【工具DIY】カムクランプの製作
たまにはリアルタイムの記事もいいかなと、今回は今日完成した道具製作を記事にしてみます。
実は今、娘の希望でアコースティックギターを製作中なんですが、エレキと違って木工精度の要求がめちゃ高くてかつ色んな所が華奢。
なので手持ちの道具だけじゃどうにもならなくなってきたんです。中でもコレは欲しいと思った工具がコレ。
そう、カムクランプです。アコギ製作風景じゃ必ず登場するコレ、指板やボディ、ブリッジの接着には無くてはならない存在(らしい)。アコギ作ってる人達って必ずこのクランプを大量に並べ使ってる写真や動画をアップしていますよね(絶対映えの為)。
だけどこの値段、小で$30.19、大で$31.99は無いわぁ。10個揃えたらそれこそ4万以上飛ぶやん。
あほらしいので作ります。わても関西人の端くれ、こんなモノに金は出せまへん!
で、素材を準備するのですが丁度厚さ18~19mmのホワイトアッシュ端材が工房に。
ここから全ての部材を切り出し、t3x幅25のSS400フラットバーを支柱に、鉄くぎ(φ3.05x65)をカムの支点と柱の固定、そして当てに利用する形で作る事にします。
厚さ順に端材を並べて厚い順に4枚、自動かんなで厚みを18mmに揃えます。
これらの板から幅32mmの短冊を切り出す。
今度は長さを揃えます。これらの短冊の一番短い長さを基準に真っ二つへ切ってみる。丁度220mmの長さに全てを揃えます。
次に顎となる部材の成形、大量生産のために加工ジグを先に作り、ジグに短冊をはめ込んでまずは顎内側の逃がしを形成します。バンドソーで粗く削り出したらスピンドルサンダで面仕上げ。
次に上顎に変型を容易にするスリットを形成。
スリットエンドの加工は写真撮るの忘れてましたが、先程の加工ジグにガイド穴を通し上顎全てに同じ位置で穴を開けておきます。
見ての通り、スリットは顎のセンターを通しています。次に一枚アッシュ板をバンドソーで二枚下ろしにしてかんな掛け。素敵なブックマッチですが今回はコレをカムレバーの素材にします。厚みは6.8mmとしました。
ここからは上顎の加工を進めます。ぼくのテーブルソーには厚めの切り幅3mmの刃を付けているので、この刃を利用してまずは上顎上面、スリット高さまでに中央で幅7mmの止まり溝を入れます。(後日図解しますね)
分かります?上の写真ではセンターから右にオフセットさせてるんですが、この後上顎と当てのブロックの間に4mm厚の板を挟んでクランプする事で左へオフセット、結果7mmの溝が掘れる(中央に少し残るけど)って方法です。次に支柱を通す3mmの溝を中央へ。深さは適当ですが40mmってとこでしょうか。
同じ様に下顎にも支柱用の溝を掘ったら、外形は出来上がり。
次に上顎の補強の為に30mmのコーススレッドを仕込むべく、下穴を開けておきます。
だんだん形になってきますね。ここで少しだけ鉄工作業に。長さ250mmの短冊に切り出したフラットバーですが、φ3下穴を下顎部と一番上(上顎の抜け止め)に開けておきます。
次にカムレバーを作ります。試作を繰り返してカムプロファイルを決めたら、大量生産。
さて、いよいよ組み立てに向け顎への最後の穴開け。ジグにガイド穴を開けて上下両顎にφ3穴を開けていきます。
部品が全て揃ったので、あとは組み立てだけ。
ひとつ組んで見たけどいい感じ、これからは大量生産の時間です。
まずは下穴通りに鉄くぎで下顎と支柱を貫通。上顎にはカムレバーと支柱の当たりの為に同じく鉄くぎを貫通させます。
次に釘が木からはみ出した分をドレメルでわずかに残して切り落とします。
次の工程は集中してたので写真無し、金床の上に釘の切断面を下にして置き、ハンマーで釘を打ちます。これで切断面を押し広げ、抜け止めにしてしまいます。支柱の一番上に開けた穴にも釘を8mm程の長さに切って差し込み、ハンマーで叩いて潰し、上顎の抜き止めにします,
とまぁそんなこんなで出来たのがこちら。
10本で材料費は¥1,000-位、作る工程を楽しめて実用に耐えるモノがこの費用で手に入るんだから作って正解ッスよ!
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