乃木坂旅2023夏 @明治神宮野球場DAY1

最大。最速。最青。最高。

「入場」

 御茶ノ水駅から電車で10分。開演2時間前の16時ごろ、ついに信濃町駅に到着した。改札を出たら明らかに午前中より人が増えてて、いよいよライブが目前に迫ってるのを実感した。ワクワクしながら、人で溢れかえる物販エリアの横を通って明治神宮野球場に向かう。DAY1の連番相手はふうたやったから、アリーナに入っていくあつしとりゅうのすけとは別れて、それぞれ会場に入った。実はおれとふうたは別の意味でドキドキしながら入場したんやけど、それは内緒のお話。
 階段を登って、通路を抜けたら、ステージやら人やら座席やら、会場全体が視界いっぱいに飛び込んできた。やっぱりあの瞬間の高揚感は何回経験してもたまらん。特に神宮は特別テンションがあがる。
「ついにきたな!」
「やっぱ神宮はええっすね。」
「おれらのせきどこやろ。このへんか。」
「いや、もっとあっちやわ。」
ってまあ興奮しながらうろうろして、自分らの席を見つけてとりあえず座った。DAY1の座席は、レフト側のステージバック席との境目。ちょうどメインステージを真横から見るような感じ。レフトポールと被ってちょっと見にくい部分もあったけど、思ったよりステージが近くて全然良い席。ありがとう、礼儀正しい男、首藤。
 それから荷物の整理とかしてたら、あつしたちが来た。
「開演までまだ時間あるんで、座席ツアー行きません?」
ってことで、この4日間で座る席の下見をして回ることにした。神宮はドームと違ってスタンドからアリーナにしれっと入れるから、4日間で座る全部の席からの景色を楽しめた。この座席ツアーをして思ったことは、この夏の引き良すぎんか?ってこと。ほんまに良席、いや神席が多い。客観的にも、結果的にも。おれらの神宮に対する熱量がちょっとは運営に伝わったんかもしれん。いや、日頃の行いか。それはないか。
 座席ツアーを満喫し終えて、あつしとりゅうのすけはアリーナ、おれとふうたは仕方なくスタンドの自席に戻った。「地方公演とどこが変わるんやろ」とか「影ナレ誰やろな」とか話しながら、外周トロッコのワンチャンに賭けて、スケッチブックを作ってたら、隣の空席におじさんと若い女性の二人組がきた。「この二人で乃木坂のライブ来るってどういう関係性なんやろ。」って考えてたら、「えー?本当にいいんですか?」「いいよいいよ。遠慮せず飲んでね。」とか言う会話が聞こえてきた。なんやろって思ってチラッと横を見たら、紫色やのにレモン味とかいう800円もする乃木坂コラボドリンクをおじさんが2つ持ってるのが見えた。さっき売店の前通った時買うか迷ったけど高すぎてやめたやつや。あれで800円はやりすぎやわ。まあ買ってる人は結構おったけど。そんな歪な二人組の会話をBGMにしながら、隣でおれはスケッチブックにでかでかと書かれた"蓮加"の文字を黄色で塗りつぶしてた。


「猛者集結」

 スケッチブックよし。サイリウムよし。双眼鏡よし。タオルよし。ライブの準備を完璧に整えてそわそわしながら待ってたら、
「本日は、乃木坂46、真夏の…..」ってメンバーの声が聞こえてきて、ついに影ナレが始まった。影ナレ恒例の「はーい!」の時点でもうわかる。会場の熱気と声量がえぐい。やっぱり聖地神宮は別格。特にすぐ左側のステージバック席。あの人数からは考えられんくらいものすごい声量出てる。さすがに金曜の夜にステージバックで参戦する奴らのモチベはえげつない。
 会場のボルテージが高まる中BGMが大きくなって照明が消えた。今年はマンガっぽいテイストで緊張するなぎの映像からスタート。そして最後に、 〜史上初の4日間が始まる〜 の文字。
ふぅ〜!痺れるねぇ!待ち侘びたこの瞬間!
そこからovertureが流れ出していきなり会場のボルテージはMAX。overtureだけで毎回酸欠になりそうになる。でもそこから夏曲メドレーが5曲も続いて休んでる暇はない。最後まで喉もたんてこんなん。でもやばいくらい夏を感じる最高の瞬間。
 その後MCの間にちょっと休んで、皆さんお待ちかねのユニットコーナー。この年のユニットコーナー前の映像結構好きやったな。えんさくがクーラーガンガンの部屋でゲームするとことか記憶に残ってるんじゃない?行った人は。でも1日目は、なぎの映像から"私、起きる"、"ハウス!"、"オフショアガール"の3曲。ふうたはこの田村センターのオフショアガールを、この夏の中でも上位に食い込むくらい気に入ってたみたい。
 そこからもういきなりトロッコゾーンが始まった。トロッコゾーンの一曲目といえば満場一致でこの曲。"空扉"。あのイントロと、フロートに乗ってステージバックから現れるうめの煽りがたまらんのよ。「トロッコ来るぞ!」って体が細胞レベルで反応してる。そこから"他人のそら似"、"君に叱られた"と続いて3曲たっぷりトロッコゾーン楽しんだあとは、"僕は僕を好きになる"。陽が沈んで暗くなった神宮で、僕僕のあの綺麗なメロディーが心地いい。美月にとって最後の全ツやったと思うとこれまたエモい。映像化してくれんかな。その次は"夜明け"。野外の夜明けはやっぱり映える。朝聞いた夜明けとはまた違う表情を見せてくる。でもまあ夜明はなんと言っても"ささげ"。落ちサビの静かさと夜に映えるサイリウムがなんとも素晴らしい。んで次に来たのが、"踏んでしまった"。これが最初は聞いたことない曲やったけど、のちのちこの夏のMIP候補にまで上り詰める良曲。サビのコールが世界一早い。でもステージバックの猛者たちは2回目からコール合わせてきてた。まじですごいあの人たち。アンダーゾーンで次に来たのは"錆びコン"。この2曲のチョイスは強い。会場一面の黄色と、「ヘイ!」の爆発音みたいな声量。あの錆びコンのヘイは気持ち良すぎて忘れられん。次は、お待たせしました"Hard to say"。この人差し指ダンスと松尾のバブリーパートはクセになる。これ以来、定期的に聴きたくなってはあつしと踊ってる。
 ここまで終わってちょっと間が空いたから、
「この流れ、滑り台あるんちゃいます。」
「俺もそれ思ったわ。あるぞこれ。」
とかってふうたと話して期待してたら、ナレーションが入って、突然野球チームの紹介が始まった。なにこれ。全く滑り台と違うやん。最初に久保が登場して、各球団のユニフォームを着たメンバーが一人一人紹介されていく。あーなるほど "Never say never"か。まあこれはこれで良かった。楽しかったし。デスターシャ。
 Never say neverが終わった後、しんとした空気になって、れのが喋り出した。なにが来るんやろって思ってたら、"シンクロニシティ"。しかもキャンプファイヤーver。いや今年はキャンドルタワーver。この2年続いてる神宮のこのパートがめっちゃ好きで、特に前の年の"泣いたっていいじゃないか"は素晴らしかったな。神宮の夜風を浴びながら、オレンジ色に照らされたステージを見つめてしんみり曲に聴き入る時間。夏の神宮にはこれを聞きに行ってるまである。そしてこのパート2曲目が"誰かの肩"。この曲聴いたらマジで神宮のあの景色を思い出す。なぎの「次の曲は、ぜひペンライトを消して聞いてくださると嬉しいです。」とサイリウム消してキャンドルの灯りだけの神宮。あぁ毎年見たい。
 エモい演出ゾーンが終わってここからは、怒涛の後半戦に続く期別ゾーンが始まる。そしてついにあの曲が..…。

「ぽー」

 誰かの肩が終わって「いや〜、やっぱりこのゾーンはええなぁ。」って一方的にふうたに話しかけてたら5期生が登場した。でも曲は始まってない。「ん?なんやなんや?」ってモニター見たら、めっちゃ緊張した冨里がセンターに立ってた。"考えないようにする"初披露。詰まりながら一生懸命曲フリする冨里に対して、冨里推したちの「がんばれー!」が会場中のあっちこっちから聞こえてた。でも申し訳ないけどこの曲の見せ場は、アルノの「付き合ってるて、知らなかった、親友の彼と私たちと」。ここ。まあそれは一個人の意見やから置いといて、次に"キスの手裏剣"が始まった。この辺りから、このパートが期別ブロックなことに気づいて、おれはソワソワし出してた。「考えないようにするやったってことは、地方公演でやってない期別曲の可能性あるよな。ぽーあるぞこれ!」って考えて、キスの手裏剣は上の空で聴いてた。キスの手裏剣が終わって一拍空いた後、待ちに待ったあの曲のイントロが聞こえてきた。
「ぽ〜〜…..」
三期生がセンステの真ん中からせりあがってきて、センターにはもちろん我が推し、蓮加。
「じ〜んぐう〜、盛り上がっていっくぞぉ〜!」
蓮加おなじみの煽りから始まるトキトキメキメキで、もうこっちは脳汁ドバドバ。お祭り騒ぎ。もちろんイントロへの反応は会場最速。あぁ〜、たまらん。神宮最高。蓮加最高。トキトキメキメキの何がええって、シンプルに会場めっちゃ盛り上がるとこ。推しセンターの曲で会場が盛り上がるとこっちまで嬉しくなる。そうやって盛り上がってたら、間奏で蓮加二回目の煽り。
「お前ら〜、楽しんでるかぁー!」
「イェーイ!!」
「三期生のこと、すきかぁー!」
「イェーイ!!!」
「もっともっと、さ・わ・げ・るかぁー!」
「イェーイ!!!!」
「足りないぞ!騒げるか!!」
「イェーイ!!!!!」
「最後まで全力で楽しんで、いくぞぉー!」
この煽りは丸々耳に焼き付いてる。ありがとうございます。って、いつまでもぽー聞けた喜びではしゃいでたら、横でふうたが、
「"設定温度"来てるっすよ。」って。
「あれ、ほんまやん。設定温度やん!」
はしゃぎすぎてて、イントロ始まってちょっとしてから、やっと次の曲が設定温度であることに気づいた。おれの大好きな曲二連続。セトリ組んだ人天才かよ。って時差ありで静かに大興奮した。設定温度は夏の夜にぴったりで、さっきまでの興奮を静かにクールダウンさせてくれる感じ。でも期ごとの色とか繋がりとか内に秘めた熱さを強く感じれて、ほんまに大好きな一曲。
 その次は、"ごめフィン"、"Actually…"のカッコいい曲ゾーン。やっぱりえんさくセンターのライブ映えはすごいし、会場が真っ赤になる曲はテンション上がって好き。Actuallyのアルノの叫びは毎回凄みを増してるし、この夏は、そこにちょっと余裕も出てきて、圧巻やった。それと、Actuallyはイントロ始まった時の会場の異様なざわつきというか、アルノの叫びで一気に爆発させるまで、会場全体で熱量を押し殺したような独特な空気感がゾクゾクして好き。
 Actually終わりの煙幕にメインステージが包まれるなか、青い照明とともに"逃げ水"が始まった。センターは与田と蓮加。はい、ありがとう。実は、トキトキメキメキもそうやけど、蓮加センター曲のコールだけは、おれが会場を引っ張るっていう謎の使命感があって、逃げ水のコールは、ばかでかい声で「はいっ、せーの!!」を言うことに決めてるし、出来るだけ間奏も「ウー!」をやるようにしてる。サビ前の、静寂推しの名前叫びゾーンでは、みんなが「蓮加ー!」とかって叫んでるなか、おれは、
「れーーーーーーーーーーーーーーーーーーん、かーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
って超引き伸ばした一回を言うことで、オリジナリティを出してみた。それを見てふうたは横で、「なにしとんこいつ。」みたいな顔でびっくりしながら爆笑してた。側から見たら恥ずかしいやつみたい。そんなふうたも、次の"バンドエイド"の時は、イントロ始まった瞬間からあほみたいにでかい声出して騒いだったけど。まあみんな推しのセンター曲ってそんなもん。バンドエイドが終わったら、ちぎれそうな喉に追い打ちをかけるように"I see…"が始まった。ほんまに喉から血出るんちゃうかと思いながら、「もったいない!!」って言ってたら、会場中からかつてないくらいでかい「もったいない!!」が聞こえてきて、流石に鳥肌たった。やっぱりI seeは声の揃い方がすごいし、かっきーの煽りは何回やっても楽しい。
 ここまで逃げ水、バンドエイド、アイシーと散々コール曲を楽しんだあとに、急に曲調が変わって、"僕が手を叩く方へ"。この曲は神宮には欠かせへんよな。三カスの俺らにとっても。ラスサビ前のBGMが消えて会場中のクラップとメンバーの歌声だけが響く空間は、会場の数万人が1つになる感覚があって、まさに至高。いろんな苦楽を共にしてきた三期生が感極まりながらこれ歌ってるの見たら、こっちまで泣きそうになる。三風とか思い出ファーストとか三期にとって大事な曲ってあるけど、この曲はなんか三期生のこれまでの集大成って感じがする。まあ何が言いたいかって、やっぱり三期しか勝たんってこと。
 ぼくたたがおわったら、なぎのMCをはさんで最後の曲フリ。耳にタコができるくらい聞いたこのセリフ。

「今日!この中に、おひとりさまはいるかぁー!おひとりさまも、そうじゃない人も、この曲で一緒に盛り上がっていきましょう!"おひとりさま天国"!!」

まあ、色々記憶に残ってる曲はあったけど、この年のツアーを象徴する曲は、やっぱりおひとりさま天国やわ。楽しかったナ。そういやday0この曲から始まったナ。もう振り回されないよ!の前らへんワクワクしたナ。花火も綺麗やったナ。
ナナナ ナナナ ナナナ
ナナナ ナナナ ナナナッナ
ナナナ ナナナ ナナナ 天国だ。

もちろんアンコールも、"スカイダイビング"、"あらロマ"、"僕だけの光"、"人は夢を二度見る"と豪華ラインナップでめちゃくちゃ楽しんで、コール過去最大規模のDAY1公演が終了した。


「青と肉」

 終始、過去最大声量のコールが響いてた熱いライブが終わって、余韻に浸ってたら、あつしとりゅうのすけが近くにきた。
「黒5の予約あるんで急ぎましょ。」
ライブ後のお楽しみである焼肉黒5の予約があるから急ごうってことで、4人で千駄ヶ谷駅に向かって足早に歩き出した。千駄ヶ谷駅に向かう途中はいつも通り誰もライブの話をしない。これは、ライブ終わりの飲みで乾杯するまでは、ライブの感想については語らないっていうジュジュ乃木坂部暗黙のルールがあるから。いつから出来たんかわからへんけど、なんか暗黙のルールになった。誰かが言いたいことがありすぎて、ちょっと話し出したら、
「まあまあ、乾杯するまで取っとこ。」
って止めるのがよく見る光景。
 そんなこんなで、みんな話したい気持ちを我慢しながら、乃木オタで溢れる電車に乗り込んで、池袋まで移動した。池袋で降りて、黒5まで歩いてる途中、横断歩道で信号待ちをしてたら、目の前の青い髪の人の背中をあつしが急に蹴り出した。ライブで興奮しすぎて頭おかしなったんかと思ったら、青い髪のやつがへらへらしながら、
「びっくりした〜あつしかよ、急に蹴んなよ。」
って普通にあつしと話し出した。どうやらその青い髪のやつが、黒5で合流する予定やったあつしの地元の友達、"山田" らしい。正直会った瞬間、変なやつきたなぁって思ったわ。そらそうやろ。青い髪のやつなんて、知り合いにおったことないもん。かと思ったら黒5の前で、
「これ、博多土産です。」
とか言ってみんなにとおりもん配り始めた。この見た目でええやつなん。変な奴。でもこの山田とは最終日に兄弟になるわけやけど、それはまた後で。
 山田がとおりもん配ってたらちょうど予約の時間になって、店内に入った。普段行く居酒屋とは違って綺麗で落ち着いた店内。しかも店員さんが焼いてくれるタイプのお店。一品一品説明しながら出してくれるんやけど、これがまあ全部うまい。冗談抜きで今まで食べた焼肉の中で一番美味しかったと思う。初日くらい贅沢しましょってことで見つけてきた黒5。まじで大当たり。またいつか食べに行きたい。ただ一つだけ難点は、店員さんが焼きにきてくれるせいで、ライブの話が毎回中断されるってとこ。まあコースの間とかでは話せるし、なんせ美味しすぎるからえんやけど。
 お互い1日目の感想とか、明日の曲の予想とか思う存分話して、満足して店を出た後、近くのドンキでペンと電池を買って、山田とはそこで別れた。2日目は山田もライブを観た後、りゅうのすけと入れ替わりで同じアパホテルに泊まるらしい。おれら4人は、またアパホテル板橋駅前に帰ってきて、ホテルのミラーリング機能を使って余韻を楽しんだ後、眠りにつき、激動のday1が幕を閉じた。


DAY1(完)

次回:「馬と耳に名曲」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?