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米国株長期投資3: 銘柄が多いならストップロスはいらない

どうもこんにちはたいすけです。前回に引き続き株式投資を学んでわかった基本的なことについて、まとめていきたいなと思います。株式投資と言ってもそのやりかたはいろいろです。選ぶ株の種類であったり、数であったり、投資の期間であったり。それらの違いを理解して、自分の性格にあった方法を選ぶことが大切です。なぜかと言うと、アプローチによって正解が違うからです。前々回はバリュー投資とグロース投資について、前回は投資の期間について話して来ました。

今回は投資する銘柄の数と投資のアプローチがどう関係しているか、について話したいなと思います。僕はストップ・ロスが必要かどうかも銘柄をいくつもつかと関係しているんじゃないかな、と思います。ま、これはあくまで僕の考えなので、違うと思う方はコメント欄で教えて下さい。

答えから言うと、銘柄数が多ければ多いほど投資は簡単で、少なければ少ないほど、難しくなるんだと思います。なぜ少ないと難しくなるかというと、確率に頼れなくなって、決断をしなければいけない局面が増えるからです。もうちょっと噛み砕いて説明していきたいと思います。

確率・統計は数が増えるほど正確になる 

まずこれを理解するには、株式投資につきまとう不確定要素を理解する必要があるのかなと思います。株の値動きって面白くて、必ずしも論理的に動きません。妥当な値段より高い株もあれば低い株もある。売られるべきじゃない株が、なぜか売られることもあれば、買われるべきじゃない株が買われることもある。なので、すべてを完璧に予測することは絶対にできないんです。ただ、大きな目で見ると、株というのは上がるべき株の値が上がって、下がるべき株の値段が下がるんです。「大きな目で見る」というのは、「たくさんの株の平均株価を長期に渡って観察すると」、っていう意味です。つまり、株式投資というのは確率や統計に強いととても有利です。

まずは、確率・統計は数が増えるほど正確になる、って言う点を理解しましょう。これは算数の問題です。例えば、袋の中に白い玉と赤い玉が1万個ずつ入っているとします。白い玉を引く確率も、赤い玉をひく確率も50%です。確率は50%ずつなので、2個玉を引いた場合、普通に考えたら1個が白で、1個が赤になりそうなものですよね。でもそうとは限らないんです。例えば、1回目の玉が赤だったとします。じゃ、次の玉は白でしょうか?そんなことないですよね。次に玉を弾くときも、依然として赤を引く確率は50%ですよね。なので、2回とも赤を引く確率って実は結構あるんです。数字にすると、この場合25%の確率で2回とも赤です。2回とも白の確率も25%。そして、一つが赤で一つが白になる確率が残りの50%。

このように、引く玉の数が少ない時、期待している割合と、実際に引いた時の割合が合いことがよくあります。つまり予想が外れることがよくあるんです。ただ、この引く玉の数を2個から、例えば100個に増やしたとします。すると、計算の詳細は省きますが、100個全部が赤の確率はぐっと下がって、ほぼゼロです。実際に、僕もプログラムしてランダムに引いてみましたが、45個が赤で、55個が白だったり。51個が赤で、49個が白だったりで、数が少ない時と比べるとだいぶ予想通りの50:50の割合に近くなります。扱う数が多ければ大きいほど、確率で考えた予想に近い結果になるわけです。

じゃ、話を株に戻して考えてみましょう。ある会社が順調に成長しているとします。そして、その成長が続けば株価は今後年平均で20%上がるはずだ、っていうのがわかっていたとします。でも、そういう銘柄を一つだけ買っても、今年の終わりに20%上がっていることはまずないです。これは例え、会社の売上が予想通り伸びたとしても、です。ひょっとしたらなんかのニュースで注目されて、株価は20%どころじゃなくて、40%上がっているかもしれない。逆に悪いニュースが出て暴落してマイナスになる。なんて、こともあるかもしれません。でも、この会社の売上が順調に成長しているなら、5年から10年というような長期で見れば、きっと株価は予想に近い割合で増えて行きます。そして、これをさらに予想しやすくするためには、似たような成長が見込める会社をたくさん持つことです。予想以外の成長や暴落は個々の株では起きます。でも、こっちの株は暴落した、こっちの株は跳ね上がった、みたいなかんじで、そういう不確定要素はランダムに起こるので、それらは打ち消し合って平均値は割と予想に近い値になります。それを5年から10年と長期で持てばなおさらです。なので、個別株をやるなら、一番簡単なのは、高いリターンのできる会社を20-30銘柄持つことなんです。

そして、その延長上にあるのが index 投資です。例えば S&P500に長期に渡って積立したら、アメリカの大手500企業の株を買っているようなものなので、長期で見たら年平均利率は歴史的平均の9%に近いものを期待できると思います。その中には平均を大きく下回るものあります、でも大きく上回るものもでます。そういう銘柄同士打ち消しあって、結果、平均すると当初予想されたリターン近い数字に近づくはずです。もちろん完璧にとは行きませんが、個別株を一つだけ買うよりはよっぽどリターンの計算が立ちやすくなると思います。

なぜ少ない銘柄で個別株投資をする人がいるの?

では、なんでもっと少ない銘柄数で株式投資をする人がいるんでしょうか。それは、より高いリターンを期待しての行動だと思います。何倍、何十倍、何百倍にもなるような、本当に高いリターンをできる会社ってそんなに多くありません。例えば、「この株は年末までに株価が倍になるぞ」って確信を持てる会社Aを見つけたとします。倍なのでつまり、+100%ですね。でも、「20個の銘柄に分散する」と決めていたので他にもまあまあ良さそうな銘柄を19個持つとします。でも、これらの株は期待できる株価の上昇率が10%だったとします。すると、これらの20社に分散してしまうと、A社の株価は+100% で、その他19社へ投資したお金は+10% です。すると自分の資産の成長率は(2.0 + 1.1x19)/20 = 1.145 となり14.5% の成長です。ま、年にこれだけ稼げれば悪くないです。でも、もし A社の株だけにすべてをかけていたら、資産は文字通り倍になっていたわけです。ものすごいリターンの期待できる会社が数社しかないなら、その数社だけに絞った方がリターンが大きい「可能性」があるんです。ま、当たり前ですよね。

ただ、この時点ではあるのは可能性だけです。実際にはやってみないとわかりません。で、冒頭でも話したように、株って言うのは必ずしも論理的には動きません。かなりの確率で予想と違う動きをします。先程話したように20個以上の銘柄に分散していれば、その不確定要素は打ち消し合って、全体としての成長はかなり予想しやすくなります。ただ、高いリターンを狙うあまり、数名柄しか買わなかった場合は、この不確定要素によって暴落して資産を失うリスクが常にあります。なので、数少ない株にかけている人は、常にニュースに気を配って、暴落したときとかに負けを最小限に抑えるために、stop loss をかけたり、チャートをみて他の投資家の行動を伺いながら売り買いします。だから少ない数で勝負するのは上級者向けなんです。

分散された長期投資なら stop loss はいらない 

そして、米国の成長株の場合、多くの銘柄に分散されているのなら、stop loss はいりません。たまに変なニュースで個別株の株価が暴落することってあるんですけど、それってほとんどが会社の本来の価値に影響するものではなくて、悪いニュースによって短期投資家達によって売られただけなんです。だから、長期投資家にとっては買い増す機会であって、売るべきときじゃないんです。

過去の経験では買いました方が売るよりも結果も出ることがわかりました。株を始めた時、妻と僕は別のアカウントで同じ銘柄を持っていました。僕はリスクを避けるためにstop loss をし、妻は暴落したらシンプルに買い足していました。結果妻の方がことごとく成績が良かったです。

暴落したら確かに「そのまま下がりすぎて倒産するんじゃないか」なんて不安もよぎります。でも、僕の持っている銘柄のほとんどがfool.comの stock advisor という有料のサービスで、プロが選んだ銘柄の中から選んでいるので、リスクの高すぎる株は入っていません。なので、僕の今まで持っていた株はまだ倒産したことないです。それに仮に1社倒産なんてことになったとしても、もし20-30銘柄を持っていたら中には倍以上になった株も出てくるので、結局大体打ち消し合って例え倒産したとしても、全体の平均としては予想を少し下回るくらいなんじゃないかな、と思います。

まとめ

まとめると、株は不確定要素が大きくて、一つの銘柄の株価が短期でどう動くかを完璧に予想するのはテクニカルチャートを使っても不可能だ、ということ。ただ、多くの銘柄を長期でみればその不確定要素は打ち消し合って、だいぶ予想しやすくなります。ストップロスは多くの米国の成長株に長期投資をする人には不要で、落ちた場合はファンダメンタルをチェックして問題がない場合は買い増すのが正解です。

Zeppy の井村さんみたいに、本当に株のできる人は、ファンダメンタルを見て、何倍にもなりそうな数名柄にかけて、不確定要素が発動したらすぐに売る、っていうことを繰り返しています。でも、これは心臓に悪いし、これはもはや相当な時間を費やす立派な仕事です。不労所得やあまり無理せず資産を増やしたい人には向いていません。

僕は、プロが薦める成長株を20-30銘柄買って5−10年放っておく、という方法をやっています。この方法なら、index 投資のように安心しながら、index 投資よりも高いリターンを期待することも可能です。米国株式投資をするならこの方法が一番安心でリターンが高いんじゃないかなと思います。

今日はこれでおしまいです。それではまた。


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