不動産業

宅建業≠不動産業

:不動産業と宅地建物取引業の違い

一般的には不動産会社=宅建業のように思われていますが、不動産業と宅建業は同義ではありません。不動産業には、売買、仲介(「媒介」ともいわれます)、賃貸(土地や住宅・ビルの大家)、管理(分譲マンションの管理、賃貸物件の管理等)など、様々な業種が含まれます。一方、宅建業は、不動産業のうち、売買や仲介といった取引(流通)を取り扱う業種のみが宅建業にあたります。

宅建業法でまず問われるのは宅建業法の「意義」です。

何故、何のために、誰のために宅建業法があるのか?まずは、これをしっかり理解することが後の勉強に役に立ちます。

土地や建物は、高額で取引の手続きも複雑です。気に入らないからと簡単に返品したり、買い替えできるものでもありません。まして、不動産に関する知識の乏しい一般消費者がその道のプロである宅建業者と対等に渡り合うことは困難です。

住宅メーカー大手の積水ハウスでさえ地面師にまんまとしてやられたように魑魅魍魎が跋扈しているかも知れません(>_<)

そこで、一般消費者が、不動産を安全に取引するため宅建業者を律し、監督するための法律が「宅建業法」です。ここがポイント!!プロボクサーに素手で立ち向かっても勝ち目は、まずありません。

宅建業法は、一般消費者を保護するためにあるのですから、問題で迷ったら消費者側からみて利益になるかどうかを考えればよいのです。

2つ目のポイントは、宅建業法が扱うものとは何なのか?宅建業者を通さず個人売買でも家や土地は買うことができるし、借りることも出来ます。

個人の取引と宅建業者の違いは何でしょう?
宅地建物取引業(=宅建業)とは、
(1)自らが行う宅地や建物の売買や交換
(2)売買や交換、貸借をするときの代理や媒介
を業として行うものをいいます。


宅建業は、「宅地建物取引業法」という法律の規制によって、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けた者でなければ営むことができません。国土交通大臣免許か、都道府県知事免許かは、事務所(本支店等)の設置状況によって決まります。宅建業の免許の有効期間は5年です。
ここで注意したいのは、大家から依頼を受けて行う貸借の仲介(入居者募集など)は宅建業に含まれますが、自らが行う貸借(貸しビルやアパート経営をする行為など)は宅建業に含まれず、宅地建物取引業の規制の対象業務ではないことです。試験ではこの引っ掛け問題が良く出ます。

個人だとトラブルがあった時、解決が難しかったり人間関係が拗れてしまうことがあります。それを防ぐため、知り合い同士の売買や貸し借りでも宅建業者を介するのが現状です。

宅建業法で扱う宅地とは建物の敷地のことですが、何でも宅地というわけではありません。次の3つを覚えておいてください。

1.現在建物が建っている土地
2.将来建物を建てる目的で取引される土地
3.用途地域内の土地

現在建物が建っている土地ですが、未登記でも現に建物が建っていれば宅地とされます。現況が山林などであっても、将来建物を建てる目的で取引をすれば宅地とされます。ここに農地法が絡んできます。

用途地域とは、都市計画法というもので住居系・商業系・工業系の13種類に土地の用途が定められた地域のことをいい、法令上の制限で詳しく勉強することになります。用途地域内の土地であっても、「道路・公園・広場・河川・水路」は宅地ではありません。これは今覚えておいてください。

用途地域内の土地であっても、広場や水路などは宅地ではありません。用途地域内の土地であれば、農地や駐車場なども宅地となります。建物が建つ可能性がある所はどこでも宅地です。ここも引っ掛けでよく出ます

では建物はどうなのか?■宅建業の建物とは

建物は、主に住居です。しかし住居以外にも、事務所や倉庫、マンションやアパートの一室も建物に含まれるという点に注意しておいてください。更に、会員制リゾートクラブの会員権なども、施設の所有権が会員の共有に属すれば建物に含まれます。宅建試験でここまで必要はないかも知れませんが、業務に従事するときの豆知識

宅建業の取引には8種類あります。

自ら当事者として「売買」「交換」
他人間の契約を代理して「売買」「交換」「貸借」
他人間の契約を媒介して「売買」「交換」「貸借」

ここでのポイントは、「自ら貸借」は取引に該当せず、宅建業ではないという点です。つまり、Aさんが自らマンションを建てて業と言える分譲(=売買)をするには宅建免許が必要ですが、賃貸(=貸借)をするだけなら宅建免許は不要となります。Aさんから業と言える分譲や賃貸を頼まれたBさんは宅建免許が必要となります(分譲ならAB両者とも免許必要)。尚、転貸借も貸借に含まれ免許不要となります。

ここも、問題文を読んだだけでは一瞬、分からないことが多々あります。 自ら賃貸=大家業は免許不要。自社の商業ビルをテナントに貸すのも同じ

江戸時代からある「大家業」にまで免許が必要だったら、貸家が足りなくて大変なことになったでしょうから(^^)

また、宅建業法の大前提ですが、「国や地方公共団体」は、宅建免許不要で宅建業を営むことができます。しかし、それらから依頼を受けた者は別です。市所有の宅地を、市を代理して不特定多数に反復売却する者は宅建免許が必要となります。

ここで例外がもう一つ。宅建業を営もうとする信託会社等は国土交通大臣へ届出だけで、国土交通大臣の免許を受けた宅建業者とみなされます。
国、地方公共団体、又は国とみなされる都市再生機構の
特殊法人には宅地建物取引業法は適用されません。
*信託会社等のみなし業者に対しても原則として宅建業法に規定は適応されますが、免許に関する規定(免許基準・免許取消処分など)は適応されない

信託会社等は宅建業の免許より厳しい規制を受けているため、特別扱いになっています。

宅建業の意義

次回は免許制度や宅建業と取引士の関係についてです







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