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三毛猫不動産、最初のお客様

 こんばんは、今日の沈む夕日は気味の悪いほどのオレンジで、何か起こりそうで不安になったわ。皆様のところで見えた夕日はどんな色だったのかしら。いつか、大地震があったときの夕日も不気味な色をし、地震雲が出ていたわ。明日は、この集落、いいえ、私にとって大事な人間がやってくるのにあまりいい気分はしないわね。
 町のボス猫トラちゃんが、都会の生活に疲れ田舎でのんびり仕事をしたいという宅建士の「ハナ」を連れて来てくれるの。まぁ、簡単に言えば、都会では仕事が出来ない落ちこぼれ、営業成績が上がらず首を宣告された勉強は出来るけど、生活能力がちょっと足りない夢見る女の子らしい。真面目で要領は悪いけど、困っている人を見るとほっとけない。ある日、河川敷で拾った捨て猫をこっそり飼っているのを見つけられ、アパートを追い出されそうになり、もっか猫と暮らせる家を探している。拾われたブルーの瞳のレオ君が猫会議の話を聞き、ボス猫に相談してきたのだそうだ。このままだと僕は保健所行きになってしまいます、というレオ君のため、トラちゃんは猫仲間の伝手を駆使し、大谷集落の元住人から一軒の空き家を貸してもらう段取りを取り付けた。そして今日、レオ君がハナを連れ引っ越してくることになったの。猫と人間の立場が逆でしょうって。それは人間が勝手に思っているだけでしょ。猫からしたらこちらが正解。本当の主従関係なんて、人間には永遠に分からないでしょうね。トラちゃんとはどんな関係なのって。そんなに慌てなくても、界隈でも美人猫ともてはやされた私の恋物語は、おいおい話をしていくわ。
 
 
 

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