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セイばあちゃんの話part2

 セイばあちゃんは3人姉妹の次女で、頭の良い姉、天然の妹に挟まれ親の顔色を伺う所謂、しっかり者の優等生だったんですって。姉は上の学校に進学したけど、そんなに裕福な家でもなかったから卒業後すぐ、セイばあちゃんは町の縫製工場に働きに行ったそうなの。本好きで勉強が好きだったけど親に苦労は掛けたくなかったし、妹の将来を考え働くことにしたんだって。家族のことが大好きだから、ちっとも後悔していないと話すセイばあちゃんは楽しかった昔を懐かしむような優しい眼差しをしている。
 そんなセイばあちゃんは、とにかく働き者よ。さすがに、田は夫の太郎さんが亡くなった後、近所の人にお願いし、代わりに飯米を貰っている。が、裏の畑で自分や町にいる妹家族に分ける野菜を作っているし、食べきれない物は漬物や干し野菜・瓶詰などに加工し保存している。でも、本人は気づいていないけど、けっこう、ぽか( ゚д゚)をやらかし困ったことになることも多いのよ。そんな時は、ニャーと鳴いて注意するんだけど気付いたくれないから困ってしまうわ、ふう~やれやれ😥
 セイばあちゃんの楽しみは、ラジオと本。目も耳もまだ達者なセイばあちゃんはお風呂に入り寝るまでの間、大好きな”赤毛のアン”を繰り返し読んでいるの。寝床に入る時間になると私をベッドに連れて行き、昔語りをしてから眠りにつくのよ。セイばあちゃんにとって私は話相手兼精神安定剤ってとこかしら。ん~、セイばあちゃんは少し血圧が高いくらいで体が丈夫なのは心強いわ。限界集落で一人で暮らすのに健康は大事よね。
 さぁて、セイばあちゃんが眠ったところで私は夜の散歩に出かけよう。考えごとは歩きながらがするのが一番だと、かの哲学者が言ってたわ。
 


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