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トラちゃん一押しの住人?

 一人で内見案内することのなったハナが不安げに私の顔をみている。セイばあちゃんはハナ一人で大丈夫と言ったけど、やっぱり心配だから付いていくことにしたわ。やって来たのが、若いイケメンだったからハナは思いっきり上がってしまいドギマギしていた。とっさににゃーと鳴いたら、私を社長だと紹介してくれたわ。お陰で、ハナは少し落ち着いて家の中を案内したわ。青年は、家の中を熱心にみて色々な質問をしていたようね。残念ながら父親から貰ったメモ以上は答えられなかったけど、この集落に来て日が浅いハナなのだけら大目にみることにしたわ。裏の畑を見ていた青年が、分校のことを聞いてきた。ハナはどうしたらよいというように私を振り向いた。私は社長ですから、コホン。こんな時はセイばあちゃんの出番と家に向かって歩き出した。後ろから二人が来ていることを確かめながらセイばあちゃんに連れていったわ。セイばあちゃんはハナの話を聞き、役場に電話してくれ一緒に分校を見ることができたの。この集落にはハナより先に住んでいるけど、分校に入ったのは初めて。机と椅子だけが昔のまま残っている分校は、誰かが起こしてくれるのを待っているように静かな眠りの中にいたわ。

 昨日の青年が旧田中邸を譲り受けることになり、元分校に学生たちと寝泊まりし家の補修や畑の整備をしに来るとハナに連絡がきた。町から通っている3人の元住人もトラクターをかけてくれたり手伝ってくれるらしい。炊事はキャンプよろしく自分たちでやるそうだから、特に世話は必要ないという。若いってだけで可能性は無限大ね。さすが、トラちゃんのお眼鏡にかなった人間だけのことはあるわね。彼の飼い猫が誰なのか、まだトラちゃんに教えて貰ってないのが気がかりだけど・・・・それは来てからの楽しみにするしかないわ、猫は待つのが得意だから(^_-)-☆

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