黒Gの悲劇#11 シーン4:体育館ではっけん!

 シーン3は、回想のシーンなどもあって、観る側も大変なはずなのだが、1年生たちは集中力をより高めて、笑ったりツッコミを入れたり、舞台上の子ども達の動きに合わせて体を揺すったりしながら、実に楽しそうに鑑賞している。

 いよいよ、次のパクパクルームでの騒動で、ラストシーンである。

シーン4:パクパクルームではっけん!

(パクパクルーム。チョイチョイ星人Cチーム、小学生たち、先生たちもいる)

チョイアツ「『いいにおい。ぱくぱくむしゃむしゃするところ。』・・チョイか」

ゆずか「うーん。きゅうしょくを食べるところだと思ってんけどな〜」

あーちゃん「でも、教室にはなかったチョイ」

ナーちゃん「6年生のへやまで行ったチョイ」

(「お兄さんお姉さん、おもしろくってかっこよかったチョイねー」などと、ほかの学年のかんそうを話していると・・・)

チョイアツ「ところで・・ここは、いったいなんのへやなんだチョイ?」

ゆず「パクパクルームやで」

チョイアツ「パクパクルーム?どんなへやなんだチョイ?」

小学生たち「(パクパクルームのせつめいをする)」

チョイアツ「なるほど〜」

ひよ「はらがへってはいくさはできぬ!っていうやん」

ゆず「ごはんたべてから、またチョイボールさがそ」

チョイアツ「それとにたことわざが、チョイチョイ星にもあるチョイ」

かいムート「チョイボールがなければ、うちゅうせんはとばない!」

チョイたち「チョーイ(元気がなくなる)」

チョイアツ「このまま、このままチョイチョイ星にもどれなかったら・・・」

リョウタ「みんなきっとしんぱいしているチョイ・・・・」

チョイたち「チョーイ」

ひよ「牛乳でも飲んで、元気をだして」

(チョイチョイ星人たち牛乳をのもうとするが、元気がない)

いとうくん「のむ元気もないチョーイ」

ゆっち「しかたないなあ・・ストロー出しであげて」

(ストローを出そうとすると・・・、何かポロっと落っこちた!)

小学生たち「あれ?これ・・」

チョイアツ「あああ!これは・・・チョイボール、はっけんだチョーイ!」

チョイたち「チョーイ!(元気になる)みんなーあったチョーイ(まどのそとに)」

(チョイチョイ星人たち、でてきておおさわぎ)

(かー先生、でてくる)

かー「こら!パクパクルームではしりまわらない!」

(みんなあわててせきにつく)

小学生1「みなさん、せきについてください」

小学生2「今日のきゅうしょくは、 (いつものきゅうしょくのあいさつをする)」

小学生3「(いただきますのあいさつをしようとすると・・・)」

ドリームワールドのせい「まってくれーい!わしらも食べるぞーい」

小学生1〜3「(いただきますのあいさつをする)」

ぜんいん「いただきます!」

                           シーン4おわり

 黒GとN田が子ども達の両脇に立った。

黒G「では、整列。見てくれた1年生のみなさんに、ご挨拶しましょう。一堂、礼!」

 3列に並んだ2年生がお辞儀すると、体操座りの1年生から、拍手がわき起こった。上演を終えた2年生は、やり切った表情、なんとも言えない誇らしげな表情、いろいろ晴れやかな顔を見せている。

黒G「最後までちゃーんと見ていただいて、ありがとうございました。じゃあ、ちょっと乾燥を聞こうかな?」

 なかなか手が挙げづらいだろうと、まず1人を黒Gが当てると、「先生が面白かった」とのコメント。これを皮切りに、数人の子が手を挙げてくれた。「学校のことがよくわかった」、「チョイボールが見つかって良かった」、「自分たちもそんなのやってみたい」と意見が出てくると、2年生達はさらに気恥ずかしくて誇らしいという表情を見せる。「声が大きくて、さすが2年生だと思った」という意見には、一層うれしそうな表情が弾けた。

 感想タイムの司会進行をしながら黒Gは、良い作品が出来たという芸術家としての充実感と、子ども達に良い体験をしてもらえたかな、という安堵感を、こっそりと噛みしめているのだった。

 明日も、苦手な早起きをして、よその小学校の現場である。



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