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西日本・合同セレクションで輝いた金の卵達12選-九州編-


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8/3に九州に入り、熊本と岡山、大阪でそれぞれ行われた株式会社リトルコンシェル主催の「コネクティングサポートセレクション supported by ポカリスエット」を取材した。

合計5日間、将来のプロ入りを目指す100人以上の選手たちの活躍を見た中、目に止まった選手たちについて記しておきたい。今回は熊本で行われた九州セクションより、際立ったプレーを見せ筆者の印象に残った12人の選手を紹介する。


DF 三宮陸矢(鯰田FC→九州国際大学付属)

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最後の局面で186cmの長身を投げ出し相手のシュートをブロックする姿は非常に迫力がある。「最後に体を張る所やコーチング、チームを鼓舞するところは出せた」と本人が言う通り、最終ラインでの“気迫”はこの九州回の中でも随一だった。憧れの選手は浦和レッズの槙野智章で、「チームにプラスの声掛けをしていい雰囲気をもたらしているので、自分もそういうところを真似してやろうと思っている」とのことだ。その意識は十二分にピッチで発揮されていた。

DF 川前陽斗(VALENTIA FC→飯塚)

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昨年ついにプロ選手を輩出した福岡の新鋭・飯塚高校のCB。攻撃的なチームの最終ラインの選手ということで、ボール扱いの安定感がある。加えて、前にでて潰しにいくこともできる万能型のCBだ。「(チームは)前に人数をかけてしまって、後が少なくなってしまうことがあるので、そこで食い止めないとチームも良くならないので。そこで自分の強みである対人の強さを出していきたい」と語るが、攻撃型のチームのCBが立たされるこの状況をポジティブに捉えるあたり、今後の成長に期待が持てる。

MF 岩崎雄永(鳥栖U-15→創成館)
鳥栖U-15時代に2冠を達成し、決して名門でなかったチームを上に押し上げる“旨み”を知ったことから、近年徐々に力をつけ始めている長崎の創成館への進学を決意したレジスタ。右足のキックの質はこの九州回に集った選手の中でもナンバーワンと行って差し支えない。流れの中とCKから鋭く曲がって落ちるクロスを放り、双方でアシストを記録。蹴った瞬間に「入った」と思わせるボールで観るものを唸らせた。


MF ターレス・プロコビオ カストロ・デバウ(PSTC※ブラジル →秀岳館)

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スケールの大きさと存在感が際立った秀岳館のブラジル人ボランチ。とにかく中盤の底からのダイナミックな展開に長けているのと、プレーに迷いが一切なく見ていて気持ちが良い。ワンステップでのサイドチェンジ、フィードでチャンスを作る場面が幾度もあり。ブラジル人らしく自信を持ってボールを受けられるし、この年代では卓越しているフィジカルゆえにボールを守ることにも長けている。荒削りな部分もあるが、これからの成長を日本で見てみたい。

MF 上田瑞季(JFAアカデミー熊本宇城→東福岡)
周囲がどんなタイプのアタッカーでも活かすことができる選手。相手のライン間でボールを受けて、前へ運んでゲームメイクをしつつも自らゴールに迫る攻撃センスを存分に発揮した。「パスで全体の幅を使った攻撃だったり、自分のところでボールを失わないで楔を入れられたり。そういうところは良かった」と本人は語っていたが、確かにほぼ失わずに攻撃を司っていた。

MF 青木俊輔(ブレイズ熊本→東福岡)

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おそらくこの九州回で1,2を争うインパクトを残したアタッカー。利き足の左足を軸に右サイドからゴールに迫るドリブルには勢いと迫力があり、紅白戦4本の頭である1本目でいきなりネットを揺らし場を騒然とさせた。とにかくプレーに迷いが無く、角度のないところからでも貪欲にシュートを狙って枠を射抜く力がある。獲得に名を挙げるクラブがでてきてもおかしくない。


MF 後藤佑太(フクオカーナ→福岡U-18)

決して名門ではないクラブでプレーをしていた中、福岡U-18に入団後力をつけていった、ドリブルを武器とするアタッカー。ドリブラーにしては大柄で、ボールを持ったらゴールへ向かって仕掛けるのが最大の特徴で、それを存分に発揮した。「レベルが高い中で持ち味は出せました。ただ、フィニッシュまでやれたら完璧だった」と本人はゴールの面で物足りなさを語る。ただ、その能力を示すことはできた。トップ昇格は難しいかもしれないが、大学を経由すれば4年後に争奪戦になり得る逸材だ。


MF 永吉飛翔(アラーラ鹿児島→神村学園)

「スタイル的に自分はボールを受けないと評価されないので、もっともっとさばいて、自分が中心となってコントロールしていかないといけない」
と本人が語るように、オンザボールで違いを見せる司令塔。中盤の底でフリーの状態でボールを受けて前方へ配給し攻撃のリズムを作ることに長けており、とにかくボールが彼の所で落ち着く。ちなみに川崎フロンターレ内定の桐蔭横浜大・橘田健人は近所に住んでおり、彼にとって幼少期から憧れの存在であり目標としている。


FW 堤聖司(大分中→大分)
175cmと特段目を引くサイズでもなければ、抜群に足が速くフィジカル能力がある訳でもない。ただ、彼が観るものを惹きつけるのはゴール前の精度だ。実はこのセレクションの前日に行われていた九州の高校の交流会で彼を見つけたのだが、その試合で際立ったのが、とにかく1対1で枠にシュートを打つ姿。ストライカー誰もがうらやむこの能力は、高いレベルでも発揮される予感があった。

MF 松添大輝(バレンティアFC→V長崎 U-18)
非常に“わかりやすい”サイドアタッカー。迷いなく前に仕掛け、相手を1枚外して精度の高いクロスを中央に送るプレーでチャンスを創出し、アシストも記録。最大の武器は縦へも中へも仕掛けることができ、かつ両足でそつなく蹴れる点だ。ただ、何よりもひとつひとつのプレーから見られた迷いの無さと気迫が印象的である。「セレクションということで、なにか残さないと声はかからないと思った」と本人は語るが、その思いが見事に体現されていた。

FW 宮原愛輝(熊本JY→大津)
名門・大津のCFはこのセレクションでも自信のストロングを発揮していた。とにかくボックスの中でボールを持てば怖さが出せるのと、背負った状態からのターンや前向きで相手と正対した状態からの左右へのゆさぶりに速さがある。そして、一瞬の外す動きからフィニッシュへ持っていく。強さとアジリティ、そしてシュートへの最短コースを見極め判断を下すスピードが速い。ボックスの内での怖さは人一倍あった。


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松添(9番の)クロスを宮原(10番)が合わせてゴール

FW 掘金峻明(木屋瀬中→九州国際大学付属)

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FWの評価基準はわかりやすく、“ゴール数”であるが、この回で最もその数字を多く叩いたのが彼で、3ゴール1アシストを記録した。「裏に抜けたり前を向いてから勝負するタイプ」と自身が語る通り、一瞬の裏抜けやクロスに対してのポジショニングが特長。彼の勝負の動きを逃さぬパサーがいれば非常に生きるが、この日は自身も語る通り出し手に恵まれた。とはいえ訪れた決定機のうち3回をネットに揺らすことは簡単ではなく、2得点を記録した青木と共にその存在感が際立った。関東の大学複数から興味を持たれているが、これを機にプロから声がかかってもおかしくないし、4年後は確実にJの舞台にいるだろう。

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