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守備意識と平均点

今回、voiceroid結月ゆかりによる雀魂王座の間の対局解説動画を上げました。
慣れない動画編集にすごく時間がかかって大変だったので見てやってください。

この動画で主に言いたかったのは守備意識の大切さです。
私の麻雀は守備型で、数牌を切って字牌を抱えることがよくありますが、このへんの考え方はなかなか理解されづらいと思います。
今回は対局時の守備意識について解説していきます。

東1局4巡目

ここで私は1mを切りました。
これは字牌を切る人が多いと思うんですが、3トイツの手は2トイツや4トイツと比べるとトイツが機能しにくいんで、1mを切ってスリムに構えるのが良いと思うんですよね。
面子ターツ候補は1mがなくても充分足りているという話を動画内ではしました。

東1局12巡目

12巡目に7sをツモったところですが、ここで私は真っ直ぐ7sを切っていかずに7mを切って回っていきました。
一応イーシャンテン維持ですけど、受け入れが少なく窮屈です。
何故かというのは動画内で親が少なくとも5800以上イーシャンテン以上の手であることは確実だからという話をしました。
実際の手を見るとその通りだったと思います。
7sは通りますが、実際に打ってたら通るかどうか分かりませんし、仮に通った場合もその次テンパイすると4sか5sを切っていかなくてはなりません。
そうなると高確率で鳴かれるか放銃する未来が見えますよね。

東2局6巡目

ここは2sを切って安牌の中を1枚持ちます。
ドラが1枚もない手なので目一杯に受けずに安牌を1枚持ちながら手を進めていきます。
6巡目にしてイーシャンテンですし、いかにも和了れそうな手ではあるのですが、いかんせん安いです。
こういう手は1枚安牌を持ちながらちょっと窮屈に手を進めた方が良いのです。

このへんの感覚というか、果たしてそれが本当に得してるのか?という実感が湧かない人も多いと思います。
私もこの前、麻雀中級者の人と話をしていて、「こういう手は安牌持った方がいいよ」と言ったんですが、全然ピンときてなかったです。
しかし、自分の手が安いということは局収支の期待値が低いということです。
いくら和了れそうな手とは言っても高い手がほとんど和了れないということは、平均収支は下がるんですよね。

全然関係ない話をしますが、例えば日本人の平均年収は445万くらいですが、日本人の6割以上はその平均年収445万に達していません。
これは一部の億万長者とかビリオネアが平均年収を引き上げているからです。
だから平均的な日本人は平均年収より低いんです。

この原理から考えると、この手は大富豪が居ない町みたいなもので、平均収支が低いと言えます。
安い手を和了ることはそこそこあるけど、高い手を上がることがほとんどないので爆発力がなく、平均収支が上がらないんです。
そのへんの上振れの小ささをカバーするために、安牌を持って放銃しないように下振れを抑えることで帳尻を合わせるかんじです。

この原理が分かってくればこういう手で安牌を持つ意味が分かってくると思います。
たぶんこの先、AIがもっと進化してくればAIもこういう判断を少しずつ学習してくるでしょうし、一般的な麻雀戦術として市民権を得ていくんじゃないかと思っています。

東3局第一打

この配牌は5mを切っていきました。
これも考え方としてはさっきと同じで、上振れの小ささを下振れを抑えることでカバーするという打ち方になります。
ただし確率は少し低いものの、ドラを重ねることで一気に爆発力を生む手に変化するので、ドラも大事にしたいです。
そこで東と南以外から要らない牌を選択します。
8pは意外と受け入れが広く、6789pの4種の牌をカバーしています。
5m周りの牌は5mがなくても意外と4m引きで234とか6m引きで678の面子が出来たりしてカバーは出来てるので、8pより5mの方を切りたいかなと思います。

南1局第一打

自分の感覚ですが、この手はほぼ和了れないです。
いや、ほぼ和了れないというよりも、字牌を切って手なりで打っていけばごくたまに和了れることもあるんですけど、いかんせん安すぎるし、その間に他家から攻撃を受けることも多いでしょうね。
そのため索子を全部切っていって、あわよくばホンイツで和了れるかもという形にして配牌オリしていきます。
配牌オリとは平均収支の下振れをゼロに近づけることですね。
上振れがほとんどないから、その分下振れを限りなくゼロに近づけて帳尻を合わせるんです。

南2局第二打

ここは実戦では北を切ってしまったんですが、南が良かったと思います。
9mを切ろうかと思いましたがチートイツがありますし、チートイツ1本狙いで3p5pを切るのも明らかにやりすぎです。
役牌が重なっても鳴かずにチートイツに行くことが多いと思うので、タンヤオも残しつつ、南を切って安牌の北を1枚抱えるのが一番バランスが取れています。

南2局4巡目

上家から出た4sをチーしましたが、これは東場だったら鳴きません。
面前でも充分張れそうですし、リーチタンヤオドラ1で満貫が見えますよね。
こういう爆発力のある手は大富豪みたいなもので、平均点を上げるんですが、上振れと下振れが激しく、点棒は爆発的に増えることもありますが、逆に減ることもあって安定しません。
例えばリーチした後に追っかけリーチを食らって放銃することもあるでしょうし、テンパイが遅れて先を越された他家から攻撃を受けて失点することもあるでしょう。
ところが鳴く場合は最速で自分が和了り切ってしまうとか、リーチやドラポンに危険牌だけ止めてオリるといったことが出来るので、上振れは大したことないけど、下振れも少なくて安定するってことになります。

南場で点棒持っているときはラス回避もあって、大富豪みたいな打ち方よりも、公務員やサラリーマンみたいな打ち方の方が強いんです。
平均点は低いけど安定して平均より少し下を狙えるってことですね。

南2局16巡目

この手は終盤になって8s切ってオリを選択したんですけど、この判断は守備意識の高さからくるものではないです。
おそらく鉄板強者と言われる人で、ここから5mや6mを押す人はまず居ないんじゃないかと思います。
少なくとも対面のマーク2さんは配信動画内で「萬子の危ない牌を引いたらオリる」と言っていたので、これは守備型も攻撃型も関係なくオリなきゃいけない状況です。
何故押したらいけないかというのは動画内でも詳しく説明しました。

南3局第二打

ここは字牌全部残して8p切りとしました。
これも東場だったら普通に字牌を切っていくのですが、平均点ではなく平均点より少し下を安全に狙っていくという打ち方になるので、なるべくリーチを打たず役牌やクイタンで安和了りを狙って、放銃を回避していくという打ち方になります。
ですが、切るなら8pよりも7sが良かったです。
ブロックを数えると現状4ブロックで1つ足りないんですが、さすがに孤立役牌4種のどれかは重なるだろうと考えたらここで1ブロック計算していいので、面子ターツ候補は既に足りていると考えて7s切りでも良かったんじゃないでしょうか。
この状況を考えるとチートイツの可能性は残した方がいいんです。
チートイツなら字牌を持ちながら安全に手を進められるし、ドラの白も切らずに手を進められますからね。

南3局14巡目

この場面は3s切ってオリてしまったんですが、これは守備意識というよりもラス回避意識ですね。
残りスジの本数がまだまだ多いので、1sの放銃率はだいぶ低いんですが、オーラス前で振ってラス目との点差が縮まってしまうことを考えると相当押しづらいです。
ラス目の西家はもう親番もないですから、自分が振り込みさえしなければラス回避はほぼ安泰という状況です。
こういう和了れそうな両面テンパイからオリてしまうことは、特殊な状況下でない限りは基本的におすすめ出来ないですね。
平均点をかなり下げる打ち方になります。
しかし下振れがかなり抑えられるので、特殊状況下でラス回避を優先するときには向いています。

最後に

今回は守備意識と平均点について解説しました。
ゲーム展開的にラス回避優先で、平均点を上げる打ち方っていうのはあまり出来なかったので、いずれまた解説をしてみたいと思います。

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