毎日の中に空想が踊ってやがる。
　はけ口のない幻の群れが、駐車場の真ん中で微笑んでいる。
　俺はそれを見て、ただ茫然と見て、視界から外して消すのだ。

　人生は虚しい。
　努力は報われない。
　悲しみに行き場はない。

　こういう、幸せを問い直すような下らない言葉は嫌いだ。
　言い訳してる暇はないんだ。
　なんでもいいから、早くなにか証明を立てなきゃいけないんだよ。
　なんでもいいから安心したい。
　俺の生きた意味とか、存在証明なるもののために奔走したいんだよ。

　だが、心底同感だ。真理だ。これ以上のことは世界には無い。
　そう思ってられるうち、絶望に体力が追い付くうちは、こんな怠惰と一緒にいてやればいい。
　いてやってもいい。俺は本気を出せば、どこにだって飛び出せるだろうから。

　どこに？
　知るか。