黒Gの悲劇#10 上級生の威厳を示す!!

 ◇1年生たちを目の前にして

 すでに、衣装に着替えている黒GとN田を目の前にした1年生の子ども達は、かなりよそ行きの様相である。演劇というのは、観る側にも一定の緊張を強いるのが特徴であり、ましてや1年生からしてみれば、生まれてこの方こんな至近距離でこんな危険そうな大人を見たことが無い子が大半だろう。

 あいさつもそこそこに、まずはワークショップ初日と同じように、黒GとN田が廊下に控える。音楽がかかり、黒GとN田が飛び込んで来た!

2人「チョーイチョイチョイチョイチョイチョーイチョイチョイチョイチョイ。」

 すでに、大半の1年生達は笑っている。2年生が、3週間に渡って取り組んだ「チョイチョイ星人がやってきた!〜なぞのばしょをさがせ!〜」は、シーン1はゲネプロよりも上々の出来で、伸び伸びと演じきった。T小学校の中のそれぞれの場所でチョイボールを探す珍騒動は、舞台を「ドリームワールド」に移して、軽快なテンポで続いていく。

シーン2:ドリームワールドにて

(小学生ミー、イーチャン、まっちゃん、ドリームワールドであそんでいる)

(そこへ、こそこそチョイチョイ星人たちがやってくる)

チョイアツ「これが、ドリームワールドチョイか?みんな、たのしそうだチョイ・・・あれ?山の中に入っていったチョイ!いったいどうなっているんだチョイ?」

アビくん「しらべるチョイ!」

チョイアツ「なるほど、トンネルになっているチョイね・・・」

ミー「なにしてるん?」

チョイたち「わ!」

チョイアツ「チョイたちは、けっして、あやしいものではないんだチョイ」

リン「チョイボールをさがしている、純粋な宇宙人なんだチョイ」

小学生たち「へー。」

あっち「ところで、このおおきなキノコはなんだチョイ?」

イーチャン「あ、ひょっとしたらこの中に先生がしまったのかも・・・」

まっちゃん「カギあけてもらお〜」

(小学生たち、ヨッシー先生とゆっち先生をつれてくる)

ミー「先生、こっちこっち。ここの、カギをあけてください」

(カギをあけると・・・)

♪音楽がなる

(ドリームワールドのせい、とうじょう)

こうちゃん「おぬしのさがしもとめるものは・・・」

あかちゃん「ここにある!(まきものをかざす)」

こうちゃん「よむぞい」

あかちゃん「よむぞい」

I先生「よむぞい。まず、ふたつとも、たてもののなかにある!そして」

ゆっち「あの〜あなたたち、どこからきたんですか?!」

ヨッシー「まずは、しょくいんしつに来ていただかないとこまるんですが・・・」

ドリームワールドのせい「わはははは。それでは、あとは自分でさがすのじゃーわははははは(たいじょうする)」

ヨッシー「ちょっと、まちなさーい!」

(先生たち、おいかける)

チョイアツ「(まきものをひろって)おお!」

とあっち「なんて書いてあるか、わからないチョイ」

みんな「ずこ!」

ミー「えーっと。『みんながとびばこをするところ。』」

イーチャン「『いいにおい。ぱくぱくむしゃむしゃするところ。』」

まっちゃん「『ただし、こくばんはない』」

たっちゃん「よし、これをみんなに知らせるチョイ!」

(チョイチョイ星人たち、たいじょうする)

(小学生たちも、おいかける)

                                                 シーン2おわり

 シーン2は、I先生が一番受けていた。どこの学校でも何年生でもそうだが、先生に変てこな役をやってもらうと、それはそれは子ども達は大喜びである。

 シーン3、舞台は体育館へと移る。

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