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【Jへの推薦状 #5】 MF 坂本亘基 (明治大学4年)


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❐選手情報
坂本亘基(さかもと こうき)
明治大学4年(←ロアッソ熊本Y←ロアッソ熊本JY←ソレッソ熊本)
適正ポジション:SH,OH
特徴:ゴールへ直結するプレーとキックセンス、細かなボールタッチ
タイプ:野村直輝(大分)


個人的に、熊本県は宝の山だと思っている。

川崎Fの谷口彰悟と車屋紳太郎、元鹿島の植田直通やC大阪の豊川雄太らが代表格だが、他にもこの県が産んだ選手は多くいる。

松田天馬(湘南)や木戸皓貴(福岡)、荒木遼太郎(鹿島)も熊本出身だ。去年の2種年代で無類の強さを誇った名古屋U-18のストライカーで、Jユースの得点王となった村上千歩(専修大学)もそうである。もちろん、母数で言えば関東や関西のほうがはるかに多いだろう。ただ、個人的な話になって恐縮なのだが、自分が“好きな”選手は熊本出身が多い。だから、ちょっとだけひいき目で見ているところがある。

そんな熊本出身の有望株を1人、教えたい。


瀬川祐輔、瀬古樹らに続く?

ロアッソ熊本の育成組織出身、明治大学4年の坂本亘基は瀬川祐輔(柏)や丹羽詩温(愛媛)、瀬古樹(横浜FC)ら最終学年で名を上げプロの舞台でも活躍する先輩たちに続く気配を漂わせている。

「攻撃にも守備にもハードワークできて、バイタルエリアでのゴールに繋がるプレーが持ち味」と本人は強みをこう語るが、個人的には“得点につなげるために必要な技術を高水準で備えている”選手と形容したい。

166cmと小柄ながら激しいプレスを受けても負けることなく、力強さを持って前進できる。簡単に足元からボールが離れることはなく、長短のキックも正確だ。とにかく気持ち良いまでにゴールに向かう姿勢は見るものに爽快感を与えてくれるし、一つ一つのプレーの選択に迷いがない。


明治で育まれた自分の”弱み”

熊本Y時代には2種登録もされ、卒業後のトップ昇格も可能だったと察する。しかし、彼は関東の強豪大学へ進学することを選んだ。その理由を坂本はこう語る。

「サッカーだけではなく人間としての成長も重視した上で、大学4年間を経てプロに行ければ、と。自分の見えない部分も育てたり、もう一皮向けて、大学を歴てプロになれたらと…と思いました」

無事にセレクションを通過し、4年後のプロ入りを見据えて東京の地に足を踏み入れた。だが、そこで彼は大きな衝撃を受けることになる。

「九州は本当狭いな、と」

いまや天皇杯でJクラブを“喰う”ことがなんら不思議でない関東大学サッカーリーグのチームには、全国各地から猛者が集う。そのリーグの中で常に強豪としての地位を守り続けている明治大学の門を叩いてくる者の能力の高さは、言うまでもない。周囲の実力の高さを、肌で感じたのだ。

そんなハイレベルな環境下で過ごす中、成長に最も寄与したのは“弱みを知れた” ことだと彼は言う。

「高校時代から自分の強みである攻撃面については発揮できたけど、弱みに触れることはあんまりなかったなと。そこにまず触れられたり、周りと比較することでわかるようになった。4年生になって試合に出られるようになったのは、自分の弱みと強みに3年間向き合ったからからだと思います。それらを伸ばすために周りの仲間たちと切磋琢磨してきた中で、責任感や背負っているものの重みを感じられたのかな、と」

いずれは兄と

坂本は小学校1年生で「兄の影響」によりサッカーを始めたのだが、2人いる兄の1人が、熊本でプレーする坂本広大である。

「憧れとかそういうものはないし、どういう存在かといわれると難しい」と笑いながら言うが、本人のサッカー人生を語るにおいて兄・広大の存在は小さくない。

「めっちゃストイックなので、本当にそこはもう見習ってます。兄と一緒にやりたいという欲望はありますね」

同じチームになるのか、果たしてそうではないのか。兄の広大が残り、弟の亘基が新卒で熊本に入ればその夢も叶うことになる。

ただ、目指す世界はその先にある。Jの舞台で活躍して、熊本の育成組織の名を上げることだ。

「(熊本は)ユースからプロに行く人が数多くないので。それを自分が体現して、後輩たちにいい影響を与えられれば良いかなと思います」

彼のような選手が羽ばたいていくことで、自分もまた、熊本という場所に惹かれていく。

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