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一副露でここまで読める、純チャン三色の読み

今回は鳴き読みについて取り上げたいと思います。
あらかじめ断っておくと、今回は自分が打った牌譜ではなく、某天鳳位さんの牌譜をお借りしています。
これはたまたま鳴き読みの素材として都合が良かったから取り上げただけであり、誰が打っているかとかはどうでもいいですし、天鳳位が何を思考しながら打っていたかとかについては一切触れるつもりはありません。
鳴き読みの練習をするのに、牌譜検討は良いです。
いくらでも時間をかけて考えられますし。
それも自分の打った牌譜ではなく、他人が打った牌譜の方が打ち筋も参考になるので一石二鳥です。

南2局4本場

今回取り上げるシーンはたったのワンシーンだけです。
9巡目南家が2sをカンチャンチーして7pを切りました。
この動きだけで南家の仕掛けを読みます。
それまでに何を手出ししていたかとかは覚えている必要はないので、河に何が切られているか、チーした後に何を手出ししているかさえ把握していれば問題はありません。

実はこの時点で既に南家の仕掛けは、ある程度待ちも打点も読めるのです。
結論から先に言うとこの仕掛け、待ちは5p、8p、9p、9m、5m、この5つのうちのどれかで、中でも8p、9p、9mの3つが特に可能性高いです。
打点は大体3900で、満貫以上はあまりないと思います。

何故そう言い切れるのか?
順を追って解説していきたいと思います。

仕掛け役はなにか

この仕掛けですけど、役はなんでしょうか。
まずは場に切れている役牌をよく確認してみます。
そうすると使える役牌は1枚切れの發だけで、他の役牌は全部2枚以上切れています。
發に関しても1枚切れなので、トイツで持っていたら鳴いていてもおかしくはないので、普通に見たら三色とかチャンタ系だと思います。
特に南2局でラス目が仕掛けているので、純チャン三色の3900点を狙っていると考えるのが自然です。
ドラ絡みの三色ってこともありますが、自分がドラ2枚持っているのでそれは考えにくいですね。
真ん中の牌がバタバタと切られているし、点棒状況とかも考慮すると大体純チャン三色の3900点な気がしますね。
と、ここまでは誰でも出来そうなおおざっぱな読みです。

待ちはなにか

それでは待ちはなんでしょうか。
索子の123で仕掛けが入っているから、残りの筒子や萬子のペンチャンやカンチャンあたりが待ちになっていそうと考えるのが普通だと思います。
カン2p、ペン3m、カン2m、もしくは1-4mの片和了りかもしれない。
そう考えるのが普通なんですが、実はこれらの待ちは全部否定できるんです。
ポイントは矢印で指してある3つの牌です。
第一打に切られた6p、チー出しの7p、1巡前に切られた中。
この3つの牌がポイントです。
中は2枚切れのほぼ完全安牌ですし、7pは全員に通ってない無スジの危険牌です。
7pを残して中を先に切ったということは、7pは手牌に必要で、どうしても残したかったということです。
そして6pを第一打に切っているということは7pをくっつきの牌でもっていたとかでもなさそうですし、5pをトイツで持っていてフォロー牌として残したわけでもなさそうです。
ということは大体形が限定されてきて、779pか799pかどちらかのパターンで持っていた以外は考えにくいです。

677pで持っていたケースを考えるとこんな形から2sチーしたってことになりますが、1000点なので無視していいです。
手順的には矛盾はないのですが、あまりにも安すぎるので、刺さったところで全然痛くはないし、むしろ親が流せてラッキーなので差し込んだ方がいいくらいです。
しかしそもそもラス目の南家の立場からすると三色のみの1000点であっさり局消化っていうのも流石になさそうです。
どちらにしてもこのパターンは想定しなくていいですね。

この形なら自然にあり得ます。
打点も満貫あるので、即仕掛けるのが普通でしょうし、このテンパイ形が残っていたとしても疑問を挟む余地はないです。
ただ、5mが2枚自分の手にあるので、可能性は低いと思いますね。
一応可能性としては存在するので、5-8pのスジは少し警戒した方がいいでしょう。

しかしやはり可能性として高いと思うのは上の2つのパターンです。
どちらも純チャン三色の3900点で、ラス目が仕掛けるにしては安すぎないので、自然に可能性として残ります。
上のパターンは純チャンにするなら7pのフォローは要らないですけど、面前三色になれば打点は充分なので残す理由としては充分です。

この2つのパターンが可能性としてはかなり高いと思われるので、危ないのはカン8pと9m9pのシャンポン待ちですね。

否定できる待ち

では先ほど言った否定できる待ちについてです。
仮に南家の待ちがペン3mだったとしましょう。

こんな形から2sをチーしたことになります。
これだと7pを持っている意味がないですね。
前巡に7pを切って中を持っていなければおかしいでしょう。

ペン3mが待ちになるとしたらこういう形でないといけないわけです。
ここから2sチーすれば手出しは中になります。
これならペン3m待ちでも納得です。
これらのことはカン2pやカン2mや14mの片和了りであっても同じことが言えます。

一応、他にも7pを持つ理由がないかいろいろと考えてみたんですが、例えばこんな形で123ではなく789の三色を見ていたケースがなくはないです。
しかしここから8pだけでなく、1mか1sを引いてようやく純チャン三色になるわけで、そのためだけに7pを引っ張るのは強引すぎる気がしなくもないです。
どんなにこじつけても7pを残す理由はこれくらいしか見つからないし、ペン3m、カン2m、カン2p、14mの片和了りの待ちにもなりえません。

テンパイかどうかは分からない

ここまでの考察で待ちがかなり絞り込めたことが分かったと思いますが、注意しなければならないことが1つだけあります。
それは待ちが読めているだけで今テンパイしているかどうか自体は分からないということです。
テンパイしていないこと自体は全然ありえます。

例えばですが、こんな形から2sをチーしたとしましょう。
要らないのは純チャンに必要ない7pなので7p切りとなります。
面前だったら三色があるので7p残すけど、仕掛けになると1000点になるので7pは要らないですよね。
そうすると次に8pをツモれば發切りでペン3mのテンパイとなってしまいます。
あくまで3mは今確実に通るのが分かっているだけで、1手進んだら危険牌になるわけです。
このことには注意する必要があります。
でも、今確実に通ることが分かっているだけでも充分です。
普段手出しとかあまりチェックしない人でも、その後の南家の動向は念入りにチェックしておきましょう。
安全牌もしくはペンチャンのフォロー牌で1mとかが出てきたら要注意です。

まとめ

まとめると、今テンパイしてるかどうか自体は分からないけど、刺さるとしたら8p9p9mあたりになるだろうし、打点も大体3900点だろうということです。
普通は1副露でこんなに読めることはまずないんですが、三色が絡んでいるのでまれにこういうこともあります。
三色っていうのは4面子1雀頭の5ブロックのうち、3ブロックは確定してるってことですから、残りの2ブロックを想像すればかなり限定できるんですね。
今回の場合だと7pが三色以外のブロックに絡んでるということですから、99pのトイツか79pのカンチャンブロックを持っていることは確定で、残りのブロックがどこかっていうところで、まぁ大体99mだろうってことになってきます。
役牌の仕掛けは読みにくいですが、三色の仕掛けは読みやすいので、三色っぽい鳴きを見たら注意深く待ちや打点を推理してみましょう。

ちなみに実際の手はこうでした。
三色は絡んでなかったですが、大体読みは合ってたので今回はよしとします。
意外と安かったですが、おそらく供託も込みでの仕掛けだったのでしょう。

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