽に構えています。残念ながら英語字幕もついていないので…。英語の勉強と思って頑張るぞ!
見る前は「いうて子ども向け番組だしそんな難しくないでしょ」とナメてたんですが、しゃべるスピードが速く感じられたり、難しい言葉を使うキャラ(天才系のキャラとか人間じゃなくて神とか精霊的なポジションのキャラとか)がいたり、あとなんといっても悪役の低い声、しゃがれ声は聞き取りにくくて苦労しています。
とはいえ話の流れはだいたい「特撮」として型にはまっているものもあるので、大まかな内容を掴むのは難しくないなーと感じています。

Mighty Morphin Power Rangersはアメリカンティーンドラマ感が強くて昔のNHKでやってた海外ドラマっぽい印象を受けますが、そこがまたかえって「戦隊」「特撮」という視点だと物珍しい感じがして面白いです。
例えばレンジャーではない一般人としてバルク&スカルというキャラクターが出るんですが、巨漢で乱暴者のバルクと彼の行動をやたらめったら持ち上げるスカルというコンビで、2人で横暴を働いては失敗してチャンチャン♪みたいな展開がお決まりで入ってくるんですね。こういう日常パートがティーンドラマらしいなーと感じます。ただ、日本文化の中で生まれ育った私としてはなぜここまでジャイアンとスネ夫の関係性そのまんまのキャラなのかが気になって気になって仕方ないです。
また、Lightspeed Rescueはツイートにも書いたとおり「特撮でよくあるやつ〜〜〜!!!めっちゃあるある展開や〜〜〜ん!!!」なお話もあってわかってきてるな…とオタク特有のスタッフの成長ぶりを上から目線で評価しちゃうムーブをやってしまいます。

あと根本的な話していいですか?
タイトルの訳し方が好きなんですよね…特に好きなのはNinja Storm / ハリケンジャーとかNinja Steel / ニンニンジャーとかですね。ハリケーンだからストーム、手裏剣戦隊だから鉄っていうセンスが好きです。
そして一番感動したタイトル役はやっぱりDino Charge / 獣電戦隊キョウリュウジャーですね!!
「獣電(=充電)」「キョウリュウ」のエッセンスをカバーする名訳だと思っています。最高!

パワーレンジャーのファンとファンコミュニティ

メタい話をすると、パワーレンジャーオタクのコミュニティの雰囲気も面白くて好きです(オタクあるあるのギスギス議論タイムになっても英語だから頭にスッと入ってきにくくて精神衛生上良いという利点もあります)。
特にSNS上のLightning Collectionのファンコミュニティを眺めるのが好きです。
海外の特撮フィギュアオタクたちは買ったフィギュアをかっこよく自慢げに撮影するのはもちろん、そこからさらに欲しいパーツは3Dプリンタで自作するとか、下手でも何でもとにかくリペイントして自分の好きなレンジャーを再現しようと頑張ったりとか、そしてその様子を臆することなくSNSに投稿したり、周りもいいねしたりしているというのがまた独特の文化圏だなーと感じます。
そして3Dプリンタの所有率こんなに高いんだ…?と思うくらいにはみんな3Dプリンタ持っててビビります。そんなご家庭にカジュアルにあるもんだっけ3Dプリンタって?
あと欧米圏のオタクたちはとにかく家がドチャクソ広い人が多くて、そんな広い家の広い広い壁面いっぱいに棚を置いてフィギュアやボックスのディスプレイを楽しんでいるというのも特徴的かなと思います。
そういうディスプレイをみんな誇らしげに写真に撮ってSNSに投稿しているわけですが、日本の住環境に慣れきった私からするとグギギ…ってなる写真が多いです。アタイだって広い広い壁面いっぱいにオタグッズ飾りまくりたいわーい。
3Dプリンタのシェア率も住環境の広さに起因してそうです。

パワーレンジャーオタクたちは日本のどの戦隊が次にパワーレンジャー化するかを常に議論している印象があります(そしてこの話題はめちゃくちゃ荒れやすいのになぜか何度も何度もやっちゃってる。そういうところも万国共通のオタクあるあるなんですね)。
というのも、Power Rangers Super Megaforce / ゴーカイジャー以降は作品順が変則的になっているという事情があります。子ども向け作品の競合が多い中で、恐竜や忍者などの定番モチーフが優先された結果、
Power Rangers Super Megaforce / ゴーカイジャー

Power Rangers Dino Charge / キョウリュウジャー

Power Rangers Ninja Steel / ニンニンジャー

Power Rangers Beast Morphers / ゴーバスターズ

Power Rangers Dino Fury / リュウソウジャー
という順番になっています。
また、Dino Charge以降は1つのシリーズを2期構成にして2年放映する形式になっています。
こうなってくるといつも議論の的になるのがトッキュウジャーです。
電車モチーフの戦隊ですが、デザインや細かなエフェクトがものすごく日本的な戦隊なんですよね。変身する際に敵の前の地面に白線が引かれ、「変身いたしま〜す。白線の内側にまで下がってお待ち下さ〜い」と独特のアナウンスが流れたりするわけです。
パワーレンジャーオタクたちの見立てとしては、日本ほど生活やホビーに電車が密着していない北米市場で子ども向けに電車モチーフがウケるかどうかは微妙だよ派、トーマスのイメージが強すぎて電車に対してはかっこいい印象よりは牧歌的な印象があるよ派、Power Rangers Samurai / シンケンジャーだって日本文化を上手く取り入れられたんだから上手くいくでしょ派、電車はあくまでモチーフで主題はイマジネーションを広げることだから大丈夫でしょ派など、意見が割れやすい印象です。そして毎回必ず荒れる
こういうところでも異文化の面白さを感じ取れるので見ていて楽しいですね。
個人的な意見を言うと、トッキュウジャーのデザインは関東圏の在来線のカラフルなイメージが反映されている気がしている(特にトッキュウ4号のスーツカラーが従来の戦隊のグリーンに比べてかなり明るめなのがそれっぽいなーと思っています)ので、そのカラフルなイメージと放送される土地での電車のイメージが結びつけば上手くいきそうかも?と思います。
また、パワーレンジャーオタク的にはジュウオウジャーのロボットを早くパワーレンジャー版で見たい!という意見をよく目にします。Minecraftロボットとか言われてます。実際モチーフはまさにそれだと思いますが…。
また、モチーフの話でいうとこのやりとりも面白かったです。

パワーレンジャーオタクにとってはアイコン的存在のMighty Morphinも恐竜モチーフですし、昨今は日本よりももっと短いスパンで恐竜モチーフを投入されていることになります。
とはいえ日本でもリュウソウジャー発表時は「また恐竜かよ!」ってコメントも見かけた気がします。どこでも同じですね!
やっぱり世界中の子どもたちにとってのスタンダードなんでしょうね恐竜って…実際、アメリカの大手小売店のTarget(めちゃくちゃデカいイオンみたいなやつ)のWebページにある「Kids' Birthday Party Ideas」には恐竜パーティーのアイデアが掲載されています。
Kids' Birthday Party Ideas : Target
それにしても、こうやってアメリカの子どもに人気のモチーフを見てみると、日本だと人気の電車やはたらく車モチーフは入ってこず、恐竜やサメなどの獰猛なイメージのある生き物やスターウォーズが入ってくるのが文化の違いで面白いですね。
パーティーという切り口でいうと、パワーレンジャーでもパーティーグッズが色々出てるみたいでそこも面白いです。既製品で招待状とかあるのお国柄って感じで良いですね!
power rangers birthday party - Google 画像検索

キミも一緒に It's Morphin Time!

ここまでのクソ長文章を読んでパワーレンジャーに興味がわいたあなた!!一緒に沼に落ちましょう!!
東映特撮ファンクラブに入ればいくつかの作品が吹き替えで楽しめるようなのでここから雰囲気つかんで楽しんでみるのが入門として良いのではないでしょうか。ついでに戦隊もライダーもメタルも不思議コメディも見放題もなので今すぐ加入しよう!ニチアサ現行最新作の最新話まで見られる神サービスだぞ!
東映特撮ファンクラブ(TTFC)
ちなみにうちはTTFCをテレビで見るためだけにChromecast Ultraを導入しました。

あとは色々落ち着いて海外に安心して行けるようになったら、パワーレンジャーのデッドストック品やLightning Collectionなどのグッズを買いに旅行に行きましょう!
私と旦那さんは上記目的でハワイ旅行をしたことがあるんですが意外と色んな場所にパワーレンジャーグッズが売ってあって楽しかったです。よろしければその時のお店レビュー記録もどうぞ。

もともと「ハワイ旅行でパワーレンジャーグッズ買ってジェネリック戦隊グッズとして楽しもう」という邪な考えでパワーレンジャーについて調べはじめたのですが、そこからどっぷり浸かってしまいました。
オタクはすーぐ沼に浸かっちゃうんだから…。

さあ、キミも一緒に It's Morphin Time!


Processingとp5.jsとクリエイティブコーディングが大好きです。 めちゃくちゃ元気!