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連句旅「郡上八幡2泊3日」の巻#2 〜連句フェスタ宗祇水とは〜

前回の投稿では連句フェスタ宗祇水の1日の流れについて書きました。

連句フェスタ宗祇水についてよくわかっていないままで参加した私でしたが、旅をしていく中で見えてきたことが沢山ありました。
ここでは連句フェスタ宗祇水っていったいどのようなイベントなのか?
基本的な情報を元に紐解いていこうと思います。



まず宗祇水とは何なのか?

文明3年(1471年)に連歌師宗祇が郡上の領主である東常縁から古今伝授の奥義についての講義を受け、京へ戻るとき、師弟の2人が歌を詠み交わしたという謂れがこの泉のほとりにあることから宗祇水と呼ばれています。
昔は飲み水や生活用水としても使われていたもので、名水百選の第一号に指定されています。
水の町郡上八幡のシンボル的存在。

暑い夏の日差しの中、宗祇水に降りるとそこだけ空気がひんやりとしている
郡上八幡の観光名所になっています


宗祇水


古今伝授や東氏については郡上八幡博覧館に詳しい展示がありました。
郡上おどりや町の歴史についても学べるので、郡上八幡ビギナーにはおすすめのスポットです。

郡上八幡博覧館に居た宗祇と東常縁

郡上八幡博覧館


宗祇について

室町時代の連歌師。
連歌の宗匠として全国の大名家を渡り歩き、その一生は旅の連続でした。旅の詩人として松尾芭蕉にも大変影響を与えたといわれています。
芭蕉の更に大先輩という感じなので、私のような連句人からするともう大大大先輩という感じです。


連句フェスタ宗祇水とは


もともとは奥美濃連句会の有志が集まって、昭和五十年から宗祇水神祭に俳諧之連歌を奉納しようということになり、半歌仙を奉納していた。
時に県外からのゲストも交えてこの奉納が続けられる中で「日本中の連句に志のある人々に呼びかけるようにしていったらどうか」ということになり、昭和六十二年の夏から連句フェスタ宗祇水となった。
とのことです。
『緑湧抄Ⅱ』より一部抜粋しました。

『緑湧抄』は連句フェスタ宗祇水の奉納歌仙集。こちらは平成二十二年発行の第二号です。


宗祇水神祭について

宗祇水の祠で行われるお祭り。
郡上おどりの日程にも入っていて、毎年8月20日に行われています。
連句フェスタ宗祇水で巻かれた歌仙はこの日に奉納され、1年間宗祇水のたもとに掲示されます。



郡上八幡の歴史や文化、それを受け継いでいく人々の営みの中で連句フェスタ宗祇水が始まり、毎年続けられているという印象を受けました。
それを文献を読むだけではなく、旅をすることで全身で感じられたことが自分にとっては大きな体験でした。
郡上おどりや郡上八幡の街のことについては、また次回以降でお届けしたいと思います。

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