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「四半期開示や自社株買いの見直し」でなんだかなぁ トホホ、、、な日に #ゼブラ企業 と出会えた!!!

奥野一成さんがピックアップされていた記事。

ということで、四半期決算の開示はやめちゃえ、みたいな提案があるんですね。

四半期決算のために、決算とその見通し作成にアホみたいに労力、時間を投入しているのは、勤務先が上場会社なので確かに感じます。インフラがイマイチ整っていないと人海戦術が増えます。経理の部署は年に4回、かなり重い負荷が掛かっているように見えます。お疲れ様です、ホント。で、それらを踏まえてどう発信するか、今度は財務やらIRやらの皆さんが知恵を振り絞る。

投資家側はどんな数字が出てくるかの予想合戦。たくさんの人の労働と時間が投入されていますが、実際のところ、どれだけの価値が創造されているかを考えると、極めて微妙な仕組みかもしれない、四半期決算開示。そんなことを思います。

上場会社が社会の公器であるわけですから、決算発表は、ちゃんと社会に価値を届けていますよ、ってことを示す、説明する意味でとても大事。これは当然なんですけど、年に4回も必要か、というのはちょっとわかる気もします。

でも、

四半期決算内で業績を上げるというプレッシャーで多くの経営者が短期志向になってしまう

これは「ホンマ?」と思ったり。四半期決算の発表で経営者がショートターミズムに、というのは違和感あります。投資家のショートターミズム化は分かるんですけど。経営者、会社が長期的な視野を持って大胆なリスクテイクを決断できないのは四半期決算に追われているからだ、というのは違うような。むしろ在任期間中の「事勿れ主義」「大禍、大過なく終える」「ヨソとあんまり違ったことはしたくない」というマインドの方にあるのではないか、と。

自社株買いもガッツリ制限つけようじゃないか! ということも提案されているそうです。

自社株買いは会社法が商法の時代には禁止されていた。今もドイツでは禁止だ。自社株買いは資本主義の大原則に反している行為

商法・・・単位、落とした記憶が、、、、そうですね、僕が学んだ当時は禁止されていたような。

1994年(平成6)6月に、配当可能利益による取得、株式消却が解禁された。
https://kotobank.jp/word/自社株買い-4148

僕が単位を落としたのはちょうどこの頃ですわ。悪夢。

単位を落とした悪夢の科目ですので、思いっきり間違っている可能性ありますのでご注意ください。

「利益の再投資こそ資本主義の根幹」というのは、古き良き事業環境で成り立ったことだと思います。いわば「古い資本主義」です。先に述べた通り、日本の会社の多くは、長期目線に立った大胆なリスクテイクが出来ないカラダになってしまっている。そんなことして痛い目にあったら、、、辛いやん、という感じ。
自分「が」再投資するのは怖いのであれば、他の投資家にその資本を手渡すことの方が資本主義の大原則に合致しているように思います。その際に自社株買いにすれば、一株当たりの数値が良く見せられるわけで、配当よりもええやん、ってこともあると想像します。

この種の議論が存在すること自体、悪いことだとは思いませんが、その前にやっておくべきだと感じていることを一つ。

伊藤レポートのレビューってどこかでやってましたっけ?

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kigyoukaikei/pdf/itoreport.pdf

#伊藤レポート  の37ページ。この分解表をはじめて見た時、驚きました。勝手に思い込んでいたのです、日本の会社のROEがイケてないのはレバレッジが少ないからだろう、と。でも、違いました。付加価値が十分に創造できていないから、だと思い知ったわけです。

売上高利益率は、日本企業においても重要な経営指標として意識さ れており、これを高めるため付加価値向上や差別化、コストダウンに取り組んでいる が、結果として低い水準となっているのは何故か。

その要因としては、前述した持続的成長企業の競争力の源泉となる差別化やポジショ ニング、事業ポートフォリオの最適化、イノベーションやリスク・変化対応が十分でなく、過度な低価格競争を余儀なくされていることなど企業の収益力・競争力に課題 があることが挙げられる。

現預金等の多さがROE水準を引き下げている面もある。総資産に占める現預金・有価証券の割合が多いことは、国債利回りが 1%を下回る状況では ROA の引き下げ要因となる。

8年近く前にこのように指摘されていたわけですが、これがその後どうなっているかレビュー、検証されたりしているのでしょうか。そのレビューの結果、資本効率の改善を阻んでいるのが四半期開示やら自社株買いだったのだ!という事実が添えられていれば、上の提案もいくらか説得力を持つことができるような気がします。

<追記> ごめんなさい、レビューがありました!!!

https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200828011/20200828011-1.pdf
実際、2014 年と比較して、日本企業の ROE や ROA は上昇傾向にあるものの、いまだ欧米 企業と比較すると差がある(図表 1)。この間の ROE の構成要素別に見てみると、「伊藤レポ ート」では低いと指摘された売上高利益率(ROS)が近年は改善しており、ROE の向上に寄 与しているといえるが、欧米企業と比較するといまだ差がある(図表 2)。本検討会でも、 日本企業の資本効率に対する意識改革はまだ十分ではないとの指摘があり、資本コストに 関するリテラシー調査でも、日本企業は欧米企業に大きく劣後しているとの意見があった。

グラフを見ていると、売上高利益率は上向きなのに対して、効率、レバレッジは下向きに見えますね。

2021年はこんな研究会が存在しているのですね!

研究会の議論の内容が濃厚だったので記事をつくりました。

#会社が好きな投資家  の皆さんには、研究会の議事のご一読をおすすめします。

ーーーーーーー(追記 終わり)

「お金」中心の話に見えてしまうのは何故だろう?

今回の一問一答を読んでいて強く感じたのは、「お金」の話になってしまっているな、相変わらず、ということでした。

もっと「人」「働くこと」。そこを中心に考えられないものか、と。働いた時間、働く際に注入された想いや苦労、知恵やアイデア、そうしたものが無駄になることを極力避けて、最大限の効果を引き出すためにはどうしたらいいか、そういう発想が全然感じられなかった。端的に言えば、なんにも新しく感じられなかった。

なんだかなぁ、って巨大なトホホ感を、昨日、味わいました。

でも、その一方で、「おお!これや!」という出会いがありました。

きっかけはこちらのツイートでした。

ゼブラ と出会えた!!!

ゼブラ?なにそれ!?

https://www.zebrasand.co.jp/zebras

#ゼブラ企業  の特徴を示したこのスライドに!!!となりました。

こちらの記事もスゴく興味深かったです。

非合理な行動として映るというのは、あくまで短期的な利益の最大化を目的とした時の話。閉じられた地方社会で持続的にビジネスに取り組むには、信頼こそが不可欠になります。ですから、それは経済的な利益とも矛盾しない。長期で見れば、そちらの方が合理的と言えるのです。

「一見して非合理」という言葉。最近、思い起こす機会がなぜか?多いのですが、 #ストーリーとしての競争戦略  を読んだ際に、深く印象に残っていたフレーズです。この小林さんの記事で、また思い起こすことになりました。

さらに興味深いことが:

今回は、一定の目標を達成した際には、経営株主以外の株主の合意によって、会社の経営に影響を与えない範囲での自社株買いを通じた株主還元がなされるような投資スキームを採り入れることにしました。

これにより、経営者が将来のイグジットの形や成長のあり方を柔軟に選択する余地を残しつつ、投資家は投資先企業が成長した際の株主還元を担保できることになります。

また、自社株買いであれば、配当と違って、個々の株主のその時々の状況・ニーズに応じて買い取り額を調整できるため、そうした観点からも、後々の柔軟な調整が可能になります。

なんと!ここでも「自社株買い」が登場していたのです。この「自社株買い」は新しい!そう思いました。なんて言うんでしょう、「人」の血が感じられる、そんな感じ。

こうした金融を実現することが、新しい資本主義の一歩ではないか、そう強く思いました。

ゼブラ アンド カンパニーさんのWebサイトをちょこちょこと拝見していたら、noteのこの記事にたどり着きました。

「Exit to community」(以下E2C)では、会社は投資家が所有するものから、会社を最も信頼している人々に所有されるものへと移行します。ここでいう会社を最も信用している人々とは、ユーザー、労働者、顧客、参加組織、またはそのようなステークホルダーグループの組み合わせかもしれません。共同所有には、協同組合、信託、またはクリプトトークンなどのメカニズムを利用すること考えられます。Exit to communityをした結果、コミュニティが会社全体を所有することもあれば、事足りる部分だけを所有する場合もあります。

Exit to community この概念に出会うことができました。

鎌倉投信さんの #創発の莟  でも、こんなことを考えられているかもしれない。

#ゼブラ企業  これから興味をさらに高めてその動きを追いかけてみたい、そう思いました。


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