InvestorRelations #1 -セゾン投信の真摯さ-


非常に大事なポイントなのですが、虫とり小僧さんの記事を拝読して、あれ?これまで書いてないぞ!と気づきました。


私も出席させていただきましたが、セゾン投信社長の中野さんは確かに次のようにお話されました。


「これからもセゾン投信がおかしな方向に行かないよう、厳しく監視、監督し、なにかあればいつでも遠慮なく注意してください」


直販の投信会社の多くは、「運用報告会」やセミナー等で預かったお金をどう運用しているかについての説明を積極的に行なっています。その姿勢、行動はInvestorRelationsという観点で高く評価されるべきだと思います。

しかし、セゾン投信はさらに一歩進んでいます。預かったお金をどう運用しているかにとどまらず、会社としてどうあるべきか、それをブロガーの意見に耳を傾けます、という姿勢を明示しているのです。こうした場では様々な意見や要望が出されます。それに応えることは難しい場合が多いでしょう。また、手厳しい意見も出ることもあります。上記の中野さんのコメントの通り、そうした声こそ聴きたい、聴かせてほしい、という姿勢なのです。

このミーティングでは「フィデューシャリー」が大きなテーマになっていたのですが、それについて、私がその場で少しコメントしたのですが、それを素に肉付けしてみます。

国内籍の公募投信はそのほとんどが契約型となっている。監査は会計監査に限られ、投信会社の行動、業務についての監査を担うのは誰なのか。通常、投信会社自体には監査役(会)が存在するが、それはあくまで投信会社の監査を担う人であり、組織。個々の公募投信が契約通りに、かつ、適法に運営されているか否かを受益者に向けて説明されることもなければ、その説明が運用報告書に付されることもない。要は投信会社からすれば「気に入らないならどうぞ解約してください」となるのみ。


果たして、これで長く信頼される公募投信をそだてることができるのだろうか、「気に入らないならどうぞ解約してください」と居直るような投信会社ばかりになったら・・・、ということもちょっぴり考えたりしてしまいます。上記のような仕組みである以上、契約型公募投信にとって、InvestorRelationsが極めて重要なはずですが、直販とごく一部を除いて、ほとんどの投信会社の姿勢には大きな疑念を抱かざるを得ません。これは投信会社だけの問題ではありません。販売会社、そして受益者の問題です。InvestorRelationsへの積極的な姿勢を後押しすべきです。

この課題を前に今の枠組で何ができるかを考える際、セゾン投信のブロガー・ミーティングのようなものは一つの選択肢として可能性を秘めているように感じられました。長く信頼される投資信託を育てるためには、受益者との取り交わした約束、目論見を基に、投信会社によって投資信託が適切に運用されることはもちろん、同時に、投信会社自身が信頼に足る、信頼を集めるつづけられる存在であることが必須です。

一方で、契約型投資信託ではなく会社型投資法人の枠組で、企業の株式を組入れ対象にするファンドが現れるようなことも出て来るかもしれないな、というような妄想も浮かんできます。


ステキな投資信託をそだてましょう!ということでは、InvestorRelationsが非常に重要な要素ですので、一歩進んだ取組や可能性を感じた際にはここに書き留めるようにします。


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