【LAST CHILD】世紀末のロリータゲー

物騒なキャッチコピーだが別にそういうゲームではない

製品概要

タイトル:LAST CHILD-14th NERVOUS BREAKDOWN-
開発:PIL
企画・シナリオ:ロリータ1号(田所広成)
原画:葉沼一郎
監督:田所広成
音楽:MUSE
ジャンル:ロリータSMADV

SEEKで鮮烈デビューを飾ったSMメーカーPILが送るSMロリゲー
ロリと言っても幼ではなくタイトル通り?14歳の青い果実
塗りも以前までと違い淡く絵もロリロリした人を起用

ストーリー

暑い夏、職を失った男が昼間からブルマの中学生を眺めていると謎の美少女ユカリから「LAST CHILD」という秘密クラブの会員証を渡される。
住所に従い向かった高級マンションの一室にはユリカと三人の美少女。
可愛らしいM専門の未亜
おどおど眼鏡でM専門の志乃
元気いっぱいでS専門のありす
明らかに行為に不慣れなこの三人を立派なM奴隷と女王様に仕立て上げ、
さらに用意されているというVIPコースまで堪能しよう。

ゲーム概要

やることは極シンプル
クラブへ行く→体力の限りプレイをする→帰って寝て体力回復
これをただひたすら繰り返す。
ルート分岐などはなく、調教を進めると発生する3人+ユリカとの固有イベントをすべて発生させるとクリアとなる。

あまりにも男らしい選択肢

ゲーム性は調教ゲーライクなADV。
ステータス管理などは無いが軽いプレイをこなしていくとハードなプレイが解禁されていく。
プレイ内容は充実しており鉄板の鞭や蝋燭から浣腸にアナル責めなど。
ロリ相手でも容赦はしないのは流石のPIL。
とはいえノリが軽いのであまりハードには感じない。
…というのはこちらがSの時の話。Mプレイ、特にVIPルームはエグい。
罵倒を受けた反応に引き込まれてこちらも惨めになる。
そしてこの手のゲームとしては珍しく時間制限が無い。
時限イベントも無く、何も気にせずひたすら女の子とエッチし続けられる。
クリア条件を満たすまで終わることも無いということだ。

仕様やシステム

目玉はHSS搭載!!(恥ずかしい セリフを言わせちゃう システム)
バカバカしいけどこういうのは十分キャッチー。フルボイスだしね。
最初から恥ずかしいセリフが用意されているが嫌がって喋ってくれない。
回数重ねて言わせる攻略要素であってシステムなのかは疑問。
しかし隠語でもピー音は無しと達成時の充実感はなかなか。

セーブスロットは15個とこの頃にしては多め。
しかしセーブは家に戻った時しか出来ず若干不自由。ロードは自由。
スキップ機能はあるが未読含め全スキップ+すぐ選択肢なので使いづらい。
特にセリフが細かく変化するゲームなので周回にも不便。取説にもそう書いてあるから仕方がない。

1度クリアすると進行度がメニューバーから確認できるようになり、ヒロインの攻略状況が把握できる。セリフ埋めの周回に便利かもしれない。

クリア後のおまけモードでは定番のCGとBGM鑑賞に回収した恥ずかしいセリフが聞ける他、エンドレスに罵倒され続ける「ユリカの罵倒室」がある。
CG1枚が表示され本当にずっと罵倒されるだけなので気を付けましょう。

後PILのゲームなので台詞枠とかをドラッグ&ドロップして好きな位置に配置できる。他じゃほぼ見かけないけど損が無く良い。
(winが主流になる未来を見越してそれっぽいシステムを作ったとか)

こういう配置にして立ち絵やCGを目一杯見ることが可能

CG・BGM

CGは未亜と志乃が13枚、ありすとユリカが12枚、ED1枚の合計41枚。
ED以外は全部エロCG。差分は無し。
理由は察せられるものの同社から1ヶ月後に出たRevolverの半分以下と残念。
CGそのものはハードエロスないつものPILと違い原画にロリ漫画風な人を採用し、塗りもボカした感じのブラシと大きく雰囲気を変えている。
そして消しが大きい。モザイクというより半透明の楕円シールを上から貼った感じのボカシ方だ。

BGM全10曲。MUSEによるハードロックでどれも良い。
タイトルBGMの「NUDE」を始め真夏の暑苦しさを感じさせる。
ED曲の「HOTARU HAS NO HIKARI」はしんみりしたバラードからギャリギャリしたロックアレンジに変化するのでこのゲームのEDにピッタリだった。

感想

当然抜きゲーなもののこういう絵柄なので実用性は好きかどうか次第。
上述の通りVIPルームでのユリカの責めと罵倒と受けた主人公の心境は心に来るものがあるのでだいぶドキドキさせられた。
どちらかというとM向けのゲームなんだろう。
主人公が等身大で、職を失ったから起きるのは昼間。疲れ果てて帰って来るも眠つけないのでジャックダニエルかリスロンSを飲んで寝る。
広末涼子のCDでリラックスし、村上春樹のコックサッカーブルースが好き…と、どこにでもいる疲れた男なので好感が持てるのである。
エロシーンで悪ノリするのさえ無ければ。S向けプレイが使えないのはこれなんだよなぁ…
こういうひたすらエロいことし続けるゲームなので主人公に悪印象が少ないのは大きい。抜きゲーで一番大事な点でもある。
時代を感じるもののユーモア溢れるテキスト、エロに特化した割り切った作りによるテンポの良さ、詰みが存在せず気づきがあればクリアできる難易度などとプレイしていてストレスを感じる点が少ないのも良い。
なので抜きゲーなんだけど抜けなかった、しかし面白かったという不思議な感想になる。作品の楽しみ方として正しいのかはわからない。

余談

もう20年以上も前のゲームなのでネタバレしてしまう。
EDでこの作品は仕事を失った主人公が見ていた幻覚だったという夢オチで終わるのだが、職を失った理由は憲法改正でロリ漫画が描けなくなったから。
ヒロイン達は主人公が過去描いていたロリ漫画のヒロインで、プレイ内容も主人公がかつて描いていたものだったという。
そして全てを思い出した主人公に別れを告げるヒロイン、また会おうと叫ぶ主人公…
こんなオチになったのは99年にいわゆる「児童ポルノ法」が施行されたからだと思われる。
発売年の98年にはもう成立しておりその手の情報に敏感な業界人なだけあって危機感を感じこの作品を作ったのであろう。
裏表紙に「緊急制作!!緊急発売!!」の見出しもある。
…SEEK2などの発売が遅れに遅れて資金的に不味くて急いで作ったからではないかと邪推してしまうが、実際この児ポ法成立後は各業界大変だったらしく、「1999年の紀伊國屋書店における漫画撤去問題」なんてのもある。
一見アングラなエロゲー業界自体もソフ倫による自主規制が厳しいのもあり、かなり思う所があったのかもしれない。後にインディーズでソフ倫が禁止していた実の姉妹とセックスすることができることをウリにした「実姉妹」というゲームを出したりなどの活動もしていたし。

実際はロリの火は絶えることは無く02年「コミックLO」が創刊され今も刊行され続けているが、近年起きたアマゾンから取り扱いが無くなったニュースも記憶に新しい。
風当たりが強いのは仕方ないかもしれないが規制は勘弁してもらえないだろうかね…
ユーザーが多様性を勝手に潰すのは仕方がないが、他所に潰されてしまっては新しい芽も出てこないのだから…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?